宇宙ビジネス展の概要
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が、株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話を、ながら劇する感覚で一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の古田です。
おはようございます。インターン生の青木です。
青木さん、最近本当に暑い日が続いていますが、夏休みはいかがでしたか?
本当に暑いですよね。でも先日、東京ビッグサイトで開催された宇宙ビジネス展に行ってきたんですよ。
スペクタ2025っていうイベントなんですけど。
初めて聞きました。宇宙ビジネス展ですか。それは興味深いです。
宇宙って聞くと、まだまだ遠い未来の話っていうイメージがあって、それは実際どうでしたか?
それが全然違ったんです。もう完全にビジネスとして動き出していて、
政府とか大企業だけじゃなくて、スタートアップや大学の研究機関もどんどん参入していました。
そうなんですね。驚きです。投資の観点からも気になるところありそうですね。
今日はその辺りを詳しく聞かせてください。
はい。それでは今日は先日開催されたスペクサ2025の現地レポートをお届けしたいと思います。
まず会場の規模感なんですけど、なんと180社を超える企業や団体が出展していて、
宇宙ビジネスに関する講演会も40回以上行われていたんです。
180社って相当な規模感ですよね。結構大規模で。
っていうとどんな企業が参加していたんですか?
それが本当に多岐にわたっていて、ロケット打ち上げや衛星運用はもちろんのこと、
衛星データの活用まで宇宙に関するビジネスのあらゆる分野の企業が集まっていました。
特に印象的だったのが、8月に上場予定のアクセルスペース、証券コード402AのCEO、中村さんの講演だったんです。
アクセルスペースですか。確か小型衛星のコンステレーション事業をやっている会社ですよね。
上場するということで投資家の注目も集まっているはずですよね。
そうなんですよ。中村さんが語っていたビジョンがすごい印象的で、
宇宙をもっと当たり前の存在にすることとおっしゃっていたんです。
かつて国家プロジェクト級だった衛星の打ち上げが、今では年4回の定期打ち上げを契約できるまでに身近になっています。
そんなに定期的に打ち上げを行っているんですね。実際にアクセルスペースはどんな事業をやっているんですか?
すでに11基の衛星を運用していて、アマゾンの違法伐採の検知や貨物船の自動検知なんかに衛星画像を活用しているんです。
これってもう完全に実用化されているってことですよね。
それはすごいですね。それでは公演ではどういう話ができたんですか?
まず宇宙開発における大きなゲームチェンジとして2つのポイントが紹介されました。
1つ目が官から民への流れ。国家機関主導の研究開発に加えて、ベンチャー企業など民間主導の技術成果を政府が取り入れる動きが進んでいるんです。
なるほど。従来の官主導から民間主導への転換ですね。
そうです。そして2つ目が大から小へ。衛星の小型化によるコストの大幅な低下です。
これによって日本でも小型衛星を手掛ける中小企業や大学初のスタートアップが増えてきているんです。
なるほど。コスト面での参入障壁が下がったということですよね。でも課題もありそうですが。
はい。そこも公演で言及されていました。特に宇宙関連製品の大量生産の難しさです。
需要が少ない分作っても儲からずに撤退する企業も少なくないとのこと。
その課題に対して中村さんは既存の地上用製品を改良して宇宙で活用するアプローチを提案していました。
政府の支援と保険の重要性
なるほど。ゼロから作るんじゃなくて既存技術の応用ということですよね。
はい。製造側は地上のものよりちょっとレベルアップしたものを作る。利用側は要求水準を下げることで双方が折り合いをつけることの重要性を強調されていました。
これって実はビジネス全般に言えることかもしれませんね。
確かに。完璧を求めすぎると衛星を作るのに莫大なコストがかかってしまうということですよね。政府の支援とかはどうなんでしょうか。
日本政府も宇宙産業を次世代の機関産業と位置付けて関連予算を10年で3倍に拡充するなど本格的な支援に乗り出しているんです。
東京大学の中塚教授は民間事業がすぐには立ち上がらない以上、政府による長期契約や支援が今後の成長にも不可欠で強調されていました。
政府の後押しがあるというのは投資家にとっても安心材料ですね。展示ブースはどんな感じでしたか。
これが本当に驚いたんですけど、東京会場証券コード8766や三井住友会場証券コード8725といった損害保険会社が出展していたんです。
保険会社が宇宙と関係あるんですか。
最初に僕も同じことを思いました。でも実は宇宙保険という新たな市場の拡大に備えて各社の競争が始まっているんです。
火災保険や自動車保険と同じように宇宙にもリスクはつきますので、ロケットの打ち上げや衛星の故障、通信トラブル、月面探査中の危機の破損など多種多様なリスクが存在しているんです。
なるほど。新しいビジネスが生まれれば、それに伴うリスクをカバーする保険も必要になるということですよね。
そうなんです。水井住友会場は民間で初めて月面着陸に挑んだiSPACE証券コード9348と共同で月保険を世界で初めて開発したんです。
ロケットの打ち上げから月面着陸、さらには探査機が送るデータに異常があった場合までをカバーする完全オーダーメイドの保険です。
宇宙のビジネス領域の拡大
月保険、めっちゃ面白いですね。いろんな保険があるんですね。でも確かに宇宙企業にとって失敗はつきものだから、そういう保険があると調整しやすくなるなぁとは思います。
まさにその通りです。宇宙産業の発展の裏には、こうした目には見えない円の下の力持ちの存在があったんです。
今後、宇宙旅行などがより一般的になっていく中で、この宇宙保険の市場もますます拡大していくはずです。
大企業の参加状況はどうでしたか?
富士通証券コード6702やIHI証券コード7013、NEC証券コード6701など、日本を代表する大企業もそれぞれブースを構えて、宇宙分野へ事業領域を拡大している姿が印象的でした。
特に富士通は、1960年代から宇宙事業に取り組んでいて、ハヤブサやハヤブサ2などの探査機の軌道計算を担って、ミッションの成功を支えてきたんです。
1960年代、すごいですね。親世代ぐらいですかね。歴史のある企業が長年培った技術を宇宙分野に生かしているっていうことですね。
そうです。最近ではスペースデブリ、つまり宇宙ゴミの軌道を計算する解析システムを構築して、宇宙の交通管理に貢献しているんです。これって将来的にはすごく重要な分野になりそうですよね。
確かに。宇宙開発が活発になればなるほど、交通整理が必要になってきますからね。
今回の展示会を通じて、宇宙には本当に多くの可能性が眠っていると実感しました。特に印象的だったのが、宇宙×○○という形で、宇宙が他の分野と繋がり始めているということです。
宇宙×○○というのは具体的にはどういうのがありますか?
農業や金融、エンタメ、医療など様々な業界と宇宙分野が組み合わさることで、新たな価値やビジネスの可能性が生まれているんです。
実際イベントに参加されている方は、IT企業の方に留まらず、運輸、製造、卸売、観光庁など様々な業種の方が参加されていました。
それは幅広いですね。
体感では、IT企業より製造業や観光庁の方が多かったのが驚きでした。
それだけ宇宙ビジネスが様々な分野に広がっているということの証拠だと思います。
投資の観点から見ても、宇宙関連銘柄はこれから注目度が高まりそうですね。アクセルスペースの上場も控えていますし。
そうですね。今後の宇宙ビジネスの成長拡大には目が離せません。
宇宙がもう夢の話じゃなくて、現実のビジネスとして着実に成長していることを肌で感じることができました。
素晴らしいレポートでした。ありがとうございました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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