銀行業界の基本
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習
この番組では、インターン生2人が、株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話を、ながら劇する感覚で一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の古田です。
おはようございます。インターン生の斉藤です。
今日もまた突然の話題なんですが、私、今、お財布にお金入ってなくて
1円も
そんなことあります。
お財布にお金入ってないと、いくらキャッシュレスな時代から不安になりませんか?
不安ですね。
そうなんですよね。
不安だから、昨日、ATMでお金を下ろそうと思って行ったんですけど、
昨日、日曜日だったんで、手数料110円取られるってことで、なかなか諦めました。
確かに、それなら諦めちゃう気持ちも分かりますよね。
なんだかんだ銀行の手数料って結構高いですよね。
1回あたりが100円程度だとはいえ、やっぱり一律もというか、
あとはこれから年末年始もあって、やっぱり手数料かかる時間帯が増えてきちゃいますもんね。
そうですね。手数料取られるたびには、銀行儲かってるんだろうなって思ってたんですけど、
逆にそういえば、銀行業界って今どういう状況でどういう収益っていうかなんだろうって気になってきてですね。
確かにそうですね。銀行株に注目とかよく言いますけど、私もあんまり仕組みとか分かってないですね。
ということは、今日は銀行業界ってことですかね。
はい、さすが斉藤さん。そうなんです。
今回は銀行業界の仕組みから銀行株投資のポイントまで詳しく解説していきたいと思います。
ぜひよろしくお願いします。
それでは本編に入る前に、恒例のちょこっと株辞典のコーナーです。
今日の用語はリザやについてです。
リザや、銀行のビジネスを理解する上ですごく重要なキーワードなんですよ。
まず簡単に説明しますね。
リザやとは貸し出し金利と預金金利の差のことなんです。
例えば、銀行が私たちから預金を受け入れるときの金利が年0.001%だとしますよね。
で、その預金を企業に貸し出すときの金利が年1.5%だとします。
その場合、1.5%から0.001%を引いた約1.5%がリザやになるんです。
この差額が銀行の主要な利益の源になるわけですね。
なるほど。安く仕入れて高く売るその利益みたいな感じですかね。
そうですね。よく予対リザやとか資金利益とも言います。
銀行にとってはこのリザやが大きければ大きいほど儲かるっていう仕組みになります。
ということは、今日本って長年低金利が続いてるじゃないですか。
それで貸し出し金利も下がっちゃうからリザやも縮小してしまうっていうことですかね。
はい、そうなんです。これが銀行の収益を圧迫している大きな要因です。
なるほど。でも今年に入ってから日銀が利上げしたっていう話がありましたよね。
そのニュースは繋がってくるんでしょうか。
金利が上がるとリザやが改善する可能性があるので
銀行業界にとっては追い風になります。
なるほど。ということはリザやを見ることで銀行業界、銀行株を見る上での大切な指標になるっていう感じですかね。
はい、そうです。じゃあこのリザやを頭に入れまして本編で銀行業界について詳しく見ていきましょう。
ぜひよろしくお願いします。
今日は銀行業界について基本的な仕組みから最新の動向まで解説していきますね。
ではまず銀行がどうやって儲けているのか基本的な仕組みから見ていきましょう。
銀行の主なビジネスモデルは預金者から低い金利でお金を集めて、
業界の現状と三菱UFJ
それを企業や個人に高い金利で貸し出すことで、その金利差で利益を得る仕組みになっています。
先ほど言っていたちょこっと株主権でも出ていたリザやで儲けるっていう感じですね。
はい、そうです。よく聞く与代ビジネスっていう言われ方もします。
例えば私たちが普通預金に預けても金利ってほぼゼロじゃないですか。
でも銀行が企業に貸し出すときは1%とか2%とかの金利を取るわけです。
確かにそうですね。ということはその差額、つまりリザやが銀行の儲けになっているわけですね。
一見シンプルですけど確実なビジネスモデルと言えそうですね。
そうですね。結構確実に利益を積み上げていくっていう感じだと思います。
ただ日本では長年の低金利政策でこのリザやがどんどん縮小してきているんですよ。
先ほども申し上げたんですがこれが銀行の収益を圧迫している大きな要因なんです。
なるほど。銀行ってこの貸し出し以外だと他に収益源とかってあったりします?
はい、他にもありまして大きく分けて2つあります。
1つ目が手数料収入です。
これもしかして最初に話したATM手数料とかそっち系ですかね?
そうです。ATM手数料や振込手数料、それから為替手数料もありますね。
あとは投資信託や保険の販売手数料なんかもあります。
確かにネット銀行を使うときに投資信託の手数料とかよく見ますね。
そして2つ目が有価証券運用益です。
預金の一部を国債や株式などで運用して得られる利益となります。
なんか投資してるんですね、銀行も。
なんか意外な気がしちゃいますね。
そうですね。借り入れてちょっと貸すっていう感じが
普通のビジネスモデルかなと思いきや投資もしっかりしてるという感じですね。
預金全部を貸し出しているわけじゃないので余った資金を運用している形になります。
業界の構造なんですけど、日本の銀行業界は大きく3つに分かれています。
メガバンクと地方銀行、地銀ですね。
あとネット銀行になります。
メガバンクは三菱UFJ、三井住友、みずほの3大グループ。
地方銀行は各地域に根差した銀行で数としては一番多くなっています。
そして最後のネット銀行は楽天銀行とかau自分銀行とか
店舗を持たないタイプの銀行になります。
なるほど。銀行によってもいろんなタイプがあるんですね。
はい、そうなんです。
それでは次に業界の現状を見ていきましょう。
まず業績面なんですけど、実は2025年度の企業業績において銀行は有望視されているんです。
それってもしかして日銀が利上げしたからですか?
はい、まさにその通りで。金利が上がると利財が改善する期待も同時に高まっている状況です。
利財が広がれば銀行の利益も増えますもんね。
実際三菱UFJフィナンシャルグループ、こちら証券コード8306の株価は過去最高値券にありまして、
現在11月14日の終わり値で2451円となりました。
この三菱UFJの株価の推移、今チャートで見てるんですけど、
ここ数年すごい綺麗に右肩上がりですね。
はい、そうですね。
つまり銀行株って今たくさん買われているっていう感じですかね?
それがちょっと実は複雑で、メガバンクは好調なんですけど、
多くの銀行のPBR、つまり株価準資産倍率は1倍を下回ってるんですよ。
低迷の理由と課題
なるほど、PBR1倍を下回ってるってことは割安ですもんね。
株式市場が銀行の収益力に厳しい評価をしているっていう感じなんですかね。
はい、その通りです。
じゃあなぜPBRが低いのか、そこで4つの理由を見ていきましょう。
まず1つ目に挙げられるのは、低収益性の懸念です。
さっきも言いましたけど、長年の低金利環境で本業の貸し出しをしながら
貸し出し業務での収益力が大きく低下してるんですね。
ROE、つまり自己資本利益率も低くて、将来の利益成長も期待しにくい状況なんです。
なるほど、ROEって確か株主が出資したお金をどれだけ効率的に使って利益を出しているかっていう指標でしたよね。
そうですね。
銀行の貸し出し業務って事業の中でも大部分を占めるのに収益力が低いっていうのは結構いたでですね。
そうなんです。
そして2つ目は成長性の欠如。
国内市場は人口減少により縮小傾向にあって、貸し出し需要も伸び悩んでるんです。
なるほど、確かに人口が減ったら企業も減りますし、住宅ローンとか組む人も減っちゃいますもんね。
そうなんです。成長が見込めない業界には投資家の資金も集まりにくいですからね。
そしてPBRが低い理由3つ目は、資産の質への不安です。
資産の質ですか?具体的に教えていただきたいです。
銀行の帳簿上の準資産には大量の貸し出し金が含まれているんですけど、景気が悪化したらこれらが不良再建家するリスクがあるんです。
不良再建家ってことは、貸したお金が返ってこなくなるかもしれないってことですか?
そうなんです。
だから投資家は、帳簿に書いてある資産価値が本当に実現できるのっていう疑念を持つわけですね。
そして4つ目に挙げられるのが、規制の厳しさ。
具体的に何の規制でしょうか?
銀行は金融庁の厳しい規制下にありまして、自己資本比率の維持が求められているんです。
これによって、配当や自社株買いに回せる資金が制限されて、資本効率が上がりにくい構造になっているんですよ。
なるほど。銀行って安定しているイメージありましたけど、それも金融庁の規制から来る安定性っていう感じですね。
そうですね。銀行の安定は成長性に直結してくるっていうわけではないんです。
これが他の業界とは違うところかなと思います。
あともう一つ大きな課題があって、これが予対ギャップの拡大なんです。
予対ギャップですか。初めて聞いた言葉です。
予対ギャップ、文字通り、預金と貸し出しの差のことですね。
三菱UFJフィナンシャル・グループの低評価理由
銀行に預金がどんどん集まってくるんですが、企業への貸し出しが追いつかなくて、資金が銀行に滞留しちゃってるんです。
つまりお金が余っちゃってるみたいな感じですかね。
はい。本来なら企業に投資されて経済が回るはずのお金が銀行に眠ったままになってしまっているっていう状態なんですよ。
なるほど。そしたら銀行も儲けることもできないし、日本経済全体にも良くないですよね。
そうですね。ただ投資の観点からは一概に銀行株が伸びないぞとは言えません。
これらを踏まえながら投資戦略と注意点を見ていきたいと思います。
はい。お願いします。
まず地方銀行なんですけど、株価が出遅れている地方銀行には期待も高まっていますよ。
メガバンクは上がっていますが、地銀はまだって感じですかね。
そうですね。ただ地域経済の状況や個別行の資産状況をよく確認する必要があります。
地方によって経済状況は全然違いますからね。
確かに。地銀でなるとその地域の状況とかは結構影響してきそうですもんね。
人口減少が激しい地域の銀行とかは厳しいのかなっていうのが結構わかりますね。
そして地銀に投資する際の注意点2つ目がネット銀行の対等です。
確かにネット銀行いろいろ聞きますもんね。楽天銀行とかSBI申請銀行とか、最初紹介してくださったEU自分銀行とか本当にいろいろありますもんね。
そうですね。ネット銀行は店舗も持たない低コスト武器に預金を集めているんですよ。
だから預金獲得競争が激化する可能性があるんです。
確かにネット銀行って普通預金金利とかも高めなので普通の銀行不利になっちゃうのかなって思っちゃいますね。
はい、そうなんです。でも逆に言えばネット銀行は低コスト運営なのでリザイアを確保しやすいっていう強みもあります。
なるほど。やっぱりリザイアって重要なんですね。
最後に銀行業界の今後について見ていきましょう。実は銀行業界には新しい役割が期待されているんです。
M&Aの活発化だったり企業のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDX投資の増加に伴って資金需要に応える役割が期待されているんです。
なるほど。企業がどんどん新しいことに投資しようとしているからお金を貸す銀行の役割も重要になってくるっていうことですね。
その通りです。今後は金融仲介機能の強化や制度の見直しを通じてリスクマネーの供給を促進して経済成長に貢献することが求められています。
リスクマネーの供給ですか。詳しく知りたいです。
リスクマネーとはリスクはあるけど成長が期待できる企業への投資資金のことですね。
実は全国銀行協会も金融仲介のあり方を検討する専門部会を立ち上げて、企業への資金供給のあり方について議論しているんです。
なるほど。じゃあ業界全体で動いているってことですね。
そうですね。2040年度には企業の名目設備投資を現状の8割増しとする目標が掲げられていて、銀行には大規模な投資を支える金融仲介機能が期待されています。
8割増しってすごいですね。今後の銀行の役割めちゃめちゃ重要じゃないですか。
そうですね。なので短期的にはPBRが低くて厳しい評価を受けているかもしれませんが、長期的には日本経済の成長に欠かせない存在にはなっています。
なるほど。今後にも期待したいですね。
はい。それでは本日の内容をまとめます。
①銀行の基本的なビジネスモデルは与代ビジネスで、利財や手数料、有価証券運用益で稼いでいます。
②長年の低金利で利財が縮小して苦しんでいましたが、最近の利上げで業績改善の期待が高まっています。
多くの銀行のPBRは1倍を下回っていて、市場からの評価は厳しい状況です。
理由は低収益性、成長性の欠如、資産の失栄の不安、規制の厳しさの4つでしたね。
今後の銀行業界の展望
③地方銀行には期待もありますが、個別にしっかり見る必要があり、ネット銀行の対等にも注意が必要です。
個人的には銀行株って地味なイメージだったんですけど、実は日本経済の未来を左右する重要な業界なんだなと今日学ぶことができました。
本当にそうですよね。私も改めて勉強したので、銀行の役割の大きさを実感することができました。
PBRが低い今は、もしかしたら投資のチャンスなのかもしれませんね。
皆さんも銀行株に投資を考える際は、今日お話しした内容を参考に、ぜひご自身でもリサーチしてみてください。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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直近では、BGMを小さくしてもらえたら聞きやすいと貴重なご意見をいただきました。
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それではまた次回お会いしましょう。