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みなさん、こんにちは。フリアナンサーの石井哲也です。
監査法人コスモスの新海智之です。
上場とブランド力の向上
上場IPO最前線、地方企業の挑戦。
この番組は、多くの企業を支援してきた監査法人コスモスの統括代表社員、新海さんが、日本全国の企業が今、抱えている経営課題を分かりやすく解説、企業がより飛躍するためのヒントをお伝えしていきます。
では、新海さん。今回は、上場によって解決できる経営課題というテーマでお話をしていただきたいと思います。
前回、上場とはというテーマでお送りしましたが、具体的に上場によって解決できる経営課題とは何でしょうか。
まず、ブランド力というお話もあったんですが、そこからお願いします。
そうですね。前回は、圧倒的な信用を得ることができるというお話をしました。
その中には、まさにブランド力の向上ということがあると思うんですね。
ブランドの定義というのは、いろいろあると思うんですけども、一番のポイントは、認知度を上げてもらうということではないですか。
ブランドというのは、大変皆さんに認知されている。そしてそれがいいものだということになっていくと、ブランドが向上するというようになるんですよね。
上場している会社、たくさんあります。前回は4,000社ほどあるというふうにお話をしました。
これが多いか少ないかという議論は実はあるんですが、しかし我々はその中小企業の数からすると、日本においては少ないというふうに思います。
そして4,000社という数の上場会社があるんですけど、実際にどの会社が上場しているのかも分かっている方も少ないと思いますが、
面と向かって名刺交換をしたときに、東京証券取引の上場マークがあったら、そしてホームページをご覧になったときに、上場しているということが分かったら、その瞬間にずいぶん皆さんの意識は変わるんじゃないでしょうかね。
変わりますよね。やっぱりちょっと陰謀みたいな感じで、どうだった?上場してるんだよっていうね。
本当に。やはり実際に取引を始めるとき、あるいは始める前にですね、名刺交換をして、そしてお宅の会社が上場しているの?ということで、すぐにですね、取引が開始されたというケースは本当に枚挙にいとまがないぐらい聞きます。
実際に決算書をご覧になっていただいたり、この会社どういう会社だろうって見ると、大した規模の会社ではないのに、やはり上場しているということで、その信用が商売につながる。これは成長につながると言ってもいいと思いますけれども、このブランド力の向上というのはですね、認知度を上げる。
上場していることで認知度って上がりますよね。そしてですね、実際に上場していることがわかるということと、それからやっぱりそこでの取引が開始されるということでですね、成長していくということでですね、さらにですね、ブランド、いいものを上場しているということで、言ってみれば一定のガバナンスや経営管理体制がしっかりしている。
そして法律にもですね、全ての法律、コンプライアンスを遵守しているという状態が上場しているという会社の状態なんですね。もちろん上場していても法令違反をする会社あります。しかしそれはまたそれで罰せられますよね。しかし上場する前というのは全てのコンプライアンスを遵守して、そして上場していくんですね。
なのでまずは上場するということで皆さんに見てもらう。さらにその上場しているという状態は経営が良い状態。そして彼らが扱っている商品という社会性がある。そしてさらにいいものであればどんどん売れていきます。ということでブランド力の向上ということで認知度が上がり、そしていいものをどんどん販売していくということで成長していく。
こんなことを重ねていくということもですね、ブランド力の向上に関係してくるんじゃないかなというふうに感じます。
深川さんがお手伝いされた会社でですね、そういったブランド力が向上して良かったなという会社でありました?
例えばですね、ブランド力と言っていいのかどうか分かりませんが、地方の会社がですね、具体的には徳島の会社がですね、公共事業をしているんですね。その会社がですね、県を超えて大分の駅前再開発の入札に参加したんですね。県域を超えて入札が取れてしまったんですね。
これはやっぱりどうでしょう、その信用力、ブランド力、信用力によって成し得たことではないかなということを感じました。
通常私どもやはり考えますとね、中小企業の皆さんが県域を超えて公共工事の入札にですね、応募するということもそもそもするのかということもありますけど、下会社がその入札に通ってしまったというのはですね、私は大変驚きましたですね。
そういう意味でブランド力が向上した。そしてその他でもですね、やはりブランドの向上、すなわち認知度の向上によって商品が売れる、あるいは会社が扱っている事業がですね、拡大していくということがあってですね、売り上げ20億で上場したような会社さんが本当に短期間の間に100億になっていったという、そういう事例もですね、何件か見てますね。
これはブランド力の向上がなし得る技ではないかと感じております。
そうですよね。上場してブランド力が上がったからこその成長という部分ですよね。
やっぱり本当にそういった部分というのは目に見えて変わってくるものなんですね。
会社の売り上げだけではないですけれどもね、しかし会社の決算、会社の財務数値というのは経営者の通信法でございますので、上場ということを果たしていただき、そしてその信用力、ブランド力の向上によって会社の数値をですね、良くしていく。売り上げを上げる。利益を上げる。そして従業員の皆さんの給料を上げる。こんなことがですね、実現できるとしたら皆さんどうでしょうね。
これは楽しみですしね。本当に夢が広がりますよね。
ぜひそういう夢と言わずにですね、ゴールとして明確な目標として設定していただいて、それを実現していただきたいと思っています。
もう現実的に見えてるんだぞっていうふうに意識していただけるといいですよね。
おっしゃる通りです。現実のものですので、皆さんは私が架空の話をしているとかそんな話ではなくて、
現実にある話をしていますので、その現実にあることを皆さんが現実だと受け止めて、そして目標を設定していただいて、しっかりとそこに向かって活動していただく。
その活動していただく入り口が上場なんですということを思っていただけるといいかなというふうに思います。
事業承継の課題
はい。ではその他に解決できる経営課題ありますか。
はい。もちろんですね、たくさんあります。次の課題としてはですね、事業生計について。
こちらもですね、非常にですね、事業生計というものがですね、話題というか課題になっています。
これは特に2025年問題、まさに今年がですね、その年なんですが、330万社の中小企業者がいるというふうにお話ししましたが、
この3分の2はですね、皆さん経営者で70歳を超えているんですね。
さらにその半分、110万社ぐらいになりますかね、経営者の皆さんは後継者が決まってないという、そういう状態。
もちろんこれ10年前に出た報告書ですから、その報告書から随分改善はされているんですが、傾向としては中小企業全体の3分の2がですね、
高齢者の皆さんが経営を担っていて、そしてなかなか経営を引き継げないという状態ができているんだということですね。
そしてさらにはその3分の1のですね、中小企業の3分の1の皆さんがその経営を引き継ぐのに本当に困っている。
引き継ぎ者がいないという状態が事業生計の大変大きな問題。
よってですね、結構この10年間の間ですね、M&Aなんかを使って会社を売却することで事業を生計してもらおうという動きがですね、活発になってきましたよね。
M&Aよく聞きますよね。
そうですね。
しかしですね、この事業を生計する、事業を引き継ぐというところの課題でですね、大きな課題、最終的な大きな課題が2つあるんです。
これは経営者保証、借入金の保証ですよね。
会社の借入金の保証を経営者はトップはするんですね。
そしてその会社の株ですね、株についてもこれ経営を生計したときに株を次の生計者に渡さなければならないということが未上場会社、プライベートカンパニーの中ではこれ至極当然のように銀行さんなんかから要請されます。
この2つの課題がですね、事業生計を最終的にですね、阻んでいるというふうにも言われます。
実はこの上場をするとですね、1つ目の課題、経営者の個人保証ですね。
これは経営者の個人保証というのは会社のためにする会社と経営者との間接的な取引なんですね。
こういう会社と経営者の取引というのは、実は上場するときに全部解消してくださいというのが上場時のルールになっています。
こういったことからしてですね、我々は、あるいは上場するときの証券会社や取引所の方からは経営者保証を外してくださいねということになるわけで、
銀行の個人保証、経営者保証はなくなっていくということになるんですね。
そうなんですね。
経営者保証をですね、ある状態で代表者をね、次から社長お願いねと言われてもですね、なかなか難しいですよね。
ということでですね、やはり経営者保証がですね、まさに事業承継、経営者の交代を阻害しているということは一定程度あるはずなんですね。
しかし上場することで経営者保証がなくなるとしたら、安心して経営者を交代していきますよね。
そうですよね。
70歳を超えた経営者が、後継者がいないんだと言ってたときに、やっと見つけた後継者が、やった引き継いでくれるぞと言ったときにですね、
いや経営者保証があってね、10億の借入金の保証もやってもらうんだよ、すいませんごめんなさい、やっぱり無理でしたということで、後継を断ってしまうって経済ってもちろんあると思うんです。
そうですよね。
引き継ぐ方はですね、ご自身の財産、家屋敷を担保にも提供し、そして経営者保証を引き継いでいくわけですね。
これは大変なご苦労だと思います。
それからもう一つですね、株をですね、プライベートカンパニーであれが故に株式も旧経営者から新経営者に移してもらう、その時の資金どうするんですかということですが、
上場するとですね、これ所有と経営の分離というのが原則になります。
経営者の方はそのまま株を持っていただいて、そして例えばご子息やご家族に相続というか、という形で移していただく、それでいいと思いますし、
経営者は経営者としてですね、しっかりと会社を経営していくという、そういう状態ができますので、上場すると繰り返しになりますけれども、
最大の壁ですよね、事業承継の最大の壁である経営者保証によって経営者が交代できないということと、
それから事業承継をした後に株を買い取れないという課題、これは両方ともですね、解消していくんですね。
そういう意味で一つは大きな課題を二つ、解消して事業承継がなるということ、そして事業承継の本質的な問題としてはやはり会社がしっかり経営管理体制が整っている上で、
会社を引き継いでいってもらうということが大事になりますよね。上場ってしっかりと会社の組織、ガバナンスが整っているという状態で上場しますよね。
なので、経営を引き継いでいってくださる方々もですね、ルールがしっかりできていて、それをしっかりと運用していくということができるようになりますから。
これは事業承継に対して大変良いツールになるんじゃないですかね。
上場のメリット
そうですよね。ほんとこの番組を聞いていらっしゃる上場していなくてさらに後継者悩んでいるよという方は、上場だといいですね。
まさに経営者保障や株の承継の問題ですよね。ここに悩まれておられる方は、ぜひ事業承継の課題を解決できる上場資料があるということを認識していただきたいですし、
追加的に申し上げますと、事業承継の時に株の問題、引き継いでいかなければならないので、これを安くしたり高くしたりという話があって、
特に相続の問題でいきますと、評価を下げようなんて一生懸命頑張っておられる経営者がいますけど、会社の株式の評価、会社の評価というのは高くないとどうでしょうね。
世間的にも社会的にも、ぜひ高くしていただいて、そして高くしていただいた株を言ってみればご子息、ご家族に引き継いでいってもらう。
もちろん相続の問題もありますので、しかし株を売却することで、さらに資金を得て豊かになっていくということは、経営者はそういう権利があると思うんですよね。
しっかりと会社を成長させ、株式の価値を上げ、そして自らの老後というか、自らの会社の株の価値を上げていくということで、
事業承継計画というんですかね、老後の計画を組みやすくしていくということが大事かなというふうに思います。
本当に今お話聞いて、事業承継について悩んでいる方、本当に相談してほしいですよね。
ぜひ。
そして最後に、後継者がなかなかいないという問題とともに、そもそもの人材の採用という部分が本当に課題になってますよね。
そうですね。そもそも人材、人のキャパシティというんですかね、人口減少の中にあってですね、そういった適材がいないという状態も現実にあるんですね。だから困っているというところがあります。
しかし、そういう人材の取り合いの中でですね、どうでしょう、中小企業330万社のうち4000社の仲間になったとして、そして就職する側の気持ちをイメージしていただけると。
まずですね、会社のリスト、求人情報を見ます。その時にまず行うのは、この会社は上場会社かな、上場していない会社かなっていうふうに直感的にふるいをかけませんかね。
そうですね。やっぱりそれは信頼、ブランド力というところに帰結するんですけども、やっぱりその何かしらの友達とかね、親にも相談するときに、今度上場会社にないてもらったよっていうのと、上場してないんだけどないてもらったよって言ったときに、じゃあどっちが嬉しいか喜ばれるかって言ったらっていうことですよね。
そうですね。本人的にも少し安心をね、かなり安心をするし、もちろんご家族も安心される。この上場するときにですね、私非常にIPOをしていたときに印象的な社長の言葉があります。これ上場する前ですね、実は飲食店の有名な経営者さんでした。
もう本当に業界の人は当時名前を聞けば、ああこの会社ねという会社だったんですけども、上場して私にその社長が話してくれたことはですね、いやあ新海先生上場してよかったですよって言うんですね。本当に上場する前、人がねアルバイトで使っている人がよくできる子なんだと。
うちの会社に大学を卒業するから、正職員で入ってきたい、エントリーしてくれと。うちも内定商人を出したんだよね。内定を出したんだよねと。そしてそのときに必ず必要になるのが、うちの会社も保証人をね、つけてくれということになるんだけど、そのときの保証人はだいたい親御さんなんだよねと。
そしてそのときに言われた言葉が、社長すいません保証人がかけないんです。お父さんお母さんがなんで大学を出してここまで苦労してきて育ってたのに水商売、飲食店なんかに就職させなきゃいけないんだ。私は保証人にはなりませんよということを言われたっていうんですね。
これは大変な差別かもしれませんし、大変な思い違いかもしれませんが、しかし上場して採用するときに、みんな親御さんは喜んで保証人になってくれるっていうんですね。
これ私すごくその会社の上場を手伝って、本当に良かったなと思った瞬間でした。
未上場の状態と上場している状態で、こんなに就職したいという思いだけじゃなくて、その就職を後ろからバックアップする保証人の方々にも実は影響があって、就職できるかできないかを左右する、あるいは採用できるかできないかを左右することがあるんだということを思いました。
人材採用の信頼性
さらには今まで新卒採用も全くできませんというような製造業の会社があったんですね。上場しました。そこは岐阜県の大変田舎の地域です。
しかし東京にも支店がありました。東京の支店・拠点を中心に新卒採用を実施しました。上場して新卒採用をやろうということでやったときに、本当に東京の今まで聞いたことがないような大学から申し込みがあって、そして実際に東京地区を中心に新卒採用がなっていくんですね。
そしてそこからさらに岐阜県に転勤してくれたという。こんなこともあって、上場することによって今まで新卒が取れなかったのに新卒採用ができるようになったという。もちろんキャリア採用においても今まではなかなか採用は難しかったんだけど、上場することで当然、未上場会社と上場会社との差というのはもちろんありますし、
会社の活動が魅力的であればあるほど、キャリア採用についてもやり方ですけれども、必ずプラスになりますね。こういったことを本当に多くの地方の会社さんで見てきましたね。
そうですか。やっぱり就職活動するときすら新卒でも中途採用でもそうですけれども、信頼という意味で上場している会社だからというところで、自分自身もそうでしょうけど、やっぱり親御さんの思いもやっぱりありますもんね。
私はやっぱり一つ上場やIPOを手掛けることで、採用というところの可能性とか信用力ということに関しては本当に自信を持ってというか、ぜひこの人材採用に上場活用していただきたいということを感じています。
人材という意味でいきますと、先ほど事業承継の話にちょっと戻るんですが、こんな話もあります。実は地方の会社で経営者の方がもう高齢だ。息子は東京に行っている。東京で就職するんだと言って、どこかの会社に就職している。
しかしひとたび、その地方の会社が、うちは上場するんだよと言って、息子に帰ってこいと言ったときに、え、お父さん上場するの?みたいな。自分がその上場する会社の後継者になっていく。
ということで、ご子息が地方に帰ってきてくれて、そして実際にまた事業の承継がなったという案件も聞いておりまして、非常にやはり事業承継という意味で、あるいは人材という意味で上場というのは非常に有効に働くことがあるなということを実体験を通して、
感じております。
次回も引き続き、上場によって解決できる経営課題というテーマでお送りする予定です。新海さん、来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そして、監査法人コスモスでは一緒に未来をつくるメンバーを募集中です。この番組を聞いて監査法人コスモスの取り組みに興味を持っていただけましたら、ぜひホームページの採用情報をご覧ください。
最後までお聞きいただきありがとうございました。それではまた来週お会いしましょう。