1. INTERVIEW │ インタビュー
  2. #61:新千円札の肖像「北里柴..
2022-05-17 37:52

#61:新千円札の肖像「北里柴三郎」と森鴎外の知られざる関係 │ 海堂尊さん(医師/作家)

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/7D483XmzHXA

【新千円札の肖像「北里柴三郎」と森鴎外の知られざる関係】
今回のゲストは作家の海堂尊さん。「日本の細菌学の父」北里柴三郎と軍医総監にまで上り詰めていた文豪・森鷗外。ライバル心を燃やしながらも「感染症から国民の命を守る」という同じ目標へと突き進んでいたふたりは、なぜ道を違え、対立したのか──新刊『奏鳴曲』で描かれた知られざる北里と鴎外の関係についてたっぷりとお話をうかがいました。

【プロフィール】かいどう・たける/1961年、千葉県生まれ。医師、作家。2006年『チーム・バチスタの栄光』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、作家デビュー。評伝『よみがえる天才 北里柴三郎』、『よみがえる天才 森鴎外』(ともに、ちくまプリマー新書)も刊行。

奏鳴曲 北里と鷗外
北里柴三郎─よみがえる天才7
森鴎外─よみがえる天才8

【海堂尊さんへのインタビュー】
Talk.1 新千円札の肖像「北里柴三郎」と森鴎外の知られざる関係 〈5月17日(火)公開〉
Talk.2 創作と取材のバランス〈5月20日(金)公開〉
Talk.3 本を書ける人と書けない人の境目〈5月24日(火)公開〉
Talk.4 「自分にしか書けない文章」を書く方法〈5月27日(金)公開〉
再生リスト

Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します)
▶︎早川洋平のお気に入り楽曲再生リスト
Apple Podcast(音声)

【目次】
OPトーク
執筆前の登場人物の理解度
執筆のきっかけ
「森鴎外」登場の決め手
虚実の匙加減で気をつけたこと
脱稿までに要した期間
「歴史離れではないと確信」出来る理由
海堂尊の物語のつくり方
時代小説ゆえの辻褄を合わせる苦労
北里と鷗外のターニングポイント
医師海堂尊として見る北里柴三郎
作家海堂尊として見る森鴎外
EDトーク

「会う力」養成講座
・映像コース:早川洋平のコンサルティングを受けたい方へ
・音声コース:リーズナブルに学びたい方へ

ニューズレター(早川洋平のエッセイ・最新情報をお届け)

▼「QR CAFE」(人生を更新する読書会)

▼番組への感想・質問はこちら

▼【聞き手・早川洋平プロフィール】
はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

▼【ナビゲーター・堀真菜プロフィール】
ほり・まな/現在、早稲田大学4年生。
コロナウイルスの流行により、人と会いづらくなったことを機に、zoomを通して色々な人の話を聴くことを始める。1年間で200人以上にインタビューを行い、聴くことの魅力に目覚める。
現在、勉強を教えない塾福幸塾と提携し「思考と対話の技術」の提供をする他、学生・若者向け対話サービス『workin’ talkin'』を立ち上げるなど、
対話、インタビューを通じて様々な事業を展開している。プロインタビュアーとして実績を積むため現在奮闘中‼︎
https://koushiro123.wixsite.com/manaroom

▼関連キーワード
#海堂尊
#奏鳴曲
#文藝春秋
#北里柴三郎
#森鴎外

Videographer/Editor : Kimi

00:01
インタビュー
こんにちは、堀間菜です。
インタビュー、この番組はYouTubeとPodcast各プラットフォームよりお届けしています。
YouTubeのチャンネル登録、Podcastの各番組のフォロー、皆様よろしくお願いいたします。
今回も早川さん、よろしくお願いいたします。
はい、お願いします。
5月の17日ですがと言いながら、全然日付と関係ないことを言うんですが、
早川さん、いきなりなんですけど、これだけは人生に無駄だなとか、例えば体に悪いなとか思いながら、やめられない悪しき習慣みたいなのを持ってたりするんですか?
悪しき習慣ありますよ。僕、こんだけ健康に言っときながら、スナック菓子とか大好きなんですよね。
日常的に食べるんですか?
毎日じゃないですけど、普通の人なんでストレスとかかかったりすると、夜とか疲れたなと思うとポテトチップ食べたくなったりとかありますから、
なので毎年の高度なマニアックな健康診断やってますけど、そこで腸内環境がイマイチです。
これだけ節制して鍛錬してきながら腸内環境がイマイチみたいな、本末転倒みたいなのもありますが、
でもね、今ね、またちょっと1年復帰して、色々食も改善して、またこれ話すと2時間ぐらいなので、ゆっくりどこかで話しますが、
徹底的に改善して、今そういうの一切いらない、食べたいと思わなくなって。
じゃあ今はその悪しき習慣が、ちょっと早川さんの隙を突くというか、なんかちょっと出ないかなと思って。
出したよね?まだあると思う。
無理にとは言いますね。
あったあった。悪しき習慣じゃないんだけど、これ誰に言ってもわかんないんだけど、
最近さ、歳とると同じことを同じ人に何回も言うとかあるじゃん。
なんか自分の親とかもそうだけど、あれ先週も聞いたよみたいな。
これすいません、マナさんと皆さんに、マナさんと皆さんって面白いね。
マナさんと皆さん。
お話したかもしれないですけど、僕の悪しき習慣っていうか、罪深い喜びはですね、
テレビのね、タレントとか芸能人とかスポーツ選手とか誰でもいいんですけど、有名な人はこの人とこの人似てるなみたいな人いるよね。
ほいほいほいほい。
そういう人検索したことない?
あります。誰と誰が。ね、必要あります。
あるでしょ。そういうの気になって、出てきた時嬉しいじゃん。
しかも、例えば、人の名前出せないのが痛いってことだけど、
何だろう、仮にだよ、堀マナさんと、僕と堀マナさん性別すら違うんだよ。
すごいですけど、2人とも仮に有名人で堀マナで早川予兵衛に似てるなと思った時に、堀マナって打ち込むじゃん、Googleで。
で、その後にスペース開けて、早川予兵衛だからロー文字H?
03:04
はい。
H打った瞬間に予測変換で早川予兵衛出た時、あの快感分かる?
めっちゃ分かる。
やっと分かり合えたね。
私それめっちゃやりますもん。
そしたらさ、このサイト知ってるんじゃない?これもスポンサード一切されてないんですけど、
そうするとね、この人とこの人そっくりって、そっくりさんっていうサイトあるでしょ?
知ってます知ってます知ってます。
よかった。
ちょくちょく使います。
お世話になってる?
はい。
あ、よかった。この話誰にしても全然ね、なんかね、
分かんないことはないけど、ちょっとそこまで楽しんでる人いないよみたいな、楽しいよね。
楽しいです。ちょっとここで共感できるとはめっちゃ嬉しい。
やっぱりご縁があるんですね、こういうね。
うんうん。
少なくとも僕とマナさんがこうマッチングしたってことは、これ聞いてる方見てる方他にも、
そのサイトもありまして、そのサイトは究極的にはどうでもいいって言ったら怒られますけど、
なんかね、最近思ったのはそのサイト自体にもお世話になってるんだけど、
さっき言ったように、AさんとBさんが頭の中にあって、Aさんの名前打ち込んで、
Bさんの苗字の最初のローマ字の母音ないし親音を一文字入れたときに、
予想転換できたときの嬉しさね。
分かる。めちゃくちゃ分かる。
そうそう。だからこれはもうどんなに忙しくても、
どんなに節制しててもこんなことしてる場合じゃなくても、
つまり、いろんな世界を変えるようなね、これ冗談ですけども、
あえてデフォルメして言うと、アイデアを考えてたときに、
そういえばあの人とあの人似てるよなみたいな。
でもね、これ一番難しい話がちょっとマニアックになりますけど、
これぐらい最後にしときますけど、
そっくりさんの一番難しいのはね、実は本当に知りたいのは、
そっくりさんって言っても、有名人同士じゃなくて、
普通に身の回りにいる誰か友達のAさんと、
例えば有名人のBさんとか、
もっと言うと全然どっちも普通の人なんだけど似てるみたいなのあるじゃん。
うん。あります。あります。
しかもそれを誰か知り合いにも言っても分からないケースあるじゃん。
例えばどっちも有名人ではないAさんとBさんなんだけど、
自分の知り合いのCさんはAさんしか知らないとかさ。
はいはいはいはい。
これはね、なかなかもどかしいんですけど、
そういうサイトそっくりさんBサイトみたいに作りたいんだけど、
作っても誰も分かんないからね。
そうですね。だって普通の人が載ってるわけですからね。
すみません。なんか罪深い習慣か分かんないんですけど、
ちょっとオープニング長くなっちゃいますけど、マナさん。
私はもう簡単ですよ。
飲んだ後のラーメンが絶対にやめられないっていう。
まあまあいいんじゃないですか。若いうちはね、
20代前半は全然いいんじゃないですかね。
途中からそれやめないと結構ね、
いくら掘りマナと言うのもちょっとでっぷりしてきちゃうかもね。
そう。
ちょっと今回のオープニング、早川さんのマニアックな面が聞けて嬉しかったです。
僕はもうそっくりさん愛好家ですからね。
それに全てをかけてます。
06:01
初めて聞いた。ということで、この流れで本編に入っていきたいと思います。
今回はどなたにインタビューされたんでしょう。
今回はですね、医師で作家のカイドウ・タケルさんにインタビューしてきました。
カイドウ・タケルさんのそうめい曲ですよね。
私この本ちょっと難しくて、読むのが歴史もの苦戦し…
あ、それですそれですそれです。
なんで今回の機会にインタビューされることになったんですか?
カイドウ・タケルさんといえばね、やっぱりデビュー作のチンバチスタの栄光っていうね。
マナさんでもご存知のように、ちょうど2005年ぐらいかな。
結構前ですけど、デビュー作がめちゃくちゃヒットして、その後ね、映画にもドラマになって。
今もね、桜ノ宮サーガという全体のシリーズになって、今も続いていますけども。
その印象が強くですね。
でまた彼のね、前回は清流流水さんが作家であり、役者だったんですけど。
カイドウ・タケルさんは当然ね、医師であり作家ということで。
またどちらも高い次元でやってらっしゃる方なので。
非常にね、以前からすごくどこか機会があればお見にかかりたいなと思ってたんですけども。
たまたまね、ちょっといろんな繋がりがある。
今回のこの総名曲の判本である文芸春秋の編集者の人と結構いろいろ繋がりがあってですね。
今度お勧めだよっていうことを言ってもらって。
それであればということで、文芸春秋の方にちょっとお世話になってですね。
取り持ってもらって、今回この総名曲のインタビューが実現しました。
そういうことだったんですね。
そうなんです。
なのでこの映像、映像版で見ていただいている方、
見れば、見てもわかんないだろうな、言ったことない人。
文芸春秋を借りてですね、取材させて、撮影もさせてもらいましたが、
林麻里子さんの時も実は文芸春秋さんにご協力いただいて。
そうだったんですね。
やっているので、そういう意味で今回はこの本、そしてカイドさんにインタビューさせてもらいました。
北里柴桜はもう新冊、新しいお冊の顔になったし。
そうだね、2024年。
しかも森養害も卒後100年。
そうなんだよね。
なんですね。
で、このコロナが流行っているタイミングで2人とも感染症の研究をしてっていう、なんとも絶妙なタイミングの。
そうなんですよ。
いい視点ですね。
そこはまさにね、この今週から前4回、今回か。
で、いつかカイドさんがお話しされると思いますが、なぜそう、このタイミングでこれを表そうと思ったのかっていう話なんかも。
ちょうど今回、次回あたりに出てくると思いますので、ぜひ彼の言葉から聞いてもらいたいと思いますが。
まさにこの総名曲に結構フォーカスしてお話があったんですけど、やっぱりね、僕自身もこの本にもありますけど、
岸田と柴桜というかね、感染症の知事ということで、当然その医学部受験以来目指していたマナさんでも当然名前は知ってると思いますし、
09:04
まあ普通の人でも知ってると思いますが、森鴎外といえば文豪で、森鴎外が医師だったって知ってた?
知らなかったんですよ、私。
だよね、知らない人もいるだろうし。
俺はその医師の免許というかね、持ってたぐらいは知ってたけど、まさかその医師の免許どころかね、その軍医の最高峰まで行ったっていうのはね、全然知らなくて。
で、二人が同時に来てて、いろんな感染症にまつわることをやっていて、そしてなぜね、この本のタイトルが総名曲なのか。
そして二人のね、北里と鴎外、そして後ろに不動明王とあしらがあるのかっていうのはね、非常にこの一冊読み切るとすごく納得できて。
さすがやっぱりね、読んだことない方、僕もそうですけど読むまでは結構分厚くて、そしてなんか重そうだなというふうに思いがちなんですけど、
実際読むと、さすがエンタメのね、最高峰、カイドウ・タケルさんということであっという間に読めて、僕も全然バックグラウンド二人の知りませんでしたが、非常にもうサクサク読めてですね。
史実に基づくフィクションなんだけど、最高のエンタメっていう感じでですね。
読ませてもらったので、そしてカイドウ・タケルさん自身がですね、すごく天才なんですけど、ユーモアに飛んでますし、すごくサービス精神旺盛な方だったので、ぜひそんな視点からも楽しんでもらえたらなというふうに思います。
それではカイドウ・タケルさんと早川さんのインタビュー第1回をお聞きください。
はい、ということでカイドウ・タケルさん、今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さあ、今回はですね、カイドウ・タケルさんのこの新刊、総名曲、北里と鴎外ということで、この本を中心にいろいろ話を伺っていきたいんですけども、
この帯にもあるように北里、柴桜が最勤学の父だったっていうことと、森鴎外が当然文豪だったっていうことは知っているんですけども、
鴎外が医師だったってことをちょっと知ってたぐらいなんですけど、まさにですね、それどころかこの帯にもあるように、どちらかというとやっぱり森鴎外が医師としても、ちょっとお医者さんやってたとかじゃなくて、
当時の陸軍の最高位である軍医総監にまで登り詰めたっていうことだけでもものすごく意外だったんですね。
ましてやこのライバル関係っていうのが非常に驚いたんですけど、このあたりっていうのはもう、
当然このテーマに取り上げられたんで、いろいろカイドウさんご存知だったと思うんですけど、どのくらいまでカイドウさんは、普通にその辺は知ってらっしゃったんですか?
知ってたっていうより、僕もあなたと同じぐらいの理解レベルで、
医学部であまり医学士教育ってやらないんですよ。だからよく知らなくて、北里の業績ぐらいはそこそこ知ってたんですけど、
鴎外の方の医療関係の業績とかはほとんど知らず、あと軍医総監ってどういうものなのかもよくわからず、大変何事しました。
12:08
そこでね、これからいろいろそのあたりのお話も伺いたいんですけど、本当にそもそもなんですけど、そもそもなぜこの物語をやっぱり表そうと思ったのかっていうところを伺いたいと思います。
北里柴桜が新演出の顔になった。
あ、2024年ですよね。
その時に北里柴桜のことをちょっと考えたら、医学部出て医者をやっていても、あまりその生涯をきちんとわかっていないっていうことに気がついたんですね。
医者がそうなんだから、一般の人はもっとそうだろうと思いまして、だったらそのわかりやすい北里の人生を書ける本があればいいかなと思ったんですね。
そうすると、やっぱり今回ね、当然北里と鴎外ということでコントラストになってますけど、やっぱりまず北里があってっていうところなんですね。
そして書いてるうちに鴎外がブチ抜いていったって感じですね。
ちょうどその話があったんです。
そうすると、それこそ私改めてチンパチスタの栄光を読ませていただいたんですけど、その後日だったり裏話でも、第2部から白鳥が出てきて、白鳥は当初いなかったと。
あそこまでじゃないかもしれないですけど、今回つまりその鴎外を、この尊明曲って当然そなたってことでダブルキャストっていう意味が入っていると思うんですけど、
どこで鴎外をダブルキャストにしようって気づかれたんですか?
当然書き始めてから?
書き始めたんです。
初めてからですか?
書き始めたんですけど、北里柴桜の伝記もしくは表伝というのは数が少なくて、
しかも割と古い本が多くて、だから情報がすごい錯綜してたりして、
簡単に何年にどこで何をやったみたいなこともわかりにくかったんですね。
それで書いているうちにものすごく苦労して、
あと北里はすごく真面目な先生なので、物語が転がらないんですよ。
そういう時の一つの手法として、外から見た北里という、
第三者から見た北里という像を描くとうまくいくことがあるので、
それで北里以外の人物に北里比をやらせて、最初に後藤新平が出てきて、
そこまで一直線だったんですけど、
やっぱり後藤新平の弱点は途中から消えちゃうんですね。
それともう一つはドイツのことがあんまり書けない。
そこでドイツで外側から見た人はいないかなと思ってブログしてたら、
15:03
なんと鴎外が1年間、国保研究所で一緒に研究していた。
鴎外のドイツ日記とか読んでも、ほとんど触れてない。
これは書き放題だって。
逆に?
そうです。
そういうことなんですね。
1年間一緒に研究したんですから、当然いろいろな議論やら、
衝突やらもあったんです。
それを北里も鴎外も書き残してないんですよ。
だから逆に面白いかなと思って。
そうなんです。
個人的には今日後でただの感想になっちゃうんですけど、
やっぱり北里と鴎外自体、非常にこの中で魅力的に変わってます。
やっぱり個人的には後藤が結構好きで、キャラがすごく立ってたので、
やっぱり最初にその辺を考えられたのかなって今ちょっと思ったんですけど、
やっぱりこの本や、あとね、
カイトの別で書いたポーラースターとかもそうですけど、
いわゆるこういう言い方が適切かちょっとわかりませんが、
史実に基づくフィクションだと思うんですけど、
やっぱり当然素人のイメージとしては、
それって非常に虚実のさじ影が難しいかなっていうふうに思うんですけど、
私はいろいろ伺いたいことはあるんですけど、
シンプルにカイトさんの中で、
その虚実のさじ影の中で最も気をつけたことってある意味としては何でしょうね。
基本は結構いい加減にやってるんですけど、
ただこの総名曲に関しては、
外枠の社会的事象とか医学的事象に関しては、
徹底的に史実に沿おうと思ってやりました。
だからこの中でフィクションは、
その登場人物が議論したりする部分で、
そこは北里と大街を塞ぎながら、
その他の亀成会とか、
6人がわちゃわちゃやる会の会話なんかも完全に創作。
そうなんですね。
だって資料残ってないんですから。
そうか。
ちょっと脱税します。
資料残ってないとおっしゃいましたけど、
僕もこれ一時一時当ててみたわけじゃないですか。
相当この資料は読まれてますけど、
そういう創作に直接逆に使えそうなものはあんまり。
だからその会話は全く創作であっても、
話してる内容は当時のSAの問題とか、
そういうことに目指してますから、
多分そういうことを話していてもおかしくないだろうぐらい。
それを理解するにはやっぱり資料を読まないと、
あの時代の問題ではないかとか、
わかりませんから。
そうですよね。
ちなみにどこをもってしてスタートをゴールとするかわかりませんが、
カイドさん実際このさっきのSOUDA2020のお札だから始めようと思われてから、
脱稿というか書き終えるまでってどのくらいの期間でした?
18:02
3年ぐらいかな。
そのニュースを聞いて、
そこから資料を集めて、
読み始めるのにちょっと時間がかかって、
読み始めて北里を主体にした物語を書き始めて、
行き詰まりみたいな。
本格的に出筆したのは2年半ぐらいなんですかね。
私のイメージでカイドさんはやっぱりすごく即筆で、
多作でってイメージはありますけど、
他の作品と比べての期間っていうのは、
比べるのもナンセンスかもしれないですけど、どうなんでしょう?
即筆で多作っていうこと自体は、
そもそもうまく誤解したイリュージョンで。
遅くはないですけど、めちゃくちゃ早いってわけではないですね。
集中するんで、一気にやっつけるっていうところがあるんですかね。
そうなんですね。
ただこのそうめん局は取り掛かってから、
2回完全に断絶してるんですよ。中断。
それはコロナ目視力とコロナ競争力を書いた時に、
3ヶ月間もう完全にそれに集中して、他のこと一切やらなかったんで。
だからその都度その都度止まってるんです。
なるほど。
そうすると若干この本から脱線してますけど、
カイドさんの執筆のスタイルとして、今の話でいくとやっぱり、
このそうめん局はロームスパンだったと思いますけど、
何か一つのことをやっぱり選択と集中するのが基本ですか?作品を生み出す時。
つまり同時並行で何作も。
僕は一つの時に書けるのが一作だと思っていて、
だから連載とかの場合は、まとめて半年分ぐらい書いちゃって、
切り分けするんですよ。
だから書いてる時は、2回に分けるっていうのは大体のパターンなので。
そういうことなんですね。
虚実の話について、この本の確か後だけでも、
歴史そのままと歴史離れのことを今まさにお話しいただいたと思うんですけど、
今日ちょうど伺いたかったのが、
その中で後書きで、
北沢と鴎外の物語は歴史離れとあります。
ただし、2人に関してはここに書いた全てが歴史離れではないはずだと確信していますってあったと思うんですけど、
それは具体的にどこなんでしょう?
ネタバレもしちゃうかもしれません。
別に歴史小説はネタバレ前提ですから、
宇田信長がこの後死ぬというネタバレです。
この場合、完全に虚ではあるけれども、
歴史そのままじゃないかという象徴的なのは、
臨時学系研究会で北里がそれを仕掛けたみたいな部分。
21:02
歴史ではそんなに欠片が残っていないんです。
でも多分そういうことじゃないかということと、
もう一つは連権遺憾騒動の話っていうのは、
割とこうだったんじゃないのかな、みたいな。
ただそれは一般に言われている史実とは違う。
なぜかというと、鴎外が日記に淡々とその騒動に関わったところを書いている。
だからおそらく歴史学的には容認できないかもしれないけど、
一つ忘れちゃいけないのは、鴎外は嘘つきで都合悪いことを隠すんですよ。
だから信用しちゃいけない。
なるほど。そういうこともいろいろ読みながら、
自分で作り出してってことだったと思うんですね。
だってドイツ日記で日本まで追っかけてきたイリージの書は、
一行も書いてない。これも確定的な証拠でしょう。
そうか。面白いですね。
今の虚実のさじ加減の話ともまた重なっていくと思うんですけど、
いわゆるこの作品を作る時に、厳密に言うと普通のフィクションとは違うと思いますけど、
いわゆるストーリー設定とキャラ設定ってあると思うんですけど、
基本的にはストーリーというかそっちの方から、
特に歴史物だと思うので、カイトさんの中で作っていった感じですか。
いわゆるキャラは当然彼らはいるんですけど、
実際にこの中でキャラをどう立てるかってことがベースの話だと思う。
僕は作ったりしないで、ただ書いていく。
別に何回も書き直したりとか、出し入りしたりとかしてるんで、
最終にはあんまり考えてないんですよ。
だから結構後で苦労するんですけど。
キャラ設定とかも9割方書き終わった頃に、
ああ、こういうキャラだったんだ、みたいなことがわかる。
わかるんですね。自分でこう作るっていうよりもわかるっていうか。
そうですね。自分が作ったっていうふうな人物を、
そういうふうに感じたことはあんまりなくて、
ただフィクションの場合は、この世界を作ったのは自分だという認識があるんですけど、
人物は僕が作った世界の中で勝手に動く。
だから彼らが動きたいように動くっていう。
それを書き留めるみたいな感じかな。
それはこの史実に基づくと同じフィクションなので、装備的にも同じですか?
どこが違うかっていうと、これまでの桜宮サーガンのフィクションは、
自分がその歴史や枠組みを作れたけれども、
24:01
その舞台に関しては史実があるので、その舞台を用意してその中で動かしたという感じですね。
それはどっちが簡単難しいではない感じですか?
やっぱり制約があるから必ずしも逆に悪いわけでもない。
制約だから、舞台を作るということに関して勉強しなきゃいけないので、
歴史のほうが大変です。
やっぱりそうですか。
そこはシンプルにそうなんですね。
今の話の中でもうちょっと重ねて伺いたいんですけど、
基本的に私が過去のカイロさんのインタビューとか配読していると、
どちらかというとストーリーの話ですけど、
クライマックスとプロローグを考えて、
そこを数ページずつ書いて、
あとはそうすると全体が見えてきて真ん中に書けるよみたいに何かで見たんですけど、
今は変わってないんですか?
基本は同じですね。
ちょっと違うのは、数ページずつ書いて後は回っていくじゃなくて、
その最後の画面が浮かんで、最初のページを設定して、
そこからそこに向けて走っていくだけなんですよ。
だから、間が自然に埋まっていくんじゃなくて、
徐々にスタート地点からそっちに走っていく。
でも本当にまさに今回その話でいくと、
やっぱりクライマックスとプロローグ、まさにそういう作りになっていて、
最後まで読むとネタバレなんで詳細は言いませんが、
この二人の勝敗の話っていうのも結構納得いくなって。
じゃあやっぱり当然そう見えて書いてるわけですね。
あれは見えてたんですけど、でもそれはやっぱり揺れるんですよ。
だからこういうような、そこで決着をつけるみたいなラストシーンだけど、
書き終わってわかったかなって感じですね。
面白いですね。やっぱりわかったって感じなんですね。
それはプロットを作らない大着作家みたいな辛いところです。
でもそれこそ、例えば同じプロットを作らないっていう風に並べていいのか、
村上春樹さんも結構、私も直接お目にかかったことないんでわからないですけど、
いろいろ読んでると、一行目がまずはパスタ茹でてるところから思いついてみたいな、
全然ちょっとまたイメージ違いますけど、
そういう本当に一行から何か生まれるみたいな感じともそこは海人さんとは違うんですか?
そこはちょっと違いますね。だから僕の場合はシーンなんですよ。
だからファーストシーンとラストシーン。
そのラストシーンは物語の本当のラストシーンじゃなくて、
まさにさっきおっしゃったクライマックスのちょっと後、
クライマックスが終わって引けるところあたりまでのイメージが多い。
最初は浮かぶっていうよりも、そこに行くためにはどういう始め方が都合いいかなみたいな風に設定する。
そうなんですね。キャラもそういう意味で動き出すっておっしゃってましたけど、
27:04
走りながらやってると当然フジツマが結構大きく合わなくなって、
これかなり直さないとみたいなイメージあるんですけど、今回は特にそういうのはない?
今回は多分史上最大級。
それもうちょっと詳しく何か教えていただけないですか?
いや、何か思い出したくない。
要するにですね、基本僕はフジツマ合わせの天才だと思ってるんですけど、
それは人物の方とか時空間を動かすのが得意だし、舞台を動かすのが得意なんだけど、
この話は舞台設定を動かせない。
確かに。
だから一つ自由度が下がって、しかもそこはカッチリ守ろうということが必要になってくるので、
そこでそこがあった時のフジツマ合わせは大変でしたね。
編集者の方も頷いてますが。
本当に大変でした。
それはパズルがバラバラになっても何の絵を描いているかわからなくなっちゃいますね。
それはでも単純にかなり描き直すみたいな印象、そういう解釈でいいんでしょうか?
かなり描きます。だから部分的には総特化みたいな。
ですよね。
なるほど。
その中でいろいろ伺ってきましたけど、
海藤さんの個人としての北里・鴎外表を聞きたいなと思っていて、
それぞれ2人の表でも出筆されていると思うんですけど、
それぞれのターニングポイントってどこにあったと思いますか?
北里は久保と出会った頃です。
やっぱりそうですか。
鴎外ってターニングポイントがないような気がするんです。
ない?
ちっちゃい頃からずっと周りの興味を持って生きてきて、
だから俺はここでこうなるんだじゃなくて、
常に周りのものを消化しながら、ぶつかりながらやってきたって感じですね。
陸軍軍部に入った時はターニングポイントといえばそうなのかもしれないけど、
それの決定すら自分で積極的な決定じゃなかったみたいなところがあるので、
その時に北里は衛星学をやりたいって言って、
世界ナンバーワンの国宝のところに行った。
そこで研究に進んだ。
それも明らかにターニングポイントです。
今の話で伺うとちょっとステレオタイプかもしれないですけど、
北里は明確なものがあって、ある程度逆算していってるような感じがするんですけど、
鴎外はそういう意味では、かといってその場その場で展開していって開いていったっていうのともちょっと違うんですかね。
鴎外の特徴は多彩な天才ってことなんですよ。
30:00
だからどの分野でも対応できちゃって、
ちょっと気に触ることとかに、いちいちちょっかい出していくみたいなところがあって。
それぞれちょっと触ってもそれなりのところまで行けちゃう人でもあるってことですよね。
口弁句が強くて、ああいえばこう。
その辺はすごく感じたんですけど、
実際、石井海道をたけるとして北里しばさぶるってどう評価してるんですか。
立派な方ですよね。
要するに研究者から異星家に転じて、どちらも頂点を極めたくらいになった。
だから医者としては大変トップクラスなのでしょう。
逆に言うと作家会議をたけるとして、森鴎外はどう見てるんでしょう。
どうして手の届かない比喩ばっかり。
医者として北里先生をやって、作家として鴎外先生をやって。
本当にどうしようもないですよね。
僕はあんまり森鴎外の作品って読んでなかったんですけど、
今回改めて8割ぐらいかなと思ったのは、
本当に天才で、いろんなものを軽々と書いていて、好き勝手に書いてる。
しかも文壇の流れとかをいろいろ作ったりとか。
だから、鴎外なくして日本文学なしっていう感じは間違いないと思うんですね。
エンディングのお時間です。
インタビューでは皆様からの早川さんへのご質問や、
番組への感想、取り上げてほしいテーマなどを募集しております。
エピソード説明欄のURLからどしどしお寄せください。
またいただいたご質問等は、月末のYouTubeライブにてお答えしていく予定です。
今月のライブは5月31日火曜日の夜19時からです。
たくさんのご質問を募集しております。
そして、人と一体一で会う前、会った時、会った後に何をするか。
初名人から出世の人に至るまで18年間で2000人以上にインタビューをしてきた早川さんが、
そのすべてを余すことなくお伝えしているアウチから養成講座。
早川さんからの無制限コンサルティングがついた映像コース、
そしてリーズナブルな価格でスタートできる音声コース、
映像と音声のお好みの受講方法でお選びいただけます。
詳細や受講の申し込みは、概要欄に記載してあるアウチから養成講座のホームページをご覧ください。
そしてもう一つお知らせです。
早川さんと参加者の方がお気に入りの本をシェアし合うQRカフェも、
5月18日の水曜日の19時から行われます。
今月の本の紹介をお願いします。
33:00
今月はですね、公文写真書からリリースされている、
映画を早送りで見る人たちということで、
この新書をお届けしたいと思います。
やっぱりね、音声を倍速で聞くとか、
僕なんかポッドキャストの仕事してたんで、
昔はそういう番組を聞くとかっていうのはあったんですけど、
どうやら今はね、映像、映画を早送りで見るっていう人たちが増えてきて、
僕自身も仕事で読まなきゃ、見なきゃいけない映画がたくさんて、
なくなくね、僕はその1.5倍とかでやっているんですけど、
でもどうかなーなんて正直思いつつ、
いろいろ葛藤を抱えながらやってるんですけど、
そういう人たちのことも多分きっと書いてると思います。
しめ言うとね、それこそネタバレになっちゃって、
この本に関して中身は言いませんが、
それだけじゃなくて、ここにタイトルのように
ファスト映画ネタバレコンテンツ商品の現在形ということで、
非常にね、自分自身がどうなのかっていうことも含めてですけど、
いろいろ時代を読み解きながら、
みんなで楽しくこの本題材に時間を過ごせたらなというふうに思っています。
そしてこの第1部とは別に、第2部では皆さんからね、
それぞれが思い読む本を、本でも絵本でも経済書でも、
漫画でも何でもいいんですけど持ち寄ってですね、
みんなで1冊ずつシェアできたらなというふうに思っています。
やっぱりね、この選書みたいに書くとみんなハードル高く感じちゃうんですけど、
全然ね、マナさんも参加していただいて分かるように
ハードル高くないですし、そもそも本読んでこなくても全然大丈夫ですので。
そうですね、本当に。
なんかよく分かんないけど、遊びに来ましたでも全然問題ないので、
あの空気感も非常にみんな優しいというかね、
国内外からいろんな素敵な人が来てますので、ぜひ遊びに来てください。
はい、5月の18日水曜日19時からお待ちしております。
ということでエンディングのお時間です。
楽はさんってあれでしたっけ、お酒ってほとんど飲まれないんでしたっけ?
はい、飲めないし飲まない。
飲めないし飲まないんだ。
はい、元々家計的に多分弱いっていうので、
そもそも家計的に弱いとかってあるのかね、
そういう風に言ってるからどんどん飲めないんじゃない?
あると思います。
でもあるよね、アルコール分解できないなんかあれみたいな。
早川さんがお酒飲めないって言ってるのにこの話するのはあれなんですけど、
私最近めちゃくちゃ感動した日本酒があって、その紹介してもいいですか?
はい、ぜひぜひ。
カモキン酒っていう日本酒なんですけど、
こないだ宝の場、早稲田のあたりでおいしいもの探したときに、
おでん屋さんを見つけたんですよ。
おでんいいと思って行って、
お酒ももちろん私好きなのでたしなむわけなんですね。
大学生っぽくねえな。
出し割りとか。
出し割りっていう時点で確かにかなりおっさん臭いですよね。
いやいいですよ。
とかいろんなものを飲んでるときに、
隣の方がすごい親切な方で、
この日本酒飲むみたいな感じで、
いきなりくれたんですよ。
ちょっと飲んでおいしかったからあげるよみたいな。
36:00
それがカモキン酒だったんですけど、
日本酒ってすっきり飲みやすいとか辛口とかいろいろあるんですけど、
一口目にすごいピリピリした感覚を覚えたんですよ。
フルーティーでめちゃくちゃ飲みやすいのに、
ちょっとピリピリしてでも後味すっきりみたいな感じがたまらなくて。
フルーティーな日本酒なんだ。
そうなんです。
フルーティーだけどちょっと辛口めもあってでもピリピリみたいな。
じゃあそのおでん屋さん行けば飲めるんですね。
飲めますし、私はネットで今注文しようとしています。
そうなんだ。後乗りするわけじゃないんだけど、
僕めっちゃ弱いし、本当にまともに酒飲んだら何年前か分かんないんですけど、
ビールとかは苦手なんだけど、
日本酒はそういう意味では一番、やっぱりなんかすっきりしてんじゃん。
物によるけど。
焼酎はいろいろ癖があるのもあるけど。
日本酒はそういう意味では今の話聞くと興味あるので、
ぜひ今度はこの番組でも募集してホリマナと行く。
宇和世田おでん日本酒ツアーみたいなことで、
僕もちょっとサポートをホリマナさんにさせていただければと思います。
ぜひ一緒に皆さんお酒を飲みましょう。
ということでまた次回皆様とお目にお耳にかかれますことを楽しみにしております。
ごきげんよう。
さようなら。
37:52

コメント

スクロール