ビルとしたら本当にお金がある人たちだけ。
若い人たち、カップルが特にいない。
若い人たちは出てこないでしょ。
今特にエンヤスっていうのもあるから、
確かに経済的には難しいから来れないっていうのもあるんだけど、
でもどうやら経済的な話だけじゃない気がしてて、
それはだって他のアジアの人たちは来てるわけで、
好奇心が日本人にはなくなってきちゃってるのか、
日本だけで暮らしていくことで満足できちゃってるのか、
挑戦するっていうことに恐怖を覚えちゃってるのか、
そんなことさえも考えてないのか、よくわかんないですけど、
本当に今パリで歩いてても、このパリに日本人がほとんどいない。
ほんと思いました。
僕昨日来たんですけど、あんまりいないっす。
これは多分データとかじゃなくて裸感だと思うんですけど。
実際にはコロナがあったことによって、
渡航制限とかっていうのがアジアでは結構あったから、
アジア人が全体的には少ないのは、その影響はあるんですよ。
それはなしにしても、探さないと見つからないくらい、
昔は探さないといってもどんどんすれ違ってたのが、
もうこの5年から10年の間でほとんど留学してくる人も少ないし、
経済的な問題は大きいと思いますね。
今の話で、日本人は日本を過大評価しすぎてる部分もあるし、
過小評価しすぎてる部分もいろいろあるのかなと思うんですけど、
それをまさに宮下さんはどう思いますか?
今本当に日本のテレビとか見てると、
なんか日本がなんでもすごいみたいなことをやったり、
外国人に言わせたりとかしてるテレビがあるじゃないですか。
ああいうのを見てるとやっぱりちょっと悲しいなと思いますよね。
実際にそんなに日本のことをすごいって思ってる人って年々減ってますよ。
外では、海外では。
昔は本当に経済力があったし、
人もすごいたくさんいたし、学生もいっぱいいたし、
そういう人たちと交流もたくさんあったんだけど、
つい最近、ある研究者と話して、
彼が言ってたのは、日本からの大学院生とか留学生が来ることがあるんだけど、
日本人はディスカッションに参加してこないっていうのがあるんですよ。
彼らはすごい知りたいんですよ、日本のことを。
知りたいんだけど、彼らは論文みたいなのを書かせると、
すごいいいのを書いてくるんだけど、
普段のこういうところでの話がみんなとできない。
だから日本人に対するイメージっていうのがどんどん悪くなってる。
なんか存在感も小さくなってますね。
僕もこれ、この10年くらいでちょっと気づいてることなんですけど、
この米人が日本人に対して諦めてるところがあります。
諦めてる?
この人たちは話さない人たちだから、
一緒に誘って外に歩いてても、あんまり質問が来ない。
そういうことはもう分かっちゃってるっていうのが、この長年のデータとして。
だからすごい残念だし、日本人はもうちょっと間違えること恐れてる。
今日の最初の話と一緒ですよね。
どんどん話せることによって、もっと日本という国を知ってもらえるし、
日本のことを尊敬して払うためには、そういう形でもっと話さなきゃいけない。
そうですね。もうそれは英語とか語学以前の問題で、
そもそも国内でもやっぱりね、もともとそういうところもあるし。
宮下さんは今、年1、2回帰る感じですか?
年にもいると思うんですけど。
今まではね、3回は帰ってます。
たまにしか帰らないからこそ気づく、特にこのコロナ後とか、
日本の良いことがあれば良い変化を言って欲しいんですけど、
なんか感じることってあります?
全てが安すぎる。
やっぱりそうですか。寝上がりしても安いですよ。
今、日本でちょっとインフルエンスになったりすると、すごい騒ぐ人が入る。
こっちなんかもっとすごいわけで、2008年にリーマンショックがあって、
それから2012年ぐらいまでは、スペインとかでもすごい経済危機が続いたんですよ。
みんな全然もう食えなくて、アパートをシェアしたり、服をシェアしたり。
服も。
やってきてる人たち見てきたんです。
だけど彼らはすごい不満はあったんですけど、それを乗り越えたら給料がもう上がってるんですよ。
で、今みんな普通に生活してるし、
日本人が例えばパリの空港とか行った時にエビアンとか買おうとすると、
それは出ないんですよ。高すぎる。
だけどこっちの若者たちが普通にエビアンとかを買って、
その物価がもう当たり前になっちゃってるから、普通に買うわけです。
だけど日本人はとにかく安く安く安くっていうことを探す競争を続けてきたがために、
気がついたら世界でこれだけのお金のない国になってます。
ほんとショックを受けましたね。
パリ来るのは5年ぶりでし、その前にロンドンに1ヶ月ぐらいだけプチ語学留学してたんだけど、
その時ですね、やっぱり円の弱さだよね。
大英図書館でオレンジと水買っただけで1000円みたいな感じで、
もうそこでちょっとやばいなと思ったんですけど、
今回ショックだったのは本当に昨日、アイスランドからパリに入るときにオスロで乗り継ぎだったんですけど、
もちろん乗る値高いだろうなと思ったんですけど、空港っていうのもあるんですけど、
ペットボトルの水がマジで700円ぐらいして。
円換算するのがちょっと悲しいですね。
ちょっとそう、オレは世界に出てくるんだみたいに息巻いてましたけど、
さすがにちょっと買うのはこまどって何とか買いましたけど、
そのくらい本当に今宮下さんおっしゃったように思ってる以上に2段階ぐらい置いてかれてるかも。
カカオ。だから少しぐらいインフレになっても、
こっちの人たちが証明したように、あえてもうこれ5年10年のスパンで我慢するしかないかも。
日本もインフレにしてつらいけど、将来のためにお金をとにかく高いお金を払わせる。
ガソリンだって今日本はすごい高いって言われてるんですけど、
こっちだったら350円とかのレベルです。
でもそうせざるを得なくて払わざるを得ない環境を強いていくと、
10年経ったときにみんなの給料がすごい上がってるし、
だって20年間でアメリカは300万平均が溜まってて、
フランスは150万溜まってて、確かにインフレもあるから結構必要かもしれないけど、
日本は20年間で50万下がってるっていう、考えられない。
でもなんか今の話で、大変だけどやっぱり日本は今まで時刻だけで全然なんとかなってきたから、
恵まれてたけどこの状況になったから、ちょっとしんどいけど考え方によってはチャンスですよね。
でも確かに日本だけで暮らして生きていくためだったら、もちろんデフレの方がいいですよ。
安い方がいいですよ。
それで満足してるからなんだと思うんですよ、最終的には。
だけど僕が今ちょっと怖いと思ってるのは、これで日本に帰って、
日本で生活して仕事するように切り替えたときに、もしかしたらもう海外に出れないんじゃないかなって。
ですね。
帰ってきちゃったらそうかもしれない。
そこがちょっと怖いので。
でも日本だけでも年を据えて生きていく覚悟があるんだったら、どんどんデフレになってもらっていいですよ。
そうですね、確かにね。
でも本当に日本が孤立してしまいますよね。
本当にしまぐりになっちゃいますね。
日本人が来てないっていうのも多分そういう原因だと思う。
その中でジャーナリストとしてずっとやってこられて、
皆さんの中でジャーナリストとしてこれだけは本当に自分が一番大事にしてるみたいなポリシーとかってありますか?
正直に生きること。
それはやっぱりノンフィクションを書く、
ジャーナリストとしてノンフィクションの作品を書く上での素直でいるっていうことが、
作品にすべて現れると思う。
やっぱりそこで嘘をつけたいとか、格好つけたいとか、
美の世界では無理があるところに僕は美はないと思う。
あくまでもナチュラルな自然で素直に生きていけたらいいなっていう思いがあって、
それがやっぱり人間だから難しいところもいっぱいあるし、
そうはいかないこともいっぱいあるんだけど、
限りなく純粋で素直で生きていければ、
もっといいジャーナリストになれるんじゃないかなというふうに思っています。
ちょうど、僕まさにそれを伺いたくて、
宮下さんの著書を読ませていただいていると、
いい意味でやっぱり日本のジャーナリストの人とかとはまたちょっと違うなと思って、
具体的にどういうことかっていうと、僕も新聞記者を短いながらやってたんですけど、
特に新聞記者、会社員ジャーナリストっていうのもあるかもしれないですけど、
徹底的にこう殺して、もう事実だけを炭酸して、
あんまりその感情をね、新聞記事とループはまた別ですけど、
でも何が言いたいかというと、宮下さんの本を読ませていただいたときに、
宮下さんが心の揺らぎとか感じていることがノンフィクションなんだけど、
宮下陽一がすごい感じられて、
でもそのバランス感覚が素晴らしいなと思って、
宮下さんがすごい出てくるわけじゃないんだけど、
逆にでも宮下陽一を感じるみたいな。
たぶんそれは自分が鈍感だからなと思ってて、
全てをさらけ出したい。
さらけ出すことに恥ずかしいとは思っていない。
そういうところをたぶん読者の方とか感じるんじゃないかなっていうのがあって、
後でやっぱり編集者の方に、さすがにこういう表現とか書き削りましょうよみたいな、
いろんな恥ずかしいシーンとかもどんどん書いちゃうタイプ。
そうやって、嘘がなく、格好をつけずに、
格好悪いところも全てがやっぱりシンジシュー、ノンフィクションの世界だと思ってる。
そういうところを素直に見せていけばいくほど、
読者もいろんなことを分かってもらえるのかなとか、
近ざるっていうことが良くないのかなと思いますよね。
もちろんですが、格好悪いよりは格好良くなりたいけど、
それを色をつけて人工的に作り上げるっていうことはやりたいと思ってる。
確かに格好悪いが格好良いじゃないですか。
今の話し方で正直の美学を感じますよね。そっちの方が格好良いし美しいね。
それってもともと持ってらっしゃるものがもちろん大きいと思うんですけど、
あとはやっぱりこっちのスペインとかアメリカもですし、
ヨーロッパのジャーナリズムには当然触れてらっしゃって、
ジャーナリスト、こっちのジャーナリストっていうのは特に書名で書く人も
多分日本の新聞記者より多いのかなと勝手に思って違ってたりしていただきたいんですけど、
さっきのこの話もなるかもしれないけど、
もちろんジャーナリストが事実とか客観性大事だと思うんですけど、
俺はこう思うとか、私はこう思うとか、さっきのディスカッションもそうですけど、
そういうものをきちんと出すみたいなものがベースにあって、
そこでやっぱり何十年やってきてるかとか、そういうのがあるんですかね。
あんまり自分で考えたことないかもしれない。
本を書く時と、僕が劣幹誌とか空間誌を書く時のスタイルは全部違うんですけど、
水壁ロゴを書く時は限りなく客観的に書こうとする。
客観性っていうのは存在しないんだけど、限りなく私はとかいう表現はしない。
だけど本についてなってくると、読者が求めてるのって、新聞記事を読みたいわけじゃないと思います。
本の中で。
本ってなると、その人の作品だから、その人が何を考えてるのかっていうことが含めて、
物語を知りたいって思ってる人がいるんじゃないかなっていうのもあるし、
僕の場合は、いろんな主観を集めていくことによって、
この時は知らないし、わからないし、驚いた、悲しい、いろいろ感じるけど、
その場面その場でのいろんな主観っていうのを集めれば集めるほど、
それが客観的になっていくんじゃないかなっていう思いがあって、最終的には。
面白い。でもなんか、やっぱり話し方が合ってると、物語って言葉を最初からずっとおっしゃってて、
僕も何万冊目読んでるわけじゃないですけど、
日本の僕なりの会社ですけど、やっぱりノーフィクションとか読んでると、
やっぱりノーフィクションなんて、いわゆるフィクションじゃないから、
どうしてもフィクション、物語、小説みたいなイメージがあるんですけど、
やっぱり宮下さんの方はノーフィクションと言えば、僕はとにかく作品を読んでる感じするんですよね。
やっぱり物語を紡いでってる感じがすごいですよね。
そこが読んだ時にいい意味で、他のノーフィクションと違うなって思うんです。
言ってみれば、僕は何も知らないんです。専門性がないんです。
だから、全く知識ゼロのところからスタートしてるわけです。ほぼ全ての作品が。
そこにバイアスが最初に変わってなくして、ゼロの知識から読者と一緒に学んでいきたいというプロセスなんです。
最初から高いところにいるわけじゃないわけですよね。
最初にもう結論はないし、わからないことだらけ。
最後も別に結論言い切ってないこともありますよね。
そういうスタンスなんですね。
ここで事前に質問リスト出したりもちろんしてないんであれですけど、事前に一つだけこれはやっぱり伺いたいっていうのでリクエストさせていただいた。
人生に欠かせないものっていうことを宮下さんに伺いたいなと思ってて。
7枚のカードがあります。
本、曲、食、食、食べるですね。
映画、場所、記憶、もしくは何でも。
この中で宮下洋一さんにとって人生に欠かせないものを一つ挙げるとしたら何でしょう?
場所。
場所、どこですか?
日本。
パリじゃないんですね。
パリじゃない。
その心は?
日本に対する憧れ。
日本に対する憧れ?
というのが、たぶんよくわからないとは思うんですけど。
なんかワクワクしてきました。
日本人が海外に出てみたいっていう憧れが同じくらいの年の人たちだったらあると思うんですけど。
自分はもうずっとこっちに30年住んできてて、今その思いが日本に向いてきて。
日本に対する自分の憧れが今出てきてて、日本に住みたいし。
住みたい?
住みたいと思いますね。
歳を取ってきたっていうのもあると思う。
やっぱり人間って原点に戻っていくんじゃないかなっていうところもあるし。
こっちの移民の人たちとも話してても、やっぱり最終的には自分の国に戻りたいって人多いです。
たとえ経済力がなくても、紛争値でも、やっぱり自分の国が好きっていうのは海外生活が長くなればなるほど日本に対する憧れが出てくる。
最後は日本で自分がどういう国で本当に育ってきたのかということをもう一回見つめ直したいなっていうのがあります。
それは憧れっていうのは何て言うんでしょう?
大きな意味での、ある意味抽象的な何か憧れなのか、両方かな、具体的にこういうことに憧れるとか。
もうちょっと自分がずっと個人の社会で生きてきたから、日本の集団の社会の良さっていうところももっと知りたいし、悪いところも知りたい。
そういうことを学んで知っていくことによって、もうちょっと自分の中で生きていく上で幸福になるためにはどういうバランスを取って生きることがいいんだろうかっていうのはもっと深く知ることができると思っています。
よりちょっとバランスが取れそうってことですね。ある意味抜けすぎたからもうちょい入れたいみたい。
そしたら宮下さん50代になって1年くらい会社員日本で。
そういう憧れはありますよね。
20年ずっとフリーでやってきて思うのは、仕事の後の一杯とか、新橋とか歩いてると、羨ましいですよ。
あと忘年会とか、いいなみたいな。
でも実際できないんじゃないですか。
多分できないと思う。
僕もできない。
だから憧れがある。
できないからこそ憧れるみたいなね。
人間ないものを出たり。
ひどい意味でも同じ仕事って言うと恐縮すぎておこがましいんですけど、それでもあえて伺いますけど。
僕は結局書くの嫌いで新聞記者辞めたところもあるんですよ。
インタビューだけが好きなんでなんとかそれで食えないかなって。
なかなか日本でライター以外で食うっていうのは大変だと思うんですけど。
それで何とか無理矢理仕事を作り出して20年チャブやってきたんですけど。
宮下さんそういう意味では何だろう。
いろいろさっきのテレビラジオとかじゃなくて、あとは書くことでおっしゃってたと思うんですけど。
言うほど全然喋れるからそっちも行けそうな方な感じするんですけど。
そんな中でも書きたくないなみたいに思うことないんですか。
いわゆる取材で例えば喋るとかそっちだけでできたらいいなみたいに思うことないんですか。
僕はもう書くことが昔から嫌いで。
マジですか。
全然書きたいって思えないんですね。
今も?
今も。
じゃあそういう意味ではしんどくない?
すっごいしんどい。
しんどいんだけど、取材大好き。
ですよね。
現場大好き。
取材してそれで終わればいいなと思う。
だけど作品に書くのってものすごい大変。
本当です。
すごい集中力も必要だし、頭の筋肉が疲れるとにかく。
どうやって書こうかとか、そういうこと考えるだけでもう嫌になって。
いつもインタビューをご視聴いただいてありがとうございます。
この度スタートしたメンバーシップでは、各界のトップランナーから戦争体験者に至るまで
2000人以上にインタビューしてきた僕が国内外の取材、
そして旅の中で見つけた人生をアップデートするコンテンツをお届けしていきたいと思います。
ここでしか聞けない特別インタビューや基礎トークにもアクセスしていただけます。
随時これは面白い、これはいいんじゃないかというコンテンツもアップデートしていきますので、
そちらも含めてどうか今後の展開を楽しみにしていただけたらと思います。
なおいただいた皆様からのメンバーシップのこの会費はですね、
インタビューシリーズの制作費だったり、国内外のインタビューに伴う交通費、宿泊費、
その他取材の諸々の活動経費に使わせていただきたいと思っています。
最後になぜ僕が無料でインタビューを配信し続けるのか、少しだけお話しさせてください。
この一番の理由はですね、僕自身が人の話によってうつや幾度の困難から救われてきたからです。
そして何より国内外のたくさんの視聴者の方からこれまで人生が変わりました、
毎日済む勇気をもらいました、救われましたという声をいただき続けてきたからには他になりません。
この声は世界がコロナ禍に見舞われた2020年頃から一層増えたように思います。
これは本当にありがたいことです。
ただ同時にそれだけ心身共に疲弊したり不安を抱えたりしている方が増えていることに関わらない、
その裏返しであると僕は強く感じています。
正直に言えば各僕自身も15年以上前に起業して以来、最大のピンチといっても過言ではない劇をこの数年送り続けてきました。
でもこんな時だからこそ森に入ることなく、インスピレーションと学びにあふれるまだ見ぬインタビューを送り続けることが
インタビュアーとしての自分の使命なのではないかと強く感じています。
世界がますます混迷を極め先の見えない時代だからこそ、僕はインタビューの力を信じています。
これまでのようにトップランナーや戦争体験者の方への取材はもちろん、
今後は僕たちと同じ姿勢の人、普通の人の声に耳を傾けたり、
でもすると打ち抜きになってしまう今こそ海外でのインタビューに力を入れていきたいと思っています。
そして彼らの一つ一つの声を音声や映像だけでなく、本としてもしっかりと残していきたい、そう考えています。
そんな思いに共感してくださる方がメンバーシップの一員になってくださったら、これほど心強く、そして嬉しいことはありません。
ぜひメンバーシップの方でも皆様とお耳にかかれるのを楽しみにしています。
以上、早川良平でした。