1. INTERVIEW │ インタビュー
  2. #18:午前2時の電話を喜んで..
2021-12-10 39:27

#18:午前2時の電話を喜んでとれる間柄か? │ 額賀古太郎さん(ギャラリスト)

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/UDP46P3QVFM

【額賀古太郎さんへのインタビュー】
Talk.1|作品が嘘をついても、アーティストは嘘をつけない https://youtu.be/5v0jmZO34Ic
Talk.2|午前2時の電話を喜んでとれる間柄か? https://youtu.be/UDP46P3QVFM
〈12月14日(火)公開〉Talk.3|アートと大衆文化の関係性 https://youtu.be/HZBs_HkvKw4
〈12月17日(金)公開〉Talk.4|アートの世界の今とこれから https://youtu.be/zeQ0NHEpeSM

額賀古太郎さんへのインタビュー再生リスト|https://bit.ly/32AeosQ

【額賀古太郎プロフィール】ぬかが・こたろう/1980年、神奈川県生まれ。
早稲田大学美術第一文学部史学専修を卒業後、University College London(ロンドン大学)にて美術史学修士号を取得。幼少期より西洋美術を中心に取り扱う家業の環境の中で育つ。2008年にNUKAGA GALLERYを承継し、2012年に銀座へ移転。取り扱い領域を印象派・モダンアートから日本の戦後美術まで拡張する。2018年、東京・天王洲に現代アートギャラリーKOTARO NUKAGAを開廊し、国内外のアーティストと活動を開始。松山智一や平子雄一などの気鋭のアーティスト、ステファン・ブルッゲマンやトニー・マテリなど、日本では未発表のアーティストを紹介する。アートと社会の対話、そして他カルチャーや学問分野への領域横断性について思考を巡らせる。

▶︎松山智一さん(美術家)へのインタビュー
https://youtube.com/playlist?list=PLh7eiOWS7pyhdCAKY9gVuZpp3_tsy6dLp

▶Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します)
https://bit.ly/Spotify_INTERVIEW_YH
▶Apple Podcast(音声)
https://bit.ly/Apple_INTERVIEW_YH

【目次】
OPトーク
アーティストとの関係性
発掘か育成か
キュレーション活動の真意
「額賀古太郎」の生い立ち
父から教わった心構え
父から受けた影響
イギリス留学から受けた影響
EDトーク

▼「会う力」養成講座
https://www.auchikara.com/

▼「会う力 YouTube LIVE」開催
日時:12/13(月)
URL:確定後掲載します
アーカイブ:https://bit.ly/3FoVinA

▼「月末 YouTube LIVE」開催
日時:12/27(月)
URL:確定後掲載します
アーカイブ:https://bit.ly/3Dw3rWE

▼番組への感想・早川洋平・堀真菜への質問募集中です。
(いただいた質問は月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
https://bit.ly/INTERVIEW_QandA

▼「QR CAFE」(毎月開催)
日時:12月15日(水)
お申し込みURL:https://www.life-upd.com/cafe/qr05.html
早川選書:『5000日後の世界』(ケヴィン・ケリー/PHP研究所) https://j.mp/3ChMiic
(※事前に本書を読まなくてもご参加頂けます。お気軽にご参加ください。)

 ▼【聞き手・早川洋平プロフィール】 はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。
羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

▼【ナビゲーター・堀真菜プロフィール】 ほり・まな/現在、早稲田大学3年生。 コロナウイルスの流行により、人と会いづらくなったことを機に、zoomを通して色々な人の話を聴くことを始める。1年間で200人以上にインタビューを行い、聴くことの魅力に目覚める。 現在、勉強を教えない塾福幸塾と提携し「思考と対話の技術」の提供をする他、学生・若者向け対話サービス『workin’ talkin'』を立ち上げるなど、 対話、インタビューを通じて様々な事業を展開している。プロインタビュアーとして実績を積むため現在奮闘中‼︎
https://koushiro123.wixsite.com/manaroom

▼関連キーワード
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Videographer/Editor : Kimi

00:01
インタビュー
こんにちは、堀間奈です。
インタビュー、この番組はYouTubeとPodcast各プラットフォームよりお届けしています。
YouTubeのチャンネル登録、Podcastの各番組のフォローよろしくお願いします。
そして早川さん、今月もよろしくお願いいたします。
はい、お願いします。
私たちって早川さんと私をまとめるのもそれ多いんですけど、インタビューじゃないですか。
はい、そうですね。
だからこう聞く、人の話を聞き出すとか聞くのっていうのは慣れてるんですけど、
じゃあいざこう自分の思いを伝えるとか、自分の話をするとかってなると、
なんかいまいちまだ上手く伝えきれない部分があって、
最近は喋るっていう方をインタビュアーでありながら意識して頑張ってるんですけど、
早川さんやっぱり喋るの上手いっていうか、口が動いてますよね。
どうなんでしょうね。でももともと、いまマナさんの気持ちはすごいわかって、
もともと新聞記者とかライターやってた時から聞くのが仕事じゃないですか。
ですけどその時は、聞いたものをどこに発信するかっていうことですよね。
いわゆる当然新聞だったりウェブだったりだったと思うんですけど、文章を載せるだけだったわけですよ。
つまり別に僕が喋る必要はなかった。
だったんですけど、僕は3年前から2年前にポッドキャストを始めることによって、
インタビューをその場で撮ったものを、編集するって言っても実質そんな編集はできないでしょうから、
この声のやりとりも含めて全部流すってことになったので、そこからインタビュアーって形ですけど、
今もそうです。本当にその場のインタビューって別に一問一答なわけじゃないじゃん。
こういう意図があってこうなんですよとか文章になると削られてたとしても、
意外とこの聞き手としてもいろんなタイプによりますけど、
結構こっちの聞き手側もほぼ普通に対等に話している時もありますし、
だからどれだけ場を積んだかというか、
僕も別に今も喋り上手いとは、もちろん上手くないですし、上手いとも思ってないですけど、
その場を続けていけば、マナさんこのインタビューの場もそうかもしれないですけど、
すごくたぶん楽しみですよね今後。
そう、場数を踏んでいかないとっていうのは自覚はするわけですよ。
じゃあどんどんその辺を自分でも今やろうとしてるんですか?
そうです。最近それこそ喋る練習をしようと思って、
じゃあ一番手っ取り早い喋る、自分の思いを伝えるってなんだ?ってなった時に、
あ、講座をやるっていい手段だよな。
自分で?
そう。
すごい。
それこそ自分の思いだったり世界観を伝えるっていう意味でも。
03:00
なので最近はオンライン講座を作ろうと毎日必死になってます。
すごい。ちなみにどんな講座をやるんですか?
タイトルとしては病んでる時間の過ごし方っていう。
いいですね。僕にぴったりじゃないですか。
早川さん病みやすいですか?
病み続けて41年ですよ。
そんな悲しい人生ないですよ。
悲しくないです。病むことでしかいられないものありますからね。
そうです。
真面目な話を。
そんな悲しい人生って自分で言ったものの、
講座で伝えたいのは病んでる時間って悪いものじゃないよねっていうのを伝えたくてそれこそ。
深い。
そうなんです。
私が昔高校生とかの時は将来何をやりたいかもわからずに、
私これからどうなるんだろうとか思いながら。
今は早川さんとこうやって一緒にお仕事させていただいたり、
自分で授業をしながらコーチングというかカウンセリングというか、
大学生と一緒に将来描くみたいな授業をしながら将来の方向性が少しずつ見つかってきたっていうのがあって。
そこにやっぱり私の中では病んでる時間というか、
面減らな私が必要だったわけですよね。
だからその大切さっていうのを講座を通して伝えられればなっていうので、
講座作りを今しゃべる練習としてもやろうとしています。
それはもう講座作りっていうか作ってどっかやるんですか?
12月の18日の13時から15時までの2時間。
それオンライン?
オンラインです。
早稲田大学村上春樹ライブラリーとかでやるんですか?
ちゃんと。
ここだけ撮らないと行っちゃう人いるかもしれないからね。
Zoomのオンラインです。
そうなんですね。
きっとこれ配信される頃には申し込みのURLが出てるわけですよね。
そちらも多分概要欄に記載しておきますので、
よかったら皆さんぜひ参加してみてください。
ありがとうございます。本編に移ってまいりたいと思います。
今回も前回に引き続き、ガローのぬかが小太郎さんにインタビューされたんですよね。
はい、そうです。
いかがでしたか?
逆にどうでしょう?実際見て、今回のこの第2回ですけど、
第2回の内容でもいいですし、全体的なことでもいいですし、
何かそこでシェアしたいこととか、さらに僕に突っ込みたいこととかあれば。
本当にアートと今まで無縁に生きてきたんですよ。
インタビュー聞いてたら、ぬかがさんご自身が、
ご家族とかご親戚の方がアーティスト揃いっていうのを聞いて、
そういうのってちっちゃい頃からそういう環境にいることによって、
感覚が養われるというか、目が養われるというか、
そういうのって大切なんだなとインタビュー聞いて思いましたね。
確かに環境が人を作るっていうのは、今も昔も言われてますし、
06:00
そういう意味ではさっきの冒頭でもあった、聞くのは得意でも話すのは、
それも環境だと思うので、
やっぱりぬかがさんはそういう意味でご自身は謙遜されると思いますけど、
やっぱり本当に素晴らしいアートや音楽だったり、
そういうのはきっと囲まれて育たれたので、
やっぱりその辺は素晴らしいなと思いつつ、
でもこう思ったんですけど、
マナさんも多分アートは分からないとかね。
すべての人がアートというか芸術というか、そういうのは当然楽しんでいいと思うし、
僕も起業したときに、最初の時に地元横浜で横浜美術館の
ポッドキャスト番組をプロデュースさせていただいてたんですけど、
その時にも美術館の人だったり、アーティストの方とも話したんですけど、
特に現代アートって分からないというか分かりにくいじゃないですか。
その時にいろんな方に当時お話聞く中でですね、ある方がおっしゃってたんですけど、
別に分かろうとする必要はないと。分かる必要はないと。
感じろっていうふうに言われて。
しかも感じて、やっぱりほら、いろんな知識があればさ、
これがどういう技法で書かれて、いつの時代でどういうこと。
当然それも大事だと思いますし、今はどちらかというとやっぱりそこが大事だなと思っているので、
今は僕は学んで、そうするとよりもちろん深く学ぶこと楽しむことができるから、
絶対必要だと思うんですけど、最初はとにかくアートが好評なものだと思ってたので、
ふわず嫌いだったんですよね、現代アートって。
現代アートじゃなければ例えばモナリザとかだったら見ればさ、
その価値は置いといて、何書いてるか分かるじゃん。
でも現代アートってね、アンディ・ウォーホルとかもそうですけど、
これアートなの?みたいなの。
ありますよね。
なんか床にペンキパッてなんか散っててこれアート?みたいな、
なんか思ってたんですけど、なんかその感じろって言われた時に、
これアートでもいいし、なんかこれ見ると気持ち悪いとか、
なんかそういうものをそのまま出して感じていいんだよみたいに言ってもらって、
昨日も某QRカフェでね、マジョリティとマイノリティの話しましたけど、
なんかつまりみんなが例えばこのAっていう作品ね、
素晴らしいみたいに、なんか一般的に言われてるもんあるけどさ、
見たらあれ?みたいなのあるよね正直。
ありますよく分かんない、これ本当?みたいな。
そうそう、でもその感覚が全然それで良くて、
それも含めてなんかアートを楽しむということなんだよみたいに教えていただいて、
それから要は肩の力すごい抜けて、今も全然分かんないんですけど、
なんか親って思うのがあって、この親っていうものを思っていいんだなみたいに。
そうしたら逆説的なんですけど、さっきお話ししたように、
なんか今ほら、よりアートのブームというかNFTとかいろんなことも出てきて、
関心高い方増えてますけど、いわゆる現代アートの学び方みたいな、
09:00
歴史とかからもちゃんとその現代アートの前から学んでって、
こういうものがあって、まずこういうのを知っとけばいいみたいなもの、
すごく分かりやすい本とか出てますので、それを読んでいくと、
もちろんそういう文脈を知った上でだと、
美術館次行く時も楽しくなってくると思うので、
なんか最初はそれでいいんじゃないかなって、
逆に知識だけ入れてもやっぱり見に行かないとよく分かんないしね。
このインタビューが皆さんがアートに触れたり深まったりするきっかけになればと思います。
そうですね、ぬかがさんの話、とても面白かったので、ぜひ聞いていただけたらと思います。
それでは、早川さんとぬかが小太郎さんの対談対2回お聞きください。
あくまでぬかがさん個人としてのお答えでいいんですけど、
いわゆるそのアーティストさんと20年30年付き合っていくっていう、
どういう関係性っていうんでしょう?
例えばビジネスパートナー、友人、
また言語化するのもナンセンスかもしれないですけど、
アーティストの人はどういう感じなんだろうなと思って。
夜中の2時に電話がかかってきても、嫌じゃないって思える。
分かりやすいですね。お互いね。
僕はなるべくかけないようにしますけど、
夜中に思いついたことがあって、これを共有したいと思って、
電話しても喜んで受け入れてくれる。
僕も逆にそうでありたいと思いますし。
そういう意味では今少しイメージ湧いたんですけど、
ぬかがさん個人として、ギャラリストとして今まで関わったアーティストの方に、
作品に対して、つまり伝えたり見せ方に関してはもちろんプロだと思うので、
そこは積極的にやっていくと思うんですけど、
作品そのものとか作風に対して何か、言葉を選ばずにこうした方がいいんじゃないかみたいな、
そういうことは絶対言わないようにしているとか、
例えばマイルドな感じだと全然話すこともあるよとか。
私はそれはあまり言わない方だと思います。
作家と話している中で、ベースとなる思想とかコンセプトのこととかを話したりして、
それが具現化されるのが作品だとしたときに、
一つ一つの細かい表現とか、そこまで言うと、
やっぱりそれがちゃんとビジュアルとコンセプトのバランスってすごい大事だと思うし、
それが両立、いいバランス化されているものが本当にいい作品だと思うんですよ。
そこは見ていて、すごく注意深く見るポイントではあるんですけれども、
結局ギャラリーの目線で言うと売れやすい、
こうしたらサイズにしても何にしても売れやすいっていうことが
主観的に入っていっちゃう可能性があるんだとしたら、
なるべく自分で抑えた方がいいかな。
抑えてから言わない方がいいかな。
そういう意味では、近しくなるからこそ距離感じゃないですけど、
12:00
ちょっと気をつけている部分はある、なきにしもあらず。
そうですね。相談されたらいくらでも答えますけれども、
自分からはあまり言わないかな。
さっきのお話でいくと、
今こっちの小太郎・ぬかがのラインというか、
ご自身が立ち上げた方だと、
どちらかというと新しいアーティストの方というか、
これからさらにという方が多いと思うんですが、
発掘しようとか育成しようとか、
ちょっと上から目線になっちゃいますけど、
そういう感じとも違いそうですよね。
例えば銀座とかぬかがギャラリーという方でやっていることに関しては、
歴史の中で生まれている作家の作品の最低位というか、
新しい勝ちづけみたいなことは結構やっていますね。
うちで特にやっているのは、戦後の女性作家の展覧会やアートフェアで紹介したりして、
当時っていわゆる女性の活調制度が色濃い時代で、
そもそも女性が美術をやるなんてどういうことだみたいな、
中で前衛的な活動をしていた女性作家。
でも本当に当時から厳しい批評に刺さらされていて、
マーケットという意味でもそんなに評価されていなかったような人たちを
今改めて発掘して、
日本だけじゃなくてアジア、世界に。
逆にそこに対して世界の方が早く反応して、
こういう作家が日本にいるんだけど、その作家の作品がないとか聞かれる場合もありますし、
そういうことを体系的にやっていくっていうのはありますし、
若い作家という意味ですと、美大の卒典とかも行ったりするんですけど、
正直よくわからないんですよ。
そのわからないとも違うんですよ。
もしそこにピカソが紛れているとしたら、
何万分の1とか何十万分の1とか何百万分の1の確率じゃないですか。
なかなかそこに人に出会うって確率もないと思いますし、
美大卒っておそらく22歳とか3歳とかちょっと老人にしても25歳とか5歳が作る作品って、
やっぱり美大に通っているから、テクニックとかそこで学んだこと、
テクニック以外の環境の中で自分たちが考えたこと、思想的なところも含めて、
面白い作品を作っているなと思うんですけども、
じゃあそれをそのまま世に問うて、
15:00
力強い作品として成立するかって言ったらまだまだだと思うんですよ。
美大な卒生を見て、教室とかに学生さんがいらっしゃる場合もあるけれども、
そもそも作品だけ見ているとあまりわからないなっていうのもあるし、
自分が学生のとき考えたことなんて、
今から見たら笑っちゃうようなことしか考えていなかったので、
やっぱり経験って時間とともに重なっていく部分が大きいと。
ありますよね。
思うので、テクニック的には早熟な人とかいると思いますけれども、
そういう意味では、なかなか若い作家というか学生さんの作品を見て、
すごいなと思うことってあんまり僕はないですね。
なんか僕、何かのニュースで見たんですけど、
ホテルの軽井沢の平松のアートのキュレーションもされているというのを拝見したんですけど、
そういう意味ではやっぱり、今お話を伺った後でなんで、
ぬかわさんの方では別に一貫というか、一つとしてやっているから全然ずれないわけですか。
そうですね。あれは平松というレストラン企業とは、
個人的な繋がりがあるというのが前提ではあるんですけれども、
今、現代アートをテーマにしたホテルって結構増えていると思う。
それぞれコンセプトがあって面白いなと思うんですけど、
ある意味、良い意味での差別化を図りたかったなというのもありますし、
本当に今流行っているような20代から30代の作家の作品を並べたら、
反響はあるのかなとは思うんですけれども、そこの土地でやる必要もないかなみたいな。
そもそもね。
やはり、場所で言ったらカルイザの隣町の三与田町というところなんですけれども、
そこの持つ歴史とかフードとか、自然環境とか、
もしくは平松というレストラン、ホテルが持っている歴史とか思想みたいなものを
ちゃんと美術に反映させて、そこに訪れた人たちが、
立体的に美術品を通して自分がいる滞在時間というものを豊かに感じられる。
そういうコンセプトで展示を組みたいなと思ったというところです。
アートとホテルというと、
僕はもう昔、横浜美術館さんの仕事のおかげで、
栃木の那須にある板室温泉大黒屋というところの、
室井さんにお話しさせていただいて、もちろん何泊も泊まらせていただいて、
正直最初知らないときは、
普通に泊まりたいんだけどって素人としては思って、
よくわからない現代だとかって思ったんですけど、
泊まったらやっぱりさすが室井さんで、
18:01
すごく本当に馴染んでて、
初めてその時に泊まってから良さがわかったんですけど、
そういう意味ではやっぱり犬川さんおっしゃってるように、
今の室井さんとは全然違うにしても、
いわゆるわかりやすいものを並べてやれば反響があるかもしれないとか、
あとコーダーみたいなのをやれば、
ブランディングとしては表層的には良いかもしれないっていう、
ただ本当のところでそれが馴染んでるかとか、
本当の意味でお客さんが満足するか、
もっと言うと平松もそうですし、
今バブルの頃にできたホテル、
でも箱はしっかりしてて、
ちょっと古びてるかもしれないけど、
とかに行ったりすると、
当時この作品流行ったんだろうな、
みたいな作品が結構並んでるものもあるじゃないですか。
そうなってしまったら、
面白くないなっていうか、
やっぱり時代を経ても、
ずっと進路を保ち続けられるようなコンセプトと作品であった方が、
ホテルにとってもいいんじゃないかなと。
結局はその方がっていうのもありますよね。
ホテルのエントランスとか各部屋に、
縄文土器を設置したわけですけれども、
本当にエントランスにあるのは、
ホテルの敷地から出土したもの。
それってもう、
数百年前とかに作られたもの。
バブルから今みたいな30年とか、
そういう時間軸でもないわけですよね。
でもそこに人間の創造性とか、
生きる営みとか、
器ですから、
そこに何かを貯蔵したりとか、
それが儀式的なものに使われているのかわからないですけれども、
今の人とも通ずるような、
人並みというものを感じられるところから始まっていって、
何か人が物を作ったりとか、
想像力を働かせる、
そこに何かを留めるという行為が、
何千年て続いているんだなというところを、
感じ取れるような展示にしたいなと思いました。
ここから少し話が変わって、
中川小太郎がいかに生まれ現在に至るのか、
これだけ語って一晩尽きると思いますが、
尽きるかな?
尽きないです。
僕が聞きたいところがいっぱいあるんですけど、
お生まれというかね、
先ほどお父様の話も少しだけ出てきましたけど、
やっぱりそもそもどんな環境に生まれたのかな、
一番最初のところから。
もともと父が1977年にギャラリーを作って、
私が生まれる3年前ですけれども、
私ももともとギャラリーを作る前に、
銀座のギャラリーで、
当時フランス海外を中心にやっていたギャラリーで修行して、
21:00
独立して、
家に美術品がそんなに高価なものはなかったですけど、
今でもよく覚えているのは、
その食卓にミロの版画がかかったんですね。
高いものじゃないですよ。
そんなにおそらく。
ぬかがさんの絵が高いと、僕の絵が高いと違うかもしれません。
僕にとってのお絵かきって、
周りのものを描くんじゃなくて、
いつもミロを描いていたという、
だから絵が上手にならなかったんじゃないかなと思うんですけど、
いつもグリグリグリみたいな抽象的なものを描いていた記憶があるので、
周りに美術品があるというのは、
本当に自然な環境だったなと思います。
父親がその仕事を誇りを持ってやっていたというのが、
僕にとってすごく大きい。
だから続きたいなと。
同じ仕事をしたいなと思いました。
本当にいろんな美術館に連れて行ってくれたりとか、
高校生ぐらいの時に、
ベネチアとかフィレンツェとか、
パリとか連れて行ってもらったのも結構大きかったですね。
高校の時期に行くと違うでしょうね。
そうですね。
イタリア行ったら、
ルネサンスのものもあるし、
フィレンツェ行ったらそういうものを見て、
ベネチア行ったら意外と、
グッゲーハイムとかジャコメティとかもあったりとかして、
ヨーロッパ文化の懐の深さにやられましたね。
お父様の今お話が出てきましたけど、
3年くらい前の芸術審長のインタビューのところで、
ぬかがさんがですね、
お父さんと直接働く間の時間はわずかだったけど、
いわゆるテクニカの部分だけじゃなくて、
美術に携わるものとしての心構えを教わったというふうに、
その記事には書いてあったんですね。
なんかちょっとかっこいいこと書きすぎたらわからないですけど。
でも多分何かあったんでしょうから、
それを今、ほじくり返すわけじゃないですけど、
言語化するテクニカル以外の部分で、
お父様から教わったことって何でしょうね。
そうですね。
父がやってた仕事って、
わりとセカンダリの仕事というか、
作品に内在する金銭的な価値も含めて、
どう評価していくか、
神秘的にやったものの美しさとか、
歴史的な重要性みたいなものを考えるのが好きだったと思うんですね。
美しいものに対する執着というか、
感覚はすごい鋭い人だったなと思うので、
本人の普段の見なりとかもいつもかっこよかったですし、
身長も私より高くて、
本当に皆さんが聞くことで言うことじゃないのかもしれないですけど、
小学校の父系参観に来るとざわつくんですよ。
24:05
かっこよかったんですね、やっぱりね。
父親が。
逆にコンプレックスをすごくそれで持ったんですけども、
先生とかも、小太郎君のお父さんって本当にかっこいいよねみたいな。
お父さん笑ってますよ、天国で。
そういう人が美術なんて売ってたら、それはかっこいいじゃないですか。
しかも表面的なものじゃなくて、
本当にヨーロッパ文化の中で重要とされる、
系譜の中にあるようなものを扱っていたので、
子供の中に痺れるわけじゃないですか。
やっぱりお客様に対する接し方とか、
そういうのは本当に徹底しているというか、
よく言われたのは、
賞なんだよと。
賞なんだよと。
商人なんだよと。
商売人なんだよと。
その心を忘れたら仕事ができないよと言われたので、
ただ単に物を売るだけじゃなくて、
賞人としての教授みたいなものをちゃんと持って、
真心みたいなものを持って仕事をしなければダメだというところは言われましたね。
なるほど。
さっきシンプルに家にも絵があって、
絵を描いていたみたいに言うと、
当然お父様が画廊をやっていらっしゃれば、
もちろんこの道にというのもあると思いますけど、
絵が身近にあったらまた絵を描く方に行くかもと思ったんですけど、
今の話を聞いていると、
あんまり型にはめちゃいけないかもしれない。
だからお父様がとにかく挑める。
父が画廊をやっていて、
おじが絵描きで、
そうなんですね。
さらに次男が絵描きで、
三男が料理人。
そうですよね。
平松を作った。
なので物を作る人は二人いたし、
いとことかも美大に通ったりとかもしたので、
自分は物を作るというよりも、
価値を届ける側の方がいいかなって思いましたね。
そうか。
じゃああんまり絵描くは最初からなかった?
そっちの画家は。
絵描くはなかったですね。
逆にすさまじい才能のものを、
常に見させられちゃってるわけじゃないですか。
そんなところにチャレンジするなんて恐ろしすぎて、
無理だなって思いますね。
そういう意味では都合というか、この道進もうというのは、
ざっくりといつぐらいに決めてたんですか?
幼稚園ぐらいですかね。
早っ。
そうなんですね。
物心ついたらもう。
父親が夏休みの時に、
一ヶ月ぐらいで夏休みを取って秘書地に行ってたんですね。
優雅に感じるかもしれないんですけど、
当時僕は優雅というか、
なんでこんな夏休みが長いんだろうなって思って、
仕事をしなくていいのかな?
27:00
これいい仕事だなって思いますね。
でもよく考えたら、秘書地でいろんな人と会ったりとか、
ちょこちょこ東京に帰ってたんだなって、
今考えると思うんですけども、
でも自分の休みなり行動を主体的に決められる仕事はしたいなと思いましたね。
そうですね。
そうでなくても人生なんだかんだ思い通りにいかないことはありますから、
とは言っても夜中に2時に電話かけてきて出ますよね。
ですよね。
そんな中で少なくてもベースはするしておきたいというのはありますよね。
そうですね。
ちなみに、ぬかがわさんご自身はご兄弟いらっしゃるんですか?
弟が。
そうか。
弟さんもいるとはいわゆる、
でも弟もこの世界の仕事をしてる。
本当ですか?一緒にやってる?
一緒にやってないですけど、
たまに何でも官邸団出たりとかしてますね。
本当ですか?失礼しました。
そして、お母さんもやってらっしゃる?
母は父と一緒にギャラリーをやっていたので。
そうですよね。
本当にご一家なんだなと思いつつ。
でも父から受けた影響も大きいんですけども、
おそらく私の中で、
父からの影響だけだったらこういうことはやってないと思うんですよ。
そうなんですね。
でもありがたいことに日本の大学で美術師をやらせてもらって、
その後、イギリスに3年間行ったんですけども、
そこでも2年間学部で美術師をやって、
最後1年、大学院で美術師をやったんですけども、
たまたま日本で自分が取ってた美術師のコースが、
ちょっと海外とは違った、
日本でもそういうことをやってる学校とかクラスとか、
他にはいろいろあったと思うんですけども、
でもイギリスに行って、
すごく簡単に言うと、
アートって神秘的なものじゃなくて、
哲学なんだなということが分かって、
最初の1年はよく分からなかったんですよ。
なんでこの学校、美術師入ったのに、
何年にごっこが何を書いて、
ごっこの与えた影響は誰にどういうことがあって、
こういうテクニックで、みたいな。
そういうのは1ミリも出てこないわけですよ。
最初の授業で出てきたのが、
授業で読んできて、授業のテーマだったのが、
ミシェル風光にとってのモダニズムみたいな。
モダニズムをミシェル風光として考えるみたいな話だったかな。
とか、カントヘーゲル、マルクス、ソシュール、
構造主義、ポスト構造主義みたいな、
そこからフェミニズム、ポストコロニアリズムみたいな。
そういう1年の哲学の流れ。
哲学の方がクラスなんじゃないかなと思うくらい。
でももちろんそれをもって、社会をどう切り取って、
美術というものがどう社会と接続しているか、
30:03
関係性を持っているかというところなんですけれども。
でもいわゆる、最近で言うとちょっと違うかもしれない。
リベラルアーツとかやたら言葉がありますけれども、
そこからきちんと文脈を知った上で、
そのアートの作に作風とか。
そうですね。
ステファン・ブルッケマンと最初会って話して、
彼もポスト構造主義とか脱構築みたいなものをテーマにしていて、
ちょうど自分も学校でやったようなことだったので、
彼自身の活動を通して、
彼のコンセプトとかこういうことを提示したいんだなというのが
割と入ってきやすかったので。
直接の言葉になってなくても。
そうですね。もちろん作家と話もしますし、
でもテキストと表現の関係とか、
いろんなことを含めてイギリスで3年間やった。
とはいえ、当時定等モダンの方によく行っていたかというと、
そうでもなくて、
ナショナルギャラリーに行って、
古いものを見ている時間が全然長かったです。
それはなんでと言われてもあれでしょうか?
やっぱり授業ではやりつつも、
やっぱり美しいものが好きだったんだと思います。根本的に。
歴史の重みとか深みのあるようなものが。
ロンドンにいたらめちゃくちゃありますもんね。
でも、もっと現代アートを見ておけばよかったなという
後悔もありますけれども。
エンディングのお時間です。
インタビューでは皆様からの早川さんへのご質問や、
番組へのご感想、取り上げてほしいテーマなどを募集しております。
エピソード説明欄のURLからどしどしお寄せください。
またいただいたご質問等は、月末のYouTubeライブにてお答えしていく予定です。
今月のライブは12月の27日月曜日、正午12時からです。
たくさんのご質問募集しております。
そしてもう一つ、ライブ配信のお知らせです。
今、早川さんがアウチから養成講座をやってらっしゃいますけれども、
先月からアウチからに関するライブ配信を、
こちらもYouTubeにて行っております。
今月のアウチからライブは12月13日の月曜日、夜の19時からです。
皆様のご参加お待ちしております。
先月ライブ配信でチャットで質問してくださる方なんかもあって、
リアルタイムで早川さんに質問できて、その答えを聞けるっていうのの良さがリアルに実感しました。
そうですね。僕自体は普段あんまライブの世界で生きてないんで、
ピンと来なかったんですけど、ライブやるってどうなんだろうって、
マナさんやうちのスタッフの中井くんから言われてあれだったんですけど、
ライブでしかそれはなかなかありえないから、すごく新鮮でしたし、
僕もどんな質問されるんだろうって結構Mなところがあるので、ドキドキしながら。
33:01
ドタンバレ。
楽しかったですね。
また早川さんと参加者がお気に入りの本をシェアし合うQRカフェの第5回も、
12月15日水曜日19時からZoomにて開催します。
今回は第5回ということで、毎回僕がセレクトの一冊と皆さんの一冊をご用意いただいて、
その本をネタにああでもない、こうでもないと話し合うんですけど、
今回の僕のセレクトは元ワイヤードの総管事の編集長かな、
ケビン・ケリーさんのThe Next 5000 Days 5000日後の世界、
全てがAIと接続されたミラーワールドが訪れるという本を取り上げて、
これ未来予測の本なんですけども、
ああでもない、こうでもないと語りながら、話し伺いながら、
時期がこの年末ですので、一年をみんなで振り返ったり、
来年どんな一年にしたいかななんていう、忘年会ではないですけど、
そんな要素も含めて皆さんといろいろ対話できていったなというふうに思っています。
これね、私も参加させていただいてるんですけど、
私こんだけ毎回いつもQRカフェの告知をしてるじゃないですか、
していながらですね、私申し込みの方法が分かっていなかったっていう。
ああ、失礼いたしました。
概要欄の方に会員さんじゃない方の申し込みリンクあったと思うんですけど、
私ライフアップデートアンリミテッド会員なんですけど、
それだと自動で申し込みできるとてっきり思ってたんですよね。
そうなんです。これはプチクレームということだと思うんですけど、すみません。
逆に聞いてる方、見てる方、一般の方は普通に整理させていただくと、
概要欄にあるURLから申し込んでいただいていいんですけども、
ライフアップデートアンリミテッドの会員の方は無料でご招待させていただいています。
ライフアップデートアンリミテッドの会員の方にはですね、
自分たちの事務局の方からご案内をこっちから申し込んでくださいというものをですね、
何度か、多分3、4回メールで送らせていただいているので、
お手数なんですが、そちらの方からお申し込みいただけたらというふうに思っています。
メールで送られてくるやつですか?
はい、メールでお送りしています。
ちょっと来月は忘れずにメールをチェックしながら、ちゃんと申し込もうと思います。
はい、すみません。こちらこそ気をつけます。
このままエンディングのお時間に入っていきますけれども。
12月でね、早川さんとこうやってZoomで収録するのを毎月1回1日でまとめてやってるじゃないですか。
そうですね。
10月からやってるからもう3回目なわけじゃないですか。
はいはいはい。
まだ緊張するんですけど、これどうしたらいいんでしょう?
そうか、その回としては3回目で、僕らリアルでやってるのをまだ2回ですよね。
だから5回あってて、あとこの放送回数でいくと今日はシャープ18だから、
36:05
そういう意味では18回目だと思うんですけど、緊張するんでいいんじゃないですか。
だって僕も常に今でも10年ぐらい一緒にいろいろやってるお客さんだったり、
インタビューしてる人たちもいつ会っても適度な緊張感あるから、緊張感なかったらまずいかなと思ってますけどね。
特に人前に出すのに関しては。
タカさん、流暢にお話、というか淀みなく話す。
一応ネイティブ、一応ネイティブなんでね。日本語流暢ですよ。
淀みなくお話されるイメージがあって、急に止まるんですよね。頭がパッて真っ白になっちゃう。
それでもどうなんでしょう。なんかフォローするわけじゃないけど、やっぱりほら、
人の番組と自分の番組って僕も若干違いますよね。
緊張とか大事にしなきゃ。もちろん大事にしなきゃと思ってますけど、相手の番組は。
その辺がより緊張としてかかると、そういう思考停止みたいのが一瞬あるのか。
もしくはマナさん的に、前のお話させていただいたかもしれないですけど、
例えばご自身でFacebookライブとか、ご自身で何かやってる時でもやっぱりそういうのはあるんですか。
いや、ないです。
だとすると今僕がお話したいのは理由じゃないですか。
そういう緊張感があるんですかね。
自分の場でもあるタイプだったら、もちろん経験だったりとかタイプ的にそういうのがあるのかなと思うんですけど、
僕が言うのもあれですけど、多分頭の回転ね、すごく早い感じ受けますので、
その多分思考一瞬止まるっていうのは、僕としてはありがたいんですけど、
早川さんの番組だからこれ一応大事にやらないとみたいな。
いや、それは毎回思いますよ。
乗っけからグイグイ告知するぐらいのマナさんの前回に出せばいいんじゃないでしょうか。
いや、そこのねギャップもグイグイいくズイズイしちゃうと遠慮しちゃうこの女の子な感じのギャップを皆さん楽しんでください。
でもあれじゃない、なんかこれは僕もそうですけど、
僕ら本編があるわけですよ、インタビュー。
本編がある意味、何て言うんだろう、本編が本番ですから、
そこ以外は逆にこのゆるくね、多少盤線があっても多少クレームがあってもいいじゃないですか。
マナさんからのクレームがあっても。
そのくらいでいればちょうど本編が引き締まっていいのかなと僕は思ってますけど。
広い心で受け止めていただいて、
次回ももうちょっとラフな感じで、フラットな感じで楽しく話せるように意識して、
意識しちゃいけないのか、やってまいります。
頑張らないように頑張ります系ね。
頑張ってんじゃんみたいな。
わかります、僕もそういうタイプなんで。
それではまた次回、皆様とお目にお耳にかかれますことを楽しみにしております。
ごきげんよう。
39:00
さようなら。
ブーブー
39:27

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