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2024-04-15 24:13

【INTERVIEW#237】もしも日本を「訂正」できるなら│東浩紀さん(批評家/作家)

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【もしも日本を「訂正」できるなら】
プロインタビュアー早川洋平の問いに、東さんはいかに答えたか? 今回のインタビューでは、ゲンロンカフェをお借りして収録させていただきました。数々のスピーカーが登壇してきたカフェの雰囲気と共にお楽しみください。(2024年3月取材)

【東浩紀】あずま・ひろき
1971年東京生まれ。
批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。
専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(河出書房新社)、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)ほか多数。
『訂正する力』(朝日新聞出版)
『訂正可能性の哲学』(ゲンロン)

第一回 誰もが自らを「訂正」し続けている
第二回 「立場」と「訂正する力」のジレンマ
第三回 もしも日本を「訂正」できるなら
(4/22公開)第四回 僕の哲学の源泉
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▼【聞き手・早川洋平プロフィール】
はやかわ・ようへい/1980年横浜生まれ。新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、コシノジュンコ、髙田賢三など世界で活躍する著名人、経営者、スポーツ選手等ジャンルを超えて対談。13年からは「世界を生きる人」に現地インタビューするオーディオマガジン『コスモポリタン』を創刊。 海外での取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を世界へ発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。 公共機関・企業・作家などのパーソナルメディアのプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を超える。『We are Netflix Podcast@Tokyo』『横浜美術館「ラジオ美術館」』『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』などプロデュース多数。近年はユニクロやネスレ、P&GなどのCMのインタビュアーとしても活躍。 外国人から見た日本を聞く番組『What does Japan mean to you?』で英語での発信もしている。

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▼目次
最近の東さんに起きていること
東浩紀さんの自分探し
1ヶ月自由に旅ができるとしたら
東さんが日本を訂正できるとしたら?
東さんへの出馬要請
固有名と立場を両立できている人
訂正しない方がいいこと
リベラルと保守のバランス
メンバーシップ随時募集中

サマリー

東浩紀さんは、自分のファンに対して疲れを感じていて、もう消えたいと思っています。また、自分探しの旅に出たいと考えていますが、仕事やファンサービスに追われていることもあり、バランスを取るのが難しいと感じています。彼は日本を変えるために憲法の改正を行うことや教育の充実を提案しています。日本の博物館の遅れ、政治家になることの困難さ、平和の重要性について考えています。日本のアニメやゲームが世界を席巻していますが、それが何を伝えているのかという問いについて考察しています。戦後日本の風景を描いたアニメやゲームが日本的な価値観を伝えていると語っています。

東浩紀さんの疲れと消滅したい気持ち
諦めという話もありましたし、冒頭でね、アズマさんのサブスク・ツイッターの話じゃないですけど──
結構、なんか最近疲れたとか、一週間休み取りますって言って、その後休んだはずだけどまた疲れてるみたいな。
そこと結びつけるわけじゃないんですけど、せっかくなんでというか、なんか話せる範囲で。
なんかアズマさん、最近またそう考えて、徐々になのか、今の話と連動してる何かあるんですかね。
やっぱり年をとってるんでね、やっぱり疲れてるんですよね。逆に言うと、本気で思ってるんですけど、僕としてはですね、結構僕、消えたいんですよね。
つまり、アズマ・ヒロキのファンがいるのが、ちょっともう嫌なんですよ。
ちょっと疲れちゃった?
いや、疲れてるから、前からそうなんですよ。期待されれば期待を応えるんだけど、その期待自体も、もうなんかどうでもいいじゃんって思うんですよね。
元々でも実はそういうタイプ?
結構そういうタイプですね。それでも、なんて言えばいいか、こういう言い方をするとあれかもしれないけど、しょうがないから。
言論カフェのイベントとか出てるし、みんなが喜ぶようなことは喋るんだけど、でも、本当は全部そういうのどうでもいいと思ってて。
いや、そもそも言論人なんて仕事なんていらないし、むしろここで僕が言ってるメッセージって、すごい自己矛盾的なメッセージになってて。
僕の話なんか聞かないで、みんなそれぞれの現場で手を動かして、「社会ちょっとずつ変えていこうよ!」みたいなことになってるわけですよ。
自分探しの旅とバランスの取り方
自分ではもうどっかで引いてみてる自分もいるんですね。
俺のトーク聞いてる場じゃないだろうと、なんか思ってるわけ。だから、そういう点で疲れてるんだと思いますよ。
僕はファンでもあるんで、あれですけど。でも、そういう意味でどうでしょう?疲れてると同時に、すごいちょっとずつ脳筋も減って。
ちょっと消えていく。
3年前に僕は本当にクォンタファミリーがすごい好きだったんで。
その時に、「将来また文芸の方行かないんですか?」って言ったら、あずまさんも気軽に答えたんですけど。
なんかやっぱり、いつかそっち戻るかもね、みたいなこと言ってたんですけど。
そっちの方でもこぼって、そっち行きたいみたいなともまた違う。言うのはただですから。
そうなんだろうなぁ。
なんか何の制約もなかったら、明日からあずまひろきさん、どう生きていきたいですかね?
何の制約もなかったら?
いや、なんか旅とかに。
世界一周の旅みたいな?
意外と普通っちゃ普通だよね。
でも、それがないってことですよね。
自分探しの旅に出たいですね。自分探しの旅ですよ。僕が今、主張としてるのは。
でも、そのくらい…
1年くらい1人になって砂漠に行ったりとか、そういうのとかして、自分を探したい。もう一回。
でも、その意味では、やっぱり大学でデビューして、30年?
そうそう、30年くらい。
だから、いわゆるそういう意味でも、せっかく自分探しって気が出てきたんですけど、あずまひろきは自分探しはしたことがあるんでしょうか?
した時期とかあるんでしょうか?
それはとてもいい質問で、たぶんそれやってないんだと思うな。しっかりと。
しっかりと自分探しをやってなかったっていうことに、40代くらいになって気がつき、とてつもなく幼稚なんですよ、僕は。
いっつも言ってるけど、やっぱり言論席帰った時も言ったけれども、書いてるけど、本当に普通の人だったら20代や30代の前半でやる人生経験を40代でやり直してるみたいなとこがあって。
さらに言えば、本当だったら10代の頃に直面するべき、本当は自分は何なんだろう?みたいな問いが、ちゃんと解決されてないで今に来てるような気がする。
哲学者が、あんまり自分のことは哲学してなかったみたいな感じですか?
だから、僕はたぶん哲学者の名前にも本当に値しないんだと思いますが、本当に自分探しの旅とかに出かけるべきなんでしょうけどね。
でもなんか、僕が実際初対面に言うのもあれですけど、東さんがおっしゃってたように、一人の時間を当然大事にすべきだし、されたいとは思うんですけども、
気づけば、こっちの言論の方にもありましたけど、一人がいいはずなのに会社も経営し、そしてある意味ファンサービスに毎日頑張り、言論カフェではポーズとして吠えることもあるみたいな。
だから、消滅したいんですよ。
これが最後の言葉なんてことにしないでください。
消えてない。でもね、突発放送は好きなんですよね。
最近多いんですか?
コメントに向かって何喋っても、別にハラスメントとかにもなんないじゃない?そこにいないんだから。
だから、コメントに対してグチグチグチとか言っても、別に誰も傷つく人もいないし、嫌だったら切ればいいわけだし、いいな、これみたいな。
で、リアルな人と飲むと、後で何かまずいこと言ったかなとか、とにかくいろいろ後悔するけど。
突発とかだとね、後悔したら画像を消せばいいんだし、もうめっちゃいいわけですよ。
だから、世界一周しながら突発の旅とかがいいですよね。
だから、それこそ後で聞きたかったんですけど、やっぱりあれほどいろんなことをして、疲弊しないのかなというか、疲弊されてるんで。
どうやってバランスとってるのかなって言ったら、じゃあ、今、突発放送。
かなりヤバいですけどね。だから、かなり人間としてもギリギリまで来てるみたいなね。
酒飲んで、一人、「こんにちはー!」とか言って、「今日もよろしくお願いします!」みたいなことを言うだけで、ストレス解消とかになってるわけだから。
もう、限界まで来てますよ、僕は。
それ以外なんかないんですか?
なんか、ステレオタイプに言うと、心とかのことは体で、単純に例えば何か運動するとかじゃないですけど。
僕はね、スポーツとかもしないのも良くないのかもしれない。
スポーツとかないですよね、すみません。
ないんですよ。
心配されないですか?でもやっぱり。
いや、でも意外と健康なんですよね。
あ、そうなんですか?
そうなんですよ。
なんか、ちゃんと人間ドッグみたいに言って、特に大きな。
人間ドッグとか健康診断みたいなのはやってますけど。
いや、なんか書いてありますよ。
全部Aじゃないけど。
Aじゃないって気をつけろって書いてあるけど。
まあ、そんなに危機的な数字じゃないだろうみたいな感じで。
じゃあ、やっぱり突発放送とプラス旅?
でも旅もなあ。
もう歳もとってるし、バックパッカーみたいな旅やったらあっという間に死にそうだし。
しかも結局旅しても、こないだあれ文芸春秋でしたっけ?
去年の、結局アメリカ取材して、オッペンハイマーのみたいな。
仕事しちゃいそうじゃないですか。
でもあれ良かったですよ。
たった一人一週間は博物館だけを行く。
なんか若くなった気がした。
おお、いいね、こういうのだよ、みたいなさ。
今日一番輝いてますよ。
とにかく博物館にただ行くだけですからね。毎日。
いいですね、なかなかないですよね。
ああいうのなんですよね、今僕に必要なのは。
1ヶ月本当に何もしなくてよかったら、旅どこで何したいですか?
どこに行くかな?ちょっとわかんないな。
1ヶ月、後で原稿にするとかを考えたりすると、邪心が入ってくるからな。
やっぱりでも仕事をしちゃいますよね。
最近その言論カフェは、お客さんが変わってきて、
しっかりとしたものを作ったりとか、何か会場を経営したりしている。
しかも地方で名師だったりするような、ちゃんとした人たちも結構聞いてくれてるんですよ。
でも僕は、そのたびに申し訳ない気持ちになってね。
だから今日も言ってるみたいに、現実の僕はといえば、いまだに50も超えて、
やっぱ俺って何者なんだろう?みたいな。
自分探しの旅に出るべきかと思ってるぐらいの人間なんですよね。
そういう意味で、全体が人を騙してるみたいで、それも申し訳ないなと。
質問とかされると、それっぽいことを答えてるわけですよ。
この間の、たとえば井上さんのイベントのように、
パンパックとかになったらば、やっぱり国民に説明をする義務があるんじゃないですか?
キリッとか言ってるわけですよね。
本当は、俺そんなこと言うほどの資格ねえなと、自分でずっと思ってますよ。
でも、この間の放送でも、ちょろっとそういうことも言ってましたよね。
日本の変革への提案
でも、そこがまた、結局みんなファンは応援しちゃうんでしょうけど。
今のこの流れで、めちゃくちゃ言いづらいかもしれないですけど、
そんな、あずまひろきさんが、日本を何でも変えられるとしたら、
訂正できることはなんでしょうね?
まずね、憲法を変えた方がいいと思う。
どの条文でもいい。つまり、憲法を変えることができるっていう状態にした方がいいと思いますね。
中身を生む以前に変えるってこと?
それはやっぱりシンボルになってると思うんですよ。
この国を変えられないっていうことの。
やっぱり時代が変わったら、憲法も変えられる。
この国の形自体を自分たちが変えられるっていう経験を、僕は持つべきだと思うんで。
そういう点で、僕はもう改憲論者ですね。
で、どの条文を変えるか。
普通だったら9条ですけど、9条じゃなくてもいいですけどね。
あまりにそこを変えることが、私ごとに恐縮ですけど。
うち、父が亡くなったら、父が割とリベラルで、朝日新聞読んで。
僕も中国新聞出身で、原爆でみたいな感じなんで。
逆にもうすごい不可侵みたいになっちゃってるんで。
恥ずかしながら、あずまさんの中ではね。
9条以外もいいよって言われた時に。
そういえば、9条以外ってなんだっけのレベルなんで。
やっぱりそこの部分まずっていうところはあるかもしれないですね。
一つだったらそれ、あといくつかっていうことで言うと、
教育子育て。
みんなが言ってることですけど、そこに対してもっとしっかりと。
しかも予算配分だけじゃなくて、
例えばまず現場の改革ってすごい必要ですよね。
小中学校の教師の方とかって、サーフィス残業だらけみたいになってて、
しかも学習指導要領みたいなものの新しい回転にどんどんついていかないといけないとか、
すごい疲弊してるっていう話は聞くので、
大工改善って必要だと思うんだけど、
それだけじゃなくて、やっぱり人間を育てるっていうことがしっかりしてないと、
どんなふうに上手い具合に制度を作っても、
やっぱり制度を運用するのは人間だから、
逆に最終的にコストがどんどん高くなっていくと思うんですよね。
つまり、悪意を持った無知な人たちばっかりいる社会を運営するコストって、
すごい高いわけですよ。
だから、やっぱり教育って最終的には社会を運営するコストを下げるものだと思うんで、
もっと質を高くしたほうがいいと思います。
その時に、数字的にも、ちょっと今数字がパッと出てきませんが、
日本はOECDの中でも、教育関係の支出が非常に低い国で、
そういう文教予算の低さみたいなものっていうのは、
博物館みたいなところにも現れてると思うんですよ。
去年、国立科学博物館がクラウドファンディングで、
10億円だったかな?採集が集まったっていうので話題になってましたが、
日本の博物館の遅れ
やっぱりクラウドファンディングに頼ってるのがそもそもおかしいし、
国立科学博物館が1個成功例として出ちゃうと、
逆に他の博物館もクラファンやれってことになっちゃうわけですよね。
そういう意味では、どんどん歪んでいく。
本当は、ああいう形じゃないほうがいいんですよ。
この間ワシントンに行って、ワシントンだけじゃなく、
外国に行った博物館に行くと感じるんですけど、
やっぱり博物館への投資っていうのが、すごい各国充実してますよね。
子どもたちとかも教育の場にもなってるし、
諸外国の博物館だと入場無料なんていうところも結構多いから、
そうするとやっぱり、万人に開かれた休日の家族連れて出かけるような場にもなるわけですよ。
そういうところを日本は遅れてるんじゃないかなと思います。
なんとなく箱物で、博物館らしき建物っていうのはいっぱいあっても、
中入ったらすごい薄暗い照明で、何を展示されてるのかわからないみたいな、
活かされてない施設も多いと思うし、そういうのも変わってったらいいですね。
政治家になることの困難さ
こういう話聞いてると、今回の訂正する力に戻すわけじゃないですけど、
今までも散々言われたと思いますけど、
あずまさんにそういう政治の中というかね。
この間、稲田さんとの対談でも、あれはもうあの場ですけど、
あずま君なんかがみたいな。
でも、そういう話は当然いっぱいあったり、今までも出馬要請とかあるわけですよね。
いや、ないですよ。
本当にない?
でも、なんかありそうじゃないですか。
いや、だから、やっぱりきっと会うとわかるんだと思いますよ。
僕のこのいい加減な感じが。
ダメですよ、僕、全然。
政治家じゃないな、みたいな。
まず、僕、スーツとか着るのがね、ちょっともう。
だから、そういうとこはダメですよ。
ダメってことはないんですけど。
そうですね、今日の話聞いてるとそっちじゃないんですよね、やっぱり。
やっぱりね、スーツとか着て人前に立って、バッと胸を張って、
有権者の皆さん!なんて言ってさ、呼びかけるわけでしょ?
僕はもう、できないとても。
どんなことを、俺なんかもうなんでもいいんですけど。
なんでもいいです!みたいな感じになっちゃう。
対談とかを見てるとね、いわゆるある意味とか、
ジャーナリスト的な観点から、
猪瀬さんじゃないですけど、
Aキャラの立場になっちゃうと言えなくなるから、
僕は入りませんっていう感じなのかと思いきや、
もちろん、そういう面もA面的な答えでいえばあると思うんですけど、
B面的なところでいくと、今みたいな。
そもそも、もうそっちは無理みたいなところがあるんです。
だから、もう少し真面目に言うと、
結局、いろんな人たちがいて、いろんな考え方がある時に、
何かを選び、これが皆さんにとって最適ですってことを言わなきゃいけないわけですよね。
それ、やっぱり嘘だからね。
嘘を言ってる時に、嘘だっていうふうに頭の中が言ってくる声が、
僕は大きすぎるんだと思いますね。
もちろん、それはみんなわかってて、
でも、必要だから封じ込めることができるのが政治家なんだと思うんですけど、
僕はやっぱりそれができないですね、たぶん。
平和の重要性
何かを確信を持って主張するってことが、たぶん僕はできない。
結局、例えばこういう番組を見てて、
僕の本、ぜひ読んでくださいとかっていうのは、
やるべきだということは知ってるんだけど、できない。
読んでもいいし、読まなくてもいいし、
どうせ本なんてそもそもみんな読んでないし、
本読んでる奴なんかろくなことないし、
俺なんて本ばっかりいっぱい読んだからこんな奴になっちゃったわけだし、
掃除って何もやらなくていいですみたいなね。
こういうふうになっちゃうんだよ、なんか。
だから、それは良くないと自分でも思うんだけど、
どうしてもそういう性質があるんですよね。
これを見る人が見たら、すごくふざけてるって見えるし、
あとシニカルだって見えるんだろうけど、
そして実際そういうふうに、僕は批判されてると思うけど、
ふざけてるとかシニカルとかって以前に、
僕という人間の根底的な性質なんですよ。
この自己突っ込みみたいなものが。
そこが常にあるわけですね。
お前そんな偉そうに言ってるけど、本当にそうか?みたいな。
なるほどね。
これ、今のところと関連しますけど、
今回、作家から政治家で井上さんの話がありましたけど、
いわゆる作家から政治家、もっと言うと、
つまり、小有名から立場を持ったっていう人で、
この人は、影響力ある立場を持っても、
あずまさん的に担当職人と評価できる人って何かいますか?
どうしても僕、今日冒頭からずっと頑固なんですけど、
とにかく小有名を持って立場を持っていくと、
やっぱり最後はなかなか、
訂正する力がみんな働かなくなっちゃうんじゃないか?
思いつかない。思いつかないっていうか、
そういうので自分が指針としてる人がいないんですね。
僕は、自分が指針とする先輩っていうのが全然いないんですよ。
だから、こういう時もパッと名前が出てこないんだと思うんですよね。
ああいう人のああいうところは良いから、
自分も学んでいきたいと思うっていうのがあんまりないっていうか、
反面教師みたいなことばっかりある。
やっぱり常にツッコむというかね。
こうならないようにしよう、ああならないようにしようってことはすごい考えてるんだけど、
こうなりたいみたいなものがないんですよね。
そんなあずまひろきが自分探したら面白そうですね。
だから結局、自分探しがないっていうのは、
自分の規範みたいなものもないっていうか、
自分の言っててだんだん嫌になってきましたけど。
僕に言論人とかやらしてる段階でも、日本は間違ってるんだと思いますね。
そこまで訂正しないと。
もうそこまで訂正した方がいい。
僕はやっぱり、すごく幼稚で未熟な人間なんですよ。
そのことに言論選挙を書いてる時も思ってたし、その後も日々思ってますね。
それが言えるっていうことが、持ち上げるわけじゃないですけど、すごいなと思うんですけど。
ただ、もうちょっとだけ伺いたいんですけど、
あずまさん、今日当然訂正するの方で聞きましたけど、
あずまさんは訂正しない方がいいと思うことってあります?
それは訂正しようと思っても勝手に存在してるからな。
日本的なものの良さっていうのは、訂正する力にもちょっと欠いてもありますけど、
ロシア・ウクラヌー戦争が勃発してからは、やっぱりすごい考えるようになりましたね。
裏返って言い方になりますけど、
日本ってずっと平和ぼけだって言われてるわけだけど、
平和ぼけが長く続くってのも、なかなか大したものだし、
実際、やっぱりみんなが戦争とか政治の問題を考えてる時って、文化ってあんま発達しないわけですよ。
日本って、今でも世界に対して売り物に日本ができるものって、文化なんですよね。
日本の持ってる文化的豊かさって、やっぱり平和ぼけみたいなことと表裏一体でもあって、
今は急に、みんながとにかく安全保障について考えなきゃいけないんだ、
軍事について考えなきゃいけないんだっていうことが、すごくまことしやかに言われる時代になってきたんで、
逆に僕は、平和についてちゃんと考えなきゃいけないなと。平和の価値について。
猪瀬さんとはだんだんディズニーランドっていうキーワード出てましたし、
この猪瀬さんの方にもディズニーランドってキーワードありますよね。
そこの価値っていうことでもあるんですかね?
あの時にダンジョーでも言いましたけど、ディズニーランドって簡単に否定するけど、
ディズニーランドを実現するのにはめちゃめちゃ裏方がいて、
ディズニーランドが運営されてること自体が奇跡みたいなもんだと。そういう考え方もできると。
例えば日本がディズニーランドだったとして、だからディズニーランドから外に出ろと。
猪瀬さんは簡単に言うけど、そもそもディズニーランドがなんで成立できてたのかと。
あのディズニーランドを作るためにどんだけ裏が動いてたのかと。
それに日米安保体制だけでできてたわけじゃなくて、やっぱりいろんな工夫があったわけで、
その価値っていうのを全部一気に否定するっていうのも乱暴なんじゃないかと、最近考えるようになりました。
蔵野戦争以降、いわゆる左翼的な、いわゆるお花畑的な話をする人たちも多かったので、
まあそういうのは良くないなと。平和って言ってれば平和が実現するわけじゃないから、
それは全くそう思うんだけど、やっぱり平和って大事だっていうことって、
もっとしっかりちゃんと言っていかないといけないとは思いましたね。
あの私事ですけど、ライフワークで戦争の記憶っていう戦争体験者の方にも10年ぐらい全国回っていろいろ話聞いてるんですけど、
まあいろんな当然思想がある方とかいるんですけど、全員もう最後に一応に言うのはやっぱり、
まあ本当にステレオタイプですけど、平和に対する気球というか。
だからそれってもうめちゃくちゃアホくさいし、今何言ってんだみたいに一見なりがちですけど、
その実際第二次大戦経験した人からすると、本当にすごい印象的だったのが、
第二次大戦終わった後のこの70年どうでしたかって言ってたら、それは余生だって言ってましたね。
たぶんもうそれはディズニーランドなんでしょうね。
だからなんかその辺を、必要以上に日本に来産するのもおかしいですけど、必要以上に自虐するのもあれですよね。
戦後の日本ってディズニーランドみたいなもんで、あんまりみんな考えずバカになっていったのかもしれないけど、
とりあえずそれを70年とか80年やってるっていうことは結構すごいことで、
じゃあこの後ディズニーランド維持できなかったとしても、
じゃあその後の次の目的って、もう一回ディズニーランドを作ることだと思うんですよね。
僕は戦争に行った人たちの気持ちはわからないけどね、もちろん。
けれども、きっと戦地に行った人たちっていうのは、当たり前だけど平和のために戦争をやってるのであって、
戦争ってやっぱ戦争をなくすために戦争をするんだと。
そういう意味で戦争自体がね、一個矛盾みたいなもんで、
常にずっと戦い続けていかなきゃいけないっていうのはやっぱ不幸ですよね。
だからそういう意味で、平和ボケの思想的な意味について考えなきゃいけないなと最近思ってますね。
ここでありましたよね、この本の中でも、やっぱりリベラルと保守の話で、
どっちかだけ良い悪いじゃなくて、それぞれの、例えば保守の部分のちゃんと国を守るっていうのが大事にしつつ、
リベラルというか、あとそこのカルチャーの部分というか、その辺のバランスというか、
それを政治で全部きれいにやるのは無理にしても、
僕らがそういう今みたいな概念を持っておくのが大事かなと思いつつ。
日本のコンテンツ伝える力
だから例えばアメリカだったら、アメリカのハリウッド映画って、
やっぱり純粋に娯楽なところもあるけれども、アメリカ的価値観を輸出してるところもあるわけですよね。
だからアメリカ的な映画を見てる間に、なんとなく自由とか民主主義とかっていうのが何か埋め込まれちゃうみたいなところがある。
そう考えた時に、じゃあ日本の、今クールジャパンで日本のアニメみたいなものは世界を席巻してるわけだけど、
そこで何伝わってんだろうっていうことを考えたくなったわけですよ。
実際それ分かんないですよね。僕たちはあまりそれ言葉として持ってないっていうか。
でもきっと日本のコンテンツはもう、個々の制作者は意識してなくても、何か日本的な価値観を伝えちゃってると思うんですよね。
はいはい、もう伝えちゃってるわけですよね。
伝えちゃってる。じゃあそれって何なんだろうと思うわけ。
そこで出てくる言葉っていうのが、結局戦後日本とは何だったのかっていうこととも重なると思うんだけど。
実は日本人自身がそういうことをあまり考えてなくて。
アニメ世界中で見られて、オタクも増えて、よかった、コスプレイベントまた大盛況みたいな。
そういう話ばっかりになってるんだけど、もう少しこれ深い話なんじゃないか。
そこで何を僕たちは伝えちゃってるのか。つまり日本って何なんだってことですよね。
藤山芸者寿司とかじゃないわけですよ。それじゃないものがあるわけですよ。
でもそのそれじゃないものについて、実は喋ろうとするとすごく表層的な言葉しかない。
それが、実は平和な国日本について喋ろうとすると、すごく上滑りした言葉しかないっていうことと同じなんじゃないかと思うんですよ。
僕が考える日本的価値観っていうのは、神社とか天皇とかそういうことよりも、
戦後日本の風景を描くアニメやゲーム
むしろアニメやゲームが描いてしまってるような戦後日本の風景というか、どうしたら言葉にできるのかなっていうことが最近思いますね。
いつもインタビューをご視聴いただいてありがとうございます。
この度スタートしたメンバーシップでは、各界のトップランナーから戦争体験者に至るまで2000人以上にインタビューしてきた僕が、
国内外の取材、そして旅の中で見つけた人生をアップデートするコンテンツをお届けしていきたいと思います。
ここでしか聞けない特別インタビューや地蔵トークにもアクセスしていただけます。
随時、これは面白い、これはいいんじゃないかっていうコンテンツもアップデートしていきますので、そちらも含めてどうか今後の展開を楽しみにしていただけたらと思います。
なおいただいた皆様からのメンバーシップのこの会費は、インタビューシリーズの制作費だったり、国内外のインタビューに伴う交通費、宿泊費、その他取材の諸々の活動経費に使わせていただきたいと思っています。
最後になぜ僕が無料でインタビューを配信し続けるのか、少しだけお話しさせてください。
この一番の理由はですね、僕自身が人の話によってうつや幾度の困難から救われてきたからです。
そして何より国内外のたくさんの視聴者の方から、これまで人生が変わりました、毎日住む勇気をもらいました、救われましたという声をいただき続けてきたからには他になりません。
この声は世界がコロナ禍に見舞われた2020年頃から一層増えたように思います。
これは本当にありがたいことです。
ただ、同時にそれだけ心身共に疲弊したり不安を抱えたりしている方が増えていることにかならない、その裏返しであると僕は強く感じています。
正直に言えば、かつて僕自身も15年以上前に起業して以来、最大のピンチと言っても過言ではない時期をこの数年送り続けてきました。
でもこんな時だからこそ守りに入ることなく、インスピレーションと学びにあふれるまだ見ぬインタビューを送り続けることがインタビュアーとしての自分の使命なのではないかと強く感じています。
世界がますます混迷を極め先の見えない時代だからこそ、僕はインタビューの力を信じています。
これまでのようにトップランナーや戦争体験者の方への取材はもちろん、今後は僕たちと同じ姿勢の人、普通の人の声に耳を傾けたり、ややもすると内向きになってしまう今こそ海外でのインタビューに力を入れていきたいと思っています。
そして彼らの一つ一つの声を音声や映像だけでなく本としてもしっかりと残していきたい、そう考えています。
そんな思い共感してくださる方がこのメンバーシップの一員になってくださったらこれほど心強くそして嬉しいことはありません。
ぜひメンバーシップの方でも皆様とお耳にかかれるのを楽しみにしています。
以上、早貝大平でした。
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