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2021-10-14 09:43

Playback:本の力|石田衣良さん(作家)(#2:2010年4月)

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【石田衣良さんへのインタビュー一覧】
Talk.1|40代の歩き方
Talk.2|本の力
(10/16公開)Talk.3|夢のある仕事
(10/18公開)Talk.4|自分の感覚を大切にする

『池袋ウエストゲートパーク』『娼年』シリーズなどで知られる直木賞作家・石田衣良さんへのインタビュー。
第1回は『40 翼ふたたび』についてお話をうかがいました。
(Podcast『人生を変える一冊』2010年4月配信分より再配信)

『40 翼ふたたび(講談社)』https://amzn.to/3ykvy8M

▼10/29(金)「月末LIVE」開催
[URLは後日確定、お楽しみに♪]
Q&A、フリートークスペシャルをお届けします

▼番組への感想・早川洋平への質問募集中です。
(いただいた質問は、毎月月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
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▼「QR CAFE」(毎月開催)
「人生を変える一冊」を見つけに行こう
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【聞き手・早川洋平プロフィール】はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

#会う力
#石田衣良
#40翼ふたたび

Editor : 中江公大

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ここまで法廷についてのお話になったんですけども、 ここから石田さんは作家としてというよりも、本を本当に小さい頃から読まれていると思いますので、
本を読むのは読者としては言いたいんですが、 父と子の中でですね、最後、ナオモト賞を取った後編さんが、
ここにいる人は誰もが一度は本に命を助けられた経験があると思いますって言ってくださったんですけども、
まさにそこでですね、石田さんご自身の人生を変えたような、 一冊ってちょっと難しいかもしれないですけどね。
僕の場合はそれはやっぱり、この番組を聴いている人には 参考にならないと思うんですけれど、
エドガー・ライス・バラードという人の地底世界ペルシダという、 これは7歳の時に読んで面白かった、
地底人がみんな恐竜の形をしているんですよ。 そこにアメリカ人のサイレンが地底に行って冒険をするっていう話なんですけれど、
要するに本を読む習慣をつけてくれた、一冊きっかけの。
みんなね、あれこれ言いますね、この本がいいとか、 あるいはベスト3だったり、これとこれとこれだって。
でも本って、どんな本でも一冊では基本的には働かないものなんです。 なので一冊読んで人生を変えようっていうのはね、やっぱりちょっと無理があります。
でも本を読み続ける習慣ができると、その人の人生は本当に一変するんですよね。
これはアメリカの文科社みたいなところで撮っている統計で、 一つの世帯で1年間に消費する本、読書冊数がありますね。
それとその家での年間世帯所得っていうのを2つの軸にとって、 統計をとりますと、もうね、きれいに相関関係があります。
読めない家は貧しくて、読む家は豊かなんです。 これに関しては日本で統計をとっても全く同じでしょうから、
やはり知ること、読むこと、知は力なんですよね。 なのでそのためにはやはり読む習慣というのを身につけないといけないですね。
実際、石井さんご自身が、バイブルじゃないんですけれども、 何度も読み続ける本とかってあるんですか?
ないんですね。 本の一番大切なところはその読み続ける習慣と一緒なんですけれど、
通過してもいいからどんどん新しいものを入れていくことなんですよね。
もちろん人生に感じて、あるいは著者に本当にファンになったということで 何度も読むというのもいいんですが、
それだったら理想を言えば、その著者の別の新しい本か、 どんどん別な作家の本だったり、ノンフィクションだったり読んだほうがいいと思いますね。
読んだページ数が勝負です。
本当にもうそれが相関関係にあるという人はわからないですね。
そうなりますよね。実際そうなってしまうのでね。 大きな統計で見ると。
最近Amazon、インターネットの商店はAmazonであればKindle、 AppleであればiPadが出てきて、
電子ブックリーダーがどんどんそういう時代に今、 シューパーの形変わるかもっていう話もありますけれども、
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作家、書き手としてのご自身は今後この流れはどうなると?
この流れはやっぱりもう止められないですよね。
基本的にはこういうパッケージソフト、本だったりCDだったり、 DVDのディスクみたいなものが、
やはり今市場としては本当に苦しくなっているので、
音楽の場合には配信があるけれど、その小説や出版物の場合には新しいビジネスの発祥がなかったんですよ、ずっと。
なのでそういう意味ではもうそれが出てきてくれる。
Kindleのようなものが出てきてくれて、きちんとビジネスができるようになるっていうのも、 出版会社って大事じゃないですかね。
ただ同時に本の力とか本の世界っていうのもやっぱりすごくあるものですから、
そのパッケージソフトがきちんと回った上で、 KindleやiPadみたいなものが上手くいくっていうのが理想ですね。
私のイメージだと、やはり作家さんって本へのご自身の思いも当然あると思うし、
紙への実際触った質感とか、そこら辺の思い入れってすごいあるかなと思ったんですけど、
西田さんご自身は?
いや、ありますよ。もちろんあるんですけれど、ただそれにこだわることもないですよね。
本の歴史を見てみると、昔はヨヒシに手で筆写してましたね。
ですから葛飾ができた若い頃は、 葛飾の本には書き手の魂は入っていないと言われていたんですよ。
手で写していないから。 しかも凝った素性だったり、革だったりしないから。
でもそれがどんどん時代が変わるにつれて、 葛飾がダメになって電子写真家になった。
そうすると時代がなくなったって言いますよね。 ああいう活版印刷に変わったり、
なーっていうことで、毎回毎回メディアが出るたびに、 そんなものには書き手の魂が入らないとか、
そんなものは本じゃないと言われるんですが、 でもコンテンツさえしっかりしていれば、
どんなメディアに載っても関係ないんですよね。 そうかそうですよね。
紙紙っていうのは確かに保室してましたけど、 最初印刷が出てきたときも本人が書いてるわけじゃないですか。
そうなんですよね。ですからそういう意味では、 もちろん本は大事にしないといけないし、
正直言って、例えばペーパーワークだったり、 文庫もだったりというのは、
これ以上低コストで小説を世に送る手段はもうないので、 ものすごく洗練されてますし、コストも低いですから、
その辺に関してはそんなに怖がらなくてもいいとは思いますね。 読んだものを手元に置いておきたいという気持ちもみんなありますからね。
石田さんご自身、本当に忙しい執筆業の傍らでですね、 本もたくさん読まれていると思うんですけど。
いやーでも最近読めなくなりました。 あ、そうなんですか。それやっぱり時間が忙しいというのもありますか。
それとあとはやっぱり小説を書いている時に、 小説があんまり読めないんですよね。
あ、そうなんですか。
はい。その人の文章というのもやっぱり、 ちょっとすごく勘に障るので。
実際このちっちとこの中でも、主人公がライバルというか、 友人のものに読んですごい嫉妬したり悩んだりとか。
あのね、どっちかというとそういうのよりはですね、 例えば小説を書いている時って、文章とか言葉にすごく敏感になっているので、
他の人が書いた文章の中で、机とか空とかあるじゃないですか。 あれ、この机が僕が書く机と違うなみたいな感じなんです。
その作品がいい悪いじゃなくてね、 小説の文章がなんかうまく反りが合わないんですよ。
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なので、小説を書いている時は小説は読まないですね。
今の実際でもかなり同時にまた連載とかも含めて、 どのくらい書かれているんですか?
今ですか?分からないです。6、7本ですかね。 もう数えないので分からないですけど。
取材も以前分かった時も月40本ぐらい書けていて。
今もやっぱりやってますね。
でも、小説家の仕事って、 ただ書くだけではやっぱりないところがあるので。
そうですね。書くことが仕事の半分ぐらいじゃないですかね。
はい。編集者との打ち合わせだったり、 それ以外いろんなメディアとの付き合いだったり。
あるいは、ある程度成功してしまった人であれば、 今度は社会的な役割も果たしていかないといけないのでね。
活字文化ってやっぱり今、なかなか厳しいですからね。 読み手も減ってますし。
なのでそういう活動もしないといけませんし。
だから、そう単純に書いていて引きこもっていればいいんだろう、 みたいなことにはならないんですよ。
多分、きっと作家の方は作家の方で、 いろんな考え方があると思うんですけども、
石田さんご自身は、実際いろいろ、 普段テレビとか雑誌のものを拝見していて、
今お話ししたとしても、非常に外に対しても積極的に出られて、 発信されているというイメージがあるんですけども、
もともと、それこそ池袋エストゲートで書かれた人たちとかの、 ご自身のそういうメディアに出ることに対する姿勢と、
今は変わってますか?
いや、その頃は別にメディアとかとか、 考えてないですからね。
デビューすること自体も、 まだわからない段階なので、最初の頃は。
本になった。
みんなに読んでもらえるといいなとは思いましたけど、
あとはどうでもいい、自分の好きなものを 書けばいいんだっていう感じだったんですよね。
もともと、コピーライトとか広告接続会社を やっていらっしゃったイメージがあるので、
そういう意味で逆に、メディアでご自身、 発信される側だったというふうに私はお見受けしたので、
そこら辺がいい意味ですごい柔らかくて、 結構表に出てかれる。
そこら辺のもともとバックボーンというのが あったのかなというふうに思います。
その辺に関しては性格的な問題じゃないですかね。
ずっと単独でというかね、一人きりで 小説を部屋にこもって書いてると、
やっぱりなんとなくいろんな人と触れ合ったり、 グループワークがしたくなるんですよね。
作家ってもう究極のソロワークなので、 ずっと一人でやってますから、
そういう点では世界を広くするために、
なるべく多くの人に会うというのが 大事だなとは思うんですよね。
特に最近作家同士の交流はほとんどないので、
ですからそうなるとね、小説家の場合、
誰かが上手くいってしまうと、 編集者とぐらいしか付き合えなくなるんですよ。
でもその編集者の多くは、大体は褒めて、褒めて、
じゃあまた次の本もらおうみたいな感じになってしまうので、
そうするとね、いつも決まったメンツの中で、 褒められてばっかり言うっていうパターンだと、
どうしても親物対象になりますからね。
やっぱりそこは避けておかないと、 自分の学生会がだんだん小さくなっていくので。
以前ちょっと別の方にも伺ったんですけども、
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かなり有名になられて、
結構みんなが〇〇先生、〇〇先生って 言ってくれるのはいいけど、
本音で誰も語ってくれなくなって、
すごい孤独を感じるっていうことを 聞いたことなんですけど、
やっぱり石田さんご自身もそういうのは?
僕はあんまり感じないですね。
出版の世界だけでなくて、
その周りにもっといろんなのがあるじゃないですか。
もちろんテレビもそうだし、 ラジオだったり雑誌だったり、
出版でも直接本人に関わっていない 雑誌の人たちだったり、
あるいは普段の友人、広告会社にいた頃の 仲間なんかもみんないるので、
そういう点ではその孤独感みたいなのはないかな。
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