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井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中場企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤嘉輔です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日も行きたいと思いますが、
今週はですね、前回の続きというかね、
前回ひとつ、キーコンセプトとして上がってきた場づくり。
はい。
昔、6年前とかくらいかな。
それ以前とか、しょっちゅう場づくりとおっしゃっていた井上先生が、
最近この言葉使わなくなったなーなんて思ってたら、
最近また前回のね、最後の方で、
改めてその言葉が再復活しておると、
いうことでしたね。
はい。
いろんな定義があるんだけど、やっぱり、
なかなか違うものっていうかな、
お互いが異なるものを共有して新しいものを生み出すための
時間と空間だと僕は思っていて、
別にイノベーティブなことだけではなくてね、
やっぱり関係性っていうのも新しい、
より深い、良い関係をつくるなんていうのも、
新しいものをつくるという意味に入るし、
なので何かが、お互いの相互作用によって生まれるもの、
そういうものを埋める環境を場と言っていこうかな、
と言ってるというのが、私の中の場の意味です。
なので遠藤さんおっしゃったように、
個々人のことの一対一というのも場だと思うし、
複数いる場も場だし、
ありとあらゆる場っていうのがある。
通常の会議と場って同じですかっていうと、
変な言い方だけど、
単純に会議をやるというよりは、会議を場として活用すると言ったらいい。
つまり会議って、例えばアジェンダがあって決めることがあったりとか、
報告会みたいな、いろんな種類の会議があるけど、
そこで行われるときに、
会議の目的に即した流れ、
結論を出そう、今日は、みたいな流れだけがずっと強くなっていて、
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強くて中心で、
結論を出すためにあるチームでは、
リーダーが早々に結論を言っちゃう場合もあったり、
リーダーが決めなくても声のでかい人に引きずられたり、
ある種、場と言ってもエネルギーの偏りがあるのが多い気がするのね。
むしろそれがほぼ全てって言ってもいいぐらいな状況かもしれないですね。
場って何かっていうと、ある意味個々人の持ってるエネルギーの出せる量っていうのは量っていうかな。
エネルギーはある意味均等にするぐらいの意識を持つのが場としての運営だと思う。
だから、すごい細かいことで言うと、大きな声で話す人がいると黙っちゃう人。
黙っていることをそのまま放置して進めるのが一般の会議だとしたら、
場として利用する会議は、黙ってる人の意見がちゃんと表出するような工夫をする。
例えばね。
やっぱりどういうことかというと、
みんなの心、全員人間なので仕事もしているし、
ある共通目的に向かって動いてる者同士で、
全員が同じ考えであるなんてありえないと思う。
人それぞれの価値観とか考え方違うから。
逆に一緒だったら、それこそある意味弱い組織になっちゃいそうですよね。
うん。そこからすると場の主たるテーマは、
やっぱり捉え方はみんな人それぞれ違うということを、みんながちゃんと認識した上で。
ただ組織で動く以上、ここに構成されている人たちは、
こういうことに関しては、私たちはこういうことを大事にしていくんだとか、
価値観とか、例えばそのチームが求められている、
会社から求められている機能とか。
そういうものは共通認識として持ってなきゃいけないから、
共通の捉え方っていうのは組織である以上は絶対必要ないね。
もう一個は、でも個々人の中にある違う捉え方。
っていうのは、見えない世界にあるいろんなその人たちの背景とか、
歴史とかいろんなものから来るものなので。
個性とかもそうですね。
それは尊重しないといけない。
ましてやそこに違う意見がたくさん、
たとえば10人いたら10通りの意見が生まれているっていうことを大切にしなきゃいけない。
これを混ぜていって、もしかしたら1から5じゃなくて、
第6のアイディアを出すっていうのは場として楽しいし、やりたいことなのね。
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なので、場の運営としてやらなきゃいけないのは、
やっぱり思ってることを全員が出し切れるということが大事。
出し切れるね。
もちろん限界あるかもしれないよ。
でも出し切れるってのは、あるものに対してどう思うかということの意見だけではなくて、
大事なのはどうしてそう私は思うのかっていう背景が全員が出る。
これが場づくりだし、これであの人ってこういうことを考えるんだってわかると、
非常に関係性っていうのが深まるし。
あの人ってそういうことをベースに考えてるんだとかってわかればわかるほど、
メンバーとしての絆が深まると言ったらいいのかな。
でね、これね、最近ちょっと私ある会社で。
いやまさにまさに。具体としてイメージがある。
あまり具体にすぎるとね、会社特定されちゃいそうですけど。
これはあえて言うと、誰と誰かっていう話じゃなくて、
やっぱりある制度の導入によって、
これは経営層がある目的をもって制度を導入しましたと。
ちょっと1年近くやってきたけど、
結果としてその制度に基づく評価みたいな、
各部門の評価みたいなのが出たときに、
各部門の長たちが、「え、そういうことなんですか?」って逆に、
何か腐壊というのかな。
自分たちが大切に扱われてないんじゃないかみたいな感覚で、
なった人が結構出てきたと。
そこの人事に僕行ってるので、人事の方たちがすごく苦労されて、
各部門の責任者たちがこう言ってますもん、
経営層のほうにもフィードバックするし、
結構一生懸命いろんなところを駆けずり回って調整をしようとしたけど、
これはかなり根が深いぞと。
埋まらない溝が。
これどんどん深くなる溝だぞと思ったので、
思い切って経営層にとにかくみんなで集まって、
何を考えてるか全員で話し合いましょうという場を設定したのね。
人事が駆け合って事業部側と経営層側の、
要は本音大会が始まる場を設定したってことですか?
なんて恐ろしい場ですね。
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逆に言うと、不満を人事に言ってた人たちも、
この場で言いましょうっていうことを宣言して、
それは一応社長の了解も得てね。
とにかく言おうよ。
逆に言うと、社長もとにかくこの場だから、僕も言うから。
社長も入ってんすか?
もちろんもちろん。
その時点ですごい会社ですね。
そのセッティングができたことが素晴らしいと思う。
なおかつ真剣に話し出した人たちもみんなね。
アップテーマじゃなくて。
こういう理由なんだよ、これは。
こういうことを決めたのは、
社長だって結構必死の覚悟で地域を意思決定したんだ、
みたいなことまで含めて、背景となることを全部言った。
不満に思ってた方も、なぜ不満と思うのかっていう、
我々の価値って何でしょうかみたいな話まで、ちゃんとしたらしいんだよね。
そしたらね、そこで結論なんか出ないよね。
じゃあとりあえず今年はそれで納めろかって結論になったりするのかもしれない。制度上はね。
だけど部門長たちが変わったんだって。
変わった?
うん。要するに言うことも言ったし、
経営層も、君には言うこともわからんでもないという理解もちゃんと示してくれたのと、
でも逆に言うと、経営層が何の思いでやってるかもわかったので。
納得したんですね。
理解したというのを言うのに。
納得までが言ってない。
だとしたらという言葉が出るようになったという。
そうおっしゃるんだとしたら、こうしますよ僕たちは、みたいな言葉が出るようになったら、
その後いろんな話を人々の人たちと話すときに、スイッチが入った感じがするって言ってた。
だからやっぱり、今言ったようにね、
全員の内面にあったものを、根拠とか意図とか意味とかを添えて、
ちゃんとそこに出して、それを否定することなく、
みんながまず述べ合い、じゃあどうする、だとしたらっていう言葉に発展する。
この場を経験すると、
やっぱり人間って、自分が改めてどこに向かおうかっていう意思決定につながるんじゃないかなと思う。
なんか創発ですよね。
だからとっても今後楽しみだなと思って。
なぜできたのかみたいな、ちょっと分析しても仕方がないんですけど、
それ一歩間違ったら、
上層部けんけんガクガクした結果、崩壊ぐらい、圧力すさまじいみたいになるぐらいのリスクも、
ちょっと伴っているかなって感じたんですけど。
逆に言えば、人事の方が宣言したのは、
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私たちはその危険を感じるということを言ってる。
このまま行くと。
うん。
なので、ぜひ皆さんが、なぜお互い何を思ってるかをぜひ話し合ってほしいんですよっていうことを訴えたらしい。
そんな良い人事部あるんですね。
あるんです。
あるんですね。
へー、すごいですね。
人事部のあるべき姿を聞いてるような役割ですけど。
ここの人事の方たちは頑張るよ、すごく。
すごいですね。そんな人事いるんだ。
ちなみにでも、もともとある程度関係性良さそうなんですけど、どうなんですか。
えーとね、なんていうのかな。
スピール範囲で。
関係性が悪いわけではないんだけど、
順風のときの関係性としては非常に良い雰囲気が出る。
ただ逆風になったときに、
関係性よりもそれぞれが何を守らなきゃいけないかのほうに入っていっちゃうんだよね。
これはどこでもそうだと思う。
立場を守ったり、いろいろってことですか。
よく成功循環モデルでも、結果の質がいいときは関係の質が逆に高まりますよっていう効果があるっていう循環のね。
その結果が悪いときにどうなのかっていうことが大事なの。
なのでそのときに関係性を悪化させていくような、
それぞれが勝手に自分の世界に閉じこもるっていうことになると、
関係性の糸は細くなる。
場合によってはキレイに。
でもその悪循環のほうに回るぞっていう危機意識を、
回り出してるぞっていう人事部の危機意識が動いたときに、
結局は互いの本音を出して聞いて、
で自分たちが納得までいかなくてもそれぞれの立場を理解して受け入れてっていうところまで持ってける、
その場でそこを持っていける関係性が前段階に一応ちゃんとあった上でそれが成り立ってるっていうのも、
なんかもうそもそも組織力ある程度結構高そうだなって印象もあったんですけど。
むしろ個々人がちゃんと意図を持って仕事をしてるっていうことが逆に言うと強みなんで。
あーそれぞれの部署の。
そうそうそう。全員が。だから言えるのよ。
なるほど。持ってるんですね。
そう。持ってるから言えるの。
でその人事の方も頑張ったけど、やっぱり最終的には社長が招集して、
社長名でみんなを招集して、今日はこうしたいということをちゃんと宣言したことも効果を出した。
最後お時間もねちょっと近づいてきてしまったんですけどもっていう意味で言うと、
改めて場が大切だっていう場作りっていう観点で今の話をちょっと整理というか、ご説明いただくとどういうことなんですか。
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場作りっていうのは結局は、いろんな意見とかいろんな人の考えとか、
そういうものをある種混ぜて、さらに良いアイデアを生み出すようになるっていうのが、
実は目的になると思うのね。
やっぱり新しい考え方・価値観を生み出そうみたいなことは大きな目的になっている。
混ぜることで新たな価値を生む。
だから混ぜるっていう機能として場がある。
ただし混ざるときには、お互いが尊重し合ってない、相手を尊重してないとまずい。
なので、場に参加する場の基本ルールは、絶対参加者の誰をも否定しないということなのね。
そこをベースに基本ルールとして設定すると、みんながいろんな意味で本音で話せる。
その本音のところには、なぜそう思うのかっていう根拠、理由、目的みたいな、
それぞれが感じてるものをちゃんと出しながら混ぜていくっていうことが大事ですね。
それで、じゃあ結論を出さなきゃっていくよりは、
むしろそれを分かり合って、そういうふうにみんな思うんだ。
今日は結論が出ないけど、それはみんなの言ってることが分かったってお互いが思えるところまでは、まず場だと思う。
さらに場が飛べば新しいアイデアが生まれるんだけど、
まずは新しいアイデアを生むとか、どっかの結論に至ろうとするエネルギーが強ければ強いほど、
今言ったような混ぜるっていうのは難しくなる方向に力がつくので、
だから結論を出すというよりも、お互いが思ってる意味を混ぜ合いましょうって思ってるほうがいい。
なるほど。
と思ってます。
なるほどですね。このあたりは対話、そしてファシリテーションはきっと人事院の方は相当熱量を持ってその場を作ったんでしょうけど、
その最低限のルールだったり、いろいろ運営方法というのを抑えていかないと原因はあるんだなとは思いましたが、
今日は改めてそういう本音をきちんと表に出していって、混ぜ合う場というのが創発に向かう前において、
まず相互理解をどう作るかがすごく大事だという感じがしましたが、
対話、ダイアログですが、今後も復活したキーワードになってきましたので、場作りやっていきたいなと思いますので、
このあたりもうちょっと具体の話とか聞きたいということがありましたら、ぜひともご質問いただけたらなと思っております。
終わりましょうか。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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