場づくりの基本
井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中場企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤克樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということでね、今日も行きたいと思いますが、
もしばらく場づくり養成講座ということでね、やっていきたいというふうに思っておりますので。
難しいテーマですけどね。
そうですね。ただ、とても重要なね、今この時代においても、
場づくりができるかどうかが問われているような気もしますのでね、
ここでしっかりと教えていただきたいなと思いますが、
前回、そもそも場とは何なんだという話をしましたね。
ぜひそちら、非常に概念上整理されておりますので、聞いていない方はまずそちら聞いていただきたいですから。
ただね、その場にも、お茶飲みクラブのようなゆるっとした場もあれば、
本当に経営のチームとしてね、新しい価値創造するような場もいろいろ差があると思いますので。
とりあえず場ができ始めたぞという中から、どうやって高度な場に発展させていくのかという、
心理的安全性の確保
そういったプロセスを今回は扱っていきたいなというふうに思っております。
ちょっと側面の話をしようかなと思うのは、
この間異質な考え方とか意見でなぜそう思うかという背景文脈みたいなのを、
まず明らかにすることから始めるといいですよなんて話したんだけど、
そのためには、いろんなプロジェクトみたいなので、
初めましてって集まる場合もあれば、
職場で新たに何かテーマを持って集まろうということも、いろんな場面があるんだけども、
やっぱり昨今よく言われる、その場には心理的安全性は必要なんだよね。
つまり何が言ってるか。言ってもいい。
私が思ってることを素直に吐き出していいんだ、この場は。
っていうことをやっぱりやらなきゃいけないので、
前回の話なんかのところの側面で、リーダーたちやファシリテーターが気にしなきゃいけないのは、
ここは心理的に安全な場であるということを作らなきゃいけない。
そうすると、初めましてみたいな人が多いとすれば、
どんなことを言ってもいいんだなっていうための、
そのための本来のテーマとはちょっと違っても構わないから、
それぞれが、私はこんなことをやっていてこんなことを思ってますとか、
こんな人なんです、みたいなことも含めてね。
それぞれの個性をちゃんとこの場に出していいんだというような、
ある種ちょっとセレモニーみたいなワークをやるとかってことは大事ですね。
アイスブレイク的に。
ちなみにそういった意味で、ちょっとイメージ枠程度でって感じなんですけど、
いろんなやり方はあると思いますけど、
井上先生、そういったスタートを切るタイミングとかでやるようなのありますか。
時間が許せば、ヒストリーを語るっていう、それぞれがね。
おー。ヒストリーを語る。
人数にもよるしね。
20人向いて全員でヒストリーを語ったら、
1日あっても足んないぞみたいなことになる。
ただ、どういうことをしてきていて、何が自分のときに大切だったかみたいな、
どういうときに自分としては意識が高まったとか意欲が高まったかとか、
こういうときにはちょっと何か意欲低下したんですよみたいな、
私はモチベーショングラフって言ってるんですけど。
あ、世の中的にも言ってるのかな。
時系列の中で自分のモチベーションの上がり下がりみたいなものをざくっとしたグラフにして。
グラフで書いていって。
うん。で、これを説明するみたいな。
たとえば何人かでやるんだけど、必ず質問者を立てて、
それはもう氏名でもなんでもいいから、
今の話の中で必ず質問をいくつかするという。
どうしてそうだったんですか?って深めていくっていうテーマで、
その人をより深く知るために必ず質問しましょう。
質問どうですかって言ってもなかなか難しいから、
たとえばAさんの場合はBさんとCさんは聞き役でいいから、
DさんとEさんは質問役ですよみたいなふうに決めてもいいっていうふうにちょっと深掘る。
で、なんとなくそういう人なんだぐらいはまず作るっていうことが最初に大事かなと。
なるほどね。共通の目的とか云々の前に。
その人を知るというところで焦点を当てて、それを物語として認識していくと。
ある種チームメイキングみたいなところですね。
そんなこともしながらのってことですね。心理的安全性を。
そういうことが大事だなと思うんで、そういうことを大事にしようと。
この場合はそういうことを言っていいんだなとか、いろんなことを話すといいなって。
新規ビジネスのアイデア創出
そこをベースにして、やっぱりそこをリードする人たちは、
そういう場だから、来たのない意見をみんなで言おうねっていうことをまず皆さんに約束してもらう。
で、入っていく。いろんな人の意見の差があります。
でもこれって僕たち共通の課題だから、やっぱり真剣に考えたいねっていうふうになってきたときには、
じゃあどうしていこうかっていうときに。
このときに、これもひとつのやり方なんでね。
必ずやらなきゃいけないプロセスだよっていう意味ではないんだけど、
ひとつ私なんかがやるのは、
じゃあ我々がやっちゃいけないことは何かみたいな、
逆に何をすべきかって話をする、どうしたらいいかを話す場になってるんだけど、
何はしちゃいけないんだろうねとか、
逆にマイナス方向をあえて出す場にするっていうのもひとつの方法で。
それってね、何しちゃいけないんだろうねっていうのは案外話しやすかったりする。
しなければいけないことをやるべきことを探していくっていうのは、
どこかで正論なんだけど窮屈だったりするわけ。
正しいことというかね、適切な、的確なことを言わなきゃいけないみたいなプレッシャーもかかりますしね。
そう。でもさ、やっちゃいけないことはあるよねとか。
たとえば新規商品開発のプロジェクトだったら、
絶対売れないもんってどういうんだろうねってあえて話し出す。
これって今、心理的安全性のスタートぐらいのところの話ですか?
心理的安全性がスタートで、実際に目的テーマに対して話を始めたときに、
それでも答えを作らなきゃいけないな、探さなきゃいけないなっていうモードでみんながいると、
なかなかたがって外れないね。
そのタイミングからまたずらすというか。
そこもゆっくりなんですね。
そこはゆっくりしなきゃいけない。
そのためにも、逆ぶりするっていうのを。
絶対売れない商品考えてみようよとか。
絶対売れない商品。
これね、何がいいかっていうとね、
そんなことを真剣にこのチームでやるべきことではないんだけどっていうのはみんなわかるわけよ。
だからある意味の遊び感覚でやれる。
だから頭を回す訓練なの。アイドリングみたいな。
なのでそれをやっていって、ああでもないこうでもないって話してると、
そういう話題って案外盛り上がりやすい。
っていうのが、また一つ頭を回しやすくするための方法だったりする。
こういうときにもリードする人たちは気をつけなきゃいけないのは、
どの意見も捨てちゃだめよ。
ここでもね、前回ありましたけども。どんな意見も。
うん。全部拾ってあげて、もしかしたら面白いねそれって。
逆にさ、こうやったら真逆で売れるんじゃない?みたいな。
ひらめいたらそういうのを投げていくっていう。
だからここもファシリテーターでリードする人たちは、
意見を真剣に聞いて、そこから感じるものを場に提供してあげるっていう役割なんだよ。
これどこかで今度はファシリテーターの仕事みたいな役割の話をしていかなきゃいけなそうですね。
まあでも場作りってイコールのところもあるからね、ファシリテーション。
そんなふうにしていくと、少しずつみんなが話すこととか考えることとかに対して、
向き合い方が斜めなんじゃなくて真正面から向き合うようになれてくるので、
そしたらいよいよ新規ビジネスとか新規ビジネス、まず取り入れることが現状からいって、
新しいものを取り入れることが難しいという意見もあったけど、
まずはどんなことが我々にできるのか考えてみようよ。
なんか楽しいことを考えようっていうふうにみんなで話していく。
そのときには最初、さっき言った新規ビジネスを例にとると、
新規ビジネスってどういうことの条件が、前提としては何をおかなきゃいけないか。
どういう背景があるか。
どういうところから考えるといいか、みたいなそういうプロセスがあるので、
そこを整理しながら、単純にブレストで何かいいアイデアがないか、
みんなで意見言い合おうって言っても場に盛り上がるわけではないので、
一個一個。
とはいえうちの会社がやらない領域ってあるよねってどういうとこだろうねとか。
ここもまたいろんな手法はある。
でもだんだんテーマに対して、みんなの意見をまず出させるっていうことをするための方法で、
大きなテーマのための小さなテーマみたいなものを投げて、場に。
それにグワーッと出てきたものから、ここが大事なんだけど、
この拾い上げるって作業が大事なんだよ。
拾い上げる。
面白いなと思うポイント。
これはもう完全に場を回すファシリテーターにかかりますね。
そう。でもそれファシリテーターだけじゃなくて、みんなに振ってもいいのよ。
今出た意見の中でどこか面白いものがない。
あれ面白いですよね。Aさんが言ったやつってなんか変で面白いですよねとかね。
そういう出たものを広ぐという作業を一回やったほうがいいのよ。
それはファシリテーターがやれればいいけど、
ファシリテーターも思いつかないこともあるし気づかないこともあるから、
みんなに振ってもいい。
場づくりのプロセス
ポイントは何なんですか。
拾い上げるっていうのは、場が高まりそうなキーワードを拾うとかどういう拾うなんですか。
やっぱりゴールに向かっていくときの次のステップ。
具体的なアイデアとか、やっぱり結論に導いていくためには、
どっかで拡散しっぱなしじゃダメだから、少しずつ集約していく作業が必要。
そのためには、気づいた面白いと思うポイントをポンポンポンポンって、
10個のうちあの3つ面白いよねって出して、
そうですよねって言ったら、ちょっとここをもうちょっと広げてみないと集中するでしょ。
そういうふうに、具体的なアイデアに導くための、
少し集約していく作業っていうのを、そこで始めるっていう感じかな。
拡散から集約、拾い上げるってことですね。
できたら、この3つのポイント面白いですねって言ったら、
そうだよね、今までやってなかったけどなんでやってなかったんだろうねなんていうことが出てきたりすると、
この次大事なのはもうちょっと収束するときには、
じゃあさ、この3つのうちいろいろあるんだけど、
この次回、この三つのうちのいろはのうちのいについて、
みんなもうちょっと深めて考えてきてくれない?って言って、
次に方向性をつける。
で、集まるときに、集まった場だけじゃなくて、
みんなの意識をそこに向けて、考えといてねーなんていう状況をつくって、
次回持ち込ませるみたいなことを。
拾い上げたところからまた、ちょっと拡散に近いんですか。
掘り下げるって感じなんですか。
方向づけする感じ。
方向づけなんですね。
うん。つまりいろんな360度に渡ってわーっと出て拡散したものを、
なんとなく、たとえば90度ぐらいの範囲を少しやった中で、
さらに90度の中でも、この方向、
この方向のことについてちょっと次回掘り下げようか、
っていうふうにやっていくような、
だんだんみんなの方向を集めていく感じかな。
ここはすごいセンスの話ありそうで。
すっごい、言語としてはわかるけど、もうやれるかって言ったらドキドキしますね。
じゃあその通りです。
方向づけるっていう時の方向って、
拾い上げるときには、少なくともプロジェクトの目的があるわけなんで、
それがなかったら拾い上げられませんけど。
そのゴールに向かっていくだろうという文脈で、
なんかこう可能性にありそうなものを、
自分もそうだけどもメンバーにも振って拾い上げていく。
そしてこの拾い上げた後の方向づけ、
方向づけって意味は、これもゴールに向かっていくだろう方向づけをってことですか。
たとえばさっき言った360のうちから、
90度ぐらいの範囲にいくつかに絞ってきたねっていうときに、
さらに90度でもまだ少し角度があるので、
その中の30度の方向にあるこのことについて少し折り下げようかっていうのは、
もしかしたら他の角度、70度の角度についても次回やらなきゃいけないかもしれないよね。
でもなんとなくこっちの90度の範囲にあることが、
みんなの中でちょっと引っかかったし、議論を深めていくべき時代だよね、
テーマだよねっていうふうになってきた。
これが第一回目の収束方向だとすると。
もういくつかの収束の方向はまだまだあるんだけど、
一つ一つに、より狭いところでみんなのアイディアとか思考を回すために方向づけをする。
つまり90度からたった一つの方向性を見つける必要ではなくて、
みんなの思考を集約するための方向。
ああ、なるほど。
みんなが反応した、拾い上げた言葉、それがそもそも方向性があるはずで、
こっちに向かって一回ちょっと掘って、60度なら60度の方向に対して掘ってみて、
その先に、あれやっぱりちゃうな、こっち30度側かもねって今度30度やってみてっていうのを議論していく。
わーっといろんな意見が出た中で、拡散したものを見ながらやると、
収束ってすごくエネルギーが必要すぎちゃって、強くあり必要すぎて苦しいのよね。
そこはもうメンバーに安心して、今回はこのことについてみんなで一生懸命考えてみようよ。
その他のことは捨てたわけじゃなくて、一旦やってみようっていう、
みんなの思考の集中を動摩するため。
なんとなくイメージと360度とって、とっちらかったこの拡散の全ての方向性の、
ちょっとみんなが拾い上げただろうところの、
じゃあ30度なら30度の方向に一回掘ってみようっていうのをやって。
さっきの新規事業のビジネスのモデルで言えば、いくつか面白い。
なんかちょっと引っかかるよね、これ。っていうのが出たとしたら、
ひとつは顧客視点の話で、もうひとつは自分たちの提供価値の話をしてたりすると、
提供価値の話についてまずやってみようよってやると、そこに集約。
そういうことね。
じゃあ次は顧客視点の話があったから、それについて話してみようよってやってるうちに、それを組み合わせていく。
行ったり来たりして、そこに今度は顧客の潜在的なニーズとか問題意識が何かの方向もあって、
これを組み合わせていくと、あれ?こことここで?みたいなのが生まれてくる。
そうそう。
場が飛ぶって瞬間ですね。
そう。
大枠ギリギリいけましたかね。
ちょっと難しい話しすぎてるかね。
いやいや、一回ね、これでも。以前、体感値が重要という話をね。
509回の前々回やっているんで、やっぱりそこの辺がね、体感値も含めてやるとすごく面白いと思うんでね。
なんか一度、それこそね、井上先生場作りしてほしいですね。
ポッドキャストの聞いてるリスナーの方と場作りでちょっと方向づけしてみようと。
そんなことも含めて、一旦今日のところは終わりましょうかね。
是非、あいまいまでは質問も取り上げていきますので、
ちょっと次回は要請講座引き続きやるか、質問でやるかはちょっと状況を見ながらいきたいなというふうに思います。
ということで終わりましょう。
ありがとうございました。
次回への準備
ありがとうございます。
本日の番組はいかがでしたか。
番組では井上健一郎への質問を受け付けております。
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