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2020-02-28 17:47

第253回「質問:裁量労働制は日本には向かないのでは?」

第253回「質問:裁量労働制は日本には向かないのでは?」井上健一郎が、組織・人に関わるあらゆる問題をわかりやすく解説する番組です。
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井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感。
上場企業から中場企業まで延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、行きますか。
早速、質問に行きましょう。
行きたいと思いますが、ちょっと今回長めのご質問なので、お聞きください。
技術職の45歳の男性の方ですね、ご質問いただいております。
ベンチャー勤務です。
井上先生のポッドキャストを教科書として、マネジメントの勉強をさせていただいております。
今回は裁量労働制について、井上先生の感じることをお話ししていただきたいと思います。
裁量労働制を採用しているサプリ関係の開発に特化した会社にいます。
悩んでいる点としては、目標分担や成果の公平化の保ち方と、
プロジェクトや会社への求進力の保ち方です。
評価制度も含め、インフラが全く整備されておらず、
各々のスキルやレベルもまちまちで、各々が成果や目標を勝手に判断してしまい、
うまくいっていないように感じております。
端的に言うと、結果が出ていないのだから、もっと成果を出せるような行動をするよう努めるべきと思っています。
今の会社の評価制度などの環境を整えることも重要とは思いますが、
私は裁量労働制度が向いている会社は、日本にはほとんどなく限界があるのではと思います。
アーティストやプロのアスリートと同様、同じ研究者でも能力があり、
結果を出す人間は一人握りです。
ですが、アーティストやプロのアスリートは、厳然とした評価が外部から下ってくるのに対し、
研究者や技術者への評価はとても曖昧です。
絵でして価値のあるものは、物ほど形となるのに時間がかかったり、
常識から外れるため認められなかったりもします。
厳正な評価が存在し、成果を出さない人間には退出を促されるという環境が裁量労働制には必須と思いますが、
日本の多くの会社はそのようになっていないように感じます。
また、先生のいつも言っておられる関係の質というのは、大変重要であると認識していますが、
関係の質の向上だけでは限界があるというか、成果に大きく寄与しない触手があるとも感じていますが、
そのあたりはいかが思われますでしょうか。
ということですね。裁量労働制ね。なかなかご自身の考えもいっぱい知りまみれがありましたね。
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裁量労働制というのは基本的には時間管理のふさわしくない人たちということなので、
やっぱり自分の結果、仕事の成果と言ったらいいのかな、
出すためには自身のコントロール、他社からの指示、命令を受けるのではなくて、
自分自身でコントロールできる人が裁量労働制の対象者ですよと逆に言えばなっているので、
指示、命令を受けずにやる人たちなのかどうかですよね。それで良しとするのかどうか。
だから、もし研究開発とは言うものの何か指示、命令が全くなく独自の世界でやっている人たちなのかどうかというのは、
裁量労働制が適切かどうかということではなくて、この方が言っている裁量労働制というのはそうなはずなので、
成果によって、場合によっては退出してもらう人も必要なんじゃないかと、
結果で見なきゃいけないんじゃないでしょうかねということだと思うので、言いたいことはね。
なので、僕が言っているのは逆に裁量労働制は、指示、命令ということが行われずにやる仕事をしているかどうかはちょっと見極めた方がいいかなと。
そうだとしたらやっぱり、俺の出した仕事の結果というものを問われるのは仕方ないなと思います。その通りだと思います。
それは日本だと、退出させるというのは簡単じゃないので、難しいよということだと思うんですが、
裁量労働制はどうかというよりも、ある種自己完結の形で仕事をしている人たちをどう適正な動きにしてもらうかどうかということと、これからどう評価するかということがあるんだけど、
ここの会社での研究開発者の成果って何ですかっていうのがちゃんと語られているのかなというのが一番。
つまり、新商品を開発すること、もしくは開発した商品がヒットすることなのか、何なんだろうかということが一つですね。
そのためにも関係の質っていう話もあったけど、関係の質っていうのは、みんながお互い仲がいいよっていうことが初歩的な関係の質なので、本来的には価値観が共有できているということが大事なので、
この会社でサプリをやっていると、どこに向かってやってるんだろう。
つまり、このサプリメントを世の中に送ることによってどうしたいのかがあると思うのね。ないんだったら語らなきゃいけないし。
つまり、こういう人たちを幸せにするでもいいから、何かサプリメントという事業をやっている意味がどこにあるかがまずないといけないので、
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その目的、意味に対してどう活動しているかということが大事だと思うんですよね。
なるほどですね。
だから、関係の質を高めるっていうこととこれは実は同じで、
どこに会社、この組織がみんなでチームだって何に向かってやってるのか。
何を提供すること、何を創出することで生み出すこととか含めてどうすればいいのか。
どういう価値が提供できればこの会社としては成功なのか。
場合によっては売り上げじゃないですよということかもしれないし、
途中で非常にいい研究だけど時間がかかってどうのこうのっていうのがあったでしょ。
ありましたね。
だからそれをそこが研究開発者がとても価値があるものだと思ってやってるけど、
短期的でじゃなく長期で難易度が高いからそれが評価されないって確か書いてあったと思うんだけど、
それ自体がもう間違ってると思うんだよね。
ほうほう。
だって研究開発だからそれが短期で出る結論もあれば、
やっぱり基礎研究的なことなんかだったらすごい長期にかかるので、
研究開発の意義、意味みたいなのがちゃんと定まってる気がする。
その分面、そこだけ取ると分かんないなって。
だからさっき言ったように出した商品が開発者が作った、
作り上げた商品が売れるかどうかで単純に見ている。
だとしたらやっぱりあんまりよろしくないと思う。
つまりもう一個言うと、研究開発をたくさんしたからそれに対して成果として評価してるとしたらもっとだよね。
つまり数打ち当たる。数多ければいいってなれば中途半端なものを数を組むっていうことが起こったりする。
そうですね。
何をもって成果というかっていうことが本当に非常に大事な気がするので、
ちょっとこちらからね、僕の方でこういうものであるべきですよねっていうのは、
それこそ経営者の考え方もあるし、言い切れないから、
まずはそこが整わないといけないんじゃないかなって気がしますね。
なるほどね。
何ですか?それは組織の目的とかですか?
まずね。
一番ハードル高そうなところでもありますけどね。
だけど、例えば誰にどんなことを提供したいかっていうことが語られればいいので、
この会社の顧客って誰なの?どういう人なの?
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そこに何の価値を届けるの?何のために?
確かにそこがなき評価とか制度って、結局それが裁量労働制だろうが、
どんな制度だろうが機能しないんですね。
裁量労働制だろうが何だろうがっていうのはまさに本当にそうで、
研究開発者の成果とは何ですか?
それは会社が向かう方向に対して寄与してますか?っていうものになるので、
それこそいくつ研究開発で提案できたかだよって言うんであれば、
さっき言ったように、一応数出せばいいんですねって話になるし、
そうすると質は下がるとか。
じゃあ良質なものをやりましょうって言ったら重くなる。
なかなかものが出てこないっていうことにも起こるので。
なるほど。
これはなんだろうな。
あともう一個の運営の仕方の部分で言うと、
研究開発者を一人一人を孤独な作業者にするかどうかっていうのもある。
やっぱり数人のチームでやってるかどうかっていうのを確かめたいところです。
研究開発って簡単ではないと思うので、
ある意味では個人作業じゃないって思うかもしれないけど、
どこかで同じ方向に向かう仲間っていうのがいるかいないかっていうのがすごく大事なんで。
なるほどですね。
サプリ開発系のベンチャーって結構付き合いあったりちょこちょこするなと思うんですけど、
得てしてとは言わないですけど、傾向としてなんとなく結構、
流行とかサプリって今これ来るなとかっていうのは結構市場がちょっとチャラい部分があるんですね。
でもやってることは研究開発で固いのに、
マーケット側にいる経営者とかは意外とその辺目的とか明確じゃなかったり、
わかんないなみたいなところは結構表に出てたりみたいなのって結構あるイメージはあるんで。
うん、そうですね。
だから今園野さんが言うみたいに、ちょっと軽いというかね、軽い市場だよねと。
動きの激しく軽い市場。
例えば、最近凝産地とかって急にたくさん出てきてるでしょ。
要するにその主流、流行っていうのがあって、
ある意味サプリは悩みを解消したり、健康増進とかいうためのテーマでみんな持つので、
何に効きそうとかいうテーマがあえば買いたい。
その時に良さそうなものを選ぶ。
すごい良さそうだけど高いものを選ぶ人もいれば、
薬局行ってたくさんバーって並んでる少し安めのものでやる人もいるし。
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なので、そういう意味では薬の研究開発と違って、ある意味市場ありきの商品開発なんだよね。
だから実は商品開発者とマーケッターが一緒に仕事しないとあんまり意味がない。
なんかその辺ありそうですね、確かに。
だからそういう意味では、今いいことを指摘してくれたんだけど、
チームでって言ったのは、えんどーさん言うことすごくそうだと思うので、
やっぱりマーケットに何を送り込むかっていう発想で、
やっぱりマーケティングを担当している人たちとかと組んで開発するっていうのは一つの方向性として。
これは想像なんですけど、開発者のありがちな彼ら側の価値観と
マーケッターの価値観って結構違うところにいっぱいありそうな気がするんですけど、
ここを混ぜて今みたいに一つのチームとしてとかで考えていくときのポイントって。
なのでよくある、これはマーケティング的なポジショニングってあるじゃない。
ポジショニングも縦横にいろいろな要因というか要素を分解して、
例えばラグジュアリーとかあるでしょ。
ああいうようなもので自分たちの商品はどの位置に位置づけるものかっていうのがまず定まっている。
つまり高価でも低価で定期的に購買してくれる確かなファンを作っていくという商品位置にするのか、
それこそ数多く、いろんな人が手に取りやすい価格帯でっていう風にするのかによっても違うと思う。
確かに開発者とマーケッターとかマーケット寄り側の人たちとのどうチームとしてやっていくかっていうとこが大きなヒントありそうです。
やっぱり研究開発の人が陥りやすいのは、さっき途中で大学にいた人っていうのはなんとなく成果が出ないっていうのがやっぱりそうで、
大学にいるのとビジネスでやるのの差はマーケットを知るか見てるかみたいな。
なのでやっぱりマーケットっていうこと、自分たちが作り上げるマーケットが何かっていうのをまず定めないと。
もちろん違う言い方をすると組織っていうのは戦略部分と組織運営の部分が両輪なので、
どういう戦略でいくのかが定まってないと組織運営の仕方がうまくいかない。
なのでこのサプリメント市場の中で自分たちがどこに行こうとしてるのかがあれば、
そのための組織作りの中の研究開発の一成果っていうのが語れるんじゃないかね。
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最後の意味でここまで話した上で、
彼らのこの会社にとっての裁量労働制ってどうなんだろうって話で言うとどうなんですかね。
裁量労働制はつまり自分で自己完結よりしなさいよという意味なので、
それが適切であれば裁量労働制でいいと思うし、そうじゃないとこれ全然違ったなと実はと。
研究開発の名前だからそういうふうにしちゃったけど、
いやこれ違うかもってなったらチーム制とかの中でやってもいいんじゃないかなと思うし。
裁量労働制だったらやっぱりどっかでどういうものがその人たちにとっての成果、貢献、意味、意義なのか、
どういうことをやることがいいのかっていうのを出さなきゃいけない。
もしあれだったら、もし迷うんであればまず1個は会社としてどういうマーケットを作っていくんですかっていうのと、
もう1個は本人たち、研究開発してる人たちは実は何を評価されたいんですかって聞いてみればいい。
なるほどね。そのアプローチぜひ聞いてヒアリングしたらシェアしていただきたいですね。
その上でこっちはこう思ってるよとすり合わせて、じゃあこういうことに向かってこれに責任を持ってくださいというふうに焦点が立ち定まりやすい。
なるほどね。直接研究者たちに何が評価されたいかを確認してみる。
どこに向かって何をしようとしてるかっていうことがガッチャンコしたときに、研究開発者たちの担う役割っていうのがミッションが生まれるので。
じゃあどういう制度にしようかがやっとくるということですね。
ちょっと大本のところに上流の部分に今話は行きましたけど、この方きっといろいろと頭がいい方のような気もしますので、
そうですね。
ぜひトライしてみた上で、またご質問をお寄せいただけたら嬉しいですね。
はい。というわけで井上先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
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