ガソリン補助金制度の現状と背景
この時間はZoom Up、毎週火曜日は経済です。 政府によるガソリン代の補助金制度をめぐって、支給額の引き下げを検討するべきだとの声が、与野党から上がっています。
高市総理は効果を強調しておりますが、巨額の財政負担やの懸念が強いためだということです。 今日はこのガソリン補助金にZoom Upしていきます。
明治大学教授でエコノミストの飯田泰之さんです。 飯田さん、おはようございます。
ガソリン価格を1リットルあたり170円程度に抑えようということで補助金がずっと使われているわけですが、これからも続けるのかどうかというところで、声が上がっているようですね。
まず、正式名称は緊急的激変緩和措置と言っているのですが、現在1リットルあたりだいたい5月ですと40円少々支援が出ているみたいなんですね。
ですからこの補助がなければ、今レギュラーガソリンがだいたい210円ぐらいになっている。
170円に抑えていると言うのですが、私はこの補助措置というのはかなり合理的なシステムだと思っています。
というのも、ガソリン価格というのは非常に影響を与える業種が多いんですね。
特に日本の場合、物流の要がトラック運送ですし、さまざまな通販でも同じく自動車での輸送を行う。
さらに家計にとっても、特に地方部で自動車通勤が主流である。
さらには給付金等と比べますと、価格そのものを抑制することで、今物価を押し上げる要因として、
やはり一番メインのものが燃料油と呼ばれる、一番典型的なのはガソリンの価格ですので、
例えば供給能力とか、どんどんインフレになってるって言ったら、
これは金融政策などで対応するべきかもしれないんですけれども、
かなりピンポイントで、これは偶然ではありますけれども、
基本的にはピンポイントで、やっぱり米の値段が上がったことというのが物価の上昇圧力。
今回はやはり原油価格の上昇が中心ですので、この2つのように原因が分かりつけば、
その大元に対策するというのは合理的だと思います。
補助金制度の評価と財政的課題
給付金減税とかですと、今別に値段が上がってないもの等まで、
あとは人数頭割りにすると、今経済活動をしているわけではないとか、
非常に所得でいうと比較的高い方にまで補助が行ってしまうとか、問題があるんですけれども、
その意味で私、非常に高く評価しているんですが、
市販側としましては、今までは月に2000億円ぐらいかかったんですね。
年で大体3兆円弱という見込みで、このぐらいであれば財政指導というのもなくはないという話だったんだと思うんですが、
ここに来て、現金止まりが続いて、昨日120ドルとかに比べたら、今90ドルぐらいまで下がったんですけれども、
もう一つはイラン情勢がかなり長期化しそうだと。
ということで月4000億円ぐらいになっていく。
そうすると年で5兆円ですから、当初の見込みの倍近くになると。
これだとやはり財政に影響が出てきています。
私としては、もう少しこの補助金続けるべきだと私は思っているんですけれども、
その一方で、財政懸念もあるよというのが今の大きな、つまり5兆円使うんだったら別の使い方をした方が、
より家計が助かるんじゃないかとか、あとは経済にプラスなんじゃないかという意見が出ている状況なんですね。
ガソリン価格変動と消費行動
あともう一つ、現金がなかなか入ってこない状況にあるのに、需要を喚起するような補助金の出し方でいいのかという見方もありますよね。
そうなんですね。ただその一方で、実はガソリンって値段が上がったり下がったりしても、消費量がほとんど変わらないんですね。
だいたい、ごくごく単純に言うと、値段が50%上がる。つまり1.5倍になって、2%ぐらい需要が減る。
たったそれぐらいですか。
そうなんです。これが10年20年続くと、例えば電気自動車にする人が増えるとか、
あんまりガソリンを使うようなウォール電化みたいなのが流行るとか、いろいろあるんだと思うんですけれども、少なくとも1年2年っていう単位だと、値段を上げて需要が減ったりしないんですね。
そうすると、値段が上がった分は、単純に車に乗る人、または物流を通じて個々の消費者に影響することになるので、
その意味でも、ちょっと財源の話を置いておくと合理的で、財源が大きすぎるので、むしろ現在ですと少し縮めたらどうですかっていうのが一つの案なんだと思います。
国際比較と補助率の見直し
実を言いますと、日本の場合、昨年末にガソリンの暫定税率廃止をしているので、ガソリン価格がかなり低めに抑えられていると。
今だいたい、アメリカ国内での現金は200円前後って言われてるんですね。
なので、世界一の産油国であるアメリカの国内と日本で比べて、日本の方が安いってのはやっぱりちょっとやりすぎなんじゃないかっていう声が出てきています。
財源の問題、または他にもっと使うことがあるという問題を優先するのであれば、補助率をちょっと下げると。
つまり現在ですと、リッター当たり25円の暫定税率廃止したばかりで、今リッター40円の補助金というと全部補助してしまってると。
これが行き過ぎだっていう議論はあり得るのかなと思うんですけれども、いずれにせよ、日本の場合、石油の備蓄が先進国というよりも全世界の中でも突出して多いということで、
少し様々な対策に余裕はあるんですね。
現時点でももちろん4月から国内の備蓄取り崩してるんですけど、それでもやっぱり圧倒的に世界の中では備蓄量が多いと。
ただ別にこの備蓄量、無限ではないので、そういう時に少なくとも年内は大丈夫なんですけれども、
このイラン情勢が来年以降も強く続くということがありますと、非常に今の制度というのは維持できないかもしれない。
だから今のうちから少し補助率を下げましょう。
どうするのか、このイラン情勢が来年以降も同じぐらいの影響力で続くのかどうかを見極めないといけないと思います。
和平に向けての働きかけもしていく必要があると思いますけど、一方でそれが長引いた時の備えというのは、そうなってからじゃなくて、今のうちに考えておかないといけないですよね。
そうですね。ですからやはりこの補助率っていうのを少し、補助率の天井などを設定する、こういった動きも出てくるんじゃないでしょうか。
今後の展望と補助率の天井設定
なるほど。わかりました。飯田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間はズームアップ。火曜日は明治大学教授でエコノミストの飯田康幸さんでした。