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この時間はZoom Up、毎週火曜日は経済です。
企業間の決済手段として広く利用されてきた手形と小切手が、2026年度末で全て廃止される見通しになりました。
全国銀行協会が手形や小切手の決済システム電子交換所の運用を、2027年4月で終える方針を固めたためです。
明治以来続いてきた制度に終止符が打たれることになりますが、
これからの影響はどうなるのか、この方にお話を伺います。
明治大学教授でエコノミストの飯田泰之さんです。
飯田さん、おはようございます。
手形・小切手が2026年度末で廃止されるということになりましたね。
この手形・小切手の習慣自体がですね、徐々に現在の電子化された取引の中に取り込まれていきましたので、
いわゆる手形を発行して、それを裏書きして企業間信用を作っていくという方式。
そのものがなくなったというよりは、それは全部電子的に可能になってしまった。
名前が手形じゃないものになっていくというふうに理解いただければと思うんですけれども、
もともとこの手形というのは企業間信用というふうに言われます。
例えば仕入れの代金を払うのに、また預金を振り込むのではなくて、手形を振り出すと。
90日後に現金化できる手形で支払うということは、この仕入れ先・仕入れ元の間で90日間お金の貸し借りをするということなわけですね。
その企業間のお金の貸し借りを、いわゆる契約書を個別に交わすという形ではなく、
手形という交換書があって、形式等を公的に認められて、場合によっては割引って言いますけれども、
急遽お金が必要になった場合は、少し手数料と言いますか、値段はかかってしまうんですけれども、早期に現金化できるということで、
この手形というシステムは、企業間取引の主流だった時代もあるんですね。
この手形、現代の手形システム自体は、もちろん明治から始まったものなんですけれども、
実際には企業間信用で取引をするという習慣、日本の場合は遥か、どこまで遡れるかわからないぐらい、昔から行われていたことなんです。
実際、鎌倉時代から、交わせ手形といった形で、こういった手形、現代の手形のもっともっと原始的な形での取引を行われてきたんですね。
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ただこの手形取引、以前より大きく問題あるというふうに言われていました。
というのも、日本の特徴である下請けのシステムの中で、より優位にある、雑に言ってしまえば仕事を発注している立場が上な会社が手形で払う。
どちらかというと、元請け、つまりは仕事を出している方が下請けより立場が強い。
金融的な体力、つまり資金力もあるのに、資金力がある方が資金力がない人に手形を出してますから、お金がない人からお金を借りているような状態になっちゃうんですね。
その結果、下請け側はせっかくお金、仕事をもらっても、90日後、または、かつては120日、150日後にしか現金を受け取れない。
その間に資金繰りに給付してしまう。いわゆる下請けいじめのための道具になってしまった。
これ、なぜ元請け側はそんなことをやるかというと、ちょっとでもお金を払うタイミングを遅らせることが、
例えば、1970年代、80年代、非常に金利が高かった時代は、少しでもこの金利をけちれるというのがお得だったんですね。
つまり、早く払うよりも、遅め遅めに払って、金を借り入れたりするのを避ける。これが合理的だった。
あと、銀行側があまりお金を貸してくれないっていう場合には、それだったら、すごい変な話ですけれども、
立場が強い元請けが、下請け、弱い下請けからお金を借りちゃった方が楽だと。
だんだんですね、バブル崩壊以降、金利が低くなっていきます。
そうすると、金利節約のための手形の利用っていうのが、あんまり意味をなさなくなっていくんですね。
その結果、1990年、バブルに比べて、去年利用率というのは、だいたい1%台、つまり100分の1近くになっています。
1990年には、5000兆円くらい、年間手形取引が行われた。
ところが、今ですと100兆切ってるんですよね。
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そういうことで、2022年、何年か前に、紙の手形も既に廃止され、
今度は電子手形についても、交換所での取引というのは廃止されるわけです。
もちろん、企業間個別で了承していれば、手形取引は法律で禁止されるわけではないんですけれども、
正直、交換所がないのに手形を使う意味がほとんどありませんから、
ずっと続いていた手形と呼ばれる決済手段はなくなって、むしろ原始的な取引等にとって変わられる。
ある意味で言うと、世界の小取引、小観光の世界では非常に大きな変化でもあるんですけれども、
実はそれはもっと便利なものが進んでいくようになったと考えるといいかもしれないですね。
やはりこの企業間信用、本来であれば長く取引している。
お互いのことが分かっている間ならば時々合理的なんです。
今でも明示的な貸し借りではないんですけれども、売りかけ、買いかけという形で、
かけで取引されることが多いんですが、やはり金額が大きくなってきたり、現代になると多様な取引先がある。
そうするとかけ売りは決して合理的ではないんですね。
相手のことはよく分からない。信用できるかも分からないわけですから。
そういうのに伴ってシステムも変わっていくというところがあるんだと思います。
手形というシステム自体は役割は終えたってことですかね。
終えた感じですね。
なるほど。時代も変化してますからね。
分かりました。伊田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間はズームアップ。明治大学教授でエコノミストの伊田康幸さんでした。
数学教師芸人の高田先生だよー。
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