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けんすう
はい、というわけでですね、前回はテスラのネットワーク効果以外のところの話をした後に、ネットワーク2つあるうちの1つをお話ししたというふうな認識なんですが、それで合ってますか?
尾原
えっとですね、正確に言うと、自動運転というものが実はネットワーク効果によって支えられてるんだよ。で、そのテスラの自動運転のネットワーク効果って2種類あって、そのうちの1種類だけでもすげーやばいんだぜーっていう話をしたので、正確に言うと、テスラのネットワーク効果は自動運転と、あともう1つちょろっとケンスが言ってたチャージインフラ、電力インフラ。
けんすう
うん。
尾原
っていう話があるのと、自動運転も2種類のうちの1つの、もう1つがあるよっていう話ですね。
けんすう
あー、なるほどなるほど。結構ちょっとややこしいですね。
尾原
そうですね。
けんすう
戦略4つあるうちの3つを説明して、残りのネットワーク効果のところにも大きく分けて2つあって、1つが自動運転で、1つが電力インフラで、自動運転の中の1つを話したっていうところで終わってます。
尾原
はい、整理上手。さすが。本当にありがとうございます。わかりやすく言ってます。
けんすう
じゃあその、まず自動運転のもう1つのところからですかね。
尾原
そうだね。自動運転のもう1つなんですけど、実は今、世界中でAIブームじゃないですか。
けんすう
はい。
尾原
AIって、AIの中でケンスも大儲けした、実は一番株価が上がった会社って、NVIDIAっていう自動運転を支えるGPUと呼ばれるチップですね。
うん。
を持っているところの。
株価が一番上がったわけなんですけど。
けんすう
僕が株買ってるような感じですけど、買ってないですからね。
尾原
そうですか。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。変な誤解を生むのやめよう。
実はこのAIのチップの世界でトップ5に入るぐらいテスラってこのチップ買ってんですよ。
けんすう
NVIDIAから買ってる。
尾原
そう。
けんすう
OK。
尾原
っていうぐらいむちゃくちゃAI感。
カンパニーなんですけれども、さっきお話した自動運転の事故の7割はコミュニケーションミスで行われているので、フリートマネジメントと呼ばれるテスラとテスラ同士がコミュニケーションをすることで事故を回避して、事故回避できると人が運転するより10分の1の事故に減らせるから自動車保険めっちゃ儲かるし、人が運転するよりも簡単に運転ができるから、人が乗らなくてもタクシーみたいな形でお金を稼げる。
なので、3年でテスラの値段なんて回収できちゃって、その後儲けられるよっていう話をしたわけなんですけど、もう1個大きいのが、とはいえ事故においてはやっぱり赤信号を間違えて曲がっちゃったとか、
昨日まではなかった工事をやってるところに工事の現場が見えにくくてそこに突っ込んじゃったとか、そういう事故もあるわけですよね。
こういう事故を防ぐ仕組みっていうのが、バーチャルマップとクラウドラーニングっていうところがネットワーク効果として大きいんですね。
けんすう
聞き足りない言葉ですけど、どういうものなんですか?
尾原
一般的に自動運転って、カメラとかライダーって呼ばれる超音波レーダーがあって、それで目の前にいるものをAIで判別して自動運転するよと言われてるんですけど、
実はこれって半分なんですよ。
けんすう
そうなんですね。
尾原
やっぱり目の前にあるものを解析して動くっていうことも、性能むちゃくちゃ上がってきてるけど、やっぱり事故って基本的に分かりにくいところで事故って起こるわけじゃないですか。
けんすう
そうですよね。暗いところとか見えづらいところっていう。
尾原
はい。じゃあこの分かりにくいところでも事故を起こらせなくするっていう手法がバーチャルマップにおけるクラウドラーニングで。
これが何か。
これが何かっていうと、実はテスラって一台一台が事故りそうなものを発見すると、後でネットにその情報を上げて、実はテスラって事故りそうなところアップデート地図っていうバーチャルな地図を持ってるんですよ。
けんすう
あー、なるほど。
尾原
例えば分かりやすい話で言うと、信号が昨日までは綺麗に見えてたのに、木が成長して緑がかぶさっちゃった。
で、信号が見えにくくなるとか、あと道路のレーンが真ん中に白い線あるじゃないですか。
でもアメリカとか地方行くと、やっぱり車のメンテがなかなか、道路のメンテがなかなか進まないので、だんだん削れて中央帯が見えなくなるみたいなことありますよね。
とかさっきも話したように、昨日までは道路工事をしてなかったのに、急に道路工事ができたことで出っ張りが生まれてますみたいな。
けんすう
はい、ありますね。
尾原
はい、こういうものを他のテスラの車が通った時に、これ分かりにくくなってる場所だよっていうことをネットにアップすると、バーチャル地図がアップされるんですよ。
そうすると実はテスラって目の前の情報を見るだけじゃなくて、
この地図だと2つ先の信号って10メートル先にあって、しかも地上から3.5メートル。
3.5メートルの高さの部分に信号があって、そこのここに着目していると、そこが赤色が見えたら信号が赤だってことだよね。
っていうふうなことをすると、目の前の画像を見るだけじゃなくて、バーチャル地図でその情報があれば、そこを特に注視すれば、赤信号なのか青信号なのかをミスらなくなりますよね。
けんすう
なるほど。それをテスラの車同士で全部共有してるってことですね。
尾原
そう、クラウドに毎回、ここちょっと自動的に。
クラウド運転で分かりにくい場所だから気をつけた方がいいよっていう情報をクラウドに貯めておくことによって、
自己注意マップっていうバーチャルな地図が、しかもこれ立体地図ですね。
目の前のところのこの高さこの辺のこの場所をちゃんと注視しましょうね。
みたいなマップをアップしていってるんですよ。
けんすう
なるほど。もう理解しました。
これ要はテスラの車が増えれば増えるほどバーチャル地図がアップデートされる。
尾原
はい、さすが。
けんすう
どんどん事故らなくなってくる。
でも他の会社が始めようと思ってカメラとAIの性能を上げたとて、やっぱり限界があるからテスラに勝てないってことが起こるっていう。
尾原
で、もう一個のさらに言うと、ネットワークエフェクトが来るっていうのが、今度は電力インフラのわけですね。
だから結局、電力インフラ。
電力インフラに関して言うと、電気自動車がどれだけ性能が良くなっても、基本的に乗れる後続距離っていうのに、やっぱりバッテリーで限界あるじゃないですか。
そうすると、現状で言うと、だいたい車と同じぐらいの距離は乗れるようにバッテリー性能が上がってなってきたものの、
やっぱり、例えば東京から大阪に、
東京から大阪に行こうと思うと、やっぱりどこかでガソリンを給油するのと同じように、どっか家以外の場所で充電できないと困るわけですよね。
そうすると、一番儲かっているテスラは、そのお金でバッテリー用のチャージする場所を置いていくし、
バッテリーのチャージが置かれていると、
テスラだったら、近所でもバッテリーが充電できるんだったら、安心してテスラを買えるねっていうことで、テスラが買われる。
そうすると、テスラが買われているから、テスラは資金余力があるので、またバッテリーチャージャーを設置できる。
こういうループができちゃってるわけですね。
けんすう
なるほど。確かにテスラマークがドーンとあるので、テスラだったら充電できるんだなって僕でも思いますもんね。
尾原
そうすると、テスラだと…
途中でバッテリー切れ起こして帰れなくなるみたいな心配がないなっていうことのグルーズがあるっていう。
バッテリーチャージャーがあるからテスラが買われて、テスラが買われるからバッテリーチャージャーが設置できるっていう相互ネットワーク効果なわけですね。
しかもこれがすごいのが、バッテリーチャージャーって土地使うし、不切に高圧バッテリーを使わなきゃいけないから、それなりにお金かかるんですよ。
けんすう
そうなんですね、あれ。
尾原
そうすると、テスラって高速充電なので、いわゆる一般企画の充電に4時間5時間かけていいよみたいなのだったら全然安いんですけど、
やっぱり2,30分で充電終わりますみたいなものになると不切費用も高いんですね。
けんすう
なるほど。
尾原
って話になると、やっぱりライバルからしてみると、まだテスラみたいに電気自動車が売れてないのに、
テスラ…
テスラ…
テスラ…
テスラ…
テスラ…
尾原
特にバッテリーチャージャー設備がないと、テスラはあんなにいろんなところで充電できるのに、GMとかフォード、充電少ないなってなると、やっぱり買わないじゃないですか。
けんすう
でもそうですよね、やっぱりお金がかかるけど、別にお金をかけた後で儲かるわけではないみたいな、要はイノベーションのジレンマみたいなことが起きちゃってるっていう感じなんですね。
尾原
なので、今年あることが起きちゃいました。
けんすう
え?
尾原
さっき言った既存の車では、メジャーなお、ジェネラルモーターズ、GMもフォードも、もう自分たちでチャージャー作らないから、もうテスラのチャージャー使わせてください。
けんすう
いや、これはまずいですよ。それ一番取られるパターンじゃないですか。
尾原
そう。群問に下っちゃった。
けんすう
ああ、でもまあそうですよね。スマホだって自作のOSやってるよりも、もうAndroid使うわってマイクロソフトですらなりましたもんね。