-
-
けんすう
はい。何の会社なんですか?
尾原
はい。で、テスラのホームページ見に行っていただくと、今ホームページって言い方しないのかな。
ホームページ。
はい。ウェブページ。テスラのウェブページを見に行っていただく。
あの、皆さん、テスラミッションっていう、ミッションっていう会社がこれをやらねば、もう私たちではないっていう、こう、使命ですよね。
これを見に行っていただくと、もうパッと出てくるんですけど、そこに書いてあるのは、
We believe the world needs to transition to sustainable energy なんですよ。
つまり、EVって言葉一言も入ってない。
サステナブルエナジー。持続的なエネルギー社会にトランジション。
そうしていくという世界があり得ることを信じていて、そこに向かって突き進むのがテスラですっていうのが、テスラの目標なんですよ。
けんすう
へぇー。
尾原
だから、電気自動車なんて一言も書いてないんですね。
けんすう
なるほど。
尾原
うん。
だから、あの、イーロンマークっていうのは、世界を、もうエネルギーがこのままいくと、もう2035年で、地球2個分、
うん。
まあ、僕らの生活を同じレベルで、
人口が増えていくと、もう2035年に、地球2つ分のエネルギーがないと、持たない。
まあ、こういう事実を、どうやって回避していくのかっていうことが、彼のテスラを作った原動力なんですよ。
けんすう
あー、なるほど。
尾原
で、ちょっとだけネットワーク効果と、またずれた話してもいいかな。
けんすう
はいはいはい、いったんね。
尾原
ちょっと3分だけね、3分だけ。
もう、あの、イーロンマスク大好きなんで。
けんすう
うん。
尾原
で、じゃあ、彼がやったところのすごいところは、これ石川よしきさんという、もう、あの、
我々にとって大事なウェルビーングを、まあ、日本で突き進めている方が、その、分かりやすく解説してくれたことなんですけれども、
その、テスラの戦略っていうのは、2段階あるんですよ。
うん。
いや、企業としてのイノベーションをどう変えていくかっていうのと、その企業のイノベーションによって、地球の産業自体が変革できたら、
もう、その、テスラがやれる以上のイノベーションが作れるから、
けんすう
はいはい。
尾原
企業のイノベーションを、
イノベーションと産業のイノベーションっていう、2段階プランなんですよ。
うーん。
で、ちょっと分かりにくいので、まあ、後ろから説明していくと、
けんすう
うん。
尾原
さっき言ったように、テスラのゴールは、その、テスラがきっかけとなって、地球が持続的なエネルギーの世界に持っていきたい。
けんすう
うん。
尾原
じゃあ、これをするためには、じゃあ、今のエネルギー産業って、今のところ持続的なエネルギーに持っていくために有力なのが、太陽光とか風力とかなんですよ。
けんすう
はいはいはい。
尾原
リニューアブルエナジーと呼ばれる。
けんすう
うん。
尾原
でも、これって、太陽が照ってる時とか、風が吹いてる時しか電気作れないじゃん。
けんすう
確かに。
うん。
尾原
うん。
尾原
でも、寒いの夜じゃん。
けんすう
うん。
尾原
うん。
ってことは、昼間に電気貯めて、寒い夜に、その、暖房を使うみたいなことをやんなきゃいけないから、必然的に、その、電気を貯めとく場所が必要なわけですよ。
けんすう
確かに。
尾原
で、この、電気を貯めとく場所が、やっぱり、大量に必要だから、安くなんないと、その、リニューアブルエナジーが、
リニューアブルエナジーに持っていけないわけですね。
要は、バッテリーの値段を安くする必要性があるんでしょう。
けんすう
あー、なるほどね。蓄電の方が大事ってことですね。
尾原
そう、実は。
けんすう
なるほど、なるほど。
尾原
っていうのが、産業変革として、バッテリーのコストを下げないと、リニューアブルエナジーの世界に行けないよと。
じゃあ、バッテリーのコストを下げるためには、どうすればいいんですかっていう話になった時に、最もバッテリーを使う、その、工業製品って何なんですか?
って言うと、
けんすう
自動車だと。
尾原
そう。
電気自動車なわけですよね。
けんすう
あー、なるほどね。
尾原
うん。だから、電気自動車やろう。
けんすう
なるほど。作れば作るほど、やっぱりその、ニーズが高まって、コストが下がって、容量も大きくなっていくっていうのがあるので、
めっちゃいい自動車を作って、たくさん売ることによって、そのバッテリーの性能を上げたり、価格を下げたりすることで、その第二段階状態まで持っていくと。
尾原
はい。だから、このバッテリーのコストを下げるために、むちゃくちゃ作ろうよっていうのは、
まあ、第1回目で話した、ピーター・ティールさんの、ゼロ・トゥ・ワンの独占の4原則のうちの、スケールメリット!なわけですよね。
けんすう
はいはい。そんな言い方してなかったですけどね。
尾原
ちょっとね、ちょっとアトピックネットワークに行くと、ちょっとおかしくなってるんですよ。
けんすう
はい。引っ張られてますね。
尾原
はい。で、このバッテリーのコストでも下げるためには、最初バッテリーのコストって高いわけじゃないですか。
けんすう
はいはい。
尾原
だって、まだ量産されてないわけだから。
けんすう
うん。
うん。
尾原
ってことは、
バッテリーの値段が高くても、買ってくれるような電気自動車を作らないと、バッテリーが作られないから、バッテリーの値段が下がらないってことになるわけですね。
けんすう
うんうんうん。
尾原
ってことは、バッテリーが高くても、つまり電気自動車の値段が高くても、絶対買いたくなるような電気自動車を作らない限り、バッテリーがむちゃくちゃ使われ始めるって構造が作れないわけですよ。
けんすう
はい。
わかります。
尾原
なので、テスラは最初に何を出したかっていうと、電気自動車のスーパーカーを作った。
けんすう
うん。
要は、超高級車で、それが機能ではなくてもかっこいいとか、スタイルがいいから買いたいみたいなものにする。
はぁー。
尾原
そう。
なので、テスラが一番最初に何をこだわったかっていうと、最初の100メートルに達するまでの速度がむちゃくちゃ速い。
速度性能が高いEVを作ると、スーパーカーとしてオフィシャルにスタイルもかっこいいし、何よりも、ブワーンって加速する性能に、やっぱり男性、主に男性は響いちゃうから、男の子は。
それでも、いくらでも高くても買うよ、という形の製品ができると、売れ始めて、売れると、スケールメリットが来るから。
バッテリーのコストが下がって、バッテリーのコストが下がると、またちょっと安めの大衆カーを出せて、そうするとまた量産が効くから、また値段が下がって、っていうこの量循環を作れる。
そうするとバッテリーのコストが下がれば、気軽に太陽光とか風力を貯めておくものを各家庭だったりとか、大規模な太陽光パネルみたいなところの横に大量に設置できるようになるよ。
これがイーロンの二段階イノベーションの戦略なんですよね。
けんすう
面白いですね。フェラーリとかは加速度で高級さをアピールするというか、過剰な機能でスーパーカーすごいよねって言ってるけど、電気自動車だと加速って簡単ですもんね。
モーターでビュッてやるだけなんで、そこの勝負もしやすいし。
尾原
買われたのが、そのケンスに出資をしてくれて、ケンスの最初の出世作であるナナピのアイディアをくれた、おざんさんこと、おざんさんなんですけど、日本大臣のユーザーは。
けんすう
全ヤフー社長ですね。
尾原
そうですね。
ってぐらい、ちょっとお金持った男の子が、うわーもう1000万でも買いたい!っていうぐらいの魅力的なものができたことによって、この量産の歯車が回っていって。
で、実際10年でバッテリーの値段っていくら下がったと思います?
けんすう
へー、800万だったのが、じゃあ半分の400万とかですか?
尾原
7分の1になった。
へー。
けんすう
じゃあもう100万ちょっとぐらいで。
尾原
そうなんですよ。
けんすう
同じものが。
ほー。
尾原
だから13年後のテスラモデル3って呼ばれる、実はテスラモデル3って、4ヶ月前かな、にカローラを抜いて、
けんすう
うん。
尾原
世界で一番売れる車になったんですね。
けんすう
へー。
尾原
はい。全世界で、全自動車。EVだけじゃなくて。
けんすう
うん。
尾原
で、その2023年の1月から3月の間に、テスラは26万台売って、で、トヨタのカローラっていう、今までもうね、みんなのカローラじゃないですか。
やっぱカローラっていうと、カローラに乗ってっていう、もうお酒の歌がみんな脳内に再生されてますよね。
けんすう
まあまあ。
90年代を。
はい。
尾原
はい。すいません。また古い話をしちゃいましたけど、そのカローラが25万台。
けんすう
うーん。
尾原
で、世界で一番売れる車になるぐらい、逆に言うと、その世界の大衆車と同じぐらいの値段帯まで下がった。
けんすう
はー。すごいですね。なるほどね。本当にもうスケールメリットが、もうバリバリに効いて安くなっているので。
尾原
そう。
けんすう
どんどん価格の安い自動車を作れるようになっていると。
尾原
やったっていうぐらい。
ああ、すごいことなんだよねっていうふうに、おいおいお前ネットは高価な説明を知るって言ってるのに、いつまでそのスケールメリットの話してるんだっていう話なんですけど。
でも、このすごいのがさっき言ったように、ピーター・ティールのやっぱり4つの独占の原理っていうことを、やっぱりイーロン・マスクとピーター・ティールってもともとペーパルマフィア、ペーパルっていう決済の会社を一緒に立ち上げたメンバーの一人なので、やっぱりものすごい知ってたし。
けんすう
うん。
尾原
何よりも、イーロン・マスクって破天荒な経営で見られるんですけど、彼の基本的なやり方って、ファースト・プリンシップルっていうのが彼の経営のルールで。
けんすう
ファースト・プリンシップル?
尾原
それは第一原則、日本語で言うと。
要は、この産業を破壊的に進化させるために一番根本になる原理原則は何なんだ。
それを突き詰めていけば、おのずと勝ち。
勝てるでしょ?っていうことが、彼のファースト・プリンシップルなんですよ。
けんすう
ああ、じゃあ、産業の一番大事なボーリングのセンターピンみたいなのを見つけるのがうまい。
尾原
そうそうそう。ここを倒せばストライク取れるよねっていう、そのセンターピンはどこなんだっていうことをやってて。
それが、後でポッドキャストの概要欄にも書いておきますけど、さっき言ったようにテスラって2008年に始めてロードスターを出したんですけど、
その2年前、彼がテスラの経営に入り込んで、半年後の2006年の8月にある戦略を掲げてるんですね。
それが、たった5つの項目でテスラのすべてが語られてて。
これが1番目、スポーツカー作るよ。
2番目、稼いだ金を使ってお手頃価格の車作るよ。
3番目、稼いだ金を使ってさらにお得な車を作るよ。
4番目、以上のことを行いつつゼロミッション発電。
だから、二酸化炭素を出さない発電の選択肢を提供するよ。
5番目、これはお前と俺との内緒だから絶対人に言うなよ。
けんすう
面白いですね。なるほど。公開されてる話ですね。
尾原
これは、はい。
概要欄にも貼っておくので、ぜひ2006年8月2日に出したことなんですよね。
けんすう
3段階目までは、いわゆる自動車メーカーっぽいことをやってますけど、
尾原
4段階目でもゼロミッションの発電とか蓄電の話が出てくるっていうところがポイントなわけですよね。
ポイントだし、さっき言ったこのシンプルな戦略の裏側に、
尾原
ピーター・ティールの独占4要素である、やっぱり最初にそこまでの加速性能だったりとか、
そういった、特にバッテリーってかなり並列で置くっていうむちゃくちゃなやり方をやって作り上げたんですね。
なので、やっぱりテスラが最初に出せたっていうことは、ピーター・ティールの独占4原則の一つのプロプライタリーテクノロジー。
要は、ある一定期間は、
他社が作れない独占的な技術を持ってるよってことをフックにしながら始めて、
EV界の電気自動車界のスーパーカーを作るっていうことでブランドを作り、
バッテリーを安くどんどん作れるように規模の経済を追求するっていうことをやるっていう、
ネットワーク効果以外の全部を埋めてきたわけですよ。
尾原
特に大事なことは、
この規模の経済において、
彼はテスラがすごかったことって、
結局バッテリーを量産しないとダメだよねってことで、
パナソニックと実は組んでるんですよね。
やっぱりバッテリー作るってむちゃくちゃ金がかかるので、ギガファクトリーっていうぐらいで。
やっぱりその当時のテスラだと自分だけじゃできなかったから、
パナソニックと組んだわけなんですけど、
なんでパナソニックがポットでの、
しかもあのタイミングで、
ハードのこと、お前本当に作れんの?っていうイーロンマスクと、
なんでパナソニックが組めたかっていうと、
結局このプロプライダリーテクノロジーを持ってるし、
何よりも、また電気自動車界があまり動いてなかった時に、
強烈なブランディングで出てきたテスラっていうものの、
ブランドとプロプライダリーテクノロジーがあるから、
パナソニックと組めて、
パナソニックと組めたから、
バッテリーを大量生産することで、
7分10年で、
7分の1の値段にするっていう規模の経済を発揮できたっていう、
この戦略4つのうちの3つを連鎖反応的に組み上げて、
この世界を作ったってところがやばいわけですよ。
けんすう
もう3つやってるからネットワーク効果いらないんじゃないですか?
尾原
それがさ、だからさっきから言ってるように、
最終的にはエネルギーの世界に持ってきたいわけですよ。
けんすう
はいはい。
もうここまでいってれば勝ちも当然じゃないですか。
尾原
だからメーカーとして、
EVメーカーとしては勝ちも当然なんだけど、
2つあって、
これは次回話す、
実はネットワーク効果って潰し方もあるよって話の中に近い話になってくるんですけど、
結局規模の経済っていうのも、
テスラのおかげで安くなったから、
逆に言うと他社も作れるようになっちゃうわけじゃないですか。
けんすう
まあそうですよね。
別に独占しきって、
パッテリーの値段下がっていれば、他も別に真似できちゃうよねっていうのが起こると。
尾原
で、電気自動車としての加速性能だったりとか、
パッテリーの使い方みたいなところも、
やっぱり他社もだんだんパクれるようになってきちゃうじゃないですか。
けんすう
確かに。
尾原
そうすると、やっぱりある程度独占の原理としては発揮するけど、
そこまでやっぱり期限があるわけですよ。
けんすう
持続しないんですね。
そう。
へー。
尾原
っていう中で、
やっぱり本当に持続的に勝つっていう戦略がネットワーク効果なので、
どのタイミングでそこにスライドしていくかって話になるわけですよ。
けんすう
なるほど。
ネットワーク効果が入り込む余地が、
今の話聞いてるだけだとあんまりわからなかったんですけど、
どの辺でネットワーク効果を作ってるんですか?
尾原
はい。
それが今度は、今から7年前の2016年に、
この秘密の戦略、
このことをニーロンはマスタープランっていう言い方をしてるんですけど、
マスタープランパート2が公開されるんですね。
そのマスタープランパート2には4つの戦略が書かれていて、
尾原
1番目、シームレスに統合されたバッテリーストレージを使用して、
ソーラルーフを作り上げていく。
2番目、電気自動車の製品ラインを拡大し、
全ての主要セグメントに対応する。
けんすう
うんうん。
尾原
3番目、大規模なフリートラーニングにより、
マニュアルな自動車の10倍の安全性能を持つ自動運転機能を開発する。
けんすう
あー、なるほど。
尾原
ちょっとここ難しいんで後で説明しますね。
フリートラーニングってなんやねんって話なんですけど、
4番目、あなたの車を使用してないときに、
あなたのためにお金を稼ぐことができるようにするよ。
けんすう
ほう、車が。
尾原
この4つが公開された戦略なわけですよ。
え?
これってもうネットワーク効果じゃないですか。
けんすう
え?ちょっともうちょっと詳しく言ってもらわないとわからないですよ。
尾原
はい。
そうですよね。当たり前ですよね。
ほんとすいませんね。
尾原
3番目と4番目を重点的に解説していくと、
このフリートラーニングっていう言葉がこれからむちゃくちゃ大事になってくるし、
今生成AIとかむちゃくちゃ流行ってるんですけど、
これ知ってる人と知ってない人でだいぶ違うんですよ。
けんすう
フリートラーニング?
尾原
フリートってのは魚が群れで泳いだりするじゃないですか。
けんすう
はいはいはい。
尾原
ああいう群れで動くことをフリートって言うんですね。
つまり何かっていうと、
車ってここから自動運転に向かうわけなんで、
自動運転つったって完璧なAIってなかなかできないから、
要は今走ってる車によって学んでいくことによって、
自動運転性能を上げていこうって話なんですね。
これって2つあるんですよ。
この2つの概念ってむちゃくちゃAIにとってもネットワーク効果にも大事なんで、
その説明していくと、
1個目は、
車の、
車の事故ってコミュニケーションミスによって7割起きてるって知ってました?
けんすう
えー知らないです。なるほど。
不注意とかではなくて。
尾原
そう。
つまり車って、
ちょっと右のラインに入ろうかなって思った時に、
自分は右折シグナル出してるから、
後ろの車はそれを見てくれるに違いないって思ったり、
まあその、自分は、前の車はそのまま走ると思ってたけど、
突然ブレーキ踏まれました。
けんすう
うん。
尾原
っていう、その、
事故る側の車と、事故られる車と、
コミュニケーションがちゃんと取れてないように、
勝手にコミュニケーションできてると思って動くから事故って7割ぐらい起きるんですよ。
けんすう
あー、まあ、
違いない思考ではなくて、かもしれない思考にしましょうみたいな。
尾原
そうそうそうそう、いわゆるね、あのー、はい。
聴衆所でね。
運転免許の更新の時にね。
うん。
必ず、あのー、まあ常に3時間ぐらいね、あのー、見せられるビデオの中にある話なわけですよ。
そうするとね、テスラが一番売れてるEVに電気自動車になるじゃないですか。
うん。
そうすると、テスラ同士って、人と人でコミュニケーションする必要性ってありましたっけ?
けんすう
あー、なるほど。テスラ同士だったら、車同士でコミュニケーションできるじゃんっていうのが可能になるっていうことですね。
はい。
尾原
あー、面白い。
そうそう、車同士がコミュニケーションすれば、極端なし、時速200キロで走ってるところでも、そのレーンを変えたりとか、できるようになるし。
うんうん。
もっと言うと、世界の車が全部テスラの自動運転機能をつけたら、信号いらないですよね。
けんすう
あー、なるほど。
尾原
200キロと200キロでカーブするのが、奇跡の交差するみたいなことは、まあ、やろうと思えばできるわけですよ。
けんすう
そうですね。
単純に、あのー、こっちが先に行って、こっちが先に行って、こっちが先に行って、こっちが先に行って、こっちが先に行って。
こっちが先に行って、次の車が次に行くよ、みたいなのが決まってれば、別にミスらないってことですよね。
そう。
尾原
あー。
でね、ってことは、今現状で、特にアメリカにおいては、テスラが圧倒的にEVが進んでいる中で、さっき言ったように、コミュニケーションミスによる事故が、テスラ同士だったら起きない。
けんすう
はいはい。
尾原
これって、ネットワーク効果の2つのうちの、どっちの話でしたっけ?
けんすう
ネットワーク効果?
ネットワーク効果の中の2つ。
尾原
はい。ネットワーク効果って、買い手がいるから売り手があるっていうことで起こってくる、相互ネットワーク効果と。
相互ネットワークと。
はい。あるコミュニティの中で、もう、その、このやり方をやった方がいいから、もうそのやり方をしか選べなくなるよね、っていう仲間外れにされたくないから、使わざるを得ないっていう、ネットワーク外部経済性っていうものがあるわけですけど、これは?
けんすう
ネットワーク外部経済性。
尾原
そうなわけですよ。
あー。
テスラに乗ってたら、もう、ね、レインを変えるときとか、右折とか左折とかが、もう確実に安心になるわけですよね。
うん。
そうすると、その、テスラをユーザーが買おうって思っちゃうし。
けんすう
なるほど。まあ、要は、なんかLINEみたいに、あれですよね、その、仲間外れになっちゃうというか。
うん。
うん。テスラじゃない車は、そこから弾き出されてしまうってことですよね。
尾原
そう。なんかテスラは、なんかめちゃくちゃスムーズに、ビュンビュン車線変えながら行く。
ビュンビュン車線変えながら行くのに、自分の車だけ、みんな高速でレインを変えてるけど、俺怖くて、そんなんできないよ、みたいな状態になってくると、
なるほど。
次はテスラ乗り換えようってなるよね。
けんすう
はー、確かに。
尾原
で、さらに言えばさ、テスラからすると、車で儲けなくて良くなってくる可能性があるんですよ。
けんすう
ほう。
尾原
さっき言ったように、こういうやり方をすると、テスラって、まあ、10倍安全な車になるわけですね。
けんすう
うん、うん。
尾原
で、そうすると、10倍安全な車ってことは、テスラが自分で自動車保険を販売しますと。
けんすう
あー、面白い。
尾原
で、世間から見ると、3分の1の値段でうちは自動車保険出すんですよ。
うん、うん。
で、やりますと。でも実態的には、10倍安全だから、事故10分の1しか起きないじゃないですか。
けんすう
あー、面白い。じゃあ、保険に入るにはテスラの車じゃないとダメですよ、みたいに言って。
うん。
すごい安い保険を出すことによって、まあ、じゃあ、テスラの車の方が安いなとか、保険が安くなるんだったら、費用かかんないなみたいになる。
尾原
で、さらに言えば、そう。で、テスラは、それで儲かるじゃん。
けんすう
うん。
尾原
だって、10分の1なんだから、事故が。
はい、はい。
支払わなく、世界で一番支払わない自動車保険になるわけだから。
確かに。
そうすると、もう、イーロン・マスクは、究極で言うと、収益の4割は、
自動車保険で儲かる会社になるって言ってました。
けんすう
へー。
まあ、馬鹿にならないですもんね、あそこのお金が、やっぱり。
そう。
尾原
うん。
ってことは、最終的にはね、自分のメーカー、あの、テスラって、自分で、その、車を作るだけじゃなくて、
うん。
この、自動運転機能を、全部他が開発するのって、大変じゃないですか。で、ましてや、その、テスラ同士では、その、できる、
うん。
事故を防ぐ機能が、他社とは、その、できなくなるわけだから。
うん。
そうすると、他社の、車メーカーも、ちっちゃいところは、その、テスラの自動運転機能使わせてもらえませんか?ってなる可能性あるわけですよね。
けんすう
まあ、アンドロイドみたいな感じですよね、スマホで言うところの。
尾原
そう。はい、おっしゃる通りです。さすが。うん、じゃあ、自動運転、提供してあげるけど、その代わり、うちの自動車保険絶対使ってよね。
けんすう
うんうん。
尾原
っていうのは、自然ですよね。
けんすう
自然ですし、お客さんにとっても嬉しいので、まあ、全然問題ないですよね。
尾原
うん。
ってことは、現状でも、テスラの利益の4割を、その、自動運転にプラスアルファした保険で稼いでくれることが起こるとしたら、
うん。
単純に言っちゃえば、今の2.5倍の車に自動運転の機能をばらまいちゃえば、テスラの利益は変わらなくなるわけですよ。
けんすう
うんうん。
尾原
そうしたら、もう、テスラとしてみれば、いや、別にうち、もう、自分の車にこだわらなくていいんですっていうふうなネットワークエフェクトの会社になるかもしれない。
けんすう
はあ、面白い。これでも、今の3番目の、先ほど言ったやつですね。
はい。
フリートラーニングの連続で。その4番目にあった、その、テスラ持ってると、その、所有者がお金を稼げるようになるっていうのは、これはどういうことなんですか?
尾原
そう。
さらに、そこに拍車をかけて。
はい。
いや、テスラって、事故らない車なわけですよね。人間よりも。
はい。
そうすると、いや、そもそもで、人、運転手、乗ってないときも運転できんじゃね?って話になるわけですよ。
けんすう
なるほど、なるほど。
尾原
そうすると、じゃあ、運転手がいないのに、あの、運転するってどういうこと?っていうと、結局、それって、ウーバーとか、グラブみたいに。
だから、自分が車乗らないときは、その、他の人を乗せて、タクシーになると。
タクシーみたいに、お金を払ってもらって、稼ぐことができるわけですよね。
けんすう
なるほど。面白い。
尾原
で、さらに言えば、これ、統計的な話なんですけど、その、車って、自分の車を所有してるのに対して、実際、車を乗ってる時間の比率って、2%ぐらいに、世界の中では過ぎないし。
けんすう
2%?ま、でも、そうか。移動時間。
尾原
そう。移動時間だけだから。
うん。