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2024-09-18 28:50

#7−3 オセロも商売も角を取れ!コーナードリソース〜小さな企業の大きなBET〜

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新興企業のNetflixが大手レンタルビデオ店・ブロックバスターに勝つ為にビジネスを拡大していく事例をもとに、スタートアップが大手に挑むための「コーナードリソース戦略」を解説します。


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▼MC:

尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara


京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞


▼サブMC:

けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu


アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。


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▼音声編集:株式会社BOOK


▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

サマリー

このエピソードでは、Netflixが創業した際の競争環境と、その中で採用したコーナードリソース戦略について詳しく説明しています。特に、DVDの普及過程で戦略的な提携を通じて、Netflixが市場での優位性を築いた様子に焦点を当てています。また、Netflixの成長戦略とそれに伴うカウンターポジショニングについても議論しています。特に、ブロックバスターとの競争における新興企業の戦略や、ソフトバンクとiPhoneの関係から得られる教訓についても触れています。さらに、小さな企業が大企業との提携をうまく運用し、コーナードリソース戦略を活用して成長する方法を探り、Netflixの事例を通じてタイミングと戦略の重要性について深く掘り下げています。

Netflixの創業と競争環境
スピーカー 2
はい、よろしくお願いします。というわけで、今回Netflix編の第3回ですが、いやー面白いっすね。
スピーカー 1
そうなんです。
スピーカー 2
もう面白い。
スピーカー 1
どの辺のネタがいいですか?
スピーカー 2
いや、だからやっぱりこの、何でしょう、そんなに最初からガチガチに考えていたわけではないけれども、その場その場でちゃんと的確な戦略をやっているという概要の話が1回目にあったと思うんですけど、
2回目で、まずはそのコスト構造とタイミングの話が出てきて、この時点で参考になるけど、こっから先はまた全然違うものが出てくるのかなと思うと、楽しみで仕方ないですね。
スピーカー 1
はい、そうなんですよ。
で、まずこの先の今日はコーナードリソースっていう。
スピーカー 2
コーナードリソース。
スピーカー 1
はい。では、負けないための構造作りっていうやつの話をしていくんですけれども、まずこの負けないための構造作りをするためのコーナードリソースを話す前に、当時Netflixが行われている状況っていうのを説明したいと思うんですよね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
この1997年にNetflix創業したわけなんですけど、その時の状況ってどうだったかっていうと、まずビデオはVHSが中心ですと、ビデオカセットですね。
このビデオカセットっていうものに関して言えば、もうビデオへレンタル屋さんっていうのができまくっていて、いわゆる日本におけるツタヤみたいなポジションにブロックバスターっていう競合があって。
スピーカー 2
ここがもう圧倒的にシェアを占めてましたっていう状況ですって話が1個と。
スピーカー 1
あともう1個大事なのが、このタイミングってまだAmazon本だけなんですよ。
スピーカー 2
なるほどね。大事なポイントですね。
コーナードリソース戦略の実施
スピーカー 1
で、今Amazonが当然だけど、VHS、DVD出てくんじゃね?っていう状況もあったんですよね。
っていうふうに、Netflix、そのDVDという新しいフォーマットで、このDVDだと封筒に入れてポーンと送れるから、在庫する倉庫もちっちゃく済むし、郵送費もそんなにかかんないしっていうところで門出をしたわけなんですけれども、これって戦略でしたっけって話なわけです。
スピーカー 2
なるほど、戦略ではない。
スピーカー 1
要は、その事業が伸びる構造は持っているけれども、戦いを略してますかってことですよ。
スピーカー 2
そうですね。誰でも真似できちゃいそうな感じではなってますね。
スピーカー 1
おっしゃる通りです。要は、Netflixやるじゃんと、なるほど、郵送でやる手があったかって気づいたら、あのジェフ・ベソスさんならどうしますかね、Amazonの。
スピーカー 2
絶対Amazonやりますよね。
スピーカー 1
ブロックマスターもDVDに代わってくるんだったら、店舗に既に在庫があるわけですから、店舗から配送しちゃってもいいわけですよね。
なるほど。
そういう意味では、戦略っていうのは、事業が規模として成長して収益化するっていうもの、プラスアルファは、やっぱりライバルがやりたくてもやれないっていう持続的競争優位性という、この2つを保持して初めて戦略になるわけですよ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
だとしたら、Netflixはどうするんだ。
スピーカー 2
やっぱりね、今だったら、どこでもまだまでできちゃいそうな脆弱な状態ですよね。
スピーカー 1
はい、そうなんですよ。
スピーカー 2
えー、どうします?
スピーカー 1
で、Netflixが取ったのがコーナードリソースなんですけれども、さっき言ったようにDVDって、今でこそ僕たちはビデオがVHSが来て、DVDに行って、一瞬ブルーレイっていうものがあったんだけれども、ブルーレイのタイミングでもうオンラインストリーミングで十分な性能になってきたから、
ブルーレイはどっちかというとちょっと小塚、マニアの方々が持つもので、っていうふうな変遷で考えてるんじゃないですか。
もちろん間にレーザーディスクがあるぞとかっていうマニアの人がいると思うんですけれども、僕は全部持ってるんですけれども、同じようにDVDって実はオンリーじゃなかったんでしょ。
え、どういうことですか。
VHSってベータと標準競争を争ってVHSが選ばれたっていう事実とか覚えてる?
スピーカー 2
はい、これもう調べてください。なんかそういう企画の戦争があったんですよね。どっちの企画がいいかみたいな。
スピーカー 1
これちゃんとね、VHSとベータの話は後でちょっとエピソードトークで戻ってくるんですけど、実はDVDもオンリーじゃなくてエクスティブっていう別の方式もあったんですよ。
スピーカー 2
そうなんですね。へー。
スピーカー 1
だから、カセットからディスクになるよねっていうのは確定路線で分かってたんですけど、そのディスクになった時のフォーマントがDVDで行くのかエクスティブになるのかっていうのはまだ分かんなかったんですよ。
スピーカー 2
当時は分かんなかったんですね、まだ。
スピーカー 1
かつ、もう一個大事なのが結局戦略としてみれば、要はさっき言ったブロックバスターとかAmazonとかがディスクを販売するレンタルするに入ってくるかもしれないビビるっていうのはあるけど、ブロックバスターからしてみるとVHSでもうビジネス回ってるわけじゃないですか。
そこに対して彼らがわざわざ、ほとんどの人がVHSで見てるのに、わざわざDVDのコーナーを設けなきゃいけないインセンティブってやや少ないですよね。
スピーカー 2
いやそうですね、もったいないですよね、今までの資産が。
スピーカー 1
っていうイノベーションのジレンマがあった間に、じゃあNetflixは何にかけたかっていうと、エクスティブはあるかもしれないけどDVDの方にかけよう。
じゃあDVDにかけるとしたらどうするかってやったことが、DVDメーカーと組むことなんですよ。
スピーカー 2
へー面白い。
スピーカー 1
つまり何やったかっていうと、DVDメーカーからしてみると、DVDが発売されてもコンテンツないとDVD買おうと思わないじゃないですか。
かつ言ったように、さっき言ったようにレンタルビデオ屋にはまだVHSっていう資産のほうが使い勝手いいから、DVD置いてくれないから。
スピーカー 2
置いてないんですね。
スピーカー 1
そうするとコンテンツないのにDVDわざわざ買おうと思うんですよね。
スピーカー 2
なるほど。ここで言うDVDメーカーって要は再生する機械を作ってる会社さん。
スピーカー 1
そうです。ありがとうございます。
だから当時DVDは、実はこれDVDって日本のメーカーさんたちが頑張ってやった企画で、ソニーさん、東芝さんといったようなメーカーさんがDVDを出していて。
彼らからしたらDVDの画質いいし、カセットが小さくなるからめっちゃ便利じゃんって言ってるけど、一方でユーザーからしてみると、確かに映像綺麗になるかもしれないけど、
VHSのほうがカセットでそこら辺で300円、500円で新しいビデオ見れるのに、わざわざDVD買わなきゃいけないのかなって思っちゃうわけですよね。
という状況の中で、ネットフリックスは何をやったかっていうと、このDVDメーカーさんと組んで、DVDを買ったら3本無料でレンタルできますよっていうチケットを組んだわけ。
めっちゃいい。
こういうふうに、何かを立ち上げるときに一番希少な資源と組むっていうことをコーナードリソースって言うんですね。
イメージで言うと、オセロの四隅を先に取るみたいな感じですかね。
スピーカー 2
そのコーナーなんですかね、これ。
スピーカー 1
要はオセロの四隅って、一回そこに置かれちゃうと絶対ひっくり返らないわけじゃないですか。
それと同じで、ここを押さえちゃうとひっくり返されないよっていう場所を先に取った方がいいよねっていうのがコーナードリソースっていう意味で。
スピーカー 2
これすごいですね。つまりDVDの再生機を作ってる人は、コンテンツがないと売れないからコンテンツを広げてくれるところと組みたい。
強豪の企画ではなくて、うちを選んでくれるというNetflixと組みましょうと。
お客さんにとっても3本無料でレンタルでDVD借りれるのでめちゃくちゃいいし、NetflixはそのDVDをレンタルビジネスを再生機を買ってくれる人が増えれば増えるほど自分たちのビジネスが拡大すると。
強豪さんは今からDVDメーカーと組もうと思っても、同じ座組で組んでもあんまり意味がないので、DVDメーカーもうちはあそことやってるんでってなっちゃうのでひっくり返しづらいっていうことですね。
カウンターポジショニングの重要性
スピーカー 1
そうなんです。正確に言うともう一個小技が入っていて、さっき言ったコーナードリソースっていうのは日本語訳もされてるセブンパワーズって呼ばれるスタートアップとか会社が勝ち切るための7つの力ってやつがあってですね。
これ7つ全部パパパってあげると、僕らのポッドキャストでも話してるネットワークエフェクトっていうのと、あと規模の経済、スケールメリットですね。あとブランド。それ以外にスイッチングコストとプロセスパワー、いわゆるオペレーションをぐりぐり誰よりも良くするよってやつと、あと残りがコーナードリソースと、あともう一個カウンターポジショニングっていうのがあるんですよ。
このカウンターポジショニングっていうのが何かっていうと、さっきのブロックバスターに対してやったことで、ブロックバスターってVHSすでにアセットとしてもう持っちゃってるから、わざわざマイナーなDVDのためにもう1枚買うの?っていうので、彼らから見ると儲からないコストだし。
さらに言えば、DVDのメーカーに対して無料のレンタルチケットを付けますっていうのって、ネットフリックスにとっては新規会員の獲得じゃないですか。でもブロックバスターってもう会員になっちゃってるんですよね、ナンバーワンだから。
スピーカー 2
そっか、だから意味ないんですね、あんまり。
スピーカー 1
そう、だからむしろコストだけが増えてて、新規に繋がらないんですよ。そうすると、こういうライバルにとっては防衛費だったりコストだったり、イノベーションの事例まで嫌だなっていうことを新興のプレイヤーだからできるっていうのが、これがカウンターポジショニングっていうのがセブンパワーのうちの1つで。
スピーカー 2
なるほど、じゃあコーナードリソースを取って、ブロックバスターのカウンターポジショニングを取りつつ、新規会員を増やすことで、新興メーカーからしてみるとスイッチングコストを作っちゃってるので、ライバルのスタートアップとか来ても勝てるようにしてるみたいな感じで。
そうなんです。
この中をいろいろ、セブンパワーズの中のもう3つぐらいを使っちゃって、やってるのがこれ。
スピーカー 1
伸ばしていったっていうのがネットワークフリックスの素晴らしいところなんですよね。
めっちゃすごい。
だからさっき言ったように、一個一個は逃げてるかもしれないんですよ。
もうレンタルビデオは普及してる、本はAmazonが選挙してる、でもコストストラクチャー考えたらDVDの郵送いけるかもみたいな感じでやってるんですけど、じゃあDVDの郵送っていう中で勝つためには、どの戦略使えばいいんだ?
ってなった時に、ブロックバスターが嫌がる一手で。
かつ、新興勢力としてDVDプレイヤーをやっている人たちと組んでいくことによって、そのDVDプレイヤーは当然有言だから、一緒に勝ち上がっていこうよってことをやってるわけですね。
スピーカー 2
なるほど、これでもブロックバスター側の気持ちになるとめちゃくちゃ大変で。
まず、店舗型じゃないですか。
はい。
なので、郵送ビジネスやる旨味があんまりない、強みを生かせなくなるし、持ってる財庫というか資産はVHSなんでDVDに転換できない。
でも会員とかはかなり取っている。
じゃあDVDレンタルとかをやるかというと、なんかコスト的には全然旨味がないしユーザー数も少ないので、インパクトがほとんどないからできないみたいな感じなんですね。
スピーカー 1
今のブロックバスターはもう大会社になってますから、既存事業の売り上げに対して新規のこういうものに対する対応って、やっぱり大企業の中だと決断しにくいですよね。
スピーカー 2
しにくいですね。リクルート会でもちょっと言ったかもですが、新規事業にASQをやると年間何億赤字出すけれども、既存事業の儲かっているところにやると1ヶ月で売り上げ10億増やしてくれるとかが容易に起こっちゃうので、やっぱりやらないっていうかできないですよね。
スピーカー 1
そうなんですよね。本当にリクルート会で話したように、インディードの事例みたいに、そういう自分を壊すかもしれない信仰のことみたいなものも、やっぱり国をずらしてね。日本の人材ビジネスは今まで通りのやり方でやりながら、アメリカで新しいものを立ち上げて、それが成熟してから日本と競争させて、やがてスイッチしていくみたいに、かなり慎重にやらないとこういう意思決定ってできないわけですよ。
スピーカー 2
そうですね。難しいですよね。本当に。ついついイノベーションのジレンマとか見てると、やればいいのになーって周りは思いがちですけれども、本当に短期的に利益がすごく減って社内の調整も大変な割に、本当にその未来になるかどうか不確定みたいなときに意思決定するのはすごい難しいですよね。
ソフトバンクとiPhoneの決断
スピーカー 1
そうなんですよね。っていうところを考えてやってるっていうことと、何よりも投資派とかソニーっていうDVDプレイヤーを広げたい人たちからすると、必死で広げたいわけで、そういうところのトップシェアになるところといち早く組んじゃうことで、他は組めなくするっていうところをNetflixはやってたんですよね。
スピーカー 2
これ近い事例って他にあるんですか?ソフトバンクがiPhoneを持ってきたとかって近いんですかね?
スピーカー 1
そうですね。だからソフトバンクがiPhoneを持ってきたときとかもおっしゃるように、結局iPhoneっていうビジネスって、今でこそみんなはすごいって言ってたけど、スマホが出始めた、iPhoneが出始めたときに本当に売れるかどうかってわかんなかったんですよね。
かつキャリアからしてみると、日本の携帯電話ってすげえ特殊で、海外って携帯電話メーカーが端末を売って、キャリアはあくまで通信だけを売るっていうふうに分かれてるのが、日本って一回携帯会社がメーカーから買い受けて売るんですよ。
だから仕様を全部自分で設計できるんですよね、キャリアが。
スピーカー 2
キャリア主導でやれる。
スピーカー 1
そう。それがやっぱりAppleのiPhoneになると、要はAppleのソフト流通を使わなきゃいけなくなるわけですよね、App Storeって。
これって結構自分たちが、すでに日本ってその当時で6千億から8千億ぐらいコンテンツ市場があったから、そのコンテンツ市場をAppleに持ってかれるっていう決断しなきゃいけないわけですよね。結構嫌なディールだったんですよね。
スピーカー 2
そうですよね。
スピーカー 1
だからまさにカウンターポジションで、どこのKDDIからしてみると、すでにあるコンテンツマーケットをわざわざAppleに渡していくっていう決断ができんのかっていう話と、もう時効だから言っていいよな。
スピーカー 2
これはもしかしたら後で編集で消されるかもしれないんですけど、かつAppleはむちゃくちゃ自分たちのイノベーションに自信を持ってたので、データ通信量のキックバックをよこせって言ってたんですよ。
これはでも確かにドコモさんとかKDDIさんはコンテンツ市場を持ってたけど、ソフトバンクは3番手で、さらにそこがそこまで強くない感じでしたよね。
スピーカー 1
その当時のことをみんな忘れてるかもしれないんですけど、ソフトバンクってわざわざ買収して通信キャリアになったわけですよ、携帯キャリアに。だからわざわざ買収してまでやるためには、何が何でもシェアを増やさなきゃいけないっていうのがあって、そういう意味ではまさにカウンターポジショニングで、
周囲の会社が自分の収益源であるコンテンツマーケットと通信を一部キックバックしなきゃいけないって収益を下げてまで新しいイノベーションかもしれないけど、どこまで効くかわからないiPhoneと組めるのかっていうのってめっちゃ決断ですよね。
ユーザー獲得戦略
スピーカー 2
寺田 決断ですし、モバイルのそういうiModeとかKDDIもやってたやつとかと比べてソフトバンクってYahoo!っていうオープンなウェブの強いサービス持ってたので、そういうのも相まって突然ここで本当にオセロがひっくり返るように、スマホ自社になった時に強いポジションを取れるっていう、すごいタイミングだったんだなっていうのを今話聞いてて思いました。
スピーカー 1
寺田 そうですね。だからここ難しいのがやっぱり自分たちにとってビジネスを、既存の事業者にとってのビジネス構造を傷つけてまでも新しいものを作りたいか問題って話なんですよ。
ブロックバスターさんで言えば、VHSビデオでシェア圧倒的で、そこでビジネスが回ってんのにって話だし。先ほどのiPhoneの話で言えば、もうガラケーで十分データ通信ビジネスもできてるし、ましてやコンテンツビジネスにおける手数料収入もあるしっていう状況の中で、
一回それを削ってでも、かつ主意はそれによって新規加入者数が増えるっていうよりかは、ライバルに新規加入者数を持ってかれないっていう観点になっちゃうじゃないですか。
そういう観点で考えて、Netflixもソフトバンクもアタッカーとして、新しいフォーマットにおける新規獲得をがっちり得ていきたいっていうところであれば、身を削ってでもやろうっていうふうになれるってことなんですよね。
スピーカー 2
なるほど。これ、大企業に対してスタートアップがどう戦うかのすごいいい参考例ですね。
スピーカー 1
そうなんです。
かつさっきのコーナードリソースの話に戻ると、これはちょっと文献で確認できたわけじゃないんですけれども、おそらくって話なんですけど、DVDメーカーとNetflixが組みますっていう話って、これ別にNetflixが発明した話じゃないんですよね。
先ほど言ったカセットテープ、VHS時代にVHSとβっていう2種類の標準フォーマットがあって、βってのが、マニアックなこと言えばβのほうが再生位置がずれないとか、画質がいいとか、βのほうが圧倒的に素晴らしいって僕は未だに信じてるんですけれども、それでもVHSが主流になったのっていうのは、
スピーカー 2
やっぱりVHSを中心としてやってるパナソニックさんが、VHSを買ったら販売店が最初にそのビデオをいくつか上げますよみたいなことやってたんですよね。
スピーカー 1
しかも、大体その当時で言うとビデオデッキを買うっていうのは比較的高価なものだから、おじさんが購入し決定者なわけですよ。
ちょっとピンクなね。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
ビデオを、あくまで販売店が勝手にね、最初のボーナスにつけるって。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
これをやってて。
スピーカー 2
ユーザー獲得をどれだけヘルシーにやるかみたいな話ともちょっと結びつきますよね。
そうですね。
スピーカー 1
だから、基本的にはユーザー獲得をヘルシーにやるときには、プラットフォームのインフラをやってる人が自分も増やしたいから、
じゃあそこの上に乗るコンテンツとセットで増やしていこうっていうふうにすると、
そのコンテンツのインフラを増やしたい人たちのプロモーション費用でコンテンツを広げることができるっていうのもある種鉄則なんですけどね。
スピーカー 2
そうですね。これももう時効かなと思うので言うと、
Facebookが日本に進出したときにFacebookページを増やしたいと。
小さな企業の成長戦略
スピーカー 2
うち、僕がやってたメディアのページを作るので、それをじゃあFacebookがリコメンドしてくれる。
なので、すごい勢いで増えていく。
我々もそれでFacebookユーザーが使ってくれるので、我々のメディアのコメント欄を全部Facebookコメントに変える。
スピーカー 1
コメントにね。
スピーカー 2
っていうので、お互いにまだ弱い同士が組んで成長していくみたいなことをやったんですけれども、
こういう組み手ってお互いにお金がかからない割にすごい効果が高いのでいいみたいなのはめっちゃあるなと思いました。
スピーカー 1
そうですね。だからそういうインフラプレイヤーとコンテンツプレイヤーの密月っていうものをどうやってつけるかっていうのが一つの定番で。
特に日本のFacebookに関しては皆さんあんまり存じ上げないかもしれないですけど、
日本ってFacebookがそんなに最初から強かったわけじゃない中で、
ある日本の最初の日本法人の代表の方はものすごく日本のネットをわかった方だからできたみたいな話で。
スピーカー 2
そうですね。やっぱりそういう組み手とかを丁寧にやって爆発的に伸ばすっていうのをやってましたね。
これスタートアップにすごい役に立つなと思っていて、僕もまさにこれも時効かな。
Yahooの経営人が変わりますみたいなのが多分2010年の前半にあって、その時に即弁解して事業提携して我々の記事をYahooトップに出すみたいなのをやって、
そうすると経営人からしたらそういう素早い意思決定をしてるよっていう事例としてアピールできるし、我々もお金をかけずに強力なトラフィックをいただけるみたいな。
こういうのってやっぱりタイミングなんですよね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
お互いにDVDメーカーだと再生機を売りたい、でもまだコンテンツがないみたいな状態と、
DVDで郵送したいっていうレンタルをしたいっていうNetflixがちょうどそのタイミングだったから組めるみたいな。
スピーカー 1
そうですね。
だから今の件数の事例ってめっちゃ良くて、今でこそNetflixがソニーや東芝っていうプレイヤーと組みますっていうと、
スピーカー 2
対等な提携みたいに見えますけど、その当時のNetflixって創業2年目とかのペペですからね。
スピーカー 1
それが日本の家電メーカーのトップみたいなところと組みますみたいな話が起きたので、さっきの件数のコンテンツとYahooやFacebookっていう巨大プレイヤーと同じ話で、
だからそういうインフラが広まるタイミングっていうのは、ある種進行勢力にとってのむちゃくちゃチャンスなんですよね。
だから実際Netflixもどうやってソニーと東芝をくどいたかっていうと、
アメリカにはCESっていう新しい家電とか電気製品が生まれた時に、1月の最初の週に発表会をみんなで合わせれば盛り上がるじゃないかっていう、ラスベガスでやってるカンファレンスがあるんですよ、でっかい。
そのCESにNetflixは行って、実は僕たちこういうこと考えてましてって言って、その日って要は全メーカーのトップが発表のために集まるんですよ。
だから本来であればNetflixってソニーと東芝と組むために日本行かなきゃいけないじゃないですか。
それをCESの日は全員トップが集まってるからって言って、そのCESの日に行って、実は僕らこうやってDVD1本で頑張ろうとしてるんですっていう話をして。
かつ彼らからしてみると、何にもコストいらないわけですよね、クーポン系の。買っつけるだけだから。
だからそれだったら乗るよって言って乗るみたいな話があるので、そういう意味ではこのコーナードリソースをうまく生かすっていうのも一つのタイミングであり、
それが個票、ちっちゃいプレイヤーがビッグプレイヤーの力、巨人の肩に乗って広げていくみたいなところが大事なところになったりするんですよね。
スピーカー 2
そうですね。有名な企業とか大企業が進行プレイヤーにならざるを得ないタイミングみたいなのを見計らうっていうのはあるかもですね。
Facebookは大きいけど日本市場だと進行プレイヤーとか、東芝さんは大きいけどDVDプレイヤーだとまだ進行プレイヤーみたいなところで組むみたいなのもタイミングの測り方としてちょっとあるなと思いました。
タイミングと戦略の重要性
スピーカー 1
というふうに、いかにちっちゃいプレイヤーでも戦略のカードをうまく使っていけば急加速するっていうことができるし、逆に大企業では動けないところをうまくついていくことができるっていうのがこのエピソードなんですよね。
スピーカー 2
なるほど、めっちゃ面白いです。まだ90年代ですけれども、すでに学びが大きいですね。
スピーカー 1
ちなみに言うと、ようやく次のエピソードでまだレンタルで定額制にいけるかっていう感じですね。
次はおそらくバリューバーチャライゼーションの話にいよいよ入っていくかな。
スピーカー 2
またカタカナですよ。
スピーカー 1
簡単に言っちゃうと、ユーザーが本当に価値を何に感じているかをちゃんと考えようってことですね。
スピーカー 2
分かりやすい。
はい、じゃあ次回はそのなんちゃらですね。
バリューバーチャライゼーション。
はい、じゃあありがとうございます。
スピーカー 1
はーい。
28:50

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