本つまみぐいラジオ。この番組は、本を読まなくても、本のおいしいところだけを一口サイズで耳からつまみぐいできちゃうラジオです。
今回のテーマは、「あなたの知らない歴史」というテーマで、私の1冊、3冊目ですね、紹介させていただきます。
これ、門川さんから出てる【むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました】。
日本文化から読み解く幸せの形っていう本で、これが予防医学研究者でいらっしゃる石川よしきさんと、日本放送のアナウンサーでいらっしゃる吉田ひさのりさん。
吉田ひさのりさんっていうお二方が書かれている、ちょっと対談形式でもある本なんですけど、ウェルビーイングの歴史にちょっとフォーカスしたいと思ってるんですよ。
めちゃくちゃまたニッチな歴史ですね、これは。
ウェルビーイングって、心、体、社会のすべてが満たされた持続的な幸福っていうのを表す言葉なんですけど、実は日本昔話にウェルビーイングのヒントが隠されてますよね。
昔話、なるほど。
そうそうなんです。竜宮城ってあるじゃないですか。漢字でどんなふうに書けます?竜宮城。
達?
達?
宮。
宮。
城ですね。
城ですよね。なのに、ドラゴン出てこなくないですか。
確かに。
竜宮城って、なんでドラゴン出てこないのって話なんですよ。
多分きっと海外の人とかが聞いたら、竜宮城だったら、多分ドラゴンと乙姫と浦島太郎と亀のバトルロワイヤルみたいな話が始まってもおかしくないのに、
パストピア感あるけど。
亀、やっと来たなーみたいな感じの。
それはそれで気になるぞ。
そうですよ、ドラゴンの後ろに乙姫がいて。
確かに、竜宮城ですね。
僕が絶対に乙姫を助けるみたいな話でも良かったのにも関わらず、ドラゴン出てこないし、
なんなら普通に竜宮城に行って飲み食いして帰って、一気に吹けて終わりみたいな話じゃないですか。
え?っていうことなんですけど、ここに日本のウェルビングの秘密が詰まってまして、それを教えてくれる本でもあるんですよね。
それはちょっと後ほどご紹介するんですが、今回はこの本からあなたの知らないウェルビングの歴史っていうのを3つのポイントでご紹介いたします。
まず1つ目のポイントがね、上じゃない奥なんだっていうポイントでして、
例えばね、私たち3人で冒険に出かけるとします。
森の中を歩いてて、奥にちょっとおばあちゃんがいてね、看板を持って、奥まだございますって書いてあったら、どう思います?
冒険ですよ、冒険。 奥に行こうと思うよね、たぶん。
あ、やっぱりそうですよね。じゃあちょっと右に行こうとかは思わない?
いやもう俺奥まだあるんだったら休みたいなと思って。
私とそれぞれ好きなんですけど。
基本的には奥へのワクワク感って持つはずなんですよ。
進んでいける、まだ可能性があるみたいな感じか。
奥への興味ってこれ実は日本文化のど真ん中にあるらしくて、
西洋って基本上を目指す文化なんですよね。ピンときました?
ピラミッド構造とかもそうなんですけど、トップが集まる首脳会議のことを英語で頂上っていう意味を表すサミットっていうのも言うし、
基本的にはその上なんですよね。
死んだ後にたどり着く場所って日本では割と山津の川の奥にある岸の方、向こう岸みたいな言い方。平面っていうか横なんですけど、
西洋は上にある天国。上の概念なんですよね。
西洋はそうなんだけど、日本は逆に奥を目指す民族っていうことで、奥の細道がフィーバーしたのもそうですけど、
歌舞伎町の道路、あれってT字路だらけにされてるそうなんですけど、奥に奥に誘い込む仕掛けをわざと作られてるそうなんですよね。
神社も実はそうで、タワーでもよかったじゃないですか。タワー型でも。
上に登っていくみたいな。
でも大体そういうものではなくて、パッていってすぐ本殿でもいいのに格式のある神社ほど、山道をくねくねくねくねして奥を演出されてるんですよね。
つまり日本はね、何があるかわからない奥にこそ価値があると思う文化があると言えるんですよ。
例えばさ、遊園地があったとして、お二方遊園地に今来ました。私がちょっと誘い込みの人間になるとしたら、このアドベンチャーはですね、上にリンゴがありまして、そのリンゴをつかむことができますっていうのと、奥に行ったらわかりますよ。
さっきのおばあちゃん出てきた。
どっちが興味そそるかって。
おばあちゃん強すぎるだろ、遊園地で急に。
なんですか、上のリンゴをつかんだら景品がもらえますっていうのと、奥に行ったらわかりますよ。
そりゃあおばあちゃんの方が推しそそる。
オフィシャルと非公式のあれじゃん。
たぶん基本日本人は奥行きになりますけどって。
おばあちゃんなんだよ、どっちかっていう。
こういう感じで、きっと上を目指す文化も日本に入ってきてる。ちょっと欧米化も進んでるし、いろんな文化が入ってきて、ちょっと学力だとか、いろんな上を目指すぞみたいなのは日本にも入ってきてるんだけれども、やっぱり何があるのかわからない奥っていうのを、ところに価値を置く日本人っていうのはあって、
実は実はよく考えると、迷ってる時って辛い時期って思いがちなんだけど、何があるかわからない奥を模索してる時こそ幸せなんじゃないか。
そこに幸せの原点があるんじゃないかという考察でございます。
心の健康みたいなところとつながるわけですね。
そうなんです。まさにウェルビーング。
上見たらキリないって言うもんね。
でも奥は誰かと戦ってる感じしないよね。
自分で模索しているっていう感じです。
めちゃくちゃわかりやすい。
これは面白い本です。
本当に紹介が上手ですよね。
わーお!
いろんなキャラクターがいますね。
何人いるの?
2つ目のポイントいきますよ。
2つ目がね、ゼロに戻るっていうポイントがあって、ゼロに戻るって聞いた時どんなイメージ持たれますか?
頑張ったことがなくなっちゃって、どっちかっていうとネガティブなイメージを持ちやすい。
まさにおっしゃる通りですよ。平手どうですか?
ヒーローズジャーニーを思い出した。原点に戻る。ぐるっと回ってくる。神話の構造でありますよね。
そうそうそう。そういうイメージもあると思う。
でも割とゼロに戻るって、すごろく振り出しに戻るとかだったり、何かをいろいろ持ったけども、それを全部失ってスタート地点に戻るとか、そういうイメージもあると思うんですよね。
でも日本文化ではこのゼロに戻ることに価値があるっていう考え方がありまして、さっきも竜宮城のバトルロワイヤルもそうですけど、
西洋の物語って大体ドラゴン倒してお姫様助けて、お宝ゲットしてお城もらうみたいな、そういうイエーイみたいな物語多いじゃないですか。
ロード・オブ・ザ・リングも、私見たことないですけど、指輪ゲットしてイエーイですか?
逆ですね。指輪を捨てに行くみたいな。
あ、そうなんだ。じゃあちょっと西洋…。
ごめんごめん話し挟んで。ロード・オブ・ザ・リングの映画のポスターを見せて、壮大な不倫をする物語ですと言ったら、え?指輪を捨てに行くんですよって。
私も本気で信じちゃって、不倫の話なんだと思って。
あの絵って不倫じゃない?
どんなバトルがクリアされて結構指輪を捨てに行くんだよね。
ドワッホ出てきて。
いや結構ポスター見たら嫉妬に狂った女の人たちが出てきて。
エルフの女王いるわ。
だから本当に不倫の話なんだなって思ってた。ロード・オブ・ザ・リングみたいな。
指輪を捨てに行く。指輪何があったのか。
それはちょっとイエーイで作ってほしいな。
そっちはそっちの方が面白そうです。
それは私が勘違いしてた話なんですけど、基本的には西洋の物語って何かを得ていく勝利の話だと思うんですよ。
何かを助け出すとかね。
でも日本の昔話っていうのを考えた時に、
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいてね、みたいな感じで、おじいさんおばあさんやたら出てきませんか?
桃太郎?
でもね、西洋ってわりと子供が主人公のものも多いんですけど、
日本ってなぜかおじいさんおばあさんめっちゃ出てきて、かつハッピーエンドがあんまりないっていうのも特徴なんですよ。
だから物語のスタートとゴールにほぼ変化がないんですよね。
浦島太郎もこれ絶対西洋で作られたものだったら、ドラゴン出てきてバトルロワイヤルしてたと思うんですよ。
お助けしまして、乙姫。だからゲット!とかなるところを、やっぱり日本はそんなことはなくて、こういう物語のスタートとゴールの変化がほぼないっていうのはね、世界の物語の中でもかなり特殊らしいんですよ。
日本ならでは、みたいなとこがあって、このゼロに戻るっていうテーマですよね、いわゆる。
ゼロに戻るっていうのは、マイナスなようで実は満たされた無に戻るっていうふうに見ることができるわけなんです。日本文化のゼロに戻るっていうのは、満たされた無に戻るっていうふうに見れて
プラスを追いかけて追いかけて追いかけて追いかけすぎて疲れる前に、一旦ゼロ地点に帰るっていうこと。この戻る行為が安心感、ウェルビングそのものですよねっていうことで
お家に帰ったら落ち着くとかあるじゃないですか。帰ってきたーって。旅行終わりとかね。旅行終わりとか、学校行った後もお家だーとか。多分あのイメージです。あの安心感。だからゼロに戻るっていうのは悪いことじゃなくて、それこそがウェルビングじゃないかという話なんですよ。お二人なんかゼロに戻れるものありますか?
何だろう、むずい。クエスチョンがむずいですね。
ちょまど これだとなんか安心、ゼロに戻って安心感不明。
でもゆきりぬさんよく旅行から帰ってきて、家がいいってやっぱり。
それもあるし、夕方僕だいたい料理しながら酒飲んでるけど、その時がやっぱり一回リセットしてる感じですね。
ちょまど リセットですね。
自分のもう全部おしまいです。終了しました酒飲んで。
ちょまど 全部おしまいです。
全部おしまいになってますね。毎日。
でもそれがたぶん自分をニュートラルに戻す行為なのかもしれないですね。
ちょまど もうお布団の中ですね。
お布団の中。もう大好きだって言いますもんね。
だからたぶんそれも日頃から持っておくべきウェルビングのヒントなのかもしれないな。
これがないと人間ずっとニュートラルに戻らないから、このゼロ地点に戻るってとても大事なことなんですよ。
推しってただいてくれただけでもそれだけでよくって、一方的に愛させてくれる存在。何もしないのに尊いのが推しじゃないですか。それってすごい価値で。お二人子供の頃推しいました?好きなアイドルとか芸能人っていましたか?学生の頃。
僕はごめんいなかった。 池井さんは一人もいないです? 好きなアイドル芸能人は全然思いつかないってことは多分ないですね。 好きな女優さんとかもですか? 全然ないな。 あ、そうなんだ。面白いね。絶対ハマっちゃう時期ってあるけど、一人も。ないですね。
コロコロ変わってたね。 吉沢ひとみとか。 吉沢ひと、モーニング娘。とか。 知ってるけど別に興味はないよね。
やっぱりオレンジレンジのリョウさんとかめちゃくちゃ好きでしたね。 イギリスのバンド? もう好きでした。だから私もコロコロ変わってた。そういうもんじゃないですか。一つを推し続ける人もいらっしゃるかもしれないけど、いろんな推しが出てくる人もいると思いますけど、現代ではやっぱりただいるっていうのを最高峰でやられてるのが推しっていう存在ではあるわけです。
で、はたまた現代でよく聞くSNS、特にこのSNSにフォーカスすると、SNSって実はこのいる、ただいるっていうのがめちゃくちゃ難しいものなんですよね。
今日こんなことした、とか、こういう人になりました、とかする、なるがメインの投稿ばっかりなんですよ、SNSって。 だから基本的にはWellbeingと相性悪いよねっていうのがこのSNSなんですけど、でもやっぱりSNSを切り離すことはできないから
だから、いるを意識した使い方をすると、心地のいい交流ができる場所になるんじゃないかってこの本でもね、考察なされていて、私思ったんですよ。ただいるを意識した使い方ができるのがまさにコミュニティなんじゃないかな。お二人コミュニティで運営されてますけど、このただいるっていう価値は感じることありますか?
そうですね、僕らのコミュニティだと本当にどうでもいいこととかをあえて書き込ませるような取り組みとかもありますね。毎日だとなんか本当に今日朝ごはん何食べましたかみたいなのをみんなで書くっていうだけの場所とかって、それはなんか本当に情報には価値がない。
で、ここに書き込んで、この人今日も元気なんだなみたいなことをざっと見て、僕も書いたりしてっていう。それはすごくその人が役に立つとかそういう関係ではなくて、今日もいるんだなっていうのを楽しんでみるみたいなのがやっぱりありますよね。
大事ですね。それって本当にただいるっていうことにつながってきますよね。しょうへい氏は?
ちょっと僕もコミュニティやってるんで似たようなあれはしてますけど、なんかやっぱりなんか僕は声を聞く。
池谷さんとかもね、毎日もうポッドキャストボイシーやってて、僕もやっぱ独立の前、会社辞める前とかも、なんていうんですかね、やっぱ怖いじゃん辞めるの。
で、やっぱ俺間違ってるのかなって思うし、普通に働いてるとさ、いろいろまたあれやったりこれやって村上くんみたいになるから。
でも池谷さんのボイシー聞いた時に、そうだ、俺なんか会社辞めたかったんだって。なんかその池谷さんがこうやって発信して声を出してくれてるからこそ池谷さんがいるっていう感覚があって、
それによって自分がそういう価値観を持っていいんだっていうふうに、その価値観を選ぶというか、そうなるみたいなね。
で、じゃあ行動するみたいな順番だったのかなって今ちょっと聞いてて。
そうですね。でもその点では、そうか、SNSもただいるっていうのをそれぞれが意識したら成り立っていくのかも、もしかしたら。
結局なんかその、いるを、僕らは多分さっきの中道隊じゃないかもしれないけど、いるっていうもの自体をあんまり認識できてないのかもしれない。
いるってことに価値を感じているんだけども、それをこうすごい切り出して認識するみたいな機会がちょっと少ないのかもしれないね。
いるが前提なんだけど。
難しいな。
でもさっきね、池谷さんまだかなってちょっと心配したときやっぱSNSチェックして、たぶん家出発してると思うみたいな。
消息を確認する。
どっかこれトイレ寄ってるわみたいな。
そういうのも使い方次第だけど。
それぞれの人がただいるっていう、自分だけじゃなくて周りの人もただいるっていうことを尊重し合えると、またウェルビーングに繋がるのかもしれないなっていう、これが3つ目のポイントで。
以上です。なんか一つでもちょっとウェルビーングのヒントになればいいなと。奥を意識したりだとか、ゼロに戻ることを意識したりだとか、ただいるっていうことを意識するといいのかなって。
そういったウェルビーングの秘密がギュッと詰まった面白い本をご紹介させていただきました。
面白いですね。昔話からっていうのはなんかね、独特な切り口の本ですね。
日本昔話。
確かにそうだね。おじいちゃんおばあちゃんしか出ないね。桃太郎も竹取の物語もそうだし。なんでなんだろうね。
そうですね。なんかふと思ったのが、日本昔話の歌にもギュッと詰まってる。人間っていいなーって。歌えないんですけど。
歌えないの?
なんか歌っちゃいけないですよ。
ジャスラック的な。
ジャスラック的にはね。
でも歌詞がね、人間っていいなーって。
お尻を出した子一等賞。
あれ?日本昔話。それアニメの主題歌とかね。昔の歌の話かと思った。
違う違う違う。アニメの主題歌にもね、割とヒントが隠れてる。
お尻を出した子一等賞。
なんのヒントがあるの?
かけっこって西洋の考え方なのかなって。上を目指すと。
でもそんなことなくて、お尻出してもいい。この子が一等賞っていう考え方。
それが考え方なのか。
本当かな。
私が今ピッて思ったことだけなんですけど。
あとなんだっけ、人間っていいな。おいしいご飯にバタバタご飯。
バタバタご飯。ずっとご飯食ってる。
ポカポカお風呂とかじゃなくて。
あ、ポカポカお風呂。
あったかいご飯食べる。
ずっとご飯食ってる。
歌詞が出てこない。
とにかくご飯おいしいよねっていうことだけでも、やっぱりウェルミングなのかな。
だから場を大事にしてるって感じがあるね。その場自体を。
その空間?
そうそう。西洋はどちらかというと、場を広げていくような感じがある。
開拓?
開拓とか倒したりとかね。それから上に行くみたいな。
ゲームで言うとマリオってあるじゃん。スーパーマリオ。
上に飛びますもんね。
上に行くんだけど、結局マリオも奥に行ってる。
そういうことか。
要するに左から右に。僕らは直感的に奥に行く感じがあるよね。
面白いよね。そういう視点で見たことなかった。上と奥は。
でも確かにアメリカのヒーローも結構上に飛ぶタイプが多いかもしれない。
アイアンマンどうすんだっけ?アイアンマンは。
上にだけ飛びますからね。
上にしか飛べない。弱いだろ。
ちょっと待って。アンパンマン横に飛びますよね。
アイアンマンも横に飛ぶだろ。
アンパンマン横だよね、あれ。
わー面白い。そういう考えで見てみると。
確かに。
違うかもしれません。ということでした。
ということで、ハッシュタグ本妻で、
今日のご感想だったりとか、何かリクエストもお待ちしております。
自分のウェルビングエピソードもよかったら聞かせてくださいませ。
ハッシュタグ本妻。本は漢字、妻はひらがな。本妻。
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じゃあ次回はコメント返し。
楽屋トークですね。振り返り含めて。
ということなので、ここでぜひあなたのコメント紹介させていただきたいので、
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じゃあ次回もお楽しみに。