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2023-08-25 41:06

Ep.26 若手研究者の憂鬱、新たな一歩を踏み出した話

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若手研究者のリアルな生活や、色々悩みながらも研究職を辞する決意をしたことなど、つばきのこれまでをつらつらお話ししたよ。

話の中で出てきたつばきの会社はこちら→https://eusapia.jp/


【紹介した本】

・イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」


【紹介したアニメ】

・天元突破グレンラガン


【よりぬき】

・ラジオ出演の裏話など

・天元突破グレンラガン、みんな見てね!

・研究者として生きるということ

・ある出来事をきっかけに研究職から離れると決心

・科学コミュニケーションを「食える仕事」にしたい

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
今回は、椿さんのお仕事っていうかさ、研究者ではあるけど、全然その研究者って一言で言えないような仕事ぶりを、私はちょっと聞いてるので、ちょっと改めて、椿さんって何を今やってはる人なんていうことをちょっと掘り下げたいんですけど。
結構それはね、身近な人でもわかってない。私があんまり言わないからなんだけど。
たまにさ、ラジオに出たりさ、テレビに出たりしてるやん。
あれは学者の側面かな。やっぱり海面動物っていうのを、私は研究してるんですけど。
スポンジの海面やね。
その専門家っていうのが日本に3人くらいしかいなくて、私がその一番詳しいというわけでは全然ないんですけど、本を書いてる関係があって、それでたぶんその一番窓口として見つけやすいのかなとかで、ラジオとかテレビとかにたまに呼ばれたりすることありますね。
ラジオ好きな人だと、たまむすびとか、赤江珠男さんがパーソナリティーされてる。あれにも出たりしましたね。
なんかそのときにチラッと聞いたんやけど、赤江さんのお人柄がすごく素晴らしかったみたいな。
赤江さんとそのときはラグフェアの土屋玲音さんのお二人がパーソナリティー。
曜日替わりで赤江さんは固定で、他のもう一人の方のパーソナリティーは変わっていくっていうので。
で、私がその呼ばれたときはその赤江さんと土屋さんだったんですけど、
ラジオの構成作家さんっていうか台本を考える方と最初にやりとりしてから、
生放送なんだけど、本番っていう形だったんだけど、
私の書いた本が出版された後だったから、それを渡したら予習というか、
大体の概要というかはわかるんだけど、赤江さんに渡しちゃうと、赤江さん全部読んじゃって新鮮なリアクションできなくなるから渡してないですっていうふうにおっしゃってて。
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だからそれぐらい本当に勉強熱心というか、すごい真摯に取り組まれてる方らしくて。
で、収録が終わった後も、「え、会面ってこれってどうなってるんですか?」とか本当に熱心にお二人ともなんだけど聞いてくれはって、
なんかもう天職っていうのかな。そういう好奇心がすごい強い方で、それを本当に自分自身が興味を持って掘り下げるから、やっぱ面白い番組になるんだなと思ったりしましたね。
あの番組、完成した番組しか聞かないから、なんかそういうさ、パーソナリティ結構面白い。
そうだよね。私もなんかね、芸能人とかあんまりチャラチャラしてんだろうみたいな。
そんなことはないやろうけど。
でもやっぱり第一線でずっとやってる方ってね。
そうなんだと思う。何の業界でもそうだと思う。
あの前さ、山田五郎さんとしょこたんがやってる番組にも出てはったよね。
出てはったやって。
リミックスZっていうやつも読んでいただいて、そういうちょっとなんかマニアック系のあれは人を読んできて紹介みたいなやつなんだけど、そういうのに読んでいただいたりとか。
あれは私、グレンラガンっていう、天元突破グレンラガンっていうアニメが昔あったんですけど、あれの大ファンで私大好きなんですよ。
あれのオープニングをしょこたんが歌ってたので。
あーそうやったかもね。
そうなんかね、あんまり人と会うとき緊張とかしないんだけど、ちょっと緊張したの。
終わった後にすごいグレンラガン好きだったので、中川さんに歌っていただいてすごい良かったですって伝えたら、ありがとうございますって言って。
オタクノーリーみたいな。
すごい。
めっちゃびっくりしてた。グレンラガンの名前が出るとは。
あーそうやんな。
ゲットで言ってたやつ。
そうそうやんな。学者として言ってたやつ。
驚いたはずだった。
でもさ、人生でさ、めっちゃ好きなアニメの主題歌の方と直接それを言えるって、緊張するしすごいよね。なかなか奇跡的な機会やんね、それってね。
ちょっとだから、それまでスラスラ喋ってたのに、なんかあのグググレンラガンみたいな感じになった。
急に片言葉になる。
憧れのね、あの人みたいな。
そうか、だからそういうね、ラジオパーソナリティにゲストとして呼ばれて、そういう専門家としてコメントする、話すっていう仕事もたまにあるけど。
うん、あれはやっぱりなんかちょっと晴れの日みたいな、寝たりない出来事なんだけど。
それ以外のじゃあ、毛の日っていうか、日常的にこうやってるのはどういうことやってるのかな。
えっとね、実は私あの生物学者っていうのはその、まあ学者っていうのは一生その続くものだと思ってるから、嘘では全然ないと思うんですけど。
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でも今、口をノリしてる、そういう言い方いませんへんな、なんていうの、お金を。
仕事としてこうなって。
仕事として生計を立てているのは、あのどこかの研究所とか大学に所属して、お給金をもらってるっていう形では今は。
お給金ってなかなか言わへんな、渋い言葉、お給料もらってみたいな。
そういうわけでは今、なくて。
実は5年、6年ぐらい前に、そもそもちょっといろいろと思うところがあって、研究所にそれまで勤めて研究をしてたんですけど、
ちょっと生々しいアカデミアの話になるんですけど、
そのなかなかその研究で食べていくっていうのは、
ちょっとなんか思ってるほど、何でしょうね、理想の思い描いた生活っていうのとやっぱちょっと違うんですよね。
当たり前の話で、どの職業でもそうだと思うんですけど。
結構さ、本当にさ、例えば東大、京大みたいなさ、誰でも知ってるような大学出て、大学院も出て博士課程を卒業した方でも、
なんか研究をするための、続けていくためにアルバイトをしてこう、なんとかやっていかなきゃみたいな。
そういう状況もすごいあるし。
全然珍しくないよね。
珍しくないし、その人がだから研究できない人っていうわけでも全然なくて、本当に結構運の要素が強かったりとかもして。
で、私もその人気付きっていう、勇気雇用みたいな、基本的に若手はそういうふうになって、
なかなかその無期限のポストっていうのは、定年までっていうようなポストっていうのは、なかなか空きがないっていうような状況なんですね。
で、なのでそれに向かって、ちょっと自分がいけそうやなって思うようなその人事募集みたいなのがあったら、
みんなもう殺到してすごい倍率みたいになっちゃって、で、書類選考のための準備の負担がめちゃめちゃでかいんですよ。
ただこれまでの履歴書を送るとかだけじゃダメで、この学校とか大学とか研究所でどういう研究をしたいかとか、
だからそこの一つ一つに合わせて。
フォートフォリオじゃなくて、なんて言ったらいいの?
なんていうのね、申請書みたいなのを本当に書かなきゃいけなくて。
だからそうなると、そこにはどういう研究者がいて、どういう設備があって、自分がその中でどういう役割を果たせそうかみたいなのを、いちいち調べて書かなあかんくって。
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だからある意味、保持つけみたいになったりもしたりすることもあったり。
あとは模擬授業やれとかいうのもあったりして。
へー、大変やな。
すごいね、その申請書を作る準備っていうのがすごく大変なんだよね。
で、研究ももちろん続けるというか、並行してやらないといけないし、その中で時間を見つけてその申請書を書いて、次のポストというか次の職を探すっていうのが、研究者のリアルな結構姿で。
私もその前の職場の年限が迫ってきてて、他のとこちょっと探さなあかんっていうので、いろいろと公募って言うんですけど、職員とか研究員を求めてる募集に対して応募をしてたんですけど。
それでちょっと他の業界の転職活動とかよくわからないんですけど、研究者の場合は結構特徴的かなと思うんですけど、面接に呼ぶっていう時点でもう結構かなり絞り込まれてるんですよ。
2、3人とかぐらいに絞り込まれてて、かなり見込みがあるっていう、なんかそういう感じなんですけど。
で私がある時、いろいろ公募出してる時に面接に呼んでもらって、プレゼンテーションをすることになったんですね。
面接ってだいたいその、いわゆる普通の就職活動みたいな感じとはやっぱりちょっと違って、これまで自分が何をやってきたかっていうのをスライドパワーポイントとかで作って、それでここで何をしたいかみたいなのを話すみたいなのがオーソドックスな面接のあり方なんやけど。
でそれに対して質問されて質疑応答するみたいな。
でそれはやっぱりすごいチャンスだったので、すごく頑張って準備したんですよね。
確かそれ4月からの採用で、だからその準備をお正月とかにすごいやってたんですけど。
で、すごい頑張っていろんな人に見てもらって助言してもらったりとかもして、
で当日望んで、やっぱりちょっとその感触とかよくわからなかったんですけど、でまぁ終わったと思って安心して帰って、でその翌週ぐらいだったかな、忘れちゃったんですけどタイムスケジュールは。
そのしばらくして封書が届いたんですよ、家に。でどうやろうと思ってドキドキしながら開けたら不採用だったんですね。
でそれってでも普通に考えたら、なんか頑張って申請書作ってそれを通過して、でその後またすごいお正月もなく頑張って準備して、でようやくこぎつけたチャンスを逃してがっかりするはず。
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めちゃくちゃショック受けそうやね。 じゃないですか。すごいホッとして。
でその時に、あ、私これ別にこの仕事に就きたかったわけじゃないんやって気づいて、確かにその、何やろう、
まあ応募してできんことはないけど、これに絶対になりたいって思ってなかったんですよ。
ちょっと地理的な問題とかもあったりして、で、ああよかったこれでいかんで済むぐらいに思っちゃって。
で、なんかその時にすごい我に返って、あれ自分何してるんやろうと思って、なんか私はただ研究という営みがまあ好きで、
それをやりたいなと思ってて。
でまあ教育も興味はあるんだけど、でもなんかその、なんだろうな、すごいやりたいから頑張ってるって言うよりも、
もうなんかそういう自分の中でのこう、優先順位がいつの間にか変わってしまっていて、
研究職というポストというか、ある意味、安心感。
自分は研究者でいられるんだっていうのを持ち続けるために、なんか頑張ってるっていう側面に気づいてしまって、
ちょっと考え直そうと思って。自分の人生ってやっぱり、あとバリバリ働けるのって30年ないぐらいかもしれない、ないぐらいだよなと思って。
その期間を同じようにまた採用されたとしても、申請書をすごい書かなきゃいけないっていうのは、
今、研究の資金っていうのはすごい、研究室ごとに何百万ね、みたいな感じの割り振り方って全然されてなくて、すごく少ない額しか、何もせんでももらえる額っていうのはなくて。
じゃあどうやって研究のお金取ってくるかっていうと、みんな競争的資金っていう、競争コンペティションして買った人がもらえるっていう。
だから結局また申請書書いて、面接受けて、この人はOKってなった人がお金もらえるっていうシステムに基本的になっちゃうのよね。
そうなると、申請書書いてるのか研究してるのかわからんみたいな状態になってしまったりとかするっていう現状もあったりして。
もちろん上手くやってるというか、能力の高い人はそれもちゃんとこなしてっていうのはできるんだけど、
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私にはそれはあんまり得意でもないし、なかなか溺れて、このまま自分が思ってる形になる未来っていうのが描けなくなっちゃって、この道を進んだ先にあるものが、
自分のこれからの人生をとして、としてって言ったら言い過ぎだけど、人生のうちでの長い時間をかけてやりたい、やるべきことなのかなっていうのをすごい考え始めて、で犬飼ったんですよ。
え?そこに急に呼ぶの?
でもね、そう、結構本当に関係してて、やっぱり研究とかしてると。
それで、この今の仕事をしたんですよ、になるかと思って。
そう、ああいう瞬間がつながってたんだけどね。どのぐらい私の中で転換点だったかっていう話で。
私も子供の頃からずっと犬が飼いたかったんですよ。
実家が商売してて、そのお店の横がペットショップだったんですよ。
えー、身近。
そうそう、犬をよく売ってて、でそのワンちゃんと触れ合ったりとかしてたっていうような現体験というか、あったりして、もうなんか大人になったら絶対犬飼うとか言ってて。
で、その夢というか、はずっと持ち続けてたんですけど、その出張とかがやっぱりすごく多くて、自分でコントロールできない部分がめちゃくちゃ多くて、
やっぱり犬なんて飼えないなーとか思ってたのよね。
でもなんか、私が犬を飼うっていう本当に小さな、小さなって言ったらまぁあれですけど、本気だしたら叶えられる夢を諦めて、
そんな、なんやろ、全てじゃないけど、自分の仕事以外の生活を全て犠牲にしてやっていく道なんだろうかって思ったのに、
私は犬も飼わんと、何をしてるんやろうじゃないけど。
いいんじゃん、犬ぐらい飼ってもって思ったのよ。それで犬飼ったのね。
- なるほどね。なんか、あれやな、飼わないよーと思えば一応物理、なんかそんなにハードルはね、高くはないことを。
- なのにそれを当然諦めなきゃいけないってなんか思い込んでて、あれでもそれってなんかおかしくない?って思って。
- 本当にやりたい、やろうと思ったらやりたいことを置き去りにして、なんかそれで人生なんてことやんな。
- そうそうそう。私、やっぱりなんかその、本当に時間って限られるからさ、自分の興味の方向っていうのも考えてみて、
私すごい海の生き物とかも好きで、研究というか科学の営みっていうのはすごく好きというか、ずっと続いていってほしいし、健全な形で発展してほしいなって思うんだけど、
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それに貢献する道筋っていうのは必ずしも自分が専門性を高めて、海面についての一つでも多くの生態を解明するっていう道だけじゃないなと思って、
特にその、自分が絶対に知りたい、自分の手で解き明かしたいっていう気持ちが強い人やったら、それはもう間違いなく天職でその道だと思うんだけど、私は結構自分の中で棚下ろしというか整理をして、あんまりそうじゃないなと思って、
自分の中で知る総量というか、矛盾のない世界の全体感みたいなのを掴みたいなっていうのが強くて、自分で解き明かさなくても他の人がやってくれたら、それを知っていって、それを自分の持つ世界像にどんどん肉付けしていって、
アラビア語の話をした時も言ったんですけど、なんとなく私、全体像を知りたいなっていう気持ちがすごいあるんですよ。それは何に対してもあって、その時に自分が専門性を高めるっていう方向だけじゃなくてもいいなと思ったんですよ。
だから、海面についてももっと多くのことを知れたら、もっと海面の全体像がわかるじゃないですか。そうなった時に、研究者が少ないから自分がやるっていうのはすごい大きなピースになるし、やりがいにもなるし、今もまあもちろん細々とではあるんですけど、研究も続けてるんですけど、やっぱそれだけじゃなくて何が大事かっていうと、興味を持ってくれて、理想的にはそれこそ今のね子供とかが、
すごい海面って面白いじゃん、僕も海面学者になりたいとか言ってくれるような状況を準備してあげるっていうのが、私のできることでやりたいことなのかもと思って。海面だけではもちろんなくて、科学全体にとっても。
その方が自分が納得もできるし、役割としても文章を書くのがもともと好きだったりとかもあるし、役立ってるかなと思ったんですよね。それもあって、海面の本をまず書こうと思って、それで着手したんですよね。
まずできることからと思って。それで海面の本を書きつつ、科学的な知見というか、論文とかってみんな読めないじゃないですか。読もうとも思わないし、そういうのをちょっとでもわかりやすく伝えるような文章を書いたりとかするライターですね。
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ライターの仕事を始めるようになって。それが2018年くらいか。もう6年。5年か。それぐらいで始めて、だんだん一筋縄ではいかないなりに軌道に乗ってきて。
やっぱり一人でもできることってどうしても限界があって。例えば私は文章はそれなりに書くんですけど、絵とかデザインとかは全然できないんですね。でもやっぱり一目で見てわかること。でも文章で書くとちょっとまだるっこしかったりとか、パッと見たらわかるのにっていうことっていっぱいあったり、絵を書いたらすごくわかりやすくなったりとかっていうことはよくあるので、
やっぱりイラスト、サイエンスイラストって言うんですけど、そういう科学的な情報がちゃんと反映されつつも、わかりやすいようなイラストとかも大事だなって思うようになってきて。それで仲間探しというか、もっとやりやすい形を整えたいなと思って。
去年、2022年に会社を作ったんですよね。
なかなかやっぱりその。
面白い人生だな。
まさかこんな会社作るなんて思いもせんかったけど、いろいろ考えていったら、やっぱりそういうまず箱を作って、そこにみんな集ってもらって。
なかなかその研究者側の気持ちも自分ではわかるつもりでいて、それこそ申請書を書いたりとか、一般の人に自分の研究を伝えるとかっていうのをやりたいなって思ってても、なかなか時間がなかったりとか、自分でやり方がわからないこともあるし。
で、いわゆる普通の広告会社に依頼したら、すごい派手な文言かつイラストもちょっと性格じゃなかったりとかいうので帰ってきちゃって、それでもそういう会社に頼んだらあかんわって思って、自分で全部やっちゃうみたいになってる人とかもいたりするし。
- なるほどな。やっぱりさ、人に注目されたりとか話題になる話題性っていうのって過激だったり面白かったりっていう。
- そうなんだよね。わかりやすかったり。でもなかなかその科学ってさ、科学だけじゃないと思うんだけど。
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- 結構反視するよね。性格性とかそういうものが大事じゃない。
- そうそうそう。だから、そうね、本当に絶妙なんだけど、そのさじ加減は本当にいつも私も難しいなと思うんだけど、でもやっぱり受けるようにっていうのとやっぱり違う軸を持たないといけないから。
- だからそれを安心して頼める場所があんまりないよねっていうのも問題意識であったりして、そういう場になれたらいいなっていうのもあって。
- で、今その、科学ってさ、もう私たちこうやって今収録してるのもさ、マイクがあってさ、で、なんか今日暑いからさ、クーラーつけててさ、もっと言ったらこの建物だってさ、ちゃんと崩れないように計算された建物の上に住んでてさ、もう本当にその科学とか技術やなってもう意識もしないけども、私たちそれなしで。
- 掃除しまくってるよね。
- そう、成り立たなくなっちゃってるからさ、もうそれをこう、なんかわからない、もうなんかシャットアウトみたいにしちゃうのって本当になんか結構QOLというか、生きる質に関わるぐらいのもう問題っていうかなんかものになってしまってるからさ、
- それはやっぱり、ちょっと理解する、助けになるようなものっていうのは、単純に言うとつなぐっていうことなんだけど、そこのギャップを少しでも埋めれるようなことができればいいなと思って、
- 今結構その、そういう分野って科学コミュニケーションとか言って、結構大事だよねみたいなことは教育の現場とかでは言われたりするんだけど、結構それの問題ってまあいろいろあるんだけど、
- 一つ私がすごい、自分でやらなきゃなというか、まあ使命感につながったのは、結構手弁当というか、その活動でお金を稼げてる人ってあんまりいないんだよね。
- だから、どっかの博物館とかのボランティアとか、そういう形でやってるとか、有志の方がその研究者の人を呼んできて、普通の人と話すサイエンスカフェっていうような催しをしたりとか、でもそういうのってなんか仕事としてやってるんじゃなかなかなくって、
- 学校の先生だったりとか、興味のある人とかが有志で、まあ本当にちょびとのお金とか、完全なボランティアとかでやってるような状況で、全然その商業ベースじゃないんですよね。でもやっぱりその健全に発展していくためには、その分野でお金を稼がないとやっぱり、
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- 持続性がないもんね。
- そうなんだよね。と思って、やっぱりそのなかなかね、その研究者の方も自分でできるわって思ったりするようなことも多いんですけど、やっぱりその大丈夫で安心して任せていいんだよって言えるようなものを作って、で、ちゃんとそのお金も稼げるっていうようなものに、
- 科学コミュニケーションっていう、科学コミュニケーションなのかもちょっと、まあわからないんですけど、だから私がやりたいのが。でもそういう人に伝える、わかりやすく伝えるっていうことが、ちゃんと商売としてやっていけるように、将来的にはなってほしいなっていう思いをすごく込めて、やった、やったというか、あの会社を設立したんですよね。
- なんかその、科学もいろんなフェーズがあって、なんでもそうだと思うんですけど、それこそ明治とかに日本に入ってきたとき、いわゆる近代科学が、っていうのは、それはもうその中身を吟味して、で追いつけ、追い越せで、とにかく日本人がこう、理解できるような形にこう、整形し直してというか、あの輸入した概念を、これってどういうことなのよっていうのをちゃんと噛み砕いて考えて、
で、ちょっと広げていくっていう、なんていうかな、インテリゲンサの中で、- インテリゲンサって何?
- えっとね、知識階級。その、もともと大学とか行ってるような、もう本当に、あの学問をする人。- インテリ層?
- インテリ層やね。インテリ層の中でぐるぐるしてて、でもそれって確かに大事な段階やって、そのときにこう開いていくって言ったってさ、もうだって中で整理されてないんやからさ、なんか学問って何ですか?とか言われて、ちょっと芸術とどう違うかまだわかってないんだけど、みたいな状況ではさ、やっぱり広めていくっていう段階ないやんか。
だからそれは私は、まあなんか必要な段階だったと思うんだけど、でもなんか今ってさ、もう本当にさっき言った通りなんやけどさ、私たちの中にも技術っていうのはもう完全に埋め込まれててさ、- アクセスもできるしね。それこそちっちゃい子供でもさ、知りたいと思ったことがあったら。
- そうなんだよね。そこでやっぱり、なんかもう道徳的な問題とかもさ、やっぱり技術にすごく絡むやんか、遺伝子のゲノム編集とかさ、まあ何でもそうだと思うんだけど、そのときに判断するときに、やっぱりちょっとでもわからんと、やっぱ判断自体が誤っちゃうから、土台が違ったらさ、誤るっていうか、
自分が、え、そんな風に私したつもりないのにっていう判断を自分がしちゃうっていうのはすごい不本意で気持ち悪いことだと思うから、そうならないような信頼できるものを作っていかないと、そもそももう科学っていうのがさ、そうやって社会と密接に結びついてしまった以上、
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なんか発展もさ、できないと思うんだよね。そこを議論をしていかないと。その議論の石杖になるようなものを、ちゃんと信頼できるものを、この人に、この会社に任せようって思ってもらえるようなものが、私の会社じゃなくてもいいんだけど、もっともっと出てこないと、
やっぱり研究者だけ、大学の候補だけとかだと進んでいかないと思うんだよね。科学ってやっぱりちょっと難しい、怖いみたいな感じで、私わからないから偉い人の言うことでとかってなると、どんどんどんどんなんか、像下の塔じゃないけど、なんかその界隈だけの話で、いっちゃうと思うので、そういう問題意識というかがあって、
なんかやっぱり人間の営みなので、科学ってなんかちょっと客観性を重視とかさ、もちろんそれはあるんだけど、それ以上にやっぱり人がなす営みなので、これから科学が進んでいく道には必ず科学者じゃない人たちの力が必要になると思うので、
なんだろうな、できるだけ誤解のないような形で進めるときに、信頼できる場所として、かつお金を稼げる場所として、こういうのができるよっていう仕組みを作る第一歩になればいいなと思ったんですよね。
っていう、なんか先週まで、イマジナリーリスナーとかふざけん尽くしてたのに。
めちゃめちゃマジで、振り幅がすごい。
その社名のところをちょっと聞きたいんだけど、実はちょっと本とね、会社名が関わってるんですよね。
そうなんですよ。私のすごく好きなイタリアのイタロー・カルビーノスっていう作家の方の、「見えない都市」っていう小説があるんですけど、それに出てくる町の名前から取ったエウサピアという会社の名前にしたんですけど、
この小説が本当にすごく面白くて、なんか今喋ってて、自分ですごい、私ってやっぱり幻想っぽいような、ちょっとそういう、夢かうつつかみたいな世界観のものが好きだなと思ったんですけど、これも本当にそんな作品で。
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フビライ藩の神科、マルコ・ポーロがフビライ藩に仕えてて、いろんな仮想の都市、架空の都市を巡って、それぞれの都市がどういう町であったかっていうのを語って聞かせるみたいな、そういう形をとってる幻想小説みたいな。
なんだけど、それの都市が、紙幅もそんな一つ一つの都市は全部で55の都市が紹介されてるので、短くて、すごい偶和的で、具体的な描写っていうのはなくて、どこも本当に幻想的な都市で、例えば人間関係がクモの巣みたいに結ばれると、例えばここの人とここの人が仲良くなりました。
インターネットみたいな。
になったら物理的な糸が出ちゃう都市とか。そうなると、どんどん糸が出すぎちゃう。そうなると暮らしにくくなるから、人々はその街を捨てて、また違うところに行くとか。そういう都市があるよとか。
どういう具意があるのかなって、やっぱり考えちゃうような。そういうメルヘンじゃないけど、独特の世界観の話で面白くて。
なぜエウサピアにその中でしたかっていうと、
エウサピアは生者の都市の地下に、生きてる人たちが住んでる都市が地上にあって、その地下に生きてる人たちの街を完璧に模倣した建物とかも一緒で、そこに地形とかも一緒の、完全に同じ形の都市があって、
でも何が違うかっていうと、そこには生きた人たちはいなくて、死んだらそこに運ばれていく。パン屋さんやった人は地下の街でもパン屋のポーズでずっといるっていう都市で、死者の都市だから、死んだ後もその都市は変わっていかないはずなんだけど、死者の都市の方は。
地上の都市が変わっていくと、なぜか地下の都市も同じように変化していくんだって。死者の都市の方が逆に変わっていくと、その変化をなぜか生者の都市も同じように変わっていくっていうような、双子の生者と死者の都市っていうのがあるっていう設定というか、のがエウサピアなんだよね。
それの実際のところは、だからどっちが生きている者の都市で、どっちが死んでいる方の街かっていうのは誰にもわからないっていうような、そういうような結びで終わってる話なんだけど、多分いろんな読み方がだからあると思うんだけど、私はちょっとこのお話にその、今の生きる私たちとその歴史、これまで、ちょっとなんか真面目でちょっと恥ずかしいというかなんだけど、
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なんかその関係にすごい似てるなと思ってさ。
なんか死んでった人たちが紡いできたのが歴史やんか。
で、私たちはその人たちが踏みしめてきた足跡の上で、その価値観とか考え方を作っていって、それにすごい、これまでの歩みに規定されてるっていう部分があるやんか。
で、一方で、でも逆にその価値観とかさ、考え方が現代変わっていくとさ、今まで見えなかった歴史の一面というか、違う顔が見えてきたりするやんか。
そのなんか、一方向じゃなくて、双方向的な営みの中で、歴史というか人間の営みっていうのは紡いでいくんやなと思って。
科学もさ、一緒やなと思って。
なんかこれまで積み上げてきたものがあって、でもなんか今はこういうふうに見えてるっていうものがあるけど、それがこれってでも本当はそうじゃなかったとか、こういう新しい方法ができたとかになると、
その視点でまた過去を見直してみると、また全然違う双方というか、姿を持って立ち現れて、新しい道がまた示されたりとか。
そういうような、今の科学って結構、あまりに今に重きを置きすぎてるのかなっていうような気がしたりしてて。
でもやっぱり人の営みとして、歴史の上で進んできたっていうところをもうちょっと大事にしたいなって思ったんですよね。
そのイメージと重ね合わせて、エウ・サピアっていう名前にしようと思ったんですよ。
あとは単純に、エウって言うとかも読むんですけど、しんのとかよいとか、なんかそういう意味があって。
しんのって真言のね。
で、サピアはなんかホモ・サピエンスの、サピエンスとかもそうなんですけど、血とか、そういう意味もあって、だからまあそこにもかけて。
血ってあの汁の? そうそうそうそう、そうです。
ラテン語なんよな、あれラテン語じゃなくて雑語? 雑語雑語。
だからちょっとその本当の意味はカルビーノにしかわかんないんだけど、カルビーノもわかんないかもしれない。
っていうのがあってね、すごくね、もう本当に幻想的な良い本なので、ぜひぜひ、イタロウ・カルビーノの見えない都市、読んでいただきたいです。
今回はあの椿さんの、なんかもうあれやね、仕事というよりも本当、人生というか生き方みたいなものともう分けられない。
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まあみなさんそうやけど、特に密接にね、分断できないような、椿さんの仕事と生き様を聞いて、でやっぱり本が絡むんやなって。
そうだね、やっぱ大受注かなんか、うーんって思った時に最後にどうしても思い浮かばなくて、社名どうしようって思って救いを求めたのは本でしたね。
なんかちょっといっぱい都市の名前出てたし、これあるんじゃんと思って読み直した。
素敵な名前よね、音も綺麗だしね。
ありがとうございます。
じゃああの番組のあの、1話2話の説明文のところに、椿さんのエウサピアのリンクを貼っておきますので、
ご興味あれば。
はいすごいデザインもね、めちゃくちゃ美しい。
これはもう私はイメージだけを伝えてノータッチで、ただただデザイナーさんのお力なんですけれど。
そう、ホームページも素敵なんで、よかったら覗いてみてください。
ありがとうございます。
はい、では今日はこの辺でお別れしたいと思います。
では良い読書体験を。
良い読書体験を。
本の虫のすすめでは皆様のご質問ご感想をお待ちしています。
取り上げてほしいトピックも随時募集中です。
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アフターファイブに読書トークをお楽しみください。
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