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2025-08-22 34:04

Ep.130 国際港湾の盛衰に翻弄された労働者の姿を描いた本

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物流業界の変質に伴い、変貌を遂げてきた台湾・基隆港の労働者の人生を書き留めた本をご紹介。お便りむスむスでは私たちの認知できない世界の深みに触れるような読書体験についておしゃべりしています。


【紹介した本】

・魏明毅(著) 、黒羽夏彦(訳)「静かな基隆港 埠頭労働者たちの昼と夜」みすず書房

・上橋菜穂子「香君1 西から来た少女」「香君2 西から来た少女」「香君3 遥かな道」「香君4 遥かな道」文藝春秋

・D・G・ハスケル(著)、屋代通子(訳)「生物界は騒がしい 音と共に進化した、生き物とヒトの秘められた営み 」築地書館


【よりぬき】

・心理カウンセラーの著者が感じた素朴な疑問、年々患者が増え続けるのはなぜか?

・台湾、基隆港の港湾の盛衰

・状況の変化に翻弄される港湾労働者の姿

・グローバリゼーションの只中で光を見出そうとする本

・私たちに知覚できない「香り」や「音」の世界を描いた本

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
本の虫のススメ。一応、残暑と言われる季節に差し掛かってますけれども、暑いんでしょうね。
どうなんやろう、暑いやろうな。普通毎年この時期はまだ暑いですよ。
ねえ、ちょっと我々まだね、あの、8月のタイムラインに乗ってない。
あ、そうそうそう。私たち鳥ダメ派なんで。
そうなんですよね。
そう、なので、あの、実はまだ7月なのでね、ちょっとどのくらい暑いかわかんないけど。
暑いのはわかってないんだけど。
涼しくなっているといいな。
本当にね。
まあでも、お盆を越えると多少、朝夕はね、多少ね、変わってくるかなっていう気はするけど、そうであってほしいな。
本当に。去年はさ、なんか確か私の記憶ではさ、11月やのに半袖じゃないと暑いぐらいの日とかあったことが。
そういう日あるよね。
あったよね。だからちょっと本当、今年もね、どうなるんやろうっていうのが、ちょっとドキドキしてるところではありますね。
そんな夏の盛りか、残暑かに、椿さんは読書はしてますか?どんな感じですか?
えっとね、うん、すごい良い、素晴らしいノンフィクションに出会いましたね。
えっと、タイトルが、静かなキイルン湖。
キイルン?
キイルン、あの、地名ですね。
港、台湾の港の名前。
で、サブタイトルが、不当労働者たちの昼と夜。
著者が、ギ・メイキさんという方で、翻訳されたのが黒羽夏彦さんという方です。
で、このギ・メイキさんというこの著者の方が、ちょっと変わった経歴でして、
もともと心理カウンセラーをされてて、それで、心理カウンセラーやから毎日こう、ちょっと心にもやもやとか、
あの、ちょっとカウンセリングがまあ必要な人たちと、毎日毎日会うんですよね。
そういう状況の中で、この著者のギさんは、全然その自分が仕事を続けても、年々患者が増え続けていくっていう状況にすごい戸惑いを覚えて。
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自分がやってることの、何だろう、成果じゃないけど、向き合ってても患者さんが減るどころか増えてるっていう現状を目の当たりにされて。
それで、患者の個人一人一人をそのカウンセリングで整理、心の整理していくっていうのももちろん大事なアプローチだけど、それだけじゃなくて、もうこの普通に生きているっていうだけで、
心の中にすごい葛藤とか、辛い思いとかを引き起こすっていうその社会の構造自体に、ちょっと目を向ける必要あるんじゃないかっていうような問題意識からスタートして、文化人類学を学ぶために大学に入り直したっていうようなご経歴の方で。
で、そのギーさんがフィールドワークに選んだ場所がこのタイトルにもなっている台湾の港湾都市、港町ですね。のキールンっていう、なんていうの、基盤の木に法隆寺の龍ですね。で、キールンって読むんですけど、キールン湖。
葛藤さんも最初、あのタイトルを読んだ時に、なんて、ちょっと聞き取れなかったと思うんですけど、私も一緒でキールン湖っていう地名自体、私も知らなかったんですよ。で、それで、なんでかって言うとっていう、なんかその、そんな簡単にまとめられるものでもないんですけど。
昔、その1970年代から80年代ぐらいは、世界第7位の規模の不当やったらしいんですよ、キールンって。
不当って、何々不当とか。
そうそうそうそう。コンテナとか物とかの積み下ろしとか、積み出しとかをする港っていう意味です。その不当やったんですよ。7位、すごいじゃないですか。
すごいよね。
すごい大規模だったんですけど、その、中国がすごい経済的に成長してきたりとかっていうんで、台湾のその世界的な地政学的な立ち位置っていうのがどんどん変わっていったりとか、なんかその台湾側のそのキールン湖っていうのの位置付けっていうのもどんどん変わってきたっていうのもあって、
コンテナっていうのが、すごい不当労働者の労働体系を大きく変えたやんか。
よくわかってないねんけど。
そう、これ結構前のベストセラーでもあった本なんやけど、そのコンテナってすごい発明やったんですよね。コンテナ船とかってトラックでさ、大きい四角の箱を運んで、それをそのまま船に詰めるようにしてるやんか。
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すごい効率化が図れるようになったっていうことやな。
そうそう、そうなのよ。で、基本的にそれまでのコンテナが普及するまでの港での労働っていうのは本当にその肉体労働、朝袋じゃないけどそういう荷物を手で積み下ろしたりとか、機械があってももっと簡単な、
大掛かりな、ビルの何回、何十回分にもなるクレーンで釣るとかじゃなくて、もう本当に人が一人で動かす四本みたいなので積み出したりとか、もう全然労働の形態っていうのが変わってしまって、そうなると取引に向いてる港自体も変わるんよね。
そういうトラックとかがたくさん。
大規模な。
そうそう、より大規模に入れるところ。だから中途半端に多分発展してたところっていうのもあったりして、このキールンっていうのが国際的な港としての経済力というか、プレゼンスがどんどん下がってきた。
影響力がみたいな。
影響力とか取引量とかがどんどん下がって、そういう変化が主に70年代、80年代ぐらいに起こって、そのただ中で港で働いていた男性肉体労働者たちがどういうライフヒストリーというか変遷を経てきて、
今、その社会構造の変化とともに、彼らのその精神的な部分の変化もどうあったのかっていうのをフィールドワークで調べたっていうのを下敷きにした本で。
これがもうなんていうの、一言でそんな簡単にまとめていいのかわからないけれど、やっぱりすごい新自由主義というかに、もうすごい経済的効率化だけを追い求める中で、人がこうどんどん部品化されていく中で、それをこうどう受け止めるかっていうのが結構その、
自分が能力がないからだっていう受け止め方になってしまうっていうようなその構造的な問題とか。
なんか今にも全然通じるような。
今にもてか、本当に今のどこでも起こってる話で。
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これは、だから確か最後の章が、タイトルがまさに、彼らは私たちであるっていうタイトルなんだよね。
すごく、だからある意味、全く人ごとではない話なんだけれど、すごくそれがやっぱり、その数人の登場人物というか、実際にこの著者のギーさんが話を聞いて、
加わっていって、一緒に港を歩いたりした話を聞かせてもらった人たちの物語を軸に進んでいくから、なんていうんやろ、やっぱり追体験するような辛さもあったり。
一方ですごい印象的だったのが、港を出入りしてる船ってすごい、ちょっと海が荒れたりしたら、この時間に入りますよって言っても、まず入れないわけなんだよね。
で、他に違う船が入ってたら、またなあかんしとか、だから不規則な労働形態っていうのがすごい大きな特徴で、だからすごい反映してたというか、めちゃめちゃいっぱい荷物がバンバン来てた。
80年代とか70年代とかは、もうだからバンバンひっきりなしに船が来るけど、人が足りんみたいな状態やから、もう本当に詰め処みたいなところに、その労働者の人たちはずっとタムロというか、指定店で仕事が来たらいつでも飛んでって、
で、船会社の方はもう人手が足りひんから、チップ渡すからやってくれみたいな感じで、労働組合が普通にお給金として払ってくれるのの他にもそういう苦収入みたいなのもあったりして、すごい豊かな時代があって、そうなると何が起こるかっていうと、
精神的な繋がりとか、仲間うちの意識とかが家族じゃなくて、仕事側、自分の労働者仲間とか、あとはいっぱいお金あるから飲みに行くお店の女の人とかの方と深く結ばれるっていう状況になって、
だから、今、じゃあその後どんどん荷物とかも減ってきて、状況は変わっていく、悪くなっていくわけやんか、そうなると、それまで切り離されてた家族というものと向き合わざるを得ないというか、行く場所ないから、家にいる父親になって、
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でも、もう家族と、
関係性が構築されてない状態。
その、辛さみたいなのも、日本の定年後の男性の問題とかとも繋がるような話かなと思ったりするんだけれど、
そういうなんかその、人手がこう、機械化されたことで、なんか労働の質が変わって、必然的にそう、切り捨てられ、誰かが悪いとかサボってたとか、そういうんじゃなくて、切り捨てられる人っていうのが出てきてしまって、
で、それが、そうなった人たちの心のありようにどういうふうに関わってくるかっていうところから、その、もともとこの心理カウンセラーっていうバックグラウンドもある著者は、その、患者が、心理カウンセリングの患者が年々増えていくっていう現状を自分なりに紐解こうとしているっていう本ですごくね、なんか、
結構難しいことを本にまとめようとしている本というか。
うーん、まあでもそんなあの難しい、私の説明がまあ下手なんやと思うけど。
いやいやいやいや。
あのテーマの深さというか、あの、っていうこと?
そうそうそうそうそうそう。
なるほどなるほど。そうなんだよね。だからその結論が出るっていうわけではないんだけど。
そうそうそうそう。
すごい、ただあの、希望を見つけたいっていう気持ちがすごいあって、で、それがまたこの本を、その一般的なフィールドワークとか、その人類学的な本とちょっと一線を隠してる。
ところかなと思うんだけれど、もうこの変化っていうのはなかなかもう止めにくいっていうのは一つあるやんか。
うんうん。
もともとその接続されていた場所は切り離されるっていう、そのプロセスをまさに描いた本なんだけれど。
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すごい印象的な一節があったからちょっとあの読みたいなと思うんですけど。
ちょっと中略するんですけれど。
そのような能動的な主体であれば、資本主義によって定められた現代や発展の行進にただただ追従し、グローバル経済市場のロジックに服従するようなことにはならないだろう。
むしろ逆にそうした主体は、接進自由主義化の政治経済的な価値観や文化からいかにして独立して、グローバルサプライチェーンが引き上げていった後をどのように引き継ぎ、その必然的規決をどう書き換えるかを決めることができるのである。
むずかしいんだけど、私が読み解いた、読み解いたっていうわけじゃないんだけど、もともとのローカルな文化とかコミュニティっていうのがあって、それが完全に引きずられるグローバリゼーションの波に完全に飲まれてしまったら、
それはもう一つの道筋しかたぶれないっていうわけではなくて、もっと能動的な行動、行動って言ったらいいのか、なんて言ったらいいかわからないけれど、自らのその考えというか、姿勢で変えていくこともできるんじゃないかっていうようなことを言ってて、
その希望っていうのを、このキールン校の中にその希望があったっていうわけではないんだけれど、むしろたぶんこのすごい景気のいい時代を経験して、そして今居場所のない父親になってしまった多くの労働者の人たちの聞き取りから、
この著者が一つの精神的な、このキールンの典型的な男性労働者たちの心の軸、考え方、行動の軸としてつかんだ言葉として、ガウランっていうのが挙げられてて、それがどういう意味かっていうと、ちょっと多分ニュアンスがあるから難しいと思うんだけど、
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できる男みたいな意味らしくて、で、そのできる男ってなんやって言うと、その外で歯振りがよくって、で、家との関係ではなくて、そのたくさんの女性とつながったりとか、そういうなんか、
家のことももちろんないがしろにしているし、景気のいい時代にしかありえないガウラン像っていうのを理想として、で、そのガウランになれなかった俺っていうのは、いくら経済的な衰退の意図をたどってる場所だと言っても、
何らかの形で、観光を今すごい推してたりとかするらしくて、そっちの方面でなんかうまく食いつなぐというか、成長してるガウランがだから、いたりするわけ。それと比べて、そのだから、引き比べて、その自分はガウランじゃない、自分の能力がないっていう風に、
ほんの一瞬の光景気の時代にできたその巨像を、巨像をずっと追い続けるっていう、そういう変な文化の水路ができてしまって、それがこうグローバリゼーションの引き上げた後も必然的にこう、人の心を傷つける価値観体験みたいになってしまったっていうのが、
ちょっと、もしかしたらちょっと違うかもしれないんだけど、私はそういうことかなと思って、そういう文脈で考えると、むしろそうじゃない考え方の水脈を作っていたら、もしかしたら、違う心のありを、グローバリゼーションのその勝手に接続されて、勝手にちょっともう様子見みたいになったらこう、
接続が解かれて、みたいな、ありをっていうのは変わらなくても、心のありをっていうのは変わり得るんじゃないかっていうのを、著者は多分漢字で、それを希望というか、そして最後に提示してるっていうところが、すごく印象的な本だったかなと思って、ちょっとなかなかね、難しいんだけれど。
すごい言葉で説明するのも難しい感じがするね。
ぜひ読んでほしい。
すごい、なんだろう、どこにでもあった話だと思うから、ぜひ読んでほしいなと。
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なんか自分自身が思っている自分像であったりとか、自分だけじゃないですけど、いろんな価値観を規定しているものが、自分自身に起因というか、その、よるものだけじゃなくて、その社会の構造のいびつさから、自分自身が追い詰められてしまったりしてるっていうようなことに対して、なかなか思い至ることって難しいと思う。
自分自身がその社会が原因なんだって健全に、その社会のいびつさが原因だって健全にそれをこう、客観的に理解できるのってなかなか難しいと思う。
やっぱりだから、この著者も自分の内的な問題というよりも、もともと心理カウンセラーだったっていうところで、やっぱり私だけじゃなくてみんなおかしいって多分思ったっていうのが一つその客観性っていうか、やっぱり多色的になるとやっぱ違う。
そうそうそうそう。
そうじゃなくて。
そうじゃなくてね、そういうことそういうことそういうこと。
そういうふうな立場、絶妙な本当にバランスでアプローチできてると感じたんだけど、それはやっぱりそういうバックグラウンドがあってのことなのかもしれない。
このキイルンっていうのは本当に経済的に苦しい状況になって、2000年代は、いわゆる中年男性の自殺率が台湾で一番高い場所だったっていうのはあって。
それでそういうところってやっぱり、何か社会構造の方に目を向ける必要があるんじゃないかっていうので丁寧にその聞き取りをされたっていうような本になる。
自分自身でなかなか気づけない、陥ってしまってるような考えに対して、一つ希望を与えてくれる本なのかなっていう。
そうじゃないよって、あなたの能力とかのせいじゃないよっていうことだったりとかさ。
だったり、そう思い込んでる裏側にはガオランだけっていう、その巨像のものの価値観が、それが素晴らしいっていう価値観っていうものだけが価値観じゃないよっていうか、説明が難しいんですけど。
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それだけが、それを良しとするのだけが、世界じゃないよっていうことを教えてくれるというか。
そういう意味で、ちょっと繰り返しになっちゃうけど、その希望をもらえる素敵な本なのではないかなって聞いてて、読んでないから言えないけど思いました。
この、静かなんですよ。本当に書きぶりが、静かなキイルンコっていうタイトルなんですけど、その静けさの向こうにある寂しさとか、もうすごくなんか胸に迫ってくる本ですね。
さすがの、さすがです。
なるほど。ということで今回は椿さんが本を一冊紹介してくれましたが、もう一つお便りをいただいてますので、いつものお便りコーナーいきたいと思います。
せーの、お便りむすむす。
お便りむすむすはお便りを通じてリスナーの皆さんと楽しく交流するコーナーです。
今回はホームスネームぺこぺこあおむしさんからお便りいただきました。
ありがとうございます。
かわいいお名前。
かわいいね。はらぺこあおむしならぬぺこぺこあおむし。さらになんかお腹が空いてる感じがしてかわいいよね。
そうやんね。葉っぱあげたい。
かわいい。ではちょっと佐藤が読ませていただきたいと思います。
はい。
椿さん佐藤さんはじめまして。
はじめまして。
いつも0歳の息子を寝かしつけた後の静かな家事タイムに拝聴しています。
うれしい。
うれしい。ありがとうございます。
次に読む本のストックがないとソワソワしてしまうたちなので、本物はありがたく聞いて読みたいと思った本をブックログに登録しておき楽しみにとっておいています。
さて今回胸打つ作品に出会ったのでお便りしてみました。
植橋菜穂子さんの香君。香りに君って書いて香君ですね。香君というファンタジー小説です。
波外れた嗅覚を持つ主人公が香りから様々なことを読み取って世界を変えていくそんな物語です。
面白そう。
面白そう。
ファンタジーですが自然科学的な視点で描かれ、目に見えない生き物たちの香り、過去科学物質による賑やかなやり取り。
それが見える主人公と見えない人間たちの苦悩と挑戦が美しくて久しぶりにどっぷりと世界観に浸かれる物語でした。
おこがましいながらお二人が好きそうな内容だなぁと思い、もし読まれていたらぜひ感想をお聞きしたいですし、読まれていなければぜひぜひ読んでみてほしいと思って勇気を出してメールしてみました。
27:03
ありがとうございます。本当にずうずうしいお便りですみませんって書いてあるんですが、全然そんなことないです。すごく嬉しいです。
とんでもないずうぐしなんて。
ありがたいです。
もちろん無理にとは言わないのですが、どうしてもお二人にお伝えしたくて、そんな恐縮なさらないでください。
嬉しいのに。
その後にこんなずうずうしいメールを送ったことをお許しくださいって書いてあるんですが、そんなことないですから。
打ち込みや。
冗談ですからね。冗談ですから。
だってなんかそんな。
そんなことでご配慮いただいて。
本当にありがとうございます。
嬉しいです。ぺこぺこあおめしさんが私たちの本の紹介でブックログに登録してくださるように、私たちもこういうふうにして本と出会えるきっかけをいただけるのすごいありがたいことなので。
いや本当に本当に。
全然とんでもない。ありがとうございますむしろ。
時間とって書いていただいて。
書いていただいてありがとうございます。
ありがとうございます。
最後に書いていらっしゃるのが、いつもお二人の会話に癒され、読書欲を駆り立ててもらえています。今後も応援していますとのことです。
嬉しい。その声があるからね。本当続けられてるよね。
続けてこられたよね。
ありがとうございます。
これ本当に面白そう。香りからいろんなことを読み取って。
香りってキーワードなんですよ。生き物で確かに。
例えば最近VOCとかよく呼ばれるんやけど、めっちゃホットな分野なんですよ。
ボラタイルオーガニックコンパウンズ。
何のこっちゃって、全然わからへんけどどういう意味なの?
気発性の有機化合物っていう意味で。だから匂いを、気発って匂いになるってことやから。
それで結構植物とかもコミュニケーションしてるって言われてて。
例えばトマトの横にハーブ植えたらトマトの収量が良くなるとか知らん?
知らへん知らへん。
結構そういうのもともと知られてたんやけど、それが一体どういうメカニズムでなるかみたいなのとかが結構分析の手法とかも発達してきて。
いろいろその植物が例えばかじられたら、かじられたでみたいな天敵を、そのかじった虫の天敵を呼び寄せるような匂いを出して。
かじった虫の天敵を、へー。守ってよーみたいな。
そうそう、その匂いをしたら、あれどっかでアオムシおるな、ペコペコアオムシ食ったろみたいな。
ペコペコアオムシさんは食べないであげて。蝶になるんだから、ちゃんと。
そうか、蝶になるのかな、蝶になりたいか意向を聞いて、もしかしたらポケモンの変わらずの意志みたいなのも持ちたいかも。
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アオムシのままでいらっしゃいたかもしれない。
それは選んでいただこう。
そっかそっか、その視点なかった。
そんな感じで結構複雑な相互作用の確認匂いっていうのがあるんじゃないかっていうのが。
めちゃくちゃ面白いね。
私たちの本当に見えない、かげない、認知できない世界。
そういうのに豊かな世界が広がってるっていうのを思うこと自体が生きることが楽しくなるよね。
いい言葉やな。
軽い言葉を言えてしまった。
すごいいい言葉やなって思ったのに、薄っぺらい言葉で返してしまった。
語彙力のなさにより。
でもなんか、そうやね。
いろんな自分が認知できないものとかがあるっていうこと自体も希望になるというか。
そう、なんや狭いとこで私らこんなくちゃくちゃやってて、バッカみたいみたいな、いい意味で軽く取れたりするから、
匂いとかってまさに私にとってはそんな感じかなと思って。
それで思い出した本一冊いい?
はいはいどうぞ。
チラッとね、チラッとでいきますね。
今読んでて、まだ読み終わってないんですけど、今、甲君紹介していただいた本は香りの話で、ファンタジー小説ということだったんですけど、
今読んでるのはノンフィクションで、香りじゃなくて音の世界の本を読んでて、これもすごく面白い。
ハスケルさん、D.G.ハスケルさんっていう人が書かれて、ヤシロトウコさんかな?通路の通に、子供の子でちょっと読み方ミチコさんかな?わからないんですけど、が翻訳された。
生物界は騒がしい。音と共に進化した生き物と人の秘められた営み。
これがまあ面白いんですよ。私たちの過聴域、聞こえる音域ってすごく狭くて、その外に広がってるすごい世界とか、あと最近分かりつつあるのが水の中が実はめっちゃうるさいとか、そこで音を介してどういうコミュニケーションがされてるのかとか、
あとは人間自身の言語も分析してて、すごい面白いなと思ってんけど、乾燥してるところ、地域とかやと、ちょっと私も発音できないけど、カーッみたいな、喉に負担がかかるような音が少ないとか、
そういうだから、私たちは言語とかって文化とかに結びついてるっていうのはもちろんわかるけど、そういうもう人間という生き物としての部分にもすごく深く結びついてるっていう話とか、超面白くて今興奮して読んでるところなので、見えないものを見ることによって広がる世界っていうところで思い出した一つ本でした。
33:10
なるほど、今回はお便りを紹介させていただいたり、本を紹介したりと、結構濃密な回となりましたね。
ちょっとラリーになったのかなとか思ったら、そうだったら嬉しいなーなんて思ってます。
はい、では来週も楽しみにしていただければ幸いです。
良い読書体験を。
良い読書体験を。
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取り上げてほしいトピックも随時募集中です。
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アフターファイブに読書トークをお楽しみください。
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