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NPO法人世界被爆者展がお送りする
いのちのハーモニー
いのちのハーモニーでは、自然と調和し、多彩な命がハーモニーを奏でる、母なる地球の新しい文明の創造に向けて、命の視点から世界を変えていこうとする人たちをゲストにお迎えし、自由に語っていただきます。
進行は森下美穂と
安財尚人です。
この番組は、NPO法人世界被爆者展がお送りします。
今日は、私たちNPO法人世界被爆者展が、今年から2030年までの5年間をかけて展開する新しいプロジェクト、旅する被爆者について詳しく紹介させていただきます。
このプロジェクト、今年の初めに少しだけ紹介させてもらいましたけれども、それからいろいろな人と話して検討を深め、かなりバージョンアップしました。
4日に立春を迎えましたけれども、立春は24世紀のトップバッターであり、立春を一年の始まりと捉える考え方は、東洋の暦に深く根付いた考え方です。
この一年の始まりの時期に、改めてこのプロジェクトを紹介させてもらって、ぜひ皆さんに関心を持っていただければと思います。
旅する被爆者を展開するにあたって、当初は世界各地で世界被爆者展の写真展を開催して、その周辺の学校でも写真展を開いてもらおうと考えていました。
確かに各地で盛大に写真展を開催するのもいいと思うんですけれども、どうしたら長期的に最大の効果を上げられるかを考えて、私たちは学校をメインターゲットにすることにしました。
5年間に1000校以上の大学、高校、中学などの学校に世界被爆者展の写真を届けるのが私たちの目標です。
1000校というと結構大きな目標に感じるかもしれませんけれども、私たちは決して無理な目標だとは考えていません。
これまでも度々お伝えしてきましたけれども、世界被爆者展は広島長崎の被爆者を半世紀近く撮り続けてきた写真家、森下逸ですが、世界中の被爆者のことを伝えようと仲間の写真家に声をかけて始めた写真展です。
原爆、核実験、原発事故、ウラン鉱山、烈火ウランダンなどによる被爆者を伝える6人の写真家の写真のスタイルはそれぞれ異なりますけれども、いずれも被爆者を通して命の尊さを伝えているという点は共通しています。
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国内、海外での写真展で特に印象に残っているのは、若い人たちが世界被爆者展の写真をとても熱心に見てくれて、被爆者の思いをしっかり受け止めてくれたことです。
教育の場を通じて世界中の若い世代にこの写真を届けようと思うのはそんな背景もあります。
120枚の写真は持ち運びが楽で展示もしやすいタペストリーにしようと考えています。
幸い、国内で製作すると、120枚で50万円前後はするタペストリーを、ウズベキスタンの最新鋭工場だとかなり格安で製作できることが分かりました。
これなら各国の学校に長期で貸し出し、その国の他の学校を循環する写真展も無理なく開催できそうです。
写真の活用の呼びかけは、まず宗教系の学校や平和研究などに力を入れている教育機関などを考えています。
これらの学校で120枚のタペストリーを学校のスペースに合わせて自由に展示してもらい、AR拡張現実や動画を使って若者が自分ごととして被爆者の物語を体験できるような仕組みを作っていきたいと考えています。
私たちは写真を見た後の次のステップがとても大切だと考えています。
そのために写真を見た若者たちが感想を共有したり、共にアクションを起こしたりということができるような共通のサイトを作っていきます。
そして、この今お伝えしている命のハーモニーを発展させて、世界中の共感できる活動や正確な情報を共有する多言語のメディアに育てていこうと考えています。
そして、それらの情報発信や交流の拠点となるのが、北斗市の世界被爆者展のコミンカです。
縄文の愛と平和が息づく八ヶ岳山陸のこの地で、このコミンカを再生し、世界中の学校をつなぐネットの拠点とするとともに、若者が集うリアルな交流拠点にもしていきたいというのが私たちの考えです。
プロジェクトの内容は大体こんな感じです。
それではここで一曲お届けします。
今日は白井道夫さんのYes, Peace!を久しぶりにフルバージョンでお届けしたいと思います。
平和にYes!というこの曲を世界中の若い人たちとぜひ一緒に歌いたいなと思っています。
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Yes, Peace!
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旅する被爆者のプロジェクトは、7月7日から19日まで長崎県美術館で開催する広島・長崎だけじゃない世界の被爆者からスタートします。
番組の後半はここに至るまでの行き先を少しお話しさせていただこうと思います。
私が世界被爆者展の写真に出会ったのは、福島第一原発事故が起こった2011年です。
その頃NPO法人世界被爆者展を創設した森下一徹さんは病気療養中で、写真展は2005年以来開催されていませんでした。
友人の選挙の手伝いで出会った一徹さんの長女で現代表の森下美穂から、世界被爆者展のことを聞き、
事務所の押入れに眠っていた104枚の写真を1枚1枚取り出して写真説明を読みながら全部見せてもらいました。
何とも言えない気持ちで見続け、見終わった後に心の中にドーンと重い重りが入ったように感じたことを今でも覚えています。
そしてこの素晴らしい写真が送ら入りしているのはあまりにも惜しいと思い、
その年の12月、世界被爆者展緊急フォーラムを森下美穂と2人が中心になって開催しました。
当時はダス原発の運動が急速に盛り上がり、全国各地から写真貸し出しの依頼が多数ありました。
台湾でのゼロ核時代というダス原発イベントに招待され、10日間で2万人近い人たちが来場し、
よく知らせてくれたと多くの若者に感謝されたこともありました。
しかしダス原発の運動が下火になるにつれて、写真の貸し出し依頼も減っていきました。
そんな中、何とかしてこの写真を全国の人たちに見てもらいたい、特に若い人たちに見てもらいたいという思いから、
ピースとエコのムービメントの融合を目指して、
アースデートーキョーのステージに被爆者の服部光子さんに出演してもらったり、
SDGsハッピーアースパレードを実施したりと様々な試みをしてきました。
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それぞれの企画を通して多くの素晴らしい人々に出会い、色々なつながりも生まれました。
それでも私たちの力不足もあって、残念ながら世界被爆者展の写真を
多くの人に見てもらうという目標はなかなか実現しませんでした。
資金的にも非常に苦しい時期が続き、どうしたらいいかなかなか見えず、自信喪失気味だったこともあります。
そんな中、転機になったのは、2024年に広島の被爆建物、旧日銀広島支店で開催した写真展、
広島長崎だけじゃない世界の被爆者でした。
私たちはずっと、広島の人たちは世界中に被爆者がいることを結構知っているはずと思っていました。
でも実際に来場された被爆者や写真展を手伝ってくれた若者たちの多くが、
世界にこんなに被爆者がいることは知らなかったと語っていました。
平和教育では広島のことだけを教わったというのです。
その声を聞いて、世界被爆者展の写真を国内だけでなく世界中に届けることの意義を改めて強く感じました。
そしてその年の暮れ、日本被弾協がノーベル平和賞を受賞しました。
世界で深刻な戦争が続く中で迎えた、昨年の被爆80周年、
様々なイベントが開催され、それなりの盛り上がりが見せました。
しかしその広がりは、というと疑問符がつくのが現状だと思います。
核の問題は普通に暮らす人たちにとってあまりにも遠いことなのかもしれません。
そうしたこれまでの経験を踏まえて生まれたのが、この旅する被爆者のプロジェクトです。
私たちは、絶望を超えて力強く生き抜いた被爆者の写真こそ、
世代を超えて訴えかける力があると信じています。
このプロジェクトを海外とのご縁のご紹介や、ご寄付によって支えていただくようお願いいたします。
ぜひよろしくお願いします。
この番組は、NPO法人世界被爆者展がお送りしました。
では、みなさんまた来週。ごきげんよう。