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NPO法人 世界被爆者展がお送りする
いのちのハーモニー
いのちのハーモニーでは、自然と調和し、多彩な命がハーモニーを奏でる母なる地球の新しい文明の創造に向けて、
いのちの視点から世界を変えていこうとする人たちをゲストにお迎えし、自由に語っていただきます。
進行は森下美穂と
安財尚人です。
この番組は、NPO法人 世界被爆者展がお送りします。
先週は、私たちNPO法人 世界被爆者展が取り組む新しいプロジェクト、
旅する被爆者について詳しくお話しさせていただきました。
2030年までの5年間に、世界の1000の大学・高校などの教育機関に、世界被爆者展の写真を届け、
その写真を見た若い人たちが感想を述べ合う共通のサイトを作り、
平和な社会を作るためのアクションなどに役立つ情報の共有もしていこうというプロジェクトです。
このプロジェクトの本格展開を前に、世界被爆者展に写真を提供してもらっている写真家の皆さんに、
最近の国内・海外の情勢なども踏まえ、これから何が必要かなどについて話していただきました。
韓国・朝鮮人被爆者の取材を続けている伊藤隆さんと、核実験場やウラン鉱山、福島原発事故などの取材をされている森住隆さんのインタビューをお聞きください。
最近、世界情勢はきな臭い話が多いんですけれども、この状況は今どんなふうにご覧になっていますか?
大国のエゴイズムが前面に出されている社会になってしまって、そのためにこれまでずっとアジア大平和戦争以降に、
世界が二度と戦争をしないためのいろんな枠組みみたいなものを作ってきたわけですけれども、
それが今徐々に崩れつつあるという状況だと思うんですよね。
特に私が最近の出来事として深刻に考えているのが、新スタートという、
アメリカとロシアが戦略核弾頭の数を制限するために設けていた、
正式には新戦略兵器削減条約が執行してしまったと。
それは今月の6日のことなんですけれども、
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そのことによって、これから大国による各軍閣競争が再び始まるということが非常に危惧される状況になってしまったということだと思います。
その中で今、日本としてはどんな立場でいるべきだと思われますか?
今回の総選挙で非常に保守的な高市政権が生まれたわけですけどね。
一番危惧してるのが、唯一の戦争被爆国である、
この日本をずっと歩んできた状況。
いろんな人々が、被爆者たちが二度と戦争をしない、核兵器を使わない、
そういった世界にしようという取り組みをしてきたわけですけれども、
そういった今まで気づいてきたことが、大きく逆戻りをしてしまうんじゃないかなという、
それが一番の危惧なんです。
リーダーが、比較三原則、これは核兵器を日本が持たず作らず持ち込ませずという内容なんですけれども、
その比較三原則の見直しを進めるということを以前から言っていまして、
そのことが具体的に日本でも進んでしまうのではないかと。
まず最初に、アメリカの原子力空母であるとか、それから戦略爆撃機によって、
それが核兵器を搭載したまま日本の基地に入ってくるという、
そういったことが具体的に進んでしまうということを非常に危惧しています。
こういった日本だとか世界の核兵器を巡る状況がどんどん悪くなっている。
その一番大きな原因となっているのが、
やはり核兵器がいかに非人道的なものであるのかということを人々は認識をしていないと。
この戦争被爆国の日本で暮らしていても、
広島・長崎についてはなんとなく知ってるということでしかないと思うんですよ。
具体的に被爆者たちがどのような体験をしたのか。
そういったことをきちっと日本で暮らしていても理解をしていないということがありますし、
ましてや世界では広島・長崎に原爆が投下されたということぐらいは知っていても、
それ以上のことは全く知らないという人々がほとんどではないかなと思うんですね。
ですからそういう被爆の実装、被爆者たちが原爆投下によっていかに苦しみ、悲しみ、
そして怒っているのかということを具体的に伝えていくということは、
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非常に重要になっているのではないかなというふうに思っています。
ですから今回の旅する被爆者という新しい挑戦ですけれども、
このことはですね、世界の若者たちに原爆とはどういうものであるのかということを、
そしていろんな形での世界各地で起きた被爆というものがどれほど悲惨なものであるのかということを伝える、
非常に重要な役割をするのではないかなというふうに思っています。
韓国・朝鮮に被爆者をずっと取り続けてこられて、取材も続けられてるわけですけど、
その情報に関してはどんなふうに思われていますか。
広島・長崎での被爆がですね、日本人以外、日本で暮らしていた人というのはですね、
たくさんの人、民族の人たちもいたわけでして、
その日本人以外の人たちの被爆についてはですね、ずっと日本の社会でもそうですし、
ましてや世界の人たちにもですね、伝わっていなかったわけです。
ですけれども、実際にはですね、
広島・長崎の被爆者の約1割ぐらいがですね、朝鮮人だったと。
その人たちが被爆して大変な状況に置かれてきたということについてはですね、
全く今まで知られてこなかったということがあるわけですね。
その人たちが実際にはいろいろ運動をして、
今は日本で暮らしてきた被爆者と同じ援護措置を受けることができるようになったわけですけれども、
そうした状況の中でですね、現在の朝鮮半島の北側、朝鮮民主主義人民共和国で暮らしている被爆者たちのみがですね、
そういった日本政府の援護の対象外に置かれてしまっているというね、
そういった非常に重要な問題がですね、完全に今無視をされている。
日本政府が無視をしてるというね、そういった状況にある。
ですからやはり被爆者問題というのはですね、
まだまだ終わっていない、そういった問題があるし、
これをですね、やっぱり解決しないことにはですね、
やはり被爆者たちが置かれているですね、
様々な困難な状況を解決したということにならないのではないかなと思っています。
フォトジャーナリストの伊藤隆さんのお話でした。
ここからは同じくフォトジャーナリストの森住隆さんのお話をお聞きください。
森住さん、最近の状況をどんなふうにご覧になっていますか?
年末から驚いたことはね、トランプ大統領がベネズエラに武力で侵攻して、
大統領までとつかまえてね、アメリカに転向していってしまうというような、
全く考えられないようなことを平然と行って大成功だって喜んでるわけだよね。
そういう意味ではトランプが行ったことは国際法にも違反しているし、
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法を全く無視したことをやっていて、俺は王様だって言ってるわけでね。
これを国連の中でもきちんとやらなければね、
そういう意味ではトランプは国連の存在自体を否定していて、
そういう自分のやりたいことに手を縛るような存在する勢力を配慮するというようなことを平然とやっている中で、
それに対抗する手段はやっぱり市民の大きな力だと思うんですよね。
核兵器禁止条約はやはりこの被爆者をはじめ世界中の核兵器をなくそうという人たちの市民の運動が大きな力になってね、
何十年もかかって国連で条約としてできたわけなので、決して市民の力は無力ではないし、
とりわけ日本の被爆者の人たちはすごく重要な役割を果たしてきたわけだから、
その結果としてノーベル平和賞も受賞するということになったわけでね。
そういう意味でこれほど強権をする人がいてもね、やっぱり最終的には世界の市民の力が今のこの危機を打開していく力になる。
日本国憲法には主権者は国民であると、だから主権を行使しなくちゃいけないわけで、
それを今こそね、進める必要があるんじゃないかっていうふうに思うんですね。
森淳さん実際に核実験場とかいろんなところを取材されてこられたわけですけど、
それからもそういう思いがより強いのかなと思うんですが、その辺いかがでしょう。
福島の事故を見れば、原発の事故を起こしたら取り返しのつかないことになるんだっていうことが、
もうみんなよくわかっているというか、しかし再稼働しようとしているわけでね。
だからそういう意味でもその事故が起こったら何が起こるのか、人々の暮らしがどう破壊されていくのかっていう、
それから健康も含めてね、破壊されるのかっていうことをやっぱり知らせなくちゃいけないっていうふうに思うけども、
再稼働をするっていう人たちは、福島の事故、過酷事故が起こるということを前提に再稼働するっていうふうに思っていると思うんだよね。
過酷事故が防げるかっていうと防げないということが、原発推進勢力の中でもわかっているわけで、
それでもなおかつやるということは、要するにとりあえず当面、俺たちが儲かりゃいいと。
あとは野となれ、山となれということをね、象徴的な表れっていうかね。
今の資本主義の社会の中で行き詰まってきている中で、そういうのがよく見えている時代だというふうに思うんだけど、
福島が一つのシンボリックな存在だというふうに思うんだよね。
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核実験場の取材も長くされてますけど。
僕は旧ソ連のセミパラチニスクの核実験場の取材をずっとやってますけど、
核開発をしてきた現場なわけだけれども、放射能がものすごく汚染をしていて、
セミパラチニスクの核実験場が91年に閉鎖されたわけだから、35年過ぎてるんだよね。
今もひどい被害が続いているんだけれども、直接の被爆っていうのは少なくなってきているけれどもね。
遺伝的な影響がものすごくあって、
最初に核実験が始まったのが1949年の8月で、
以降ずっと40年間の核実験がやられていて、
世代的には第3世代、第4世代に入ってきているわけだよね。
世代的にもその影響を引き継いでいてね、終わることがないということだよね、その被害がね。
核戦争をやるということは、その世代で、核戦争を始めた世代で責任が取れる問題ではなくてね、
何世代にもわたって人類を苦しめ続けるという、そういう性格のものなわけで、
だから通常兵器と全く違うということを伝えていきたいというふうに思っているんだよね。
今日は伊藤隆さんと森住隆さんにお話をお伺いしました。
この番組はNPO法人世界被爆者展がお送りしました。
ではみなさんまた来週。ごきげんよう。