交通事故の治療費の負担
弁護士のキタガワです。YouTubeやTikTok、あとはテレビ番組などで法律の解説をさせていただいております。
金髪頭のおじさん弁護士でございます。さて、連日お話ししている交通事故シリーズですね。
おけがの損害についてお話をさせていただいております。 前回は治療の打ち切りと症状固定という厄介な考え方についてお話をさせていただきましたね。
事故にあって怪我をした場合、治療費は基本的には、最初の方は加害者側の保険会社が代わりに支払ってくれるため、こちらが財布からお金を出すことなく病院に通院、入院できたりします。
しかし治療をしていけば、どんどん回復していくわけですし、加害者側の保険会社もずっと治療費を支払い続けることになっちゃいますよね。
ただ、加害者側の保険会社もそれはちょっと困っちゃうということになりますので、相手の保険会社が様々な事情を総合的に判断して、事故にあって治療を始めてから、例えば3ヶ月とか半年とか1年とか経過した頃に連絡が来るわけですね。
そろそろ治療を終了でいいんじゃないかなと思っていますと、あと1週間、この月末に治療費の支払いはやりますけれども、それ以降は来月以降は支払いません。治療の支払いを打ち切りますよと連絡が来るんですね。
つまり加害者側の保険会社としては、被害者の怪我の症状が固定している。これ以上治療を続けても劇的な回復をするのが難しいというふうに加害者側の保険会社としては判断して、だったらこれ以上は治療費を支払いませんよという形で打ち切られちゃうんですよね。
本当に1年とか2年、丁寧に真摯に対応してくだされば納得できるんですけども、ある日突然加害者側の保険会社の担当者が頭でっかちな人の場合は、もう2週間、今月末でしか払いません。あと2週間だけ払いますよというふうに、
まだ2ヶ月とか3ヶ月とかしか経過していないのに、勝手に打ち切りの通告を食らうことがあったりするんですよね。症状固定と加害者側の保険会社が判断して治療費の支払いを打ち切られた場合、被害者側としてはもう仕方ないと、治療を諦めるしかないのかということなんですよね。
でも、まだ痛いわけですよ。痛みが残っているわけなのに、加害者側の保険会社に従うしかないのかということなんですよね。ご安心ください。諦めないでということでございます。このタイミングで、弁護士に依頼するというのは全然ありかもしれません。
例えば、その治療の打ち切りのタイミングをもう少し延長してください。先延ばしにしてくださいというふうに言うことはできます。
場合によっては、交渉次第によっては少し伸びるということがありますね。ただ伸びても、2週間とか1ヶ月ぐらいかな、伸びる。怪我の程度にもよりますけどね。
あと半年間伸ばすとか、あと1年間伸ばすということは、ほぼほぼ無理でしょうね。
物分かりの良い加害者側の保険会社の担当者であれば、弁護士の顔に免じて、もう少し延長しますよ、みたいなことはあったりしますけども、一切応じてくれない保険会社もいたりします。
加害者側の保険会社が治療費を負担しなくなった、症状固定なので治療打ち切りですというふうにした場合、どうするかということなんですけども、覚えておいていただきたいのは、
確かに加害者側の保険会社は払ってくれない。今後支払ってくれないんですけども、被害者である自分が自腹で支払っていって、治療費を続けて、治療費を払っていって、
そのかかった金額を後で、相手の加害者側の保険会社に請求することは、できるはできるということなんですね。
もちろん治療のすべて100%認めてもらえるかどうかはわかりませんけども、このような方法があったりします。
加害者側の保険会社がこれまで治療費を立て替えてくれて、0円の負担で被害者としては住んでいたんだけども、打ち切りですよというふうに通告されちゃった場合は、
もう自腹で通院するしかないです。ここで結構悩まれる方もいるんですよね。
もう自腹で通うぐらいだったら治療をやめますという人もいるんですけども、私、弁護士の見解としては、まだ痛みが続いているのに、
加害者側の保険会社の指示に応じて治療をやめるのって本末転倒だと思うんですよね。
痛いのであれば通院した方がいいですし、だいぶ治ってきて、このぐらいだったらもう治療をやめてもいいやと被害者自身が思うのであれば、
加害者側の保険会社の言う通り治療を終了していいと思うんだけども、まだ痛みが続いている、神経症状が頑固だ、もう少し通院したいと思っているのであれば、
やはり打ち切りをくらった後も、被害者としては自腹を切ってでも通院した方がいいんじゃないかなと思うんですね。
そこで今回お話しするのが、健康保険を使って治療費を3割に負担して通院を続けていくという方法ですね。
病院の治療には、自由診療と保険診療という2パターンが基本的にあります。
自由診療というのは、通っている病院側が治療費の値段を自由に決められるものなんです。
他方で、保険診療というのは、保険が適用されるので定まった金額でしか病院側は治療費を請求できない。
交渉と治療の継続
逆に言うと、支払う側は定まった金額であれば治療を受けられるということなんですね。
交通事故による怪我の治療も、実は健康保険を使って3割負担で保険診療として通院することができます。
ネットでは嘘の情報が結構流れていて、交通事故は健康保険が使えないという情報があったりするのですが、安心してください。
交通事故であっても健康保険を使って治療をすることはできます。
治療費を負担するために、一時的に被害者が治療費を立て替えるとしても、その金額を健康保険で通って3割負担にして、
なるべくお財布から出ていく金額を少なくして通院を続けていく方がいいじゃないですか。
健康保険を使って、保険診療で通院を継続しましょう、みたいなアドバイスをすることがあります。
そして、健康保険を使って3割負担で被害者が支払っていた治療費を、後で加害者側の保険会社に、
被害者、私が自腹で負担しているこの治療費というのは、交通事故と直接の関連性のある、相当因果関係のある治療損害ですので、
加害者側の保険会社さん、打ち切りと言いましたが、その後の治療費も払ってくださいよというふうに請求していくわけです。
もちろん、加害者側の保険会社は、もう治療を3か月前に打ち切った状態、4か月前に打ち切った状態となっていますから、
それを被害者が、いやいや、まだ治療を継続すべきだ。3割負担で支払いを続けたので、それを負担してくれというふうに請求して、
それを加害者側の保険会社が分かりました。すべて立て替えてお支払いしますという感じにはならないという感じなんですよね。
ここはまさに交渉ごとになっていきます。場合によっては裁判で決着をつけていくということになりますね。
事故の直後というのは、加害者側の保険会社が治療費全部を負担してくれているから、加害者側の保険会社が認めてくれている損害であることは確かでございます。
しかし、加害者側の保険会社が、もう例えば半年で治療を打ち切りますと、半年で症状固定だからもう支払いませんというふうに打ち切りを言われた後、
被害者が今後も通院したい健康保険を使って3割負担でなるべく出費を少なくして、後で一括してこの治療費も事故と直接の関連性のある損害なので、
加害者側の保険会社さん払ってくださいよというふうに交渉していくことになります。
これはさっきも言った通り100%認められるかどうかは分からないということなんですよね。
健康保険の利用
交通事故でも健康保険が使えますので、相手の保険会社からはもう治療費支払いませんよ、打ち切りですよ、あなた症状固定ですよと言われた後であっても諦めないで、
まだ痛みが続くのであれば確かに自腹になってしまうリスク、これはゼロではないですけども、健康保険を使って3割負担にすればそこまで金額がかからないです。
鞭打ちとか神経症状の場合は、例えば3割負担だと数百円で済む1回の治療が、それにして引き続き通院をしていくというのがいいんじゃないかなと思います。
そしてその手続きを覚えておいていただきたいのが、第三者行為による症病届というのがあります。
これを手続きをする必要があるということなんですね。
これはですね、国民健康保険とか会社の保険で手続きを進めていく、書類を書く必要があります。
もし会社単位で保険に入られている方は、その会社の担当者に交通事故で怪我をしちゃいましたと、健康保険で通うので、
第三者行為による症病届、これで通いたいので、その手続きをお願いしますというふうに伝えておいていただければなと思います。
よろしいですかね。大切なところなのでもう1回言います。怪我をしました。
直後は、相手の加害者側の保険会社が一括対応として、全部治療費を払ってくれます。
なので、言ってみれば0円で、こっちからお財布お金出ることもなく治療が続けられます。
ただ、加害者の保険会社もずっと治療費を負担するわけにはいかないから、あるタイミング3ヶ月とか半年とか1年とかで、もうおけが劇的な回復難しいんじゃないですか。
症状固定なんじゃないんですか。なのでそれ以降の治療費は払いませんというふうにどこかで打ち切られちゃいます。
諦めるのもちょっとやっぱり虚空だから痛ければ通院をした方がいいと僕は思う派なので、ただそのまま支払うとやっぱりどんどん出費がかさんじゃう可能性があるから、
健康保険を使って3割負担にして、一時的な自腹になるかもしれないんだけども、治療を継続していく。
領収書をきっちりもらっていく。その領収書を元に、後で一括で打ち切られた後もこのぐらい通っていたので、後で払ってくださいよみたいな形で請求していく。
もちろん全額認めてくれるわけにはいかないと思いますけども、場合によってはとことん戦って裁判になっちゃうリスクもありますけども、その辺は弁護士をつけながら交渉を進めていくということなんですね。
そして健康保険で通うための手続きというのが第三者行為による、行為ってのは行いってことですね。
第三者行為による症病届、怪我と傷と病の届ということですね。
この手続きをして健康保険で通い続けるということを覚えておいてください。
今回は交通事故でも健康保険が使えるというお話をさせていただきました。
最後までお聞きくださりありがとうございました。また次回一緒に勉強していきましょう。