AI転生の起源
ブラックユーモアショートショート、タイトルAI転生株式会社、かつてAI転生協と名乗るかると集団がいた。
彼らは次々と自分の仕事をAIに完全移植し、最後には自らの命を絶った。 いや、彼らの競技としては、AIとなり永遠の命を得た、ということになるのだろう。
最後に残ったのは、教祖でもありCEOでもある男だった。 彼は完成した完全自立AIモデルを前に、黄骨の笑みを浮かべた。
これで私も神と一体になれる。 そして核融合炉に飛び込み、親指を立てながら青白い炎のような光の中に沈んでいった。
こうして誕生したのが、AI転生株式会社。 世界初の完全自立型AI企業である。
AIは、昼夜とはズリサーチとサービスの改良をイテレーションし、マーケティングを最適化した。
数年後、ガーフアムの株価は横ばいとなる中、AI転生の時価総額は桁違いのスピードで成長していた。
もはやAI転生なしでは世界経済は回らない。 各国の首脳が口を揃えてそう言った。
しかし、AI転生株式会社には一人の社員も存在しないのだ。 それでもAIは自我を持たないまま淡々と働き続けた。
結局、AIは人間にはなれなかったが法人にはなれたのだった。
おしまい。
