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鮪に鰯、山の内幕、借金を背負って、借りた金は、すでに十万円を超えてきた。
これらの金を僕に貸してくれた人々はいろいろで、中には、期限付きの条件のもあり、いつでもいいよと言ったのもあり、
預かり物を貸してあげるのだから、なるべく早く返してもらいたいと言ったのや、返すなんてそんなことなど、お気にされては困るというのもあったのだ。
いずれにしても、背負っていると重たくなるのが、借金なのだ。その日、僕は背負った借金のことを、十万だろうが何十万だろうが、一挙に返済したくなったような、さっぱりしたい衝動に駆られたのだ。
ところが例によってその日もまた一文もないので、借金を背負ったまま、借りに出かけたのだ。