四郎と妹の日常
山へ登った毬、はらたみき、 四郎は今度一年生になりました。
まだ学校へ行く道が覚えられないので、女中が連れて行きます。 女中は四郎の妹を背に寄って行くのでした。
妹は美しい毬を持っています。 その毬は姉が東京から土産に買ってきたものでした。
毬には桃の花の咲いた山の絵が描いてあります。 さてある日、先生が
今日はこれから山へ登りましょう と申しました。
皆はそれでわいわいと喜びながら学校の門を出ました。 山は学校のすぐそばにあったのですぐ登れました。
草原に散らかって遊びました。 桃の花が咲いていました。
四郎も妹もみんなその辺で遊びました。 しばらくして山を下りました。
四郎は女中に連れられて家へ戻りました。 戻って気がつくと妹の毬が亡くなっているのでした。
どうしたのだろう、どこへ行ったのかしらと大探ししてもありません。 毬は山へ連れて行かれたので急に元気になって、
勝手に跳ね回ってころころ転んで、 そのまま
この山は僕の絵と似てるなと言って、 寝転んでしまったのでしょうか。