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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
寒い日が続いております。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、からだを温めてくれるお茶の一つ、紅茶についてお話しします。
世界中で多くの人に愛されている紅茶、
イギリスや中国、インド、そしてロシア、アメリカなどなど、
中でもイギリスのように紅茶を飲むことが文化として根付いている国もあります。
日本でも紅茶はすっかり身近な飲み物になりました。
私が初めて紅茶に出会ったのは、小学校6年生の担任の先生のお宅に遊びに行った時です。
先生が皆にロイヤルコペンハーゲンのような紅茶カップに、なみなみと紅茶を注いでくださいました。
今でもその時の感動を覚えています。
さて、今では身近になった紅茶ですが、
実は意外と基本的なことが知られていない、知らない、そんな方も多いのではないでしょうか。
紅茶の基本の一番目として、そもそも紅茶って何っていうことですが、
紅茶の原料は緑茶やウーロン茶と同じ茶の木から作られています。
カメリアシネンシスという学名の椿家の植物で、
紅茶、ウーロン茶、緑茶の違いは発酵の度合いによって生まれます。
紅茶は茶の葉を酸化発酵させたもの、緑茶は発酵させず、ウーロン茶は発酵を途中でやめたお茶です。
だから発酵度合いによって緑茶に近い緑色、あるいは紅茶よりの赤色になったりもします。
紅茶における発酵は一般的な発酵とは異なります。
納豆や味噌醤油、日本酒といった発酵食品は微生物の力を借りて発酵が進みますが、
紅茶の場合は葉に含まれる酸化酵素によって成分が変化する工程、それを発酵と呼びます。
したがって微生物は関与していません。
2番目に、紅茶はどこで作られているのでしょうか。
まず、お茶の栽培に適しているのは高温多湿で標高が高く、一日の寒暖差の大きなところです。
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紅茶の主な産地国はインド、スリランカ、ケニア、インドネシア、バングラディッシュ、中国などです。
その他30カ国ぐらいはあると言われております。
こうした生産国を見て、いつも私が不思議に思っていることは、インドネシアやバングラディッシュなどの名前が出てこないということです。
どういうことかと言いますと、紅茶の茶葉の名前で有名なのは、
ダージリン、アッサム、ニルギリ、セイロン、ウバ、キーモンなど昔からよく聞く名前ですが、
新たに出てきた先ほどのインドネシア、バングラディッシュの名前あるいは産地の名前はほとんど見たことはありません。
それらの紅茶は、リプトンとかニット、トゥワイニングなどティーバックにしているのか、
あるいは先ほどの有名なお茶の増量剤として使われているのかもしれませんね。
日本における紅茶の生産地は、静岡県のマルコ紅茶や、
三重県の伊勢紅茶、大分県の木月紅茶、愛知県でも豊橋紅茶が有名ですが、
悩みどころは、どうしても生産量の問題や人件費の関係から値段が高くなってしまうため、
30gから50gの少量パックが主流になっています。
これらの和紅茶は海外のものと比べると比較的マイルドな味なので、
渋みを苦手とする若い人たちに注目されています。
今後の発展が楽しみでもあります。
それでは、薬膳的立場でお茶全体を見ていきましょう。
日本茶に代表される緑茶は、体を冷やします。
茶葉の発酵が進んでいないため、鮮やかな緑色をしていますね。
緑茶の持つ作用は、熱を冷まし下毒すること、また眠気覚ましにも良いです。
知人が昨年の夏、熱中症になりかけた時に冷たい緑茶をどんどん進めた結果、大事には至りませんでした。
次に、烏龍茶は、先ほどお話ししたように、
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緑茶よりの発酵化、紅茶よりの発酵化でその作用が異なってきますが、
いずれも烏龍茶は脂っこいものを食べた時の消化を助ける働きがあります。
そして、紅茶は体を温めるお茶です。
体を温めると病気は必ず治るという本の著者、石原雄美先生は、
体を温める食べ物の色として、赤、黄色、橙、黒色のものを挙げられています。
トマトなどは例外だと思いますが、一般的にはそれらの色は温めるものが多いと思います。
冷え性の人は、「生姜紅茶に黒砂糖を入れて飲むと良い。」と、ここ数年よく聞く言葉です。
生姜、紅茶、黒糖、いずれも温める効果のある食材、
これらを組み合わせて冷えを解消しようというのは、薬膳的に見ても実に理にかなった方法だと思います。
美味しい紅茶の淹れ方やミルクティー、茶居の作り方は、また別の機会に収録するつもりですので、楽しみにしていてください。
今日は、体を温めるお茶、紅茶についてお話しさせていただきました。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
