1. 74才 薬膳&料理研究家
  2. #12 お雑煮の豆知識
2023-01-03 06:53

#12 お雑煮の豆知識

伝統的な日本料理であるお雑煮を取り上げました。最後に冬に不足しがちな青菜たっぷりの我が家のお雑煮も。参考になれば嬉しいです。
参考文献:虎屋文庫
甘い対決”和菓子の東西”展
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みなさま、あけましておめでとうございます。
72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、お雑煮のお話をしてみたいと思います。
雑煮は伝統的な日本料理であり、
全国各地で一年の無事を祈り、食べる習わしがあります。
ご存知のように、雑煮は餅を主体とした厚物です。
厚物とは、羊羹のかんと書いて厚物と読みますが、
汁物など火を通した厚い料理のことです。
昔は、お腹を温めることで、
五臓六腑を健康に保ち、病気を予防するという考え方がありました。
この考え、今でも通じますね。
この臓腑を保つという意味で、
保つ臓、保臓と呼び、
その臓が現在の臓煮の臓に転じたと言われております。
また一方、
餅や肉、野菜などを雑多にして煮ることから、
臓煮と呼ばれるようになったという説もあります。
古来から、神様の魂が宿る縁起物の餅を加えた温かい汁物を、
このお正月に食べることで、
一年の無病息災を願ってきたのでしょう。
臓煮は、地方によって様々な特色があり、
餅の形、具材や出し、作り方も違います。
調べてみたところ、
一部の地域では里芋や野菜を主とした、
餅なしの臓煮もあることが分かりました。
今日は、関東と関西の臓煮の違いをお話ししたいと思います。
臓煮に限らず、関東と関西の違いは様々なところで見られます。
豆油を入れるポリタンクの色の違い、
うなぎのさばき方、和菓子の素材作り方など、
身近なところではおせんべいも違うようですね。
東京でせんべいといえば醤油味の米せんべいを、
京都や大阪では甘い小麦粉せんべいを連想するようです。
そもそも、江戸時代のせんべいというのは、
豆蜜を加えた小麦粉生地が主流で、
生地を丸く伸ばして焼いたものや巻きせんべいが登場しました。
今日でも京都・大阪では小麦粉生地の卵せんべいや、
味噌せんべい、河原せんべいなどが親しまれており、
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生姜や山椒で風味をつけたものが見られます。
一方の米せんべいは、
くず米などで作る農家のおやつが元となっていると言われ、
明治時代以降、醤油の産地である千葉県の野田市や、
米どころの埼玉県宋華市で盛んに作られるようになり、
醤油の香ばしさや硬い歯ごたえが好まれ、
東京では小麦粉せんべいに代わり、
米粉せんべい、米のせんべいですね。
それが定番となったそうです。
最近スーパーで、
超かつおかきという名のおせんべいを見かけました。
栃木県日光市の丸彦製菓のものです。
私はここの製品は、
黒ごまがたっぷり入ったごま漬が気に入っています。
雑煮の話に戻ります。
雑煮の発祥地である京都では、
丸餅、白味噌仕立て、野菜などの具材も丸くカットされ、
その丸は家庭園まん、
物事を丸く納めるという願いが込められているそうです。
それに対し、東京は角餅、すまし汁仕立てです。
餅の形が丸か四角かの分岐点は、
天下分け目の戦いの舞台となった関ヶ原辺りだそうです。
そもそも雑煮が広まったのは江戸時代。
その頃、江戸の町の人口も増え、
ついた餅を一つずつ丸めるのは手間がかかるので、
丸めるよりも餅を伸ばしてのちもちにして、
固まってから切り分けた方が手間が省け、大量に作ることができる。
また、武家社会ではのしもちは敵をのすという頃からか、
とにかく効率性を取り四角い餅になったようです。
最後に、我が家のお雑煮はというと、
切り餅、すまし汁仕立てです。
私は愛知県に生まれ、愛知県在住ですので、
スタイルは名古屋風の雑煮です。
少し濃いめにとっただし汁に醤油、酒、みりん、塩で調味し、
その煮汁に3、4センチ角に切ったもち菜または小松菜を
バサッと多めに入れ、餅を入れます。
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ひと煮立ちしたら火を止め、餅が柔らかくなるのを待ちます。
柔らかくなったら輪に盛り、花かつおをこれまた多めにトッピングして、
出来上がりです。
時には油揚げやかまぼこ、椎茸を加えることもありますが、
とにかくとてもシンプルです。
おせち料理で鶏肉や卵、ブリなど動物性タンパク質を摂るので、
これでバランスがとれているのかなと思います。
皆様のお宅のお雑煮はどんなスタイルでしょうか。
今日はお雑煮の話題を取り上げました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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