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こんにちは、はじめ先生です。
このチャンネルでは、思考を変えることによって、英語力と人生を劇的に好転させる方法をお伝えしています。
第6回目の今日は、なぜ今、要約力なのか、こんなテーマでお話をしたいと思います。
皆さんよくご存知の英検が、次回からリニューアルされるのってご存知ですか?
英検ね、受けている人は知っていると思うんですけれども、
3級以上で、これまでのライティングが1問だったのが、2問に増えますね。
そして、3級と12級では、Eメール問題。
2級から1級まで、要約問題というのが、新たに課されることになりました。
これが発表になった時、英語教育界隈では、結構ザーッときまして、
要約ってどうやるの?みたいな感じで、
多分、今でもどうやったらいいんだろうって思っている先生方も多いと思うんですけれども、
何でかというと、要約って皆さん、学校で習ったことあります?
多分ないと思うんですよね。
だから、英語を教えている先生方も、要約ってどうやればいいんだろうって思っている人が、
結構今、多いんじゃないかなというふうに思います。
今まで英語教育でいうと、昨日もちょっとお話ししたんですけど、
わりと日本で伝統的に行われてきた英語教育というのは、
英文を一軸落とさないようにしっかりと理解するという、
制徳的なアプローチが多かったんですよね。
だから、どれだけ正しく訳せるか、みたいなところが焦点が置かれていて、
今の大人の人たちというのは、そんな英語教育を受けてきたと思うんですけれども、
ここに来ていきなり要約、なぜ?というふうに思っている人もいるんじゃないかなと思います。
実は今回の英研リニューアルの背後には、文科省の学習指導要領の改定という大きなバックグラウンドがあります。
これは一体何なのかというと、
かねてからの知識中心主義的な英語教育じゃ結局しゃべれないよねという、
第1回でも話しましたけど、
日本人の国際的な英語力というのが相対的にどんどん低下しているという現状があり、
なかなか使える英語力というのが育成されないということで、
学校教育を変えていかなきゃいけないよねという、
そこで文科省がいろいろ方針を出して、そして今、小学校にまで英語が降りてきて、
英語の教え方や学習内容が随分以前と比べると変わってきているという現状があるわけなんです。
実はこれは今に始まったというわけでもなくて、
1980年代の後半から、やっぱり使える英語にしていこうよということで、
コミュニカティブアプローチというものが提言されて、
それで多分その頃からですけれども、
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学校に今で言うALT、昔はAETと言いますけど、
外国人指導講師が入ってきたわけなんですよね。
で、その延長線上にある英語教育改革の流れで、
今、さらに先へ進めていこうという、そういう流れの中にあるわけなんです。
そこで何で要約なのかというと、
コミュニケーションにおいて大事なのは、
いかに相手を理解し、いかに自分を伝えるかということなんですよね。
それは必ずしも相手を100%理解したり、
あるいは自分が言いたいことを100%正確に言えなくても、
コミュニケーションというのは成立するわけなんです。
だけれども今までの英語教育は、やっぱり一時一句間違えないところですね。
前にも言った百点主義みたいなところがあって、
それによって日本人ほぼ全員が、
間違っていてはいけないとか、正しくなければいけないという、
ある種の大きな洗脳にかけられているわけですよ。
そうなるとコミュニケーションでどうなるかというと、
自分の頭に思いついた日本語を100%英語にしよう、
なんていうふうに思っちゃうわけなんですよね。
だけど私たちの英語力なんて、母国語である日本語に比べれば、
遥かに及ばないわけですよ、英語力がね。
それを英語で言おうと思ったら、到底無理なんですよね、最初から。
じゃあ何が必要になるかというと、
自分が本当に言いたいことの確信は何なのかなというのを、
しっかりと自分の中で見つめ出して、
それを極力シンプルな、自分の100%自信を持って言える英語力で
アウトプットするという、そっちのスキルの方が
コミュニケーションによっては遥かに重要だよね、
ということになるわけなんですよ。
自分の言いたいことの中心を捉えて、それをギュッと凝縮して、
そして簡単な英語にして、表に出す。
これはダウントランスレイティングという技法なんですけれども、
このやり方を学校で教わらないんですよね。
なかなか教わらないんです。
言ってみれば、正解がないというのか、
答えが何百通りでも何千通りでも人の数だけあるので、
評価が難しいという、そっち側の理屈で結構やってないというところが
多いんだと思うんですよね。
これは英語だけに限らないですよ。
例えば、大平洋戦争の末期に、
広島と長崎にアメリカによって落とされた新型爆弾の名前と、
その落とされた年号を答えなさい、
みたいな問題ってよく出るじゃないですか。
そうすると答えは原子爆弾と1945年というのが出てきますよね。
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これって採点簡単じゃないですか。
原子爆弾と1945年というわかりやすい回答になっているから、
もう他に回答の出ようがないわけですよ。
でもそれが本当に歴史を理解していることを測定できているのかというと、
これは疑問だと思いませんかね。
それってただの知識であって、
その人の心の中に原子爆弾が与えた影響であるとか、
歴史的な意味だとか、そういったことまでちゃんと理解がされているのか、
あるいは理解でなくてもそういったところまで考えるきっかけになっているのかどうかといったときに、
これははなはな疑問だったりするわけですよ。
例えばこの同じテーマが、
1945年に広島と長崎に落とされた原子爆弾について論述しなさい。
もしこういう問題が与えられたら、
これはやっぱりその人が知っていることを想像にして、
自分で自分の言葉に直してアウプトプットしなければいけないので、
ただ単に知識として1945年広島長崎原爆しか知らなかったら、
何も語りようがないわけですよ。何も語れないんですよね。
よく日本人は意見がないと言われます。
あなたの意見はなんだと言われたときにパッと出てこない。
これは実はこういう教育に非常に深く影響を受けているんですよね。
つまり日本の教育では自分の考えをまとめて、
そしてそれを表現するという活動がめちゃめちゃ少ないんですよね。
これは海外の学校に行かれたことならわかると思うんですけど、
海外の学校というのはやっぱりこういうふうに自分で考えて
意見を言わせるという活動がめちゃめちゃ多いわけなんですよね。
教育のあり方が非常に異なっているわけなんです。
自ら考えて言葉を紡ぐという経験が非常にないので、
論理的に考える力とか言語化する能力というのが
ちょっと育っていないところがあると思うんですよね。
英語を話そうって思ったときにも、
自分が言いたいことってなんだろうって一回立ち止まって
自分の中でギュッと凝縮して、
それを自分の使える英語力の中に落とし込むという
この訓練がされていないから、
日本人はいつまでたっても英語を話せないと。
私が経営する英会話スクールで社会人の方がよく教えるのが、
二次熟語みたいなのが思い浮かんだときに、
えっと、えっと、えっと、一生懸命、
二次熟語に相当するような名詞を探し始めるんですよね。
結局、知識に頼ってしまおうとするので、
もう見つからないとおしまいになっちゃうんですけど、
要するに大事なのは、言えないことがあるとしたら
それを分解して、言いたいことは一体なんだろうという風にして、
もっと細かく説明してみるということが大事になるわけです。
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さっき、言脈の話がしたので、その話題で、
例えば、平和という、ピースなんだけど、
それが分からなかったとしますよね。
ピースという単語が浮かばなかったとしたときに、
うんってそれで止まってしまうんじゃなくて、
ピースってどういう状態なんだという風に考えて、
例えば、平和という考え方ではなくて、
ノー・ウォーであるとかね。
ノー・ウォーイコール平和ではないけれども、
まあでも少し言い換えられるじゃないですか。
という風に、自分の頭の中にある文字、
日本語を英語に訳すのではなく、
自分が言いたいことの確信を要約するようにして、
アウトプットするということが、
やはりコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルなんですよね。
だから、今、英検で要約が要求されているということになっているんだと
僕は思っています。
これは日本人にとって非常に大きなチャレンジだと思うんですよね。
まあ日本人にとってと言っても、
普通に我々が日常生活においてもですね、
ちゃんと相手の言っていることを理解しているかとか、
自分の言いたいことをきちんと伝えているかというと、
意外とそうでもなかったりするんでね。
僕、非常によく出す話なんですけど、
よく男女の会話で、
私と仕事とどっちが大事なの?みたいな、
そういうセリフがあるじゃないですか。
それに対して男性は、
君も仕事も両方大事だよ、みたいに言うんだけど、
そんなことを言おうもんなら、
女性がさらに怒ってしまう、みたいな状況があると。
これはなんでそういうふうに女性がさらに怒っちゃうのかというと、
女性は自分の気持ちが分かってもらえていないというふうに思うからなんですよね。
男性にしてみれば、言われていることに答えているんだから、
なんでそれでこれが起こるのか分からないみたいなことがよくあるじゃないですか。
これ、男性側の正解にしてみると、
もちろん君が大事だよ。
いつも寂しい思いをさせてごめんね。
なんていうのが、多分女性が求めている回答なんですよね。
女性にしてみれば、
私と仕事とどっちが大事なの?という言い方じゃなくて、
私は寂しいの?というふうに伝えた方が多分伝わるんですよ。
というふうに、これはかなり奥が深いので、
これこそやっぱりコミュニケーションの革新的なスキルだということになると思うんですよね。
では、今日のお話を簡単にまとめます。
次回の英検から2級以上で課される要約問題。
この要約力が今なぜ必要とされているかというのは、
コミュニケーションにおいて、
自分の言いたいこと、あるいは相手の言いたいことの大枠を、
そして中心を掴むということが非常に大事だからだよというお話をしました。
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このチャンネルでは、英語の学習や教育全般、人生のお悩みなど、
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