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こんにちは、英語指導メンタリストのはじめ先生です。
このチャンネルでは、思考を変えることによって、英語力と人生を劇的に好転させる秘訣についてお伝えしています。
今日のテーマは、35円のバナナが約10億円で落札された話、です。
ニュースでもね、見た方がいらっしゃるかもしれないんですけど、
先月、サナビスというオークションの会場があるんですけど、
そこでですね、あるアーティストが、壁にバナナをガムテープみたいに貼っただけの作品を出したんですけれども、
それがなんと9億7千万円で落札されたと。
しかもそのバナナが、なんとたったの35円だったということで、非常に話題になっていますが、
このニュース、皆さん聞いたことありますかね。
このバナナをその9億7千万円、約10億円ですよね、ものすごい価格で落札したのが、
暗号通貨のトロンというのがあるんですけど、その創始者のジャスティン・サンサンという方が落札して、
今後数日の間にこのバナナを食べるつもりだ、というようなことでね、
このバナナが壁にガムテープで貼られているだけで10億円近くなるという話と、
それを買う人がいたという話、
それともう一個ね、面白い話が、このバナナを売った男性が涙を流して悲しんだというね、
そんな展末まであって、結構ね、いろいろなことを考えさせられるニュースなんですよね。
そもそもこのバナナを壁にテープで貼ったものがアートなのかというね、
ところに疑問を抱く方もいらっしゃるかと思うんですけれども、
これはアートの領域ではまあまあよく知られたカテゴリーで、
いわゆるコンセプチュアルアートと言われるものなんですよね。
その既成の製品などをそのまま違った角度で見せることによってアート作品とするという、
これはねレディメイド、もう元から作られたものという概念で、
歴史を遡るともうこれ100年前ぐらいからあるんですよね。
一番よく知られたものだと、マルセル・デュシャンというねアーティストがいたんですけれども、
この人が展覧会場にトイレの便器ですね、小便器なんですけど、
それをそのまま置いて、その便器にサインをして、タイトルに泉と付けたということで、
当時の人たちを大層びっくりさせたというものがあるんです。
このようなコンセプチュアルアートというのは、
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既成の概念を叩き潰すという芸術運動のダダイズムというのがあったんですけれども、
それの代表的な作品になっています。
私たちはやはりですね、普段物事にですね、ラベルを貼って概念というのを作っているんですよね。
これはリンゴである、これはトイレである、私は女であるとかね、
そういうふうにラベリングというのをするわけなんですけれども、
それがなければですね、日常のコミュニケーションというのは成り立たないわけですけれども、
逆に言うと、そのラベリングによって自由な発想というのが制約を受けているという場合もあるわけです。
これって、例えば私たちが自分のことを考えるときにも、私は何々である、
例えば僕だったら、私は英語の先生であるとか、私は駅舎であるとかですね、
そういうラベリングをすると思うんですけど、実は私という人間はもっともっといろんな可能性があってですね、
私の性格は何々みたいに定義をすることもよくあると思うんですけど、
それって決して固定しているものではなくてですね、
その時によって、今日は明るい人かもしれないけど、また別の時には非常に暗い人かもしれないというふうに、
本来変わっていくものなんですよね。
固定した状態ではなくて、常に変化は本当はしているんだけれども、
その全体的な傾向とかですね、あるいは自分がしている職業みたいなものに、
自分が概念を合わせて生きているというところも実はあるわけですよ。
最近ではね、LGBTQとかあって、
性自認、自分がどんな性であるか、男性であるか女性であるかというのも、
肉体的な状況に必ずしもよらず、本人の性意識というものがあってもいいんじゃないかというふうな考えになってきているという点では、
ようやく時代が追いついてきたというのか、そういったものが許容されるようになってきた。
そんな点もとても面白いなと思います。
これ、もともと50円もしなかったようなバナナが10億円になるというのは、
どう考えてもおかしいという方もいらっしゃるかと思うんですけれども、
例えばですね、金とか、あるいはダイヤモンドとか、
それって今、私たちの生活の中で絶対に価値があるものだというふうなラベリングがされていて、
みんなで共通認識がいっているから、そういうものだと思っていますけれども、
一番最初に金とかダイヤモンドを発見した人が、それがすぐに価値があるように見えたのかと。
人によっては単に綺麗だなとか思ったかもしれないんですけど、
価値が見出されていくには、みんなに浸透していくというのがあって、
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そのプロセスを経て初めて価値というのは生まれてくるんですが、
そういう意味では価値というのは見出されて想像されていくものだと思うんですよね。
これを買ったのが暗号通貨を作り出した一人であるというのも面白いですよね。
暗号通貨というのを、昔は仮想通貨と呼ばれていましたけど、
ほんの数十年ぐらいのことで、日本で暗号通貨がメジャーになったのは2017年ぐらいですから、
そう考えるとまだ5、6年しか経っていないと。
当時はビットコインなんかも価値がほとんどの人はよくわからず、
怪しいものとしか思っていなかったですけれども、
今はかなり多くの人に周知されて、きちんと取引されるようになってきていると。
このアーティストも35円のバナナを壁に貼ったというものをアートにするということを、
これもやっぱり最初にやったもん勝ちみたいなところがあるわけですよ。
それを通じて人の認識を変えるというコンセプト、
これを体現することがアーティストとしての活動だというふうに、
多分本人は自認しているんだと思うんですよね。
同じようにバンクシーなんかは壁に落書きしていますけれども、
あの人はデッサン力もあるし、アートとしても魅力的なものなので、
それ自体の絵画的な魅力というのもあるかもしれませんけれども、
同時にバンクシーが描いた絵が落書きされた瞬間に、
シュレッダーでゴミになるみたいなのもあって非常に面白いですよね。
この辺もやっぱり人にアートって何だろうとか、
私たちに考えているものの価値って何だろうかと、
そういうふうな疑問を提示するところになると思うんです。
もう一つの面白い話が、
そのバナナを売った人は35円で売ったのに、
それが10億円になったということで、非常に悔しがったという話なんですけれども、
これも典型的なリアクションだと思うんですけど、
ある人にとってはそれは35円なんですよ。
食べるものにしてみればただの35円ですよね。
それがある人の手にかかったら10億円になると。
それってずるい話なのって話ですよね。
例えば、こんなコンセプチュアルアート的な難しいものでなくても、
普通に画家の方が絵の具を1本買いましたと。
その絵の具が例えば150円ぐらいでした。
その絵の具1本で素晴らしい絵を描いてそれを表現したら、
それが運億円で売れるってことはありますよね。
それがたとえ1色で描いていても。
その時って、だってそれは絵のスキルがあるからじゃんって思うかもしれないんですけど、
このコンセプチュアルアートっていうのは、
芸術というものを学び尽くした人が、
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それを見る人に対してどのような精神的な影響、
価値観の革新みたいなものを与えるかという、
そういった概念とか思想みたいなものが完全に盛り込まれているわけなんですよね。
仏教の教えに一切皆空という言葉がありますよね。
すべてこの世にあるものは空、空虚みたいなものであると。
それに人間がいろんな意味付けをしているんだと。
だからその意味付けを取れば、
例えば苦しみに見えることもそれは別に見えてくるかもしれない。
喜びに見えることもまた別に見えてくるかもしれない。
すべては人間の意識が作り出しているんだという、
実はそんな思想にまでつながるような、
そんなアート作品ではないかなというふうに僕は思いました。
ということで今日は何屋さんという感じでアートの解説をしたんですが、
実は私アートも好きだったりするんです。
またその辺は何かの機会にお話をしたいと思います。
というわけで今日のお話、面白かったという方は、
いいねやコメントなどよろしくお願いいたします。
OK, thank you for listening and have a great day.