焼き餃子の要素
これまで聴く餃子を30数項ぐらいの配信しておりますけども、
今までで一番再生が多いエピソードが、2022年9月に配信した、「美味しい焼き餃子とは?」というものでして、
おそらく皆さん、何より美味しい焼き餃子について知りたいのかなぁと思っています。
今回は、この美味しい焼き餃子とは?ということを、もう少し深掘りしてお送りしたいと思います。
この番組は、餃子ジョッキーの小野寺力がお送りしております。聴く餃子です。
焼き餃子って、ただ餃子を焼けばいいんでしょう?と思われがちではあるんですけど、
正しくは、ゆで蒸して焼くっていうのが正しいんです。
この美味しい焼き餃子には、もちもち、ジューシー、パリパリっていう3要素があるんですけど、
ただ焼いただけでは、もちもちジューシーにならないんですね。
まず一つ目のもちもち、これは皮がもちもちしていること。
小麦粉のもちもちとした食感が、美味しい焼き餃子の結構大事な要素なんですね。
しっかりとゆで蒸して、かつゆですぎないということが大切なんです。
小麦粉を練ったものを伸ばすと、ラーメンのように細長い麺になりますけど、
餃子の皮の特徴
これを平たく丸くすると、餃子の皮になるんですね。
餃子の皮も麺類なんです。
麺っていう感じ、麦っていう感じと平面の麺っていう感じでできていることからも、
ラーメンと餃子のルーツは一緒なんだな。
麺類としてのルーツは一緒なんだなと思ってもらえるんじゃないかなと思います。
この細い麺類も餃子の皮も、ゆですぎると伸びちゃうっていうものが問題ですよね。
伸びちゃうと、ぐちゃっとして美味しくなくなっちゃいますよね。
このいい感じにゆでると、こしまりながら表面が滑らかになって、
美味しい、つるっとした状態になっていきます。
あとラーメンには細麺と太麺がありますけど、
餃子の皮も薄皮と厚皮っていうのがあります。
それと小麦粉のブレンドによって、コシとかなめらかさっていうのも変わってくるんですね。
全国的に、およそ東日本の餃子は厚い皮でコシがある餃子が好まれるんですが、
西日本の餃子は薄皮で小ぶりで口どけがいいっていう皮が好まれる傾向があるんですね。
こういうふうに餃子の皮もいろいろあります。
そして好みもまたいろいろあるってことがお分かりいただけるでしょうか。
続いて、重視。
肉や野菜の細胞がむされて油や水分があふれててきたものが、
餃子の皮にパシッと閉じ込められた汁となってですね。
肉汁なんていう表現になったりもしますけども、
ただ肉汁と言いながら、肉の油だけじゃないんですね。
この汁の中には肉や野菜の旨味成分がたっぷり入ってます。
その他にも餃子の餡を練るときに、
ごま油とか醤油なんかで味付けもしておりまして、
そういったものも混じってます。
あとは肉汁餃子と言われるものの中には、
豚や牛の油がかなり多く加えられてるんですよね。
個人的にはこういう肉汁ブーストされたものはあまり好きじゃないんですけど、
世の中的には肉汁たっぷりっていうものが喜ばれる方が多いので、
豚や牛の脂肪分を加えている餃子が多いようです。
他にはだしとか鶏ガラスープとか、
そういったものをゼラチンで固めたものを餃子の餡に混ぜて、
それをジューシー餃子と言っているものも結構多いですよね。
こういうブシャーとするジューシー餃子とは真逆で、
脂肪分の少ない赤身肉を多く使って、
肉の歯ごたえとか食感を噛みしめるような感じの食感を楽しめるような餃子を出されているものも多いですね。
これは肉の旨味が噛めば噛むほど出てくるっていう感じですよね。
肉が多い餃子もあれば野菜が多い餃子もあります。
肉が多い餃子にも脂の多いものと少ないものがある。
ジューシーとは一言で言っても、いろんなジューシーさがあって、
これまた好みが分かれています。
もちもちジューシーなパリパリ。
最後のパリパリですね。
焼き餃子の焦げ目とパリパリ感
言うまでもなくて焼き目のパリパリ感のことなんですけど、
これはやっぱり焼き餃子っていう名前なだけに一番大切な要素です。
焼き目を焦げ目という方もいらっしゃるんですけど、
これちょっと私の中で否定的な意見があります。
焦げっていうのは黒く炭化して炭になっているですね。
苦味になっている状態なんですね。
あれは焼き目というにはちょっと違う。
焦げですね、確かにね。
餃子の焼き目という意味はどういうものかというと、
黄金色で薄くパリッとして香ばしい香りがする。
これが正しい焼き目なのかなと思っています。
この餃子のパリッとした焼き目ですね。
科学的にはメイラード反応と呼ばれる現象で生まれるんですけども、
これは餃子以外に、例えば小麦粉でですね、
パンケーキとかパン、あと唐揚げなんかもですね、
メイラード反応でパリッとして香ばしくって黄金色でっていうものになってますよね。
こういったメイラード反応、餃子だけじゃなくていろんな料理にも使われているんですけど、
餃子においてはですね、やっぱり水餃子ってただ茹でただけのものですけど、
そこに香ばしい香りやパリッとした食感が加わって、
さらに美味しさを感じるっていうのが美味しい焼き餃子なんですよね。
実際噛んだ時に焼き目のパリッとした食感と反対側のもちっとした食感、
食感のコントラストがやっぱり焼き餃子の美味しい重要な要素なんじゃないかなと思うんですよね。
もともと餃子って、もともと中国東北部の餃子では、
残った水餃子を焼いて食べる、ちょっと賞味期限切れる前に焼いて食べようっていうところがルーツなんですけど、
これが第二次世界大戦中に中国、満州とか奈地の方に出兵した日本人が、
戦後に日本に帰ってきて、それを焼いて提供するっていうのは日本で流行らせたと。
これが焼き餃子のルーツになっています。
そして世界中に小麦粉で肉や野菜を包んだ料理ってのは色々多くあるんですけど、
意外にもこれを焼くっていうのは日本以外ではあまりないんですね。
この焼き餃子、日本で発展した料理なんですね。
あと焼き目のパリパリだけじゃなくて、羽付き餃子っていうのが日本で生まれたものなんです。
蒲田のお兄さん創業者であるヤニーサオさんが、
中国で食べた羽付き饅頭を見て、これはいいな、美味しそうだなと思って発想して生み出したものだと言われています。
こうした羽が付いていると見た目にも美味しそうに見えますし、
実際にこの餃子のパリパリっていうのとちょっと違ったパリパリ感もあったりとかして、
食感のコントラストがまたここでも生まれるって感じじゃないかなと思います。
ここまで餃子の美味しさはもちもち、ジューシー、パリパリなんですよっていうことをお話ししていきましたが、
最後に餃子の美味しさ、最終的にどこで決まるのかっていうと、一言で言えばバランスです。
肉が多いのか、野菜が多いのか、味付け濃いめがいいのか薄めなのかとか、
餃子ランにはバリエーションがありまして、それぞれ好みが分かれると思うんですけども、
その餡の美味しさを生かすのには一番大事なものは皮の厚さだったりとか小麦粉の配合によって口どけの良さだったりとか、
その皮でバランスをとってっていうのが餃子ですね。
その餃子のバランスは餡と皮のバランスなんですね。これが一番大事。
美味しい餃子を美味しく焼いたら美味しく食べられるってことはシンプルに分かりやすいと思うんですけど、
その美味しい焼き加減ですね、茹で蒸し加減と焼き加減で皮のもっちり感パリパリ感も変わってきて、
美味しさも変わってきます。
あと食べる側の健康状態でも美味しさって変わってきます。
お腹いっぱいかペコペコかっていうことだけじゃなくて、疲れてるか疲れてないかっていうところでも結構餃子の美味しさって変わってくるものだと思います。
結論としてですね、一言で言えば餃子はバランスなんですけど、美味しい焼き餃子っていうのは人それぞれによって違う。
食べる人と餃子のバランスっていうのもあるってことなんですね。
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餃子っていう字は食で交わると書きます。
いろいろ申し上げたんですけど、みんなで食べる餃子が一番美味しい餃子なのかもしれません。
