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2024-02-24 02:21

『野原に寝る』萩原朔太郎

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野原に寝る 萩原朔太郎


この感情の伸びてゆくありさま

まつすぐに伸びてゆく喬木のやうに

いのちの芽生のぐんぐんとのびる。

そこの青空へもせいのびをすればとどくやうに

せいも高くなり胸はばもひろくなつた。

たいそううららかな春の空気をすひこんで

小鳥たちが喰べものをたべるやうに

愉快で口をひらいてかはゆらしく

どんなにいのちの芽生たちが伸びてゆくことか。

草木は草木でいつさいに

ああ どんなにぐんぐんと伸びてゆくことか。

ひろびろとした野原にねころんで

まことに愉快な夢をみつづけた。


------------------- 夜の帳がおりる頃、 しじまにまたたく星のささやき。 光年の孤独の叫びを、夜風が柔らかく溶かす。 今宵 ひっそりと夜ふかし。

サマリー

夜の帳が降りる頃、静まに瞬く星のささやきが聞こえ、光年の孤独の叫びが夜風に柔らかく溶けていきます。彼/彼女はひっそりと夜更かしし、野原に寝転んで、誠に愉快な夢を見続けています。

夜の帳が降りる頃から夜更かしまで
夜の帳が降りる頃
静まに瞬く星のささやき
光年の孤独の叫びを 夜風が柔らかく溶かす
今宵、ひっそりと夜更かし
群読のある夜
野原に寝る
萩原朔太郎
この感情の伸びてゆく有様
まっすぐに伸びてゆく峡谷のように
命の芽生えのグングンと伸びる
命の芽生えのグングンと伸びる
そこの青空へも 星の火をすれば届くように
星も高くなり胸幅も広くなった
星も高くなり胸幅も広くなった
胸幅も広くなった
大層浦々かな春の空気を吸い込んで
小鳥たちが食べ物を食べるように
愉快で口を開いて可愛らしく
口を開いて可愛らしく
どんなに命の芽生えたちが伸びてゆくことか
草木は草木で一切に
草木は草木で一切に
ああどんなにグングンと
どんなにグングンと伸びてゆくことか
広々とした
広々とした
野原に寝る
広々とした野原に寝転んで
寝転んで
誠に愉快な夢を見続けた
02:21

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