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皆さん、こんにちは。杉田まりこと、石川由加子です。
Good News for Citiesは、都市・建築・街づくりに関する様々なグッドニュースを、ザックバランに話す番組です。
今回は、ちょっといつもと違う形で収録をしています。
今、私たちは、銀座のソニーパークミニの前にいるんですが、今回はそのソニーパークさんとのコラボという形でお届けしていきたいと思います。
ちょっとシリーズでやっていけたら、みたいなことも思っているんですが、
まず最初のゲストは、ソニー企業株式会社代表取締役社長である永野大輔さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
石川さん、よろしくお願いします。
ちょっと今ね、私たち、天気も良かったので、銀座の街をブラブラ、まあ1時間ぐらいなんだけど。
めっちゃ楽しかったです。
どうでした?
めっちゃ楽しかったです。
楽しかったですか?結構初めてな場所とかもあったんですか?
初めてな場所もあったのと、昨日私、夜にずっと歩いてたんですけど、1人で2時間ぐらい。
やっぱり知っている人と歩くと印象も変わるし。
銀座ってなんか、お高く泊まった街みたいなブティックがたくさんあって、ハイブランドのお店がたくさんあってというイメージがあるんですけど、
実は、ちょっと1本道を外れるとロジがあって、ロジの中にまた怪しいお店があったり、
いろんな楽しみがある街なんですよね。
でも今日、案内してもらっている中で、この工事現場の方はちょっとびっくりして、
もう1個の道を歩くだけで、2、3個の現場に遭遇し、
これもなかなか特殊な風景だなと思いながら見ておりました。
はい、ということで、全国の方がいろいろ聞かれているので、
そもそもこのソニーパークミニって何ですか?というところからお伺いできればと思います。
そうですね。ソニーパークミニの前に、ソニーパークって何ですか?というところから話をした方がいいかなと思うんですけど、
ソニーパークっていうのは、2018年から2021年の9月まで、
この銀座の隙間橋コース展の一角にあった公園なんですね。
ソニーが作った公園なんです。
そこはもともとソニービルという、ソニーのショールームビルがあった場所で、
このビルの取り壊しの途中を公園にしたというのが、銀座ソニーパークなんですね。
なぜ公園にしたのかというと、実はそもそもは公園を作る予定ではなかったんですよ。
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そもそもはソニービルの建て替えのプロジェクトとして始まったんですね。
普通建て替えとなると、次に何階建てのビルを建てるとか、建築が誰にお願いするとか、
その中にどういうお店を入れようかみたいな話になりますよね。
僕らも建て替えのプロジェクトが始まった時にはそんな話があったんですね。
話をしている中で、ちょっと待てよと。
僕らが考えていることって、よくあるビル、ビルディングタイプとあまり変わらない話をしていない。
僕らはソニーだよねと。
ソニーってもともと人がやらないことをやるということをDNAに持っている会社だよねと。
じゃあ建て替えたビルというのも、やっぱりソニーらしいビルであってほしいよねというような話をしたんですね。
一回プロジェクトとしては流れが止まったんですよ。立ち止まったんですね。
だから本当にこのまま進んでいって単にビルを建て替えるだけでいいんだっけという話になったんですよ。
さっき申し上げたように、ソニーのDNAである人がやらないことをやるということに立ち変えた時に、
その時ちょうどプロジェクトが始まったのが2013年だったんですね。
2013年の頃って2020年の東京オリンピックに向けていろんな場所で建て替えラッシュ。
そうでしたね。
そうすると、僕らがビルを建て替えたとしても、そこに埋没されちゃうというか、ワンノブゼムになっちゃうよね。
だったら人がやらないことをやるというDNAだったら、周りが建てるんだったら建てないという選択肢ってないだろうか。
ちょっとふざけて考えるように見えるんだけど、本当に真剣にそういうことを考えて、建てないという選択肢ってないかと考えたんですね。
それをじゃあ建てないんだったらどうするのって考える時に、いろんなアイディアが出たんですけど、
答えは元々あったスニービルの建物を建てた時に、創業者の森田さん、森田明雄さんっているんですけど、
森田明雄さんが建てたコンセプト、街に開かれた施設というコンセプトを建てていて、
1966年の、まだウォークマンも出ていないような、ソニーがベンチャー企業の頃に銀座の一頭地にビルディングを建てたんですけど、
その時に私有地でありながら、パブリックスペースを大事にする街に開かれた施設というコンセプトを作りたいと言って、
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ソニービルを作ったんですけど、そのコンセプトって今でもすごい生きるなと思ったんです。
そもそもそういうポリシーというか考えがあって、
街に開かれた施設ってこれ今でも生きるんだろうな、
じゃあ僕らビルを建てないんだったら、街に開かれた施設というコンセプトを踏襲しようと。
そしたら何が起こるかと言った時に、広いパブリックスペースが作れるんじゃないかと思ったんですね。
森田さんはソニービルの中に10坪の築矢橋交差点に面したスペースを銀座の庭と言ってオープンスペースをしたんですね。
これが街に開かれた施設の象徴だったんですよ。
森田さんがソニービルで街に開かれた施設というコンセプトで銀座の庭を作りました。
じゃあ僕らは建物を建てないんだったら庭よりももっと大きなものができるよねと言って、
じゃあそれって公園だよね、公園を作ろうと言って、建物を建て替え途中で一旦公園にするというような着地をしたわけですね。
長いですね、ここまで。
確かに衝撃的な出来事だったなと思って、何気にソニーさんのビルがなくなるんだというニュースの後にできたのがあの公園だった。
それこそ東京に住んでいる人から見ると、あそこにこんなものを作って、それこそ何の意味があるんだろうと思う人もいれば、
すごい面白いことをやっているなと思う人もいれば、
あれがきっかけに銀座という街に出会う人もいたんじゃないかなと思っていて、
そういう意味ではすごい面白いボールを投げてきたなって私は当時思った記憶がありました。
そうですね、本当にさっき話したようにもともと公園を作ろうと思っていたわけではないけど、
結果的にソニービルを作った森田さんのいろんな資料を読む中で、
やっぱり継承すべきものはちゃんと継承しなきゃいけないなと思ったんです。
同じ場所に建てるわけだから。
その時にやっぱり大事だった街に開かれた施設というコンセプトを継承して、
現代流にそれをアップデートすると必然的に公園。
特に50年間お世話になった銀座。
銀座の街って今日歩いてわかるように、緑がそんなに多くないじゃないですか。
公園はもちろん少ないし、ほぼないし、簡単に座れる場所も少ないじゃないですか。
だからソニービルを建て替える途中に一旦公園にすれば、
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50年間お世話になった銀座への恩返しにもなるのかなという意味もあって、公園にしたということですかね。
なるほど。
じゃあ実際公園を作るってなって、ソニーパークは3年間限定で作られて、
具体的にどんな場所になって、どんな人が集う場所になったんですか。
そうですね。もちろん僕らは初めて公園を作ったので、
全く手探りの状態で始まったんですね。
ただ一個だけルールがあって、ソニーのショールームにはしないっていう。
それだともう公園じゃないですよね。
ソニーショールームをまた作りましたになっちゃうので、そうはしたくなかった。
だから公園、要は銀座の中の公園、都市の中の公園というものを再定義したかったんですね。
なのでやったのは、まずソニー製品を置かないこと。
で、ソニーの色をできるだけなくすということから始まったんですね。
2018年から始めて、1年間は全くそういったソニーの色はなくて、
名前はソニーパークなんだけど、やってることはローラースケート場になっていたり。
あれすごかったですね。
子どもたちの運動会をやっている場所であったり、
あとはアート展示センターという場所であったり。
音楽とか。
そうですね。
本屋さんになっていたり、東京アートブックフェアか、ようなものを使っていたり。
すごくパブリックな形で使ってもらうということが多かった。
1年間でしたね、最初はね。
で、そこで何が起こったかって言ったら、ソニー製品が全くなかったんだけど、
僕らはお客さんからアンケートを取ったり、お客さんの声を聞いたりしているんですけど、
この場所をどう思いますか?という問いに対して、一番多かったのはソニーらしい。
ソニーらしい。
ソニー製品がないのに、一番がソニーらしい。
なんでだろう。
これって、僕らも予期していなかったんですけど、
ちゃんとお客さんの声を聞いてみると、こんな場所に地価が高い場所じゃないですか。
ビルをすぐに建てずに公園にしてしまうということのユニークさそのものがソニーらしいということだったんですね。
だからそこにソニーの商品とかコンテンツとかがなくても、この場そのものが、
あり方そのものがソニーらしいというふうにお客さんが感じてくれた。
DNAが伝わっていたということですね。
そうなんですよ。
だから、これは僕らにとってはポジティブなサプライズで、これでいけるかもしれないと思ったんですね。
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だから、もともとその場を使ってソニーのブランド価値を上げるようなことをしてみたいと思ったわけなんですけど、
この場所そのものがブランド価値を高めているじゃんということに気づいたので、
これはいけるなと思ったのが2018年から2019年の最初の1年ですかね。
ちなみに今、私たちソニーパークミニの前の地下1階のところにいます。
駐車場で今収録していて、皆さんちょっと環境音がいろいろ鳴っているのは気づいたかなと思うんですけど。
街のノイズがね。
それこそ今ソニーパークがなくなって建て替えの間、この地下で活動を続けていくということでミニもできて、
今かなりの頻度でいろんな企画が。
そうですね。
どれくらいの広さなんですか?
10坪です。
10坪で行われている。
10坪というのはやっぱり意味があって、さっき言った、
銀座の庭。
銀座の庭が10坪なんですね。
なるほど。
今ソニーパークは2018年から2021年まで運営した期間で一回クローズして、
次は24年の新しいビルに向けて建設工事中なんですよね。
来年オープン。
来年オープン予定です。
新しいビルに建て替える間も、やっぱりソニーパークがやってきたいろいろな活動を
工事中も多くの人に知ってほしいなと思って、
何かできないかなと思った時に、たまたまこのスペースが見つかったんですね。
ちょっと空いたんですね。
もともとここは喫茶店だったんですけど。
ここに喫茶店があったのも面白いですよね。
本当にだって駐車場の中。
もともと喫茶店という定義なんですけど、待合室だったんですね。
待合室というのは何かって言ったら、
いわゆる駐車場なので、
会社の役員の方たちがドライバーさんに乗せられて銀座に来ますと。
ドライバーさんが役員の方たちを待っているための待機所みたいなものがここだったんです。
だから10つ分のスペースで、そこでコーヒーが飲めるような場所だったんですよね。
そこを借りて今はソニーパークのメインにしているんですが、
10つもというソニービル、
森田さんが銀座の庭って言っていたスペースとちょうど同じだし。
偶然だったんですね。
偶然ですね。
ちょうどこの真上ぐらいに庭があったんですよね、10つものね。
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いろんなストーリーがつながるなと思ったので、
新しいビルを作る前に10つも戻るというのは面白いなと思いました。
2024年以降ソニーパークがまた生まれ変わると思うんですけど、
具体的に言える範囲で構わないんですけど、どんなような場所になっていくんですか?
そうですね、2024年のビルディングタイプではあるんですけど、
コンセプトは町に開かれた施設で公園なんですね。
そこは変わらず。
変わらないです。
銀座の町って56メーターまでビルが建てられる、いわゆる高さ制限があるんですけど、
56メーターというと大体ビルディングで言うと10階から11階ぐらいの建物の高さが建てられるんですけど、
今度の新しいビルは高さ的にはすごい低いビルで、
フロアで言うと5階ぐらい。
5階ぐらいしかない低層のビルになります。
単に低層のビルではなくて、立体的な公園のように皆さんが楽しんでいただけるような場所にしようと、
今、絶賛講じています。
この隣で講じています。
地下も何階?
地下は3階です。
地下も面白そうですね。
今この駐車場がそうであるように直接つながっているので、
駐車場、それから地下鉄の本コース、地上というどこからでもアクセスができるような開かれた場所になるのは間違いないですね。
楽しみですね。
銀座という町についてもおしゃべりしていけたらと思うんですけど、
この収録が始まる前1時間、いろいろ歩いた中で私もすごい学びが多くて、
銀座のテイストの話だったりとか、工事現場の話だったりとか、
昼の顔、夜の顔、町のリズムの話だったりとか、
銀ぶらってことも初めて聞いたんですけど、面白いなと思って。
長野さんが銀座の好きなところとか、今見ている変化とかもザック・バナに教えていただけたら嬉しいなと思います。
銀座の町って一見するとアッパーな町のように見えるんですけど、
さっきもお話したように路地裏があったり、いろんな面白さがある町だなと思っていて、
それは僕はリズムがある町というような表現をしているんですけど、
僕よく言っているんですけど、人生にも町にもやっぱりリズムが大事で、
だって人が生きている時って楽しいことだけじゃなくて、辛いこととか悲しいこととかあるじゃないですか。
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バイオリズムですね。
バイオリズム。だからその辛いこととか悲しいことがある反面、
良いことと喜びも倍増するし、だからやっぱりそれが人生の楽しみだと思っているんですね。
町も同じで、画一的なお店しかないような町とか、
どこを歩いても似たような景色だとつまらないんですけど、
銀座は歩いてていろんな発見楽しみがある町、歩いてて楽しい町、
だと思うんですよね。
それっていうのはやっぱりリズムがあるからだと思うんです。
幹線道路があって、路地裏があって、新鮮なお店があって、
メジャーなブランドのお店があって、デパートがあって、
いろんなバラエティがあるっていうことが、
リズムを作りやすい町、歩いてて楽しい町だと思うんですね。
だから一般的なステレオタイプで言われている、
ハイブランドなショッピングストリートみたいな銀座のイメージと、
僕のイメージはちょっと違うかもしれないですね。
それを今日歩いていただいて体感いただいたかと思うんですけど。
感じました。
昨日私も2時間くらい散歩していて、
2時間も散歩したんですか?
一人でプラプラと夜に散歩していたんですけど、
夜の散歩が好きなんですけど。
やっぱりウォーカブルな町。
さっきもおっしゃっていましたけど、五番の目上に、
一つ一つのブロックが比較的小さいからリズムがあって、
車とかもその度に止まるので、ゆっくり走っていて、
安心な感じがしたんですよ。
通りを渡る時もその安心感みたいなものもあったし、
結構その通り一本変わるとサインの感じとか、
建物の感じとか入っているお店も違うから、
意外と面白かったっていうのが感想で、
私この辺りあんまり知らないエリアだったんですけど、
銀座っていうイメージに対して、
コーヒーが1杯1500円くらいするハイスな街みたいなのしかなかったから、
意外と面白いんだな、もうちょっとディグってみたいなってすごい思いました。
そうですね。
渋谷とかになっちゃうと確かにいろんな層がいるけど、
道や公共的な場所で意外と出会ってないなって感じで、
でも銀座はいろんなレイヤー、
それこそ観光客もいれば、若い子もいれば、
毎日ここに通う人もいれば、夜の世界で働く人もいれば、
いろんなレイヤーが出会うような場所が結構あるな、
見える感じがあるなって思いました。
今日案内していただいた小道に入った裏手にあるデイリー山崎とか、
最高だなって。
ちょっと細い道に入って、
案内していただいたらそこにデイリー山崎があったんですけど、
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あれなんて多分ここに毎日働いている人が使っている道だったり場所で、
その裏手にはまた属性の人が使う場所があって、
それが隣接している意外と懐の深いエリアなのかもなって思ったりします。
そして先ほど都市の新陳代謝みたいなお話をされていたと思うんですけど、
自然にどんどん変わっていく。
悪いお店は淘汰されていくし、
いいお店は残っていくみたいな中で、
そういう意味で永野さんが考えるこれからの銀座の姿とか、
今後はどういう風に変わっていくのかみたいな考えはあったりしますか?
そうですね。
銀座がハイソナ街っていうブランドイメージは、
多分そんなに皆さんのイメージが変わらないと思うんですよね。
だけど来ると面白さがわかると思うので、
だから多くの人に来てほしいなという風に思うんですね。
で、ソニーパークはその一つのきっかけになればいいなと思っています。
2018年から2021年までにソニーパークを作りました。
ソニーパークに来ていただいた方たちは、
属性で見ると若い方が多いんですね。
10代、20代の方が多くて、
銀座っていうとやっぱり40代以上の方とかが来るイメージがあるんですけど、
実は10代、20代の方たちにたくさん来ていただいて、
多分初めて銀座に来ましたっていう方たちもいたはずなんですよね。
だけどソニーパークだけじゃなくて、
ちょっと周りの道を歩いてみると、こんなお店もあったんだ。
高いお店だけじゃなくて、こんなにカジュアルに定食を食べれる店もあるじゃん。
立ち食いそば屋さんもあるの?銀座に。みたいな。
そういう新しい出会いがあると、
じゃあまた今度銀座に行ってみたいねっていう人が
増えると銀座の街ってもっと面白くなるんじゃないかなというふうに思うんですね。
だから銀座のこの先というのは、
ハイソナを高く止まっている街というよりも、
もっと多様性があって、いろんなものを受け入れる街リズムが
もっと出てくるような街であってほしいなというふうに僕は思いますけどね。
あとじゃあ次は公園。
公園について話したいなとうずうずしてたんですけど、
さっきの10代の話は面白いなと思って、
宮下パークができた時に、
この公園できちゃったなみたいな人多かったと思うんですけど、
今の宮下パークってまさに10代の公園になっていて、
10代の女の子とか特に結構安心して、
でもお金はいらずに居座れる場所として、
すごい10代の求心力を持って、
TikTokとかもあると思うんですけど、
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場所だなと思って、その動きは結構面白いなと。
その世代とパブリックスペースの関係性とかも結構面白いなと見てたんですけど、
ソリンさんが今考えている公園の形みたいな、
先ほどちょっとお話もあったんですけど、
建て替えの隙間の空間に公園を土地の中で公園化していくって話も
ちょっとここで話していきたいなと思いました。
そうですね。
僕らがこの場所をソニーパーク、公園にするって言った時に、
人々が公園っていうものをどうイメージするんだろうって言った時に、
やっぱり広い敷地があって、木々がいっぱいあって、
芝生があって、ベンチがあって、
時には池があったり、噴水があったり、
そういうような公園をイメージすると思うんですよね。
だけどソニービルが建っていた場所っていうのは、
敷地面積でいくと700平米ぐらいしかないんですよ。
都市の中のど真ん中にあって、
そこに例えば代々木公園や小松原公園のようなもの、
日比谷公園のようなものを持ってこれないわけですよね。
持ってこれないんです。
じゃあどうしようかと思った時に、
いろいろ考えて調べて、
公園って何だろうって考えたんですね。
疑問は、緑があるから、芝生があるから、
ベンチがあるから公園なのか、
ある程度広さがないと公園と呼んじゃいけないのか、
いろいろ考えている中で、
一つは公園と人の関係性っていうものに視点を落としてみると、
人が何で公園に来るのかっていった時に、
いろいろ散歩をしたいって人もいれば、
休憩したい、あとはジョギングしたいとか、
あとは昼寝したい、お弁当食べたいとか、
ボール遊びをしたいとか、
いろんな目的があると思うんですよね。
だから公園はそれを全部受け止めているじゃないですか。
じゃあ何で受け止められるんだろうと思ったんですね。
何で受け止められているかって言ったら、
それは多分余白が多いからだと僕は思ったんですね。
要はこれをしてはいけない、これだけしか、
これだけのために使う場所ですよっていうような定義をしていない。
デパートに行ったらここは食品売り場です、ここは化粧品売り場です、
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ここは靴を売ってますっていうような限られているじゃないですか、用途が。
だけど公園というのはそれが定義されていない。
だからいわゆる何をしてもいい余白が多いなって。
余白があるから人は好きなことが自由にできるんだなっていうふうに思ったんですね。
っていうことは公園を公園としているのが、
実は緑ではなくて芝生ではなくてベンチではなくて、
これ余白なんじゃないかと思ったんですね。
だったら700平米という小さなスペースではあるんだけど、
都会の中に公園も作れるんじゃないか。
余白を作ることによって人々が心を安らぐような、
もしくは時には心をときめかせるような場所、
要はリズムを変える、リズムを生むような場所にできるんじゃないかというふうに考えて、
都市の中の公園というものを再定義しようと言って始まったのが
ソニーパークの公園作りなのですね。
再定義すると言っても、
こんなの公園じゃねえよって思う人もたくさんいたわけなんですけど、
そこはソニーなので、やっぱりチャレンジすることを恐れずに、
公園というものを再定義する。
余白を作りながら、アクティビティを行いながら休憩する人もいれば、
そのアクティビティを楽しむ人もいるような、
いろんな使い勝手ができるような場所にしたというのが、
ソニーパークであり、公園の新しい使い方と僕らが提案していたことなんですよ。
何かわかります?
面白いなと思ったのが、さっきお話しされていた中で、
そのアイディア、その余白がある都市の中の公園というアイディアが、
ソニーパークだけに閉じた独占されたものじゃなくて、
もっと街中にたくさんあっていいじゃんみたいな文脈でお話しされていて、
それがすごい共感しました。
さっき、街の中の公園を再定義するということを言ったんですけど、
実はソニーの中で作ってきた商品、
世の中のライフスタイルを変えたような商品、
例えばウォークマンみたいなものであるとか、
あとはゲームで言ったらプレイステーションであるとか、
あとはロボットで言うとiPhoneみたいなものであるとかっていうのは、
みんな既存の考え方を再定義しているものばかりなんですよね。
音楽というものは家の中でステレオで聴くものだというものを、
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家の中から持ち出したのがウォークマン。
音楽の聴き方を再定義したわけですよね。
ゲームなんて子どもがやるものだというものを、
大人も楽しめるようにしたのがプレイステーションなわけですよね。
ロボットというのは普通は人間を助けるもの、
サポートするものだというものがロボットと人間の関係だったものを、
人間が可愛がるというような完全にベクトルを逆にして、
ロボットと人間の関係を再定義したのがiPhoneじゃないですか。
だからソニーの歴史の中では、
既存概念を壊して再定義するということがカルチャーとしてあって、
僕らは今回のプロジェクトで公演をもう一回再定義をしたわけですね。
単に再定義するだけでは面白くなくて、
それを世の中に問うということにして、
さらにそれが未来の一歩になる。
要は再定義をして、それを世の中に問うとどうですか。
それが未来の一歩になる、スタンダードになっていくということをやってきた会社なんですね。
外で音楽を聴くということを初めてやったのはソニーで多く作りました。
そしたらいろんな会社さんがやっぱり外で聴けるような商品を出してきたわけですね。
そうすると外で音楽を聴くのは当たり前になってくるじゃないですか。
僕らは建物を建てる途中を公演にしました。
今それを世に問うているわけですね。
世に問うて、いいね。
プロセスをってことですね。
これって一回公演にすると街が面白くなるじゃん。
人が楽しめるじゃん。
しかも自分の会社のブランド価値も上がるじゃんということが、
皆さんが分かってきたら、これがスタンダードになっていけば未来への一歩になるかなと思っているんですね。
そうすると何が起こるかと言ったら、街の中で工事現場がたくさんあって、
今は銀座アルギックだけでもすぐあるじゃないですか。
その工事現場がすぐにビルが建てるんじゃなくて、一旦公演になったら、
もう必然的に工事現場イコール公演になっていくわけですよね。
そうすると、銀座の街にも公演が年ごとに増えていく。
だけど新しいビルが建ったらそこは消えていく。
また新しい場所に公演ができるというような、すごくサステナブルな形で公演ができていくということが、
新しい流行というか文化になっていくんじゃないかというふうに僕は期待しているんですね。
そのための実験というか一歩がソニーパークだと僕は思っているんですね。
まだスタンダードにはなっていないけど、2018年にソニーパークができてから、
東京街の中でもなんとなく建て替え途中を一旦公演するような場所がちらほら見え始めているんですよね。
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今聞いていてちょっと面白いなと思ったのが、
ソニーさんっていろいろやられていると思うんですけど、
そもそもプロダクトを作っていた会社で、
建物を建てているディベロッパーの方々と少し空間の建て方が違うのかもなと思って、
それが結構面白いなと思って、
建て替え途中の空間にある意味公演みたいなプロダクトパッケージみたいなものを
一瞬ガチャってインストールしてみたらどうなるだろうとか、
その考え方がすごく都市っぽいなと思うし、
そのように小さな単位で空間を転換させていくみたいな、
すごいプロダクトっぽいガジェットを買えるとか付属させるアイテムを買えるとどうなるとか、
そういう考え方で空間を作っていくのがすごく面白そうだなと思って。
そうそう、まさにおっしゃる通りで、
僕は公演というのはさっき余白ということをしたんですけど、
別の言い方にするとプラットフォームなんですよね。
スマートフォンと同じで、スマートフォンってやっぱりアプリケーションによって使い勝手が変わるじゃないですか。
電話として使う人だけじゃなくて、いろんなアプリケーションによって音楽再生にもなるし、
地図にもなるし、いろいろな使い方ができる。
公演というのも何者でもないわけですよね、余白っていうのは。
何者でもなくて、時々のやるイベントで、それはローラースケート場になったり、
あとは移動図書館になったり、時にはライブハウスになったり、
いろいろ変わっていくっていうのは、すごく都市的であり、かつプロダクト的なのかなっていうのはすごく感じているところですね。
あえてそうしているというか。
そうしないと、固まってすぎちゃうと時代の速さについていけなくなっちゃう感じがするんですよ。
そうですね。一個成功例があったから、このままやっていこうみたいな感じで展開するパターンが多いじゃないですか。
そうじゃなくて、すごいちっちゃなギミックとかを変えながら、その場所に合わせたデザインとか、
小回りが効くデザインってもっと必要だなとか思いますね。
その究極が、今目の前にあるこのソニーパークミニがそうで、
実はソニーパークよりも圧倒的に面積が小さいじゃないですか。
ソニーパークは都市の中の公園を再定義するという実験であったんですけど、
このソニーパークミニもある種都市の中の実験をしていて、
このソニーパークミニのテーマは軌道力と複製力なんですよ。
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複製力。
要はデプリケーション。
こういった都市の中の隙間に10つほどのポップアップ的なスペースを設けて、
そこで2週間、3週間ごとにいろんなアクティビティが行われている。
そのアクティビティのチェンジはたった一晩で場面転換するわけですよね。
ということはコストもそんなにかからない。
コストもかからずに場面転換できる。
アクティビティごと、いわゆるアプリケーションごとにたくさんの人が来てくれる。
コストもかからなくて、小さなスペースであるならば銀座以外でも展開できる。
デプリケーションできる。
さっき工事現場を公園にするというのも一つの方法なんだけど、
都市の中にこの10つほどのパブリックスペースをデプリケーションするということも、
都市入伯を作ることも一つになると思っているんですね。
だからソニーパーク700平米の公園を作るよりも、
ソニーパーク1000平米の公園を作る方が、僕の中ではよりデジタル化というか、
だって機動力というのは、いわゆるブートさせるという話と複製力がデプリケーションなので、
これってまさにデジタルじゃないですか。
多分それが都市の中にインストールしやすいサイズなんですよ。
駐車場の一角で銀座をやりましたけど、
例えば地方に行ったら、デパートの屋上にインストールされている場合もあるだろうし、
今はデパートの屋上はあまり人が行かないようなデパートがあったら、
これが集客マシンになるかもしれないし、
いろんな都市の中にスペースがあると思うので、
こういったものがミニ小さな公園というか、
小さな余白というものが展開していくと、また新たな可能性は生まれてくるかなという気はしていますけどね。
そう考えると、この10坪めちゃくちゃ面白く見えてきました。
めちゃくちゃ実験的なんですよね。
そうですね。
他の場所で見てみたいなと思いました。
だから面白いのは、ソニーパーク2018年からやって、
3年間で854万人の方が来てくれていたんですね。
パークの方が。
コロナ禍だったので、途中でお客さんが少なくなったりはしたんだけど、
コロナ前はだいたい平均すると1万人の方が公園に来てくれていたんですよ。
すごい。
1日1万人の方が来てくれる公園というのは、やっぱりなかなかなくて。
確かに。
だから3年間の結果で、
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すごい実験としては成功したというか、都市の中で公園を作ることによって、
単にパブリックな空間を作るだけじゃなくて、
やはり事業としてもちゃんと成立できるような場になったなという気はしているんですよ。
だから最近もそうなんですけど、
いろんな会社さんから同じようなものを作りたいんだけど、
相談がありますか?
相談とかあるんですよね、やっぱりね。
このソニーパークミニのようなものを作りたいとか、
逆にこのソニーパークミニを自分のところに作ってくださいとか、
そういう話とかもいただいたりするんですよね。
だからちょっとずつ世の中に影響力を予防することができているのかなという気はしてますけどね。
いいですね。
そういったアイディアと選択肢と、
場所を考える想像力みたいなものが、
いろんなエリアで広がっていけばいいなと思います。
そうなんですよ。
ミニってだって車2台分停めれるぐらいのスペースじゃないですか。
だからトムスを埋めれば、
やっぱり工事現場とか開発を待っているブラウンフィールドとか、
大体駐車場にしようみたいなイマジネーションしかあんまりないんだけれども、
それがその代わりにミニみたいな場所にしようとか、
ちょっとした公園にしてみようとか、
そういう選択肢を増やすみたいなのが面白いなと思います。
そうなんですよ。
街歩きがむちゃ楽しかったので、
第2弾、第3弾ぜひしたいです。
夜バージョンとか、
ちょっとテーマを収録できるといいかもね、街歩きの方。
私たちはよくアグリービルディングツアーっていう街歩きをしていて、
ポジティブに街をディスニーながら歩くっていうツアーなんですけど、
ディスることで、一見ネガティブだけれども、
本当はこうしたいみたいな思いが、
その奥に見えてくるみたいなテーマでやっていく、
そういったアグリービルディングツアーとか、
子どもと一緒に歩いてみるとか、
いろんなテーマを切って、
ぜひ永野さんと歩いてみたいなと思いました。
新生の若旦那みたいなやつを登場させて、
インタビューしちゃえばいいね。
銀座のママとかね。
あとやっぱり今回お話を聞いて、
ミミィの空間的可能性についても
ちょっとイメージが広がったなと思って、
単純にここが展示会場とかではなく、
もうちょっと長期的な公園とか場所の
さっき言ったアプリケーションみたいなものを考える、
実験場だとすると、
いろんな仮説を試せる。
そうですね。
そこから逆転すると結構面白いことができるかもなと思いました。
あとはあれですよね。
今日もそんなに本題の方ではしゃべっていないけど、
都市ってやっぱり収穫率が高いじゃないですか。
情報密度も高いので、
だから余計にリズムを作りにくいというか、
それを楽しむ人もいるんだけどね。
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カオス的なものも含めて。
それは都市のあり方なんだけど、
やっぱり余白があることによって、
人呼吸を多くやるとか、
ソニーパークができて、
亡くなりましたって言った時に、
結構みんな気づいた人がいて、
亡くなっちゃって休憩できなくなっちゃったね、
っていう人が多くて、
あとは、
ふらりと休憩できるから、
食事会とか飲み会に来た時の、
30分早く着いて、
隙間時間のいる場所がないんですよね、銀座。
だからゼロ時間的な場所。
そういうのも都市の中にあるといいなと。
じゃあ、To Be Continuedということで、
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
楽しかったです。
グッドニュース・フォーシティーズでは、
毎週新しいエピソードを配信しています。
次回もお楽しみに!