2025-03-01 49:44

#86 探検家とテクノロジーグループのトップという二人の話から

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田中さんのお友達のイギリス人探検家と、フライシュマン・ヒラードのテクノロジーグループのトップという別々二人の話から得た示唆について。

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

このエピソードでは、探検家の体験に基づく人材育成の重要性と現代の課題としてのトランプ現象やイーロン・マスク現象が議論されています。また、教育の本質に関しては、関係性と行動の重要性が強調されています。 探検家とテクノロジーグループのトップがコミュニケーションの重要性について語り合っており、アメリカにおけるPRとマーケティングの変化、特にイーロン・マスクの影響についても触れられています。 政治の勝敗に関する誤解や、トランプとバイデンの経済政策がビジネスに与える影響について議論が行われており、日本の田舎の価値観とコミュニケーションの重要性についても考察されています。 スペースの多様性が人間の生き方に与える影響が語られており、SNSの発展によって人々の情報発信やコミュニケーションが広範囲にわたり、一貫性を保つことの重要性が強調されています。

探検家の話と人材育成
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う三人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる。 世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって40年以上。
コミュニケーション命。 シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職してはや約30年。高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。
田中 愼一
今日はしょっぱなから、3つほどお話をテーマに、皆さんと話せないかなと思って参加してます。一つ目っていうのは、英国人でイギリス人で、僕の知っている人で、もう70半ばぐらいの人なんですけども、
冒険探検家ね。アフリカとか中南米とか、それからチベットモンゴルとか、そういうところにいる少数民族っていうか、そういう人たちの中に入っていって。
そこから、その探検という一つの経験から、それをどうやって人材育成につなげられるかっていうことを、長年ずっとやってきてるイギリス人なんですね。
田中 愼一
もともとその人の話が面白いなと思って、先週会う機会があったんで、話をいろいろしたんですけど、久々にね。
今ちょうど日本に、先週来てたのかな。もう帰っちゃったけど。
その話が一つと。それに連なっているのが、我々が今、日々報道をされているトランプ現象ですね。
それからそれに連なって、イーロン・マスク現象とでも呼んでもいいでしょう。
こことの話というのがですね、実はうちのグローバルネットワークなんですけども、そこのCEOとテクノロジーのグループのトップが来てたんですけど、この一両日。
そこでいろいろと話して、最近のアメリカの動向について、あるいはそれが世界にどう影響してるのかっていうような話などを議論する場があったんで、
実はそこである示唆を受けたんですが、それが先ほどの一番の探検家の話と結構つながってきてるかなと。この二つですね。
三つ目は、ちょっと時間があればね、なければまた次回でもいいんですけども、
侘び数寄道という、いわゆる茶道の一つのワビスキというものを知るというのがある意味茶道の根本的な流れの中にあるんですけども、
その侘び数寄道に絡めたイベントがあってですね、先週。
そこで参加してちょっと思うところがあってですね、ここあたりの三つのポイントでも皆さんと議論できれば面白いかなという形でスタートしたいなと思います。
まずこの探検家の話ですね。探検家はですね、もともと彼とは10年ぐらい前かな。
具体的にあの出会いだったっていう記憶はないんですが、いつの間にかもう10年ぐらい付き合ってるんですけど、
日本には結構しょっちゅう来てて、日本である教育社団法人みたいなものを作り、
今彼はそこに対するオーナーシップは持ってないんですけども、
そのときにその教育する社団法人みたいなところが何をやってるかっていうと、
いろいろな意味での研修を提供している組織なんですけども、
その研修のベースにあるのがですね、実はこのアンソニーっていう名前なんですけどファーストネームが、
アンソニーがですね、若い頃からずっとアフリカとかモンゴルとかいろいろな地域に入り込んでいて、
その中で得た経験をベースに、一つの人を育てるためのトレーニングプログラムっていうのを日本で開発し、
今は別組織がそれを運営してるんですけども、
いわゆるそれを作った元祖というか、そういう人なんですね。
その繋がりもあって日本にもしょっちゅう来てて、今彼はどっちかというと日本の田舎。
今実際山梨県といろいろやってるんですけども、
山梨県でいろいろな有志が集まって、日本の田舎の価値って何なのか。
田舎が持っている文化的な環境っていうのが、
実は別に日本だけじゃなくて世界に通用する一つの価値を提案できるんだっていう思いで、
結構しょっちゅう日本に来て山梨県に行ってですね、
いろんな有志の人たちと一緒になって田舎の価値っていうのを発見しようって、
それをより世界に広めていこうっていうような運動もやってるんですね。
一方で、僕が出会ったときの中心はマサイ族のところで、
現代の課題と教育の本質
田中 愼一
彼は一年か二年ぐらい一緒に過ごしたり、
そこでの経験をベースに、今行った教育とかトレーニングとかを開発してるんですけども、
一番初めに僕が記憶があるのが、彼がマサイ族の首長を日本に連れてきたんですよ。
僕が会ったんですけども、マサイ族の首長っていうのはまさにマサイ族の独自の着物っていうのかな。
どっちかというと印象で言うと非常に赤で鮮やかで、
なんか一枚の大きな毛布みたいなものを体に巻いて、
基本的には槍を持ってるんですよ。
高木 恵子
おー、やっぱそうなんだ。
田中 愼一
足は、普通は裸足なんですけど、さすがに東京の、でも裸足で歩いてたな。
ただ槍だけはちょっと持てないですよ。
高木 恵子
確かに。捕まっちゃいます。
田中 愼一
槍のほかに、木の長いやつを、杖みたいな感じで日本に着てて、
そのままの衣装でね、東京じゅうを歩くわけですよ。
うちのオフィスにも来たんだけども、
いずれにしてもそこでいろいろなイベントをやって、
そのマサイ族の発想っていうことで、僕もパネルディスカッションに出てですね、
いわゆるマサイ族が持っている、
マサイ族っていうのはアフリカで一番強い種族と言われていて、
子供が大人になる、元服するときっていうのは、
昔は、今はもうやりませんよ。
昔はですね、ライオンを一匹殺していくっていうのが一つの儀式だったそうですね、大人になる。
そういう伝統を持った、日本で言うと侍的な流れの考え方なんですけど、
彼と話しながら、探検からあちこち行きながら、
そこで得たものをトレーニングっていう形に下ろして、
田中 愼一
トレーニング活動を行っている。
だから探検をしたり、いろいろなとこに行ってそういう人たちと会いながら、
そこに自分も溶け込みながら、
そこから学んだものを、いろいろな企業研修とかそういうところに役に立ってるっていう。
こんな面白いおじさんなんですけどね。
彼が昨日議論したときに、教育って何かって話を議論したんですね。
1時間ぐらいかな。
彼は教育を今一番邪魔にしているのは世界で、
妨げているのは、彼英語で言ったんですけど、
White man academic poison
White manっていうのは白人のことですよね。
本人は白人なのにね、イギリス人。
White manでアカデミックって言葉が意味があって、それがポイズンなんだと。
これが人の育成というものを邪魔してるってことですね。
高木 恵子
面白い。
田中 愼一
このWhite manのアカデミックって、我々の感覚で言うと、これは西洋の世界ですよね。
西洋のアカデミックってのはどっちかというと、理論思考とか、理屈とか、いわゆるアカデミックな考え方。
つまり、机上のお勉強的なアカデミックっていうのは強調してる。
で、それが世界に今蔓延してて、それが毒なんだと。
で、このWhite man academic poison
というのは、どっちかというと、自分中心の考え方だと。
つまり、我思うゆえに我ありっていう、あれデカルトでしたっけ、誰でしたっけ、人がいましたけど、
西洋の文化ってどっちかというと、自分、自己中心、自我の確立っていうかね。
自我っていうものが一つのベースにあって、それが自分のパーソナリティを作り上げてるんだっていう思いがあって。
高木 恵子
そうですね、アイデンティティになってますよね。
田中 愼一
だから、いわゆるすべてのものが自我っていう、自分というものを中心にやっていく。
だからコミュニケーションのところもですね、基本的には自分っていうのがあって、初めて相手とのコミュニケーションができるっていう発想が非常に強いんですよね。
で、彼はですね、それをある意味アカデミックポイズンと呼んでいて。
White man academic poison
そうじゃなく、実は人間社会を成り立たせてるのは、彼の言葉で言うと、sense of relevance
つまり、別の意味で言うと、コネクテッド。
高木 恵子
それもおーって共感しちゃうな。
田中 愼一
つまり、周りとの関係性の中で生きてるんだ。
だから、自分中心で考えるっていうこと自身が、もはやその人間のその成長を止めてしまう。
実際の真理は、人間というのは周りとの関係性の中で生かされてる。
まあどっちかというと、アジア的な、東洋的な発想ですけども。
関係性の中での貢献
田中 愼一
このsense of relevanceっていうものが、実は非常に重要なんだと。
で、What is education?
つまり、教育って一体何なのかっていうと、
まず、そういうsense of relevanceっていうことに生かされてる世界の中で、
どう、how to contributeだって言うんですね。
どう貢献するかっていうのが、非常に重要なんだと。
つまり、sense of relevance、つまり周りっていうものとの関連性の中で、
自分はどう貢献するっていうことを知るのかっていうのが、educationだってわけですね。
基本的にはですね、いわゆる貢献するっていうのは、何があればまず貢献できるのかっていうと、
要は、自分が何を持っているかっていうのを認識しろと。
英語で言うと、what you got。
まずは自分が何を持っているのかを知れと。
で、それを知った上で、それを知るっていうのは、例えばどういう風に語るかっていうと、
まず、これ英語でちょっと言いますね。
Japanese accentで言いますね。
To know the power of your personalities and wealth of your life experience
つまり、まず自分のパーソナリティの個性というものを持ってるんだけども、
そのパワーというものを認識しろと。
それからもう一つは、自分は生きてきたっていう実際の経験を持っていると。
で、そこにどれだけのwealth、いわゆる富っていうか、があるかを認識しろと。
だから基本的には自分の個性というものをもう一回見つめ直せと。
そのsense of relevanceの中で、つまり周りとの関係性の中で、自分の個性の強みっていうのをどう見知るか。
で、さらにはその個性だけじゃなく、その個性を培ってきた、自分のそれまで生きてきた経験っていうものの中に、
そのwealth、豊かな、ある意味宝物があるんだよと。
で、それを知ることによって、初めて周りに対して、一つのアクションとして貢献することができる。
で、How to contributeっていうのは、どうやって貢献するかっていうのは、彼は言い切ってるのはアクションしかないって言ってたんですね。
で、without action, no survivalって言ってるんです。
つまり、アクションをとって貢献するということをしない限りは、サバイバルできないよって。
ここあたりはね、結構探検家としての知見なんでしょうね。
マサイ族とか、いろいろなそういう人たちが、まさに学校、非常にね、我々の生きてる近代社会とは違う、自然という厳しい中で生きていくときに、
やっぱりそれぞれ関係性っていう関連性、自分だけじゃなく自分との周りを囲んでる関連性の人たちと、しっかりとその中で貢献していくアクションとしてね。
で、そのためには自分の個性の強さっていうのを、関係性の中で見つけ出し、
自分がその個性を作ってきた自分の人生の経験っていうものに、どれだけの豊かなものがあるのかっていうのを知る。
で、それを一つのアクションという形で貢献するっていう、こういう発想なんです。
これが彼のトレーニングプログラムの基本発想なんですよね。
それがエデュケーションなんだっていう。面白くてですね、なるほどねと。
そういうと、もうほぼ10年ぐらい付き合いがあるけど、なるほど彼のやり方。
で、実際彼が作っているトレーニングプログラムの代表的なものがですね、うちでも取り入れたんですよ、昔。
やったんですけど、マンモスハンターっていうのがあるんです。
で、マンモスをハンターしようっていう、一緒のゲームみたいで。
例えばうちでやったときはどういうことかっていうと、彼がファシリテーションやるんだけども、
うちの全社員を全部で6つぐらいのグループに分けるんですね。
で、その6つのグループに大きな白紙っていうか、紙ね、あるやつあるでしょ、フリッパーっていうんでしたっけ。
マンモスハンターの議論
田中 愼一
で、そこをボンと置いてあって、あるいは普通のホワイトボードでもいいんですけどもね。
そこに各グループが、マンモスハンターになれと。
で、マンモスっていうのをとにかくハンターするんだと。
じゃあマンモスはどこにいるんだと。
君たちにとって、今マンモスって何なんだと。
つまり自分たちが日曜やってる事業、仕事の中で、マンモスハンターっていうのは、一種の目標ですよね。
で、今そのマンモスは何なんだっていうのをみんなで議論して、マンモスハンターの絵を描いていくんですよ、どんどん。
そのマンモスハンターに行くためには、実は大きな山があると。
じゃあその山って何なんだ、我々の仕事の中で。
で、それを乗り越えるって言うんだけど、それはどう乗り越えればいいのか。
しかも山に行き着く前に大きな川がある。
じゃあ川は何なんだと。
そうすると、川を一番浅いところで渡ろうとするんだけども、
その浅いところに行くと、実は敵の部族がいると。
じゃあその敵の部族は何かって、これを半日かけて作らせるんですよ。
作ってみんながそれを発表するんですよ。
それでみんなでワーワーってやりながら、結果として、マンモスハンターというゲームというか遊びを通じてですね、
みんなの意見がどんどん一つの方向で固まっていって、
基本的には自分の今やってる仕事における、ある意味実現しなきゃいけない目的が明確に見えて、それが共有化され、
さらにそこに行くための課題が見つけて、それが共有化されて、
その課題を乗り越えるための方法論も議論されて共有されて、
というふうに、ある意味トレーニングですね。
自分が日頃やってる仕事っていうのをどうふうに理解して、自分はハンターとして行動すべきなのか。
しかもそれは仲間たちとどう行動すべきなのかというようなトレーニングなんですよね。
PRとマーケティングの変化
田中 愼一
なかなかね、面白かったですよ。
面白いですか?みなさん受けたいですか?
高木 恵子
すごい面白そう。
今の現状を全部、要は文書化というか言語化するというかね、クリアにするっていう。そういうことですよね。
田中 愼一
言語化と同時に絵にしちゃうんですよ。
イメージだから非常にね、議論っていうのが燃えて、彼はそれをファシリテーションするんですね。
ファシリテーションっていうのは彼の冒険してきた経験。
つまりマサイ族の非常に厳しい自然環境の中でどう生きてきたかっていうようなノウハウをちょっと示しながら。
実際は、うちのときはお金が高いんでちょっとそれはしなかったけど、
企業の場合なんかはそのマサイ族の首長さんをわざわざ呼んでくるんですよ。
マサイ族の知見を披露するんですね。
マサイ族の首長はね、英語がめちゃくちゃ上手くて、名前もエマニエルって言うんですよ。
面白い。本当に黒人のマサイ族の衣装を着て、完全なんだけど話すと流暢な英語が出てくるわけですよ。
聞いてみたら、あちこち彼のトレーニングの中でヨーロッパ行ったり世界各国に行ったりね。
マイクロソフトのビル・ゲイツも受けたみたいですよ。
どこでやったかって言ったら、万里の長城でやったそうです。
高木 恵子
あら素敵。それもまたいいですね。すごいいいな。
田中 愼一
ある環境に連れてって、そこで考える発想する。
だから僕のところは、うちは基本的には1つの会議室を借りてやったんだけども、
本来はマサイ族のとこに1週間いて、その中で考えていくっていう。
いわゆるサバイバルって何なのかっていうのを考えていって、
前にここで言ったかもしれないけど、学生を教えてたときに留学生が結構いる大学に行ってコミュニケーションと会ったんで、
コミュニケーションってなんだって言ったら、一人の香港から来た留学生がね、
communication is survivalって言ってたんですね。
でもまさにそれと非常に不合するっていうか、我々はやっぱりサバイブしなきゃいけないわけですよね。
そのサバイブするときに、やっぱり周りとの関連性っていうかね、
自分、自己中じゃ絶対生きていけないっていうね、サバイブできないっていう、なんかそういう話なんですよね。
結構ね自分の頭が整理されたかなと思って。
その話を聞いた後に、うちのグローバルの仲間たちが日本に来て議論して、
あるテクノロジーのグループをリードしている人がいるんですけど、
これはファーストネームだけで言うとTimって言うんですけどね。
アイルランド人かな、もともと。
その後はアメリカに行ってアメリカに帰化したっていう、ファーストジェネレーションって言ってたな。
彼はめちゃくちゃ話をごっつい顔してるんだけども、話をし始めるとすっごい面白くて。
今アメリカでは、コミュニケーション、いわゆるパブリックリレーションの地位が下がってきてると。
地位が下がってきてるってどういうことかと言うと、前はトランプの前ってことね。
マーケティングなんかに比べるとPRっていうのが、もっと上位だったと。
つまり上位ってどういうことかと言うと、直接CEOと話せる立場にあったと。
最近は逆で、いわゆるチーフコミュニケーションオフィサーっていうPRを統括の人間よりも、チーフマーケティングオフィサーのほうが、よりCEOに近づいてきてると。
で、CEOはどっちかというと、そっちに耳を傾けるようになってきたと。
で、なんでこういう現象が今あちこちでアメリカ中で起こってきてるかというと、実はこれイーロン・マスクの影響があると。
つまりPRっていうのは、基本的には、さっきの探検家アンソニーの話じゃないけど、関連性っていうものを重視するわけですよ。
つまり各ステークホルダーの視点に立って、あるいはパブリックの視点に立って、今どういう発信をしなきゃいけないのか、
どういうダイアログを仕掛けなきゃいけないのか、どういうエンゲージメントを作っていかなきゃいけないのかっていう、
非常にPRっていうのは、相手視点、ステークホルダー視点、あるいはパブリック視点、社会という世論側に立ってみる。
さらにはそこにどうエンゲージしていくかっていうことを中心に考えていく。
マーケティングは、どっちかというと、一方的に発信してこちらの価値を提供するっていうことが、ある意味一番の目的なんですよ。
だから逆に言うと、もちろん相手視点というか、カスタマーの潜在ニーズを把握するデータはやるけども、
そこにはちょっとPRとは違った、どっちかというと自己中心的なコミュニケーションというか。
それが例えば言うと、今までどっちかというと非常に相手視点に立っていたテクノロジーのトップ連中が、
大統領式になったときに全員が、日本から孫さんまで行っちゃったけど、全員があそこに立っちゃってる。
イーロン・マスクなんかの、今思われてるのは、要は相手視点に立つよりも、自分の言いたい放題へ言ったほうが物事は実現するっていう感覚。
これが非常に強くなってきちゃって、それを見るとITタイクーンの方々が一斉に変わる。
昔中国の言うことに君子豹変するっていう言葉があるんですけども、
君子っていうのは状況に合わせてどんどん変えていくっていう、これが君子だって言ってるんだけど、
少なくとも大手IT会社のトップの人たちの変身じゃないよね。
かなりの人があれを異様だと感じてると同時に、かなりの人があれはすごいって思ってるっていう。
高木 恵子
日本で言う忖度なんじゃないんですかね。
田中 愼一
ある意味忖度でしょうね。
高木 恵子
アメリカは海外ってあんまり忖度、それこそ忖度が長いような気がしてたけど、日本はあれって別に普通に大きくなってる。
田中 愼一
ただ日本の場合の忖度っていうのは、いい悪いあるにしても、
少なくても例えば相手に対する忖度だから、相手は何考えてるのかなっていうのを見るっていうところがあるけど、
こっちの忖度っていうのは自分の利害がまず中心にあって、
まずそっちについたほうが自分の利害からすると得だって感じで向こう側についちゃったっていう。
わかんないけど、今までどっちかというと民主党的な発想が結構、アメリカなんかは普及してましたよね。
中川 浩孝
テック企業は特にそうですよね。
田中 愼一
そうですよね。テック企業はどっちかというと、相手視点に立ってお客様視点に立って、ユーザー視点に立って、環境問題、DEI、
それからいろいろな形の相手視点、関連性、レバレンスですね。
センス・オブ・レバレンスっていう言葉をさっきアンソニーは使ったけど。
中川 浩孝
レレバンス(relevance)ですよ。
田中 愼一
レレバンス?
レレバンス。レレバンスなんだけども、センス・オブ・レレバンスっていうのを作ってきたっていう発想があったんだけど、
それがどんどん消えかかってきてる。
問題はこれが続くのか続かないのか。
議論をしてたときに、振り子っていうのは一方に振れるとまた逆に行くっていうこともあるんで、
またいずれ何か違ったね、揺り戻しっていうのもあるんだろうけども、
いずれにしてもそういう世界が出てきたんで、
非常にさっき言った探検家アンソニーの話と、今言ったいわゆるイーロン・マスク現象みたいなね、
コミュニケーションのあり方が変わってきたっていう、
相手中心のコミュニケーションから自己中心のコミュニケーションになってきてるっていう、
過激化するコミュニケーション
田中 愼一
これは間違いなく流れとして今アメリカで起こってるんじゃないかなと思うんですけど、どうですか、ヒロさん。
中川 浩孝
まあそうですね、本当にトランプ大統領就任式にみんないたっていうのは、
ちょっとなかなかショッキングな光景ではあったんですけれど、
実際にじゃああれがなんて言うんですか、ひれ伏すというか、
全部トランプの言うことを支持しますよっていうことを別に意味しているわけではないというふうに、
もちろん思いたいですし、そう思ってるんですけど、
ただまさにけいこさんがおっしゃったように、
単純にあそこにいるっていうことは、会社にとっては別に良いことか悪いことかっていうのを考えたときに、
別に悪いことはないであろうっていう多分判断はしたんだと思うんですよね。
ここで別にそんな敵意をむき出しにする必要はないし、
実際に大統領なのは間違いないわけですから、
別にそこになんか特別なんですかね、
なんかすごい敵意を別に示さなくてもいいかなっていうところはあると思うんですね。
是々非々というか、別に大統領就任式ですから、
就任式というおめでたい席でおめでとうございますっていうのが、
これは単純に礼儀として正しいっていうふうに考えたところもあると思いますので、
あれは単純にトランプ王国の王に対してははぁみたいな感じのことをやってるっていう感じにとった人もいるんですけど、
私は別にそうはとっていなくて、
単純に大人のお付き合いとして参加しましたっていうのをやってるんだろうなと思いました。
ただ、そのDEIのことであったりとかに関しては、
それぞれの企業の反応がちょっと違ったりはするので、
どういうふうになっていくのかなっていうところはありますけれども。
田中 愼一
やっぱりそのティムっていうね、
昨日議論した人と話してると、
彼の一番のコンサーンっていうのが、
ああいう事象っていうのがどういうメッセージをアメリカ人に出してしまうかっていう。
で、それが実はSNSを見てるとよくわかるらしくて、
SNSにつながってると何が起こってきてるかっていうと、
トランプの前とトランプの後で、SNSの記事が過激化してるっていう。
それがしかもしつこいほど入ってくる。
結構SNSを受信機能として使ってる人多いですよね。
絶えず、何が今出てんのかなってね。
それを見てると、とにかく、
ある人はインスタグラム。
あれを始めて、そこではいろいろ自分の趣味の話とかそういうのがボンボン通常入ってくるんで、
それはいつも楽しみにやってたら、
ここ数ヶ月で何が起こったかっていうと、
もういわゆるアドボカシーじゃないけども、
ありとあらゆるですね右寄りの発信がずらーっと入ってきちゃって、
結局やめたそうです。
つまり、さっき言ったいろんな事象が現れる中で、
受け取ってる方はいろんな反応してる。
ただ、よく違いとして気がつくのは、
どうも過激派的になってきてるっていうのは、
ティムも非常に心配してましたね。
中川 浩孝
それに関しては私も危惧していて、
どういうふうになってるかっていうと、
勝った負けたみたいな考え方をしてる人がいるんですよね。
特にトランプ派の人たち。
政治の誤解とビジネス環境
中川 浩孝
トランプ派の人たちは、今私たちは勝ったと。
だから私たちの言うことは正しいみたいな、
そういう言い方になってる人たちは多いかなっていう気がします。
それはやっぱり完全に間違った考えで、
勝ったとか負けたではなく、
単純にどちらもね、
私も別にアメリカで選挙権を持ってるわけではないので、
どちらが勝った負けたっていうところに、
あまり意見をしてもしょうがないなと思ってるんですけども、
やっぱり一国の政治をたまたま任されている状態の人たちが、
じゃあ勝った人たちのことだけを面倒見ればいいのかって言ったら、
そうではなくて、
国民全員のことを考えなくちゃいけないわけですから、
それなのに、やっぱり勝った私たちが権利が、
よりいい権利がもらえるみたいな、
よりいいポジションにいられるみたいな、
本当に一国のこと話ではなくて、
違う2つの国が戦って、
どっちが勝った、どっちが負けたみたいな話になっちゃってるところが危険だなって。
田中 愼一
あとは、勝った負けたっていうのが、
勝ったときにしっかりと結果が出てくるような事象が、
もっと現れたり、負けたっていうことによって、
一つの事象として、結果として出てきたり、
それによって世間って、勝った負けたっていうことを逆に考えるべきなんだとかね。
あるいは勝った負けたっていうのは考えるべきじゃないんだというのは、
これから現れる事象によって我々は影響を受けますよね。
トランプは、今ウクライナのことで即停戦を一生懸命やってるけど、
あれ結果が出ないと、やっぱりトランプのやり方はおかしいっていうふうになってくるし、
逆にこれ結果が出ると、やっぱりトランプのやり方が正しかったんだっていう。
これからの結果次第では、伝わってくるメッセージのあり方が変わってきますよね、受け手のほうが。
だから今結構トランプ側になびいてる人たちは、
少なくとも一見トランプは動いてるってことは事実なんで、
そこに対して、これはもしかしたら結果が出るかもしれないなっていうふうに、
期待が少し出てきてるとは思うんですけどね。
ただ、問題はこれトランプのほうが今度は大変で、結果出さなかったらその逆になりますからね。
中川 浩孝
その可能性はもちろんあります。
田中 愼一
だから、どっちかというと、日本製鉄の話なんか見てると、
逆にバイデンの時よりもトランプのほうが扱いやすいっていう。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
っていうことを見ると、これからはトランプ詣がしばらく日本の企業でも続くんじゃないかと。
でもそうなんでしょうね、きっと。
田中 愼一
多分そっちのほうがビジネスには生きるわけですから、当然ながら。
中川 浩孝
それは別に、バイデンであろうとトランプであろうと、
時の大統領に敬意を表しにいくっていうか、
それはビジネスをやっていくためには、
どちらにしても今のトップとちゃんと話ができたほうがいいっていうのは当然のことなので、
それは多分全然ありだなとは思うんですよね。
田中 愼一
だから多分そういう意味で言うと、
ロビー活動が非常にこれから有効になってくるなって感じですね。
だから逆にビジネスからすると、
好環境っていうか、今の政権のほうが多分やりやすいと。
中川 浩孝
それは確かにそうかも。
田中 愼一
共和党のほうがね、
僕も80年代アメリカ行ったとき、
ホンダのロビイングも当然やってるんだけども、
共和党のほうが圧倒的にやりやすいっていうか。
だから基本的にはレーガンだったんだよね、当時。
レーガンだったんで、
あれはやっぱり共和党、
だから企業にとってはやっぱり共和党系が取ってるほうが、
ジェネラリースピーキング、
ビジネス環境としてはいいんだろうなって気がする。
特にトランプの場合、今回これネゴシエーションっていうか、
つまり取引っていうことだから、
ネゴシエーションでいいねこれって言ったら、
それで済んじゃうわけですよ。
中川 浩孝
だからトランプが好きそうなストーリーをちゃんと持っていって、
すごく彼を納得させれば、
なんか通っちゃうかもしれないって、
今までとのビジネスとかヒストリーとか関係なしに、
通っちゃうかもしれないっていう可能性はあるので、
日本の田舎の価値観
中川 浩孝
ちゃんと考えていけば、
今までよりももっと早くすごいディールができる可能性はありますよね。
田中 愼一
そうですね。
だからそこで一番それを最先端でやってる日本の経営者ってやっぱり孫さんなんでしょうね。
中川 浩孝
本当そうなりますよね。
田中 愼一
大したもんですよね。
だからわかんないですけどね、
これから結果次第ですね、
これから結果がどんどん出るか出ないかっていうのが、
でも結果が出るって言っても、
まあやっぱりそんなね、
何週間で結果が出るってことはありえないから、
しばらくこの状況は続くんでしょうね。
だからまあいずれにしても、
その振り子がこっち行ったりこっち行ったりするっていうのがあって、
その振り子の一つっていうのは、
やっぱり自己中心的に話すのか、
あるいは相手中心で話すのかっていう、
二つの流派があるって言ったほうがいいのかもしれないですね。
だからそれに合わせてコミュニケーションのサービスっていうか、
クライアントに対して何をアドバイスするのかっていうのは変わってきますね。
今はどっちかというと、
自己中心的に発信したほうがいいですよというのと、
ここは少し相手視点に立ったほうがいいですよとか、
たぶんそんな感じなんでしょうね。
中川 浩孝
使い分けがそれはすごく大切そうですね、確かに。
田中 愼一
かなり大切だと思いますね、それね。
だから非常にこのアンソニーとの話と、
それからこのイーロン・マスク現象っていうか、
ここあたりっていうのはある意味、
コミュニケーションのあり方っていうものをより、
考えさせられる現象かなって思いますね。
中川 浩孝
でもさっきのイギリスの方が言っていたのからすると、
現状は逆な感じじゃないですか。
田中 愼一
まあ逆でしょうね。
あとは、日本がトランプ型のいわゆるそういう自己、
日本はもともとどっちかというと、
そのレレバンスを重要視するっていうことで、
アンソニーがもともと山梨県に入って、
今そういう活動をして、
日本の田舎が持っている価値観っていうのは、
世界に通用するというか、
これから世界に求められてくるんだと。
日本の田舎っていうのは、関連性、
つまり周りとの関連性っていうのは
非常にうまく構築されてるっていう、
彼は認識でいるんですね。
だから彼は結構頻繁に日本に来て、山梨県に行って、
有志の人たちと一生懸命、
田舎のコミュニケーションってどういう構造になってるのか。
そういう中でどうやって、
例えばマサイ族がサバイブしてるようにサバイブしてるのか。
そこには多分いろんな無形資産があって、
そういうものを形として、
多分都会の人たちはもう少し学ぶべきだっていう。
で、都会だけじゃなくて、
その先の世界が学ぶべきだっていうような信念を持ってやってる人なんですよ。
スペースの重要性
田中 愼一
だからある意味、非常に面白いおじさんなんですけどね。
でもそういう考え方が白人の世界から出てくるっていうのは、
少し面白いかもしれないですね。
中川 浩孝
でも私も全く賛成というか、
気持ち的には全く賛成なんですけど、
やっぱりそれってすごく小さな世界で生きている人たちの話だなっていう気はやっぱりするんですよね。
どれくらいの人と自分がやっぱり日常で会うかとか、
田中 愼一
それはグッドポイントですね。
中川 浩孝
どれくらい接点があるかっていうのを考えたときに、
やっぱり村で住んでいる、小さなコミュニティに住んでいる人ってやっぱり、
数がもちろん絶対数が少ないので、
お店の数も少ないし、実際に会う人も少ないし、
でもやっぱり私たちが東京とかで暮らすとすれば、
いろんな交通機関を使ったりですとか、
コンビニエンスストアに行ったりですとか、Uber Eatsを使ったりですとか、
やっぱり話もしないような、本当に顔を合わせるだけくらいの人が何万人もいて、
分からないですけど何万人も例えばいて、
じゃあその人たちと全員コミュニケーション、関係性を何か作っていくかっていうと、
多分そうではない。
関係性の希薄さっていうのは都会ではどうしても、
現代的、都会的というか都市的というか、
そういったところでどうしても希薄になっていくので、
やっぱりその山梨の小さなところに行ったら、
それはやっぱり日々会う人も数も絶対数が少ないから、
そういう生活をせざるを得ない、むしろ。
そうしないとやっぱり村が村八分ではないですけれども、
やっぱりちょっとなんかよそ者感が出てしまうとか、
それってすごくどっちも、
それも本当に振り子の話じゃないんですけど、
どっちもどっちもあるんですよね、やっぱりね。
田中 愼一
昨日別件でうちにいる、彼もイギリス人か、
イギリス人って結構発想が豊かなんだなって最近思うようになったけど、
もともと僕はローデシアで育ったから、
あそこはイギリス人が中心なんで、
もしかしたらそこで相性が合うのかもしれないけど、
昨日うちのイギリス人のスタッフで、
いろいろ最近議論してるんですけど、
どうやったらクライアントの一歩先を行って、
いわゆるこれだって提案できるのかっていう議論になって、
そのときに彼が面白い言葉を言ったんですね。
やっぱりスペースだと。
つまりお客さんにとってこれが今の状況におけるあなたのスペースなんですよと。
っていうスペースって言葉を作ったんです。
さっき僕が紹介したTIMっていうテクノロジーのトップが、
えらい感激して、そのスペースっていう概念に。
それいけるぜって話になって、
そこからスペース議論っていうのが始まって、
基本的にはそこから僕自身が受け取った話っていうのは、
人間っていうのはいろいろなスペースを持ってるんですね。
一つのスペースじゃないんですよ。
スペースっていうのは、さっき言った田舎みたいに非常に近い関係の人たちで構成されてるスペースもあるんだけど、
一方どっちかというと都会で仕事している人間の場合は、
めちゃくちゃ広いスペース。
そのスペースっていうのは、はっきり言ってたくさんあって、人によって。
そのスペースのあり方っていうかがですね、
結構人間のサバイバルに影響してると。
つまり自分の生き甲斐とか、わくわく感とか、
そういうのは結局は自分が今どのスペースにいるかによって決まってくるっていう。
こういう議論。
これを展開していくと、お客様も同じで、
今お客さんがクライシスにあってるとしたら、
我々としてはこのスペースにまず入りなさいと。
このスペースとこのスペースはこうなんだ。
だから今お客さんがやらなきゃいけないことは、
このスペースに集中しなさい。
このスペースに入ってっていう。
そういう議論してたんですよ、昨日ね。
今、ヒロさんが言った、田舎っていうのは狭いスペースだ。
我々都会は広い。
だからそうなると、基本的には、
もうワンスペースっていう判断はなくて、
自分が今どこで、どういう立場で、
どういうスペースの中で生きてるのかで、
そのスペースって、たぶん一日の中で変わってくると思うんですよ。
たぶん朝起きて散歩して、おはようございますなんとかっていうスペースと、
電車に乗って通勤するときのスペースと、
着いて会社の中でのスペースと、それぞれが違うし、
それに合わせて人間は自分を変えてるはずなんですよね。
スペースっていうことから考えると、
もしかしたら、僕が田舎って言っても、田舎は東京みたいなもんだから、
本当の田舎って言ったら、田舎って言ったらオーストラリアか、生まれたのは。
田舎はないんですよ、基本的には。
東京になっちゃってて。
そうするとね、田舎を持ってる人っていうのは、たまに帰っていくわけですよ。
スペースと一貫性の重要性
田中 愼一
そのときのスペースっていうのを経験すると、
もう少し心が洗われて、都会の新たなスペースに入っていく、
一つの免疫性を与えてくれるっていうか、
まあサバイブする力を与える。
だからスペースって、いろいろな意味で人を生かすも殺すも、
どういうスペースで今いるのか、
あるいはどういうスペースで今いなきゃいけないのかっていうようなところっていうのは、
結構議論してると面白いかなっていうのを、
昨日ちょっと話してて。
今のヒロさんの話、実は田舎は小さいスペースだ。
都会は大きいって言ったときに、あ、そうか、なるほどなと。
スペースっていうのを定義できると、人生がまた変わってくるのかなって、
ちょっと一瞬思いました。
中川 浩孝
面白いなと思っている一方、
それを一貫性がやっぱり必要なんだとは思うんですよね。
そこにいくつかの、
息抜きであったりとか、こっちのスペースにはこういう顔を見せてる、
こっちのスペースにはこういう顔を見せてるとか、
前にも何かそういう話したことがある気がしますけど、
やっぱり友達によって若干自分の位置がちょっと違うというか。
高木 恵子
距離感っていう話しませんでした?距離感。
中川 浩孝
距離感の話もしたよね。
田中 愼一
でもそれはやっぱり重要で、一貫性がないと人の存在って多分ないと思うんだよね。
それがトークナラティブとかね、
ナラティブとかストーリーとか、
自分の一本線が入ったラインっていうか、
一貫性を保つためのストーリーラインっていうのをやっぱり持ってないとダメなのかもしれないですね。
逆にいろんな場に左右されちゃって。
中川 浩孝
そうそうそう。
田中 愼一
それはあるね。それはありますね。
中川 浩孝
今の話を聞いていて思ったのは、
例えばすごく普段は良い人なのに、
レストランに行ったらすごいお店の人に横柄な態度な人とか、
電車ではとっても人に対して嫌な顔をするみたいな、
こんな良い人なのになんでそうなっちゃうの?みたいな人がたまーにいないですか。
田中 愼一
でもね、そうすると基本的に多重人格説。
人間は基本多重人格だと思ってる。
中川 浩孝
もちろんそうだとは思うんですけれども、
そこまで行くとちょっとでもどうしたのかなって思っちゃうところもあるじゃないですか。
田中 愼一
ただその多重人格を律するストーリーはちゃんと持ってなきゃいけない。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
じゃないとその場その場の人格が勝手に暴走し始めちゃうんで。
やっぱりそれを一つのディシプリンとしていうか、
一貫性を持たせないと多分ね、
暴走した瞬間にもう人間社会で生きていけなくなると思う。
中川 浩孝
結局昔だったらプレイスみたいなのは場所ごとにバブルみたいな感じだったんだと思うんですけど、
やっぱり今はそれがSNSとかをそれこそ通じて、
他のスペースにもバレちゃうっていうか、すぐに横に情報が流れてしまうので。
さっきのクライシスの時にここのスペースをまずっていう話をしましたけど、
やっぱりこのスペースにこういうふうに顔をしたら、
やっぱりこっちのスペースでも同じことを言わなくちゃいけないとか、
その一貫性があるかというのはすごい大切です。
田中 愼一
あと、スペースの大きさがもう人類史上今初めてなわけですよ。
昔は通信手段がなかったときってのはものすごい小さいスペースでみんな生きてたんだけど、
今やSNSになっちゃったら、これ無限大じゃないけど全世界なんですよ、もう下手すると。
だからそういう意味で言うと非常にそのスペースっていうのがもう無限大に広がっていく中で、
自分の立ち位置というか、その中のどのスペースで自分はどう生きていくのかっていうのを、
模索せざるを得ないから、問題はそこに一本の線でそのラインをしっかりと持っていないと、
本当に各人格が暴走し始めて、どでかいわけのわかんない世界に入っちゃって、
逆にそういう世界に入っちゃうと自分が洗脳される。
やっぱり洗脳されないっていうのが今の人間社会ですから、所詮は。
洗脳するか洗脳されるか、自分を洗脳するかしかないんで。
だからそういうところでっていう意味では、かなり今の世界に生き抜くのは結構チャレンジングですよね。
次回の予告
中川 浩孝
より複雑化してるのは間違いないですよね。
田中 愼一
で、そういう中で先週、時間があるかなないかな。
中川 浩孝
じゃあそれは次回にしましょうか。
田中 愼一
次回にしますかね。
じゃあ次回は緊張をたしなむっていうのをテーマにしたいですね。
中川 浩孝
わかりました。
田中 愼一
はい。
中川 浩孝
じゃあ次回お願いします。
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