2024-11-30 31:38

#74 アメリカ大統領選 その 2

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アメリカ大統領選。その結果が出た後の分析回です。

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

このエピソードでは、アメリカのコネチカット州に住む3人がトランプ現象について語っています。彼らは民主党や共和党の支持状況、時間の経過による影響、選挙結果について考察します。また、ポッドキャストがZ世代の投票行動に与えた影響にも触れています。アメリカ大統領選挙の背景や各候補者の戦略、政治的なコミュニケーションの重要性についても議論されています。戦略思考とそのプロセスに焦点を当て、歴史的な例を引用しながら未来の予測について考察しています。アメリカ大統領選の予測とその影響について探り、トランプ現象の重要性が強調されています。さらに、個人の意識と変化への向き合い方が議論されています。

トランプ現象の考察
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさんこんにちは。コミュニケーションを極めると、自分が見えてくる、世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって40年以上。コミュニケーション命、シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して、はや四半世紀以上、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。
田中 愼一
まあ今日はテーマはまずはトランプさんでしょうね。トランプ現象と呼んでもいいんじゃないかと。
一つの現象として捉えるぐらいの驚きと、不可思議さと、特に日本人の目から見てるとね。
だからそういう意味では、ひろさんみたいにアメリカにいてね、アメリカの中で生活してる人の捉え方ってちょっと聞いてみたいなと思ってて。
中川 浩孝
まあでもね、これは前々回なのかなくらいに話したように、今回私は住んでるのはコネチカットっていう東海岸でも比較的リベラルな土地柄だと思うんです。
ニューイングランドって基本的にリベラルですけれども、ということで民主党、いわゆるブルーステートと言われているところなんですね。
なんですけれども、やっぱり看板として見かけたのはすごくトランプ支持者の人の看板がすごく多いなっていう印象はすごくあったんです。
もちろん出してない人もいて、カマラさんを推してるよっていうふうにサインが出している人もいたんですけれども、
それと比べた時にやっぱりとってもトランプが多いなっていう気はしたんですね。
これ前にも言ったように、やっぱりトランプを支持しているような人はすごく自己主張が強いというか、表現が強いというか、
そういうのもあるし、もともとブルーステートなので、ここにやっぱり自分がいるよというか、こういうトランプ支持者もいるよっていうことを表明したいんだろうなっていう感じはしていたので、
わかるとはいえ、もちろんコネチカットは実際には投票数としてはもちろんハリスさんの方が多かったので、
民主党の州ではこれでも結果としてはなったんですけれども、でもやっぱりいつもと比べた時にすごくトランプあるいは共和党支持者の人たちが見えるなっていう感じはやっぱりしたので、
ブルーステートでもこうだからやっぱり全体としてはさもありなんという感じっていうのは正直あったので、
だいぶ前からギリギリというか、接戦、接戦と言っている時点で、トランプがかなり優勢なんだろうなっていうのは前回にお話したと思うんですけど、そういう印象がありました。
ただやっぱり今回ショックだったのは、投票数、いわゆるポピュラーボートっていうやつですよね。
実際の投票数がトランプが上回った、共和党の方が上回ったっていうこと。
これがすごいやっぱりずっと最近なかったことなんですよね。すごく久しぶりだったんですよね。
田中 愼一
まあそうですね。
中川 浩孝
なのでそこがやっぱり本当にトランプ現象と言ってもいいのかなっていう感じはちょっとしますよね、そういう意味では。
田中 愼一
だから基本的になんていうのかな。でもなんかね、僕1日前にある人と飯を食ってたんですけども、その投票が開票される。
選挙結果と支持状況
田中 愼一
でもその時点で、何となく数日前ぐらい、投票が開票されるまで行われる数日前から、これトランプなのかなっていう気がして。
今まであんまりそういうことなかったんですよ。どっちが勝つのかなっていうところで。
前のバイデンとトランプのときもね、これギリギリだなとは思いながらもどっちが勝つかっていうのはあんまりわからなかったんだけども。
今回はなんかね、トランプじゃないかなっていう感じがあんまり僕は予想はしないんですけどね。
実際トランプになったんで、これどういうふうに考えればいいのかなって考えたときに、やっぱりアメリカが今向き合ってる事態っていうのが、
日本人が思ってるよりももっと深刻な事態で、未来的思考はそんな余裕ないっていう。
今、目の前が問題だっていう、そういう流れがある感じで。
例えば人権とかね、理念的な話とかこうあるべきだとかいうような議論じゃなくて、今なんとかしてよっていうね。
いわゆる未来を語るという余裕がない。
それよりも今目の前でこれだけのことが起こってるから、誰か変えてくれよっていうのが強烈にあったんじゃないかなっていうのが僕の印象で。
結構票数っていうのが前回のバイデンとやったときと違って、
マイノリティの方々ね、黒人層も含めて、結構トランプのほうに流れてましたね、全体的に。
女性においても、これ完全に民主、優位かなと思ったら、逆に結構、実は結構支持してるぐらいのね。
まあもちろん民主の方が多いけども、とはいってもかなり数字が高かったような記憶があるんで。
だからアメリカの今の事態っていうのが、未来系じゃなくて、今この段階で誰かやってくれるかなっていったときに、
トランプが強烈に、この人だったら嘘800言う人だけど、なんかやりそうだっていう感じでそっちに流れたっていうのかなっていうのは、僕は勝手に考えてましたけどね。
そういうことがあるんじゃないか。
だからやっぱりアメリカの今置かれてる事態っていうのは、我々が外から見てる以上に根深いというか、今深刻な問題なんじゃないかなっていう。
Z世代とポッドキャストの影響
田中 愼一
だから分断という言葉がよく使われて、今もこれ分断が続いてるって、これが後遺症だって言うけども、
実は分断の一番下にもっと格差って言うんですか。
あらゆるところでの格差。教育格差もあれば、所得格差もあれば、知識格差、インテリジェンスの格差。
あらゆる格差が広がりすぎちゃって、それが大きな分断みたいな形で現実してるっていう。
そんな少なくとも印象ですね。
中川 浩孝
そうですよね。
高木 恵子
やっぱりこの4年間の民主党が結果を出してなかったっていうのを、みんなが日々で実感しちゃったわけですよね、きっとね。
田中 愼一
たぶん結局そうでしょうね。要は4年前とやっぱり変わらないっていう。
高木 恵子
そうそう。余計苦しくなったみたいなね。
田中 愼一
だから基本的には、誰か想定外のことをしてくれと。
理屈にあった政策とかそんなんじゃなくて、とにかく何でもいいからやってくれって言ったときに、
じゃあどっちの候補がしでかしそうだと見たときに、
やっぱり若干トランプの方がね、っていうふうに取る人は結構多かったんじゃないかなと。
高木 恵子
そうですよね。
なんかハリスさんが残念なのは、副大統領だったのにあんまり動かなかったっていうのがちょっとかわいそうでしたよね。
中川 浩孝
それは大きいですよ。
田中 愼一
確かにバイデンが勝った、やっぱり一つの大きな要素っていうのは4年前に、
やっぱり副大統領にハリスが入ったっていうのが一番大きいじゃないですか。
つまりその次の初女性大統領っていう期待が結構票を引いたんですよね。
ところが4年間副大統領として何をしたかっていうと、完全に可視化されてないですよね。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
あれは民主党の失敗だと思います。
高木 恵子
そうそうそう思います。
田中 愼一
なぜバイデンが勝ったか要因の中に、その要素が入ってるわけですから、4年後の選挙にはそれが問われてくるんだから、やっぱり実績を積み重ねるべきだったんじゃないかと思いますよね。
中川 浩孝
いやー本当にそうですよね。
高木 恵子
だから常にやっぱ次を考えなきゃ、次っていうかね、本当に考えないともういけない時代ですよね。
今うまくいってても、これがいかにやっぱり続くかっていうところをね、考えなきゃ。
田中 愼一
多分今度は、4年後は共和党が大変なんじゃないですか。
高木 恵子
ねえ、どうするんだろう。
中川 浩孝
まあね、でもバンスさんすごい若いですからね。40くらいですね。
そうなんですよね。
いやーどうなることやらですよ本当にこれからちょっとね、私はやっぱりね、
移民というか、アメリカに外国人として住んでいる身なので、どういう影響があるのかなっていうのはちょっと気になるところではありますね。
田中 愼一
そうでしょうね。
高木 恵子
なんかこの流れで私もいろんなニュースとかを見てたら、ちょっとこの私たちのこのポッドキャストをやってる身としてすごくいい情報なんだけど、
なんか今回、アメリカの調査会社かなが、そのポッドキャストの視聴者ってアメリカだけで約1億3000万いるんですって。
中川 浩孝
はいはいはい。
高木 恵子
で、なんかこのポッドキャストを使って結構、それこそZ世代、この政治活動のなんか実はアピール合戦してたみたいですよ。
それでそのZ世代の人たちが結構その投票に有利な方に、なんかトランプの方にも行ったみたいな。
中川 浩孝
あのトランプが出てるポッドキャスト私もちょっと聞いたんですけど、意外とまともなこと言ってたんですよね。
高木 恵子
そうらしいんですよ、なんか。
中川 浩孝
そうなんですよ。
高木 恵子
ね。
中川 浩孝
びっくりするくらい。
高木 恵子
Z世代の心を掴んだみたいななんか記事を見ましたよ。
中川 浩孝
そうなんですよね。
高木 恵子
だからポッドキャストって意外と馬鹿にできないっていうか大変だけど。
中川 浩孝
全然馬鹿にできないですよね。
高木 恵子
私たちのこのなんか話もどっかで何かが。
中川 浩孝
いやでも本当なんか共感というかそのなんていうんですかね、やっぱり同じような考えを持っているような人たちが集まってきたときにやっぱり力となるというか。
高木 恵子
ね、そうなんですよね。
中川 浩孝
なんかそれはすごく面白いですよね。
やっぱりなんかテレビみたいなマスメディアとやっぱり全然違くて、自分が見たいものを自分が聞きたいものを聞くっていう。
高木 恵子
そうですよね。
中川 浩孝
風になっているので、そういう意味ではずいぶんやっぱり、ある意味民主化されたメディアですから面白いですよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
まあね、民主化されたメディアで一方でオーストラリアで今法案が出て16歳以下はSNS禁止っていう。
あの世界で初の試みですけどね。
中川 浩孝
ソーシャルメディアもね、本当にどっちもどっちというかね、両方ありますよね、功罪。
田中 愼一
功罪があるんでね、ちょっと難しい。
このSNSに対する向き合い方っていうのは大変ですよね。
今功罪が非常に両方あるから、
どこでもアクセスできますからね。
だからここはどうするんですかね。
僕にはちょっと明確な考えないけど。
でもある意味、いわゆる善なるSNSっていう意味ではそうですね。
ポッドキャスティングなんかはそれ相応に常識がある方じゃないかなとはちょっと思ってますけどね。
でも我々は常識というかね、しっかりと見据えて進めていきたいものですね。
なるほどね。
じゃあもう一つ話したいということで。
僕は仕事上、戦略コミュニケーションという言葉の伝道師みたいなもんで、日本における。
日本にはコミュニケーションに対する考え方があまりにも希薄なんで、
アメリカ大統領選挙の背景
田中 愼一
ある意味40年近く、いわゆる絶えずコミュニケーション、変な話コミュニケーション教みたいな布教活動をやってるんですけど。
いろんな人と会ったときに、あるいはレクチャーとかセミナーとか行ったときに話し出すときに、
一番初めに聞くのが、コミュニケーションって何ですかって聞くのが普通常套なんですよね。
それでいろいろ聞きながら、みんな回答が来たときに答えていくということで。
だいたいみんな一般的な答えしか戻ってこないんですけども。
あるとき、大学で留学生が来てるんで、留学生プログラムがあるんで、そこに一度コミュニケーションについて話をしてくれって話で行って、
同じ質問をしたら、確か香港から来た留学生が、コミュニケーションとは何かって聞いたら、
コミュニケーション is survival。いわゆるコミュニケーションはサバイバルなんだっていうことを言い出したんですね。
これはですね、実に衝撃的というかね、そうだよなと。
コミュニケーションの本質ってサバイバルだよなっていうのをその時点で、これ何年前だったかな。結構10年ぐらい前ですかね。
気がついて、確かにコミュニケーションって、これ人間コミュニケーションを失うと生きていけないよなと。
だからコミュニケーションっていうのは、生き抜くための、ある意味神様からの贈り物っていうか、
授けてもらったもんだっていうふうに考えると、コミュニケーションっていうのは生き残るための能力なんだと。
ある意味それは企業にも当てはまって、
企業も基本的にはコミュニケーションっていうのは、やはり企業が生き抜くための、いわゆる経営戦略なんだと。
戦略だと。力ですね、戦略だというふうに考えるっていう発想をそこあたりから強く持つようになった。
そういう中で、それがコミュニケーションの本質だと思っていて、
そしたら3日前かな、ある経営者会議があって、そこでいろいろパネルディスカッションに参加して話をして、
戦略思考の重要性
田中 愼一
そこである人が、基本的にコミュニケーションとはっていったときに、思考のプロセスだって言ったんですね。
はじめは思考形式って言葉を使われたんですけども、思考形式って何ですかって聞いたら、思考のプロセスだって言う。
で、それが実はさっき言ったコミュニケーションisサバイバルっていうのと二つが一致して、
そこに自分なりにコミュニケーションの本質っていうのが少し見えてきて、
コミュニケーションっていうのは単にコミュニケーションコミュニケーションと言って、
僕自身コミュニケーションは力なんだっていうことを単純に言ってるんですけども、
なぜコミュニケーションが力になり得るのかっていうのは、
単にコミュニケーションしてるから力になるわけじゃなくて、
いわゆるコミュニケーションっていうのは、今ここにいる人たちはみんなコミュニケーションを知ってるわけですよね。
でも必ずしもみんなパワーを出してるっていうか、影響を与えてるんだろうけども。
田中 愼一
実はそのコミュニケーションというものからパワーを引き出して、
いわゆる自分が生き抜くために、あるいは企業が成長するためにそのパワーを引き出す一つの思考プロセスが、
実はコミュニケーションだってその人は言ってたんですね。
だからコミュニケーションっていうのは思考のプロセスだっていうふうに定義したわけです。
これは結構ね、僕はそのコミュニケーションの本質を通じてて、
コミュニケーションっていうのは3つのプロセスからなってるんですよね。
一つは受信するというプロセス。
まず全ては受信から始まる。
これは人間絶えず生きてるんですけども、絶えず受信してるわけですよ。
受信というプロセスを経て次のプロセスが、受信すると今度人間は発想するんですよ、いろいろなことを。
いろいろなことをイメージするわけですね。
発想すると当然ながら、自分の究極の目的は生きることですから、人生を送ることですから、
そのためには出てきた発想に基づいて自分のある意味戦略っていうのを作るわけですよね。
その戦略を作ったら、そのままじゃ何事も起こらないわけですから、
それを外に表現しなきゃいけないんですね。発信するわけですね。
コミュニケーションというのは、プロセスから分析すると受信があって、
次に発想と戦略があって、その次に発信があるという実はプロセス。
このプロセスをその方は思考のプロセスだっていうふうに定義したんですよ。
そうすると、思考のプロセスとして定義すると、
それぞれ、いわゆる思考するためのプロセスだから、まず受信っていうところを思考する。
一体何を受信したのか、どういうことを受信しなきゃいけないのか、
どういう方法で受信するべきなのか、一生懸命そこを思考する。
次にそこから生まれてくる発想っていうのを認識する。
発想を認識したら、それに基づいて、個人であれば自分の人生をどう生きるのか、
あるいはどう生きるのか、企業であればどういう戦略を立てるのかという戦略が出来上がっていく。
そうすると戦略が出来上がったら、今度はそれを外に向けて発信する。
表現するって言ってもいいと思うんですけど、
そうすると、そこをしっかり3つのプロセスを思考していくと、そこから初めてパワーが生まれて、
で、周りがこう動き出す。ことが動き出す。
たぶんそういうメカニズムの中に我々いるっていうことで、
そうするとコミュニケーションっていうのは、言い方を変えると、
生き抜くためのサバイバル思考なんだよっていう、
そういう発想が生まれてきて、非常に面白い議論をその方も含めてパネルメンバーともすることができて、
非常にありがたかったなと。
歴史からの学び
田中 愼一
なんか僕自身のコミュニケーションに対する考え方っていうのは、すごくうまく整理できたのかなとは思っていて、
そこのプロセスを、じゃあコミュニケーションって言葉を使わないんだって一体何なんだって言ったら、
これ戦略思考じゃないかっていう議論になって。
つまり戦略っていうのは、これは個人でも企業でも国でもみんな持ってるわけですよ。
やっぱり個人であれば生き抜いていく。人生を生き抜いていくっていう戦略が必要だし、
企業であれば成長するための戦略。
それから国であれば、国がしっかりとした国で国民を守っていけるような国っていう戦略が当然あるわけね。
だからその戦略を作るための思考パターンが実は3つのステージにあって、
受信があって発想戦略があって発信がある。
この3つを思考しながらプロセスを回しながら、真ん中が戦略ですから、
その戦略を作るためには、単に戦略作ったって意味ないんですよ。
戦略っていうのをどういう受信に基づいて作るかっていうのと、
どういうふうにそれをまた発信するのかっていうのがあって、
初めて戦略っていうのは周りに影響を与えるわけですから。
それを戦略思考と名付けてもいいんじゃない?
そうするとまたビジネスコンサルタントのほうから文句が来るんじゃないかと。
なんでコミュニケーションをやってる人間が戦略なんて言葉を使ってるんだって言い出しそうだから。
こっちはいや、うちは戦略思考です。あなた方は戦略作ってる。
うちは戦略思考をアドバイスしてる。
戦略思考の一部は戦略だけど、戦略だけじゃないんですよと。
その前の受信のプロセスがあって、しかも発信のプロセスがないと、戦略っていうのは絵に描いた餅なんですよ。
お分かりですか?ってこう説得しようと。ビジネスコンの人たちが文句言ってきたらね。
っていうような感じですよ。
中川 浩孝
戦略思考のほうが広い感じですよね。そうするとね、確かにね。
田中 愼一
戦略思考というと戦略そのものよりも広い概念、というかプロセスの一つなんですよ。
両側があって初めて戦略思考ができて、その戦略思考があるから、結果として生き抜けていくわけです。
戦略自身が大事なんじゃないんです。
戦略がしっかりとした表現されて、周りがそれに動いてこそ、初めて戦略の意味があるわけですよね。
これは振り返ってみるとですね、古典の孫子。
紀元前4世紀に出てきた孫子の語ってることとほぼ一致しますね、内容が。
面白い、これが。
孫子というのはもともと戦略という概念を、
後世の人たちがその孫子の本から抽出して戦略という概念を作ったんですね。
孫子には戦略という言葉はないんですけど、戦略という概念を。
それが抽出した部分が一部だったんですね。
つまりプランニングのとこだけ抽出しちゃったんですね。
孫子はプランニングっていうのは徹底的にしろと、戦争を始める前に。
徹底的にプランニングすることによって想定内を最大化し、想定外を最小化するっていうことをまず。
これがプランニングなんですね。
次に、じゃーって戦争始まるでしょ。
戦争始まると、もはやプランニングはプランニング通りにはことは動かなくて、
想定外ばっかり起こってくるわけですよ。
その想定外になったときにどういう対応をするかっていうのが、実はもう一つの孫子の発想なんだけど、
そこの部分っていうのが抽出されなかったんですよね。
そこの部分っていうのは非常に捉えどころがなくて、
偶然性をどうレバレッジするかっていう話に入っちゃってて。
なぜかというと実戦っていうのはもう想定外の連続なんですよね。
プランニングで想定したものって全部外れるぐらいの実戦っていうのは。
そこではもはや必然性の世界じゃ勝負できなくて、
偶然性の世界でどう立ち回っていくのかっていうのを、孫子は本の半分で説明してるんですよね。
だから前半の部分っていうか、プランニングのところだけっていうのは、
これは必然の世界だからわかりやすいんですよ。
理屈で考えていって、必然の理屈で考えていって、プランニングをしっかりして、
なるべくその想定外っていうのは最小化する。
なくなることはないけど最小化し、想定内をたくさん、必然をどんどん広げていくっていうプランニング。
そのプランニングの実施になると今度は想定外が出てくる。
つまり必然の世界から偶然性の世界に入っていく。
じゃあその偶然性が増える中でどう向き合わなきゃいけないのかっていうのが後半戦。
この2つが基本的には孫子の内容なんですけど、
その前半部分だけのプランニングを後世の人は取り上げて、戦略っていうふうに名付けちゃった感じですよね。
トランプ現象の影響
田中 愼一
でも我々日常仕事してると、もうどっちかというと必然の世界以上に偶然との向き合わなきゃいけないことってあるじゃないですか。
想定外ばっかり起こっちゃったね。
え?また?とかね。
そこあたりがたぶん今回のトランプ現象っていうのも、
一つその想定外の時代の始まりっていうか起爆、ターニングポイントになっちゃったんじゃないかなって気がする。
だからこれから想定外がどんどん起こっていくから、
その想定外という偶発的なもの、あるいは偶然性の世界とどう向き合っていくのかっていうのは、
結構人間にとっては重要なのかもしれないですよね。
中川 浩孝
つらい世界ですね。
田中 愼一
ある意味つらい世界ですよ。
だって人間って、前に話したかもしれないけど、
本田宗一郎さんが言ってたのは、人間の意識っていうのは、
慣性の法則の慣性、イナーシアが強いから変わらないんだと。
中川 浩孝
まあそうなんですよね。
田中 愼一
一旦こうだと決めたら変わらないから、それを変えようとするのは、その人にとっては苦しみになるわけですよ。
中川 浩孝
そうですね。それは確かにその通り。
田中 愼一
意識を変えるって苦しいんですね。
だから確かにもう苦難の時代ですね。
中川 浩孝
苦難の時代です。
田中 愼一
ほんと苦難の時代ですよ、もうちょっとね。
すごい、いかにピンチをチャンスに変えるかっていう話なんですよね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
でもそこあたりのエッセンスはね、ピンチをどうチャンスに変えるかっていうのは、
孫子の中にずいぶん散りばめられてますよ。
あれはね、価値ある本ですね。
だからピンチをチャンスにっていうのはね、
これ、物の見方で決まっちゃうって言ってるんですよね。
中川 浩孝
それは確かにそうなんですよね。
高木 恵子
そうですよね。物の見方。
田中 愼一
思い込みの力学なんですよ。
思い込みで、しかも受信、発想、発信。
受信ね、それも全部解かれてます。
高木 恵子
思い込みも、思い込まなくて思い込まないほうがいいっていう場合もあるんですかね。
田中 愼一
それが思い込みなんですね。思い込まない思い込み。
中川 浩孝
そういうことですよね。
田中 愼一
思い込まない思い込みっていうのが。
思い込みの力学。その思い込みをどういうふうにするかっていうんで、
3つのパターンしかないんですね、人間社会。
相手に思い込みを作らせて、相手を動かすか。
自分が相手に思い込みを作らされて、自分が動くか。
あるいは自分に対してどういう思い込みをして、自分が動くか。
今、けいこさんが言ったのは、自分に思い込みを作る話。
だから思い込みの力学っていうのを孫子は説いてますね。
これから突き詰めていくと、空の理論に入っちゃうんですよ。
仏教で言う空ね。
無と空ってありますよね。
無になる、無になるってよく仏教なんかで言うんだけど、
無になるってつまり無我っていうことで、自分の我をゼロにして無我になる無っていうのがあるんだけども、
それはひたすら自分を削っていくことで、無になっていくっていうプロセスとふうに僕は理解してて。
でも無の境地に行くとその次の境地があって、これは削っていくっていう境地じゃなくて、無限の可能性を感じ取る空という境地で、
そのレベルになるとあらゆることが思い込めるようになる。
つまり視点の流動化がすごい激しいスピードで動いて、
一つの事態に対して360度っていうか、無限大だったら神様になれるんだと思うけど、
あらゆる視点で、どれが一番いい視点で自分が元気になるかっていうのを見つけ出して、スパッと思い込んじゃう。
そうすると空の境地に立っている人は、ここはかなり僕の想像も入ってますけどね、
空の境地に入っている人っていうのはある意味無限の可能性っていうのを手に入れるわけです。
これが空の境地っていうふうに僕なりに勝手に理解しております。
だからそうなるとピンチをチャンスっていうのはもう当たり前の話で、別にピンチがないってことですか。
中川 浩孝
そうですね、そういうことですね。
田中 愼一
そこまで言ってますね。
だからそうなると人間、幸せとか苦しいとかじゃなくて、
あるんでしょうね、極めるというか、何者にも左右されないっていうか、
ピンチに動揺しないとか、チャンスで喜ぶということが全然なくて、
可能性の中立っていう、そんな世界があるといいですね。
でもたまに人間ってそこにスパッと入るんですよ、たまに。
ただすぐまた下天に降りてきますけどね。
でもたまに進むと一瞬。
だからたぶん偉い宗教家っていうのはそこにしばらくいられるんでしょうね。
なんかその方法論っていうのがあるんじゃないですかね。
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