自省録との出会い
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コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
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みなさん、こんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命、シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
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SEからPR、コミュニケーション業界に転職して約30年、高木恵子です。
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外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。
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今日はですね、ある本との出会いっていうことでちょっとお話があります。通常僕の本との出会いっていうのは、だいたい7割ぐらいは自分の書斎の中で本が積んでおくっていう、積まれている中でですね。
本は買っても読まないんですね、僕ね。初めの目次ぐらいと、全部初めから読むっていうのはほとんど稀で、ほとんど積んでおくんですね。
積んでおくと、結局朝起きてパッと見て、それで自分の書斎に行って、その本を見ていくと、
あ、この本って手に取るご縁が感じるんですよね。
手に取ると、あ、これ15年前に買った本だっていうのがわかって、それで読み始めるって。
これが僕の読書、積ん読って呼んでるんですけども、本を積んでおくっていう意味で、積ん読方式って呼んでるんですね。
珍しくですね、70%ぐらいは積ん読でご縁があるんですけども、
30%ぐらいはですね、実は何らかの人の話で出てきたり、本を読んで出てきたり、あるいはテレビ見て出てきたりっていうのがあるんですが、
自分を振り返る
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今回は2週間ぐらい前にですね、自省録っていう本との出会いがありました。
この自省録っていうのは、漢字で字っていうのは自ら、自分の字ですね。
省っていうのは反省するの、省。
で、録は記録の録。だから自省録っていう。
これ書いた人がですね、ローマ帝国の皇帝の一人で、マルクス・アウレリウスっていう方がいて、
その人がですね、自省録を書いてるんですね。
で、何だろうと思って、何で引かれたかっていうと、自制、つまり自分を省みる、自分を反省するっていうことで、
日頃から僕が言ってる、自分との対話の一つの方法論が見つけられるかなと思って、
かなり昔の人なんだけども、この本を買ってみたんですね。
で、読み始めたら面白いのがですね、この人は何を書いていたかっていうと、
自分が今まで出会った人たち、ご縁のあった人たちが、自分に対してどういう影響を与えたか。
もっと言い方を変えると、その人との出会いっていうのが自分にとってどういう意味があったのか。
っていうことをですね、とつとつとずっと書き綴ってる本なんですね。
で、誰が一番初めかっていうと、確かおじいちゃんなんですよね。
おじいちゃんも皇帝だったんで、そのおじいさんから始まって、親族母親から、
あといろいろな、まだね、初めのそうだな5ページぐらいしか読んでないんだけども。
僕の悪い癖なんですが、5ページぐらいでもうちょっと興味が別の方向行っちゃうもんでね。
でも5ページぐらい読むと、本当に一人一人家族も含めて、
今まで生きてきた中で出会った人を思い出しながら、
その人たちが自分にどういう影響を与えてくれたかっていうのをですね、とつとつと書いてるっていう。
これが非常に、実はなんで5ページぐらいで読み終わっちゃったか。
読み終わってないんですよ。これから読もうという努力はするんですが。
なんでここで中断しちゃったかというと、もう試したくなるんですよ。自分に対して。
で、早速自分が生まれてから、どれだけの人に思い出せるかなって思い出して歴史を。
影響を受けた人たち
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2週間前から始めたんですけど、今はだいたい60名ちょっといるんですよね。
まだ意味付けまでしてないんですよ。
ただ、たぶんそういう名前が出てくる、そういう顔を思い出すっていうのは、
何らかの影響を受けたっていう直感があるんでしょうね。
だからそういう名前が出てくるんですね。
それはすごく自分にとって新鮮で、やってみると、だんだん自分の気づいてない自分が見えてくる。
これすごく面白いんです。やってみてください。本当にね、乗ってくる。
なんとなそうか、自分ってこういうものによってこの人に影響を受けて、
今日までまだここまで来れたんだなっていう人が何人もいるんですよ。
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へえ、すごいな。
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それは逆に言うと感謝というかね、そういう人たちへの感謝にもつながるんだけども、
もちろん反面教師もいましたよ、たくさん。
こんなやつにっていうのもいたけど、でもそれなりに影響っていう意味では受けてるわけですね。
これ結構コミュニケーションの原理原則に則っていて、
一つのコミュニケーションの原則に、まず相手を知って初めて自分を知るっていう原理原則があるんですね。
これは誰が一番初めに言い出したかというと、紀元前5世紀に孫子という古典があるんですけども、中国の兵法ですね。
世界で一番古い兵法と言われている、いかに戦うかっていうことを教える書物なんですけども、
その中に相手を知り、相手ってのは敵ですね。相手を知り、自分を知れば、100回戦っても必ず勝てるっていうこと。
相手を知らず、自分を知って、あるいは逆に自分を知って相手を知らず、どっちでもいいんですけども、
その場合は基本的に勝つ確率は50-50だと。相手も知らず自分も知らなければ確実に負けるっていうね。
これにちょっと相通ずるところがあって、人間というのはやはり自分を知るっていうことは自分だけで知ることはできない。
相手との比較の中で自分を知るっていう。
だから相手を知ることがイコール自分を知ることで、自分を知るってことは初めからできないんですよ。
まず相手を知って初めて自分を知るっていう原理原則の中に生きてるんですね。
だから基本的に相手を知ると自分を知るっていうメカニズムがコミュニケーションで働いてるってことは、
このマルクス・アウレリウスという人が、いろんな親族や今まで出会った人を少なくても振り返りながら、
彼らっていうものがどういう意味が自分にとってあったのかっていうのを振り返っていく中で、相手を知るわけですね。
それを知るって初めて自分を知るっていう段取りに入ってくる。
だから彼はいろんな人との意味付け、自分にとっての意味付けをずっと書き綴りながら、徐々に多分自分っていうものを発見してるんでしょうね。
だからある意味でいうと、非常に優れた皇帝として評価されてると歴史的に。
っていうのを支えたのが、この自省録で表現されている自分を知ることを追求してた。
だからある意味この自省録を書くことによって自分自身見えない、気がつかない自分っていうものを発見し、
そこに対して自分の行動というか表現というか、まあ皇帝ですからね。
行動っていうのはすごい影響力あるわけですけども、やっぱりやってきたのかなって気がしますね。
で一番初めにね、パッと思うっていうのは、もちろん親とかね、僕は兄弟がいないんで、
まあ親が一番初めなんですよ。皆さんやってみるとわかるけど。
親の次にどうだろうって考えていくと、もちろん僕は子供もいるんでね、
子供とかいろいろあるんだけども、ビジネスっていう世界でちょっと考えたときにやっぱり思いついたのがね、
パッとこのアウレリウスの自省録を読みながら、自分だったらどうかな、
それも家族じゃなくね、誰かなって思った瞬間に思いついた言葉がね、恩師。
恩師っていう、割とって恩師って言われたとき誰が恩師なのかなと。
それでパーッと考えたときに、やっぱり数名恩師が出てくるわけです。
しかも恩師って言うと、とっかく大学教授とか高校中学の恩師とか、
そういうところになるんだけど、そういう人もいるんですけども、
そうじゃない。いろいろな、例えば僕ホンダにいたんだけど、ホンダにいたときのあの人、この人、あの人、この人、どんどんね頭。
今度はセガに行ったときこの人、あの人って問題。どんどんどんどん顔が出てきて、それを書き綴っていったら、今60名くらい。
これからもっとね、たぶんこれをやっていくと、人の顔を思い出すようになるんですよ。
問題はね、名前を思い出すのができなくなっちゃう。
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顔だけわかると。
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今苦労してるのは、辞書ないじゃん。顔だけ思い出したからって名前を調べる辞書ってないじゃん。
こっちは記憶がどんどん落ちてるから、データがどんどん少なくなってきてるんで。
だから、名前を思い出すっていうか、探さないと、どう表現していいかわかんない。
それがチャレンジ、今の。でもね、やってみると面白いと思いますよ。
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ちなみに、実際に会った人ばっかりを書くんですかね。
今の、例えば何かの本を読んでとか、何か有名人であるというか、テレビに出てくるような人からの影響とかも、今は受けることもあるから。
またちょっと変わってるでしょうね。
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それはね、すごいグッドポイントで、たぶん人だけじゃないと思うんですよね。
本とか、あるいは全ての事象と言っていいと思います。
だから我々が今トランプ現象を分析してるのも、トランプ現象っていうのは自分にとってどういう意味があったのかっていう意味で、わーっと広く考えていく。
そうするとね、今付きあたった僕の発想帳っていうのを持ってるんですよね。毎日書いてる。
全て発想。タイトルなんだっけな。
発想日誌っていうタイトルなんですよ。
で、副題でね、今日の仕込みって書いてあるんですよ。
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いいですね。
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そうするとね、これにも通じてて、これ毎日自分が発想した気づきとかあらゆるものは、もうすごく、
いわゆる目の前でどんどん記入できるじゃないですか、今も。
iPhone使ってどんどんどんどん思いついた。電車の中、タクシーの中。
車いるときは音声で残すんですけど、何かあるときはもうサササって入れられるじゃないですか。
そうすると、それを一日必ずっていうんでやっていくとですね、これもある意味さっきの自省録とある意味同じ効果が出てきて、
今、ヒロさんが言った様々な出会った事象とか、本とか、そういうものをどんどん書き連ねていくと、
自分が見えてくるっていうのが、もしかしてあるのかもしれないですね。
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そうですよね。
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発想って、前も話しましたけどすごく重要なんですよね。
どんどん人間には発想が降りてくるんです。神様からの贈り物なんです、発想って。
まあ、昔話したけど、計算したんですよ、いくつ発想が降りてくるか。
一番降りてくるのは、僕の場合は朝のシャワーのときなんです。
つまり、起きて寝てるときの無意識が働いてるっていう成果が一番降りてくるのが、だいたい朝なんですよね。
で、シャワー。これはね、たぶんね、朝って言ってもね、9時ぐらいまでだな。
9時過ぎちゃうともうダメなんですよ。
コンベンショナル。ノレッジっていうか、ウィズダムによってですね、発想力が下がっちゃうんですよ。
常識的になっちゃうんですね。
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ああ、でも面白いですね、それは。
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だから、そういう意味で言うと、そういうのっていうのは非常に意味があるんだ。
ただ今回は、自省録では個人っていう、人ということにフォーカスを当ててやると、
たぶん辞書とか本とか、そういうのとはまた違った深さっていうんですか?
たぶん違うんじゃないかと思うんですよね。
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そうですね、たぶん違うでしょうね。
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でも、やってませんか、なんか私はもっとくだらないことだけど、
その自分の好きな味覚って、すごくもうどっかのタイミングでわかったし、
それってだからいろいろ、今の自省録じゃないけど、
経験とか、いろいろしていく中で、自分の好きな味、嫌いな味が、すごいクリアになってきますよね。
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あと、だから問題は、それを文章にするかしないかなんですよ。
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ああ、文章にね。
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文章にする作業っていうのが、実はものすごく重要で、
僕がなんで文章をするかっていうと、あれなんですよ、キャッチしたいんですよ、発想を。
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ああ、そっかそっか。
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気持ちだけでやってると、発想って消えちゃうんですよ。
あの残るとこもありますけどね、消えちゃうんですよ。ほとんど消えちゃうんですよ。
なぜかというと、実際僕が自分の発想帳って、もう何年やってるのか知らないけど、
これ読んでいくとね、え?俺こんなこと思ってたの?っていう。
つまり自分の中に形式知化してない感情とか、そういうものでなってると忘れるんです。
あるいはね、多分唯一それを引き出す方法って無意識の世界だから、寝てるときですよね。
無意識との対話の重要性
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だから多分寝てる間に人間はね、いろいろな形で、無意識にいろいろな感じたことを溜め込んでるんだけど、
問題はAIがないからある意味、そのデータを意図的に引き上げられないんですよ。
偶然に引き上げられることはできるんだけど、とにかくすごいものが無意識には溜まってるんですよ。
世界意識というふうにユングは言ってるけど、とてつもないビッグデータっていうのがあって、
ただ問題はそこをアクセスして必要なものを手に入れるっていう能力が人間には今ないんですよ。
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確かに。
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一部の人間にはあるんですよね。
例えばここまで行くとまた宗教に入っちゃうんだけど、
要は無意識と対話するっていうことを一生懸命考えたのは仏教思想なんですね。
仏教発想なんですね。
西洋がそれを考え始めたのはもっともっと遅くっていうか、近代になってから。
だから結局仏教とか、あと多分イスラム教は一神教だからちょっと違うだろうな。
多神教のエリアっていうのは結構無意識の世界との対話っていうのが、
結構ひとつの技法として必要だと。
悟りっていうのは基本的にはそこだっていうぐらいのね。
つまり意識の世界じゃ悟れないって。往生際が悪いんですよ意識の世界だと。
人間煩悩ってのがあるから。
そうじゃなくやっぱりそれを忘れた無意識の世界まで対話ができるようになって、
自由に一人一人に備わっている超ビッグデータにアクセスできる一部の人間が悟りを開いてるっていう発想が強いんで。
そういう見方もすると面白いですよね。またね。ひとつの発想として。
そうするとやっぱり一生懸命無意識がメッセージとして送り込んで、
朝のシャワー時に降りてくるものをですね、ひとつ残らずこうメモしておくっていうのが大事なことかなってなんか思うんですけどね。
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すごいでもそれ本当でもそのネタ帳というか、それをそれこそテキスト化するだけで検索が今までよりもずっと簡単になりそうですよね確かに。
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まあ確かに。テキスト化することによって簡単になるし、今後はそれをAIに覚えさせればいいわけでしょ。
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そう。だって、もし手書きで書いてるんだったら別にそれをね読み取るっていうことも別にできますし。
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だから書面化しておく、文章化しておくっていうのは結構重要だなと思ってて。
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そうですね確かに。
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だからで書面化すると結構努力が必要なんですよね。自分との対話すごいんですよ。
この表現俺より良いかなーとか、これやっぱりちょっと表現として正確性に欠けるなとかね、こういう表現すると誤解されるなとかね。
表現するっていうのは文章にするっていうのは架空の相手を意識するわけです。
例えば社内とかね、あるいはこれウェブで上げたら、ブログで上げたらかなり多くの人が見るだろうなとか。
そういうことを意識して書くと、より馬鹿みたいにメモを取るんじゃなくて。
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記録じゃなくて、意味付けがちゃんとされた文章に。
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これは結構エネルギーがあるんですね。
でもね、結構自分を知るっていう意味では良いかなと思ってね。
で、やっぱりちょっと考えてて、今意味付けの方まで入ってる人が一人いるんですね。
これは恩師っていうところから紐解いていったんだけども、
ホンダの特にアメリカから帰ってきてから、ホンダ辞めてからもそうだな、いろいろとお世話になった方がいて。
杉浦さんという方で、僕が出会ったときはホンダの会長さんだったんですけどね。
その方っていうのは、京都大学出てて物理学科かなんかで、
朝永振一郎でしたっけ、物理学者で京都大学出身の。その孫弟子の方で。
僕がちょうど27ぐらいでワシントンD.C.に駐在になったとき、ホンダで。
あの方が会長で、もともとホンダのワシントン事務所を作る必要があるっていうふうに英断して、
で会長として判断し、それで作ったということもあって、結構しょっちゅう来てたんですね、ワシントンに。
でワシントンっていうのは、ワシントン事務所長っていうのが一人いて、その下に僕がいて、若手として27歳で。
いろいろと杉浦さんが来るんで、たぶん僕の父親と同じぐらいの世代ですかね、その当時ね。
だから向こうはね、あんちゃんあんちゃんって呼ぶんですよ。
あんちゃん、お前元気かーとか、あんちゃん、お前なんでここに来たかわかるかーとか、
あんちゃん、これからお前のやる仕事はこれだぞとかね、いろいろなったんですね。
で、いろいろ世話になって、もう一つの彼の得意芸っていうのは、これはホンダ全体の中で浸透してたんだけど、
本田宗一郎さんの語り部って言われたんですね。
本田宗一郎さんは天才なんで、言うことが突拍子もなくてわからない。
それをちゃんと解説してくれる人という。
だから、ある意味本田宗一郎さんの持っている発想っていうのを、
物理学科卒業ですから、それを理路整然と整理して、
それを本田宗一郎さんが言うことのわからない下々に対して、ちゃんと語ってくれるって。
僕の幸運はですね、そういう人が定期的にワシントンに来て、
僕がアメリカに来たときは必ず、食事から話から語ってくれるんですよ、本田ウェイっていうのを。
それがありがたいっていうか、それがあるからこそどういう戦略で、
アメリカの世論を味方につけるか、どこのホンダ、ホンダのどの部分をアピールするのか。
それぞれなんでここまで現地化戦略をやっていかなきゃいけないかっていう、
すべてバックボーンの思想っていうのを説明できるようになるわけで、僕も語り部になってくる。
そういうとこから入っていくと、有識者とかマスコミとか、学者とかアナリストとか、
そういうとこから入っていくと、ホンダのアメリカでの戦略はそうなのっていう感じで、
それを僕は逆に語り部のごとく行脚するわけですね。
それを支えてくれたものを与えてくれたっていうのはやっぱり一番すごくて。
で、結局デトロイト事務所を作るって判断も杉浦会長がして、
実際僕をデトロイトに送り込んだのもその人が決めてくれて。
で、すべて大変お世話になって、7年間アメリカでいたけど終わって、
日本に帰って、日本では逆に営業に行くはずだったのが、誰かの上の方の判断で広報に行かされてですね。
広報でも何年かやったんだけど、その後ホンダを辞めてセガに移ってから、もうお付き合いがあって。
で、いろいろと、たぶんうちの会社を創業して、
基本的には5年ぐらい経ってぐらいだと思うんだけども、
定期的に杉浦さんと我々のうちの若手を合わせて、
いろいろとみんなで議論するっていうふうに、
すごく末永く、お亡くなりになるまでいろいろとお付き合いいただいたんですけど、
この人との出会いの意味っていうのは、今申し上げたようにね、いろいろあるんだけども、
一言まだ自分の頭の中に一つ残ってる。彼の具体的な言葉は忘れちゃったんですよ。
でも僕がホンダを辞めて、それでセガに行って、セガから今度は新たな事業を始めていたときに、
定期的にお会いしてたんだけども、
彼がなんて言ったのかな、お前さんは自分の世界がないとダメになる男だなって言われたのかな。
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え、なんかわかるような気がする。
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なんかね、イグザクトリーそうかわかんないんだけど、
多分そういう意味が僕の今ね、脳裏に焼き付いてるんですよ。
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解釈がそうだったんですね、田中さんのね。
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受け取ったメッセージはそれなんですよ。
昨日とか今日を思い出しながら考えていくと、
確かに俺過去をずっと見ると、自分の世界を作らないとやっていけないっていうかね、流される。
もっと言うなら本当にダメになる?っていう経験っていうものをですね、
ずーっと、あのね、そうだな、どこぐらいからかな。小学校あたり?
いやもっとだな。小学校になったあたりからずっといろんな事象があって、法則性が出てるんですよ。
つまり自分の世界というものを得たときは元気に動けるっていうか、どんどんどんどん動くんだけど、
自分の世界が作れなかったときは、どんどん流されるって言葉がいいのかな、あのね、どんどんダメになるんですよ。
でそのね、それがものすごくね、はっきりしてるんですね。
だから、あの、なんて言うんだろう、ダメなとき、自分の歴史振り返ると、これ流されてダメなとき、これ燃えてたとき、これダメなときって、
こういう全部ね、だから自分はね、あのね、すごくなんて言うんでしょう、結構危険なんですよ、フィフティフィフティ。
ダメになるのと、それなりに頑張れるのとっていうのがね、それはね、ここ数時間そういう人間なのかなっていうのは自分で気づくんですよ。
これが自分が気づかなかった自分っていうの。
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それは影響を与えられたというよりは、自分が知らなかった自分を気づかせてくれたっていうことですね。
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そういう形でしょうね。だからそうなると、でも今の年になってそれ気づくの遅いんじゃないって思う感じで、もっと早く気づいてりゃ、もっと生きようがあったんじゃないかと思うんだよね。
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まあまあ違った人生だったかもしれないですよね。
そうそうそうそう。
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だからやっぱり自分が気がつかない自分っていうのを知るっていうのも一つ、この自省録っていう本からちょっといただいたメッセージっていう感じですかね。
だからやっぱりね、すべてのものにメッセージが宿るんですよ。
問題は受け手側がそれをキャッチするかしないか。
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まあそうなんですよね。
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でもそうなると絶対的なメッセージってなくて、受け手が決めるんですよね。
キャッチする受け手がどういうメッセージを受け取るかを決めちゃうんで。
出会った人々の影響
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だから結局、やっぱりすべて自分にありでしょうね。
そういうことです。自分がどう受け取るかの次第によって自分は元気になったり元気じゃなくなったりするっていうのがあるんだなっていうのは一つ、結構面白い。
自省録っていう本ね。
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確かに。私も読んでみよう。
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面白そうですね。でも自分のをやってみるっていうのは確かにちょっと面白そうですね。
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面白いですよ。
だから5ページくらい読んでやめちゃったのは、やめちゃったのは、そっちの方が面白いから、じゃあ自分で考えようってこうなったわけですよ。
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そうですね。
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多分この自省録はこのまま僕は読み進まないんでしょうね。
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そんな宣言しなくても。
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積んでおくんでしょうね。
そうすると何年か後にまた出会うわけですね。
そうするとまた新たなメッセージが降りてくる。こんな感じです。
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すごいな。でも60人とかをピックアップができる。これもだからきっとあれですよね、どのどの尺度で選ぶかっていうところから始まりますよね、きっとね。
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まあそうですよね。
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そこからですよね、きっとね。
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やってみると結構いろいろ思い出が出てきますよ。
なぜかというと、それを思い返すときに人の顔が出てくるでしょ。
人間は名前じゃないんですよね、やっぱりね。
痛烈に感じて、名前は年齢とともにデータ化されなくなるんで、全部顔、体験、こういうのが残ってるわけですよ、人間の中に。
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確かにそうかもしれない。
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そういうのを考えると気づきが増えてきて、
この人ひどかったけど今から考えるととかね。
でもあの時、嫌な奴がいたから逆に僕は脚光浴びたとかね。
いろいろ振り返ると、自分の人生の構図が変わってくる。
自分が今思っている自分の人生っていう構図が変わってくると、結構ね、面白いことでもあり怖いことでもあるんですかね。
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それでも自分のことがある程度わかっているからこそ、誰から影響を受けたとか、この人と会ったことが後の自分に影響があったんだなってわかるんですよね、きっと。
人生を豊かにする気づき
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それさえわからない人ってたぶんたくさんいるんだと思うんですよね。
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確かに確かに。
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そういうのを普段から感じられるっていうこと自体が大切というか、
田中さんみたいにこの人に影響を受けたんだなとか、何か気づきがあったなって思えることが、人生がより豊かな感じはしますよね。
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まあそうですね、努めて自分に思い込むっていうのは、全て感謝、感謝。
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それは確かに。
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よく子どもたちにも言うんだけど、
右頬を殴られたら左頬を出せとかね。
昔のことで、キリスト教だったっけ?どこでしたっけ?どっかの宗教にありましたよね。
右を殴られたら左って、あれ結構言えてて、殴られたら殴り返せじゃないんですよ。
じゃあこっちも殴ってって感じで。
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出会いは本当でも、どんな出会いもプラスというかありがたいっていうのは、本当に最近そういうふうに思いますよね。
嫌な奴だったなとか、嫌な人だったっていうことが自分への反省にもなったりする。
やっぱりこういうふうになってはいけないとか思ったりするし、そう考えたら、そこでまた自分が気づけたっていうことが良かったなって思えるようになったし、
そこは昔はイラッとすることに対しても、イラッとしかしなかったけれど、
やっぱり今はもうちょっと、ここからも学びがあった、良かったなって思えるようになったっていうのは確かに。
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さすが、もう悟りの境地に近づいてるじゃないですか。
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でもね、本当それは年齢を重ねて、やっぱりより感じるっていうのはあります。
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ただ年齢を重ねたからって、そうはならないですね。
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そうそう、必ずしもね。自動的にそうなってるとはもちろん思わないんですけど、自分の場合はそうなったなって。
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でもそうなってるってことは何かやってるんですよ、ヒロさん。
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そうかもしれないですね。
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ヒロさんなんかやっぱり絶えず意味付けしたりなんかして、じゃないとね、嫌な奴でも感謝っていう気持ちにならないんですよ。
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うーん。
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徐々に。なんかね、やってんじゃないかと思いますけど。
それは恵子さんにも言えることで、恵子さんもどっちかと言うと、もうその境地でしょ。あんまり怒んないんでしょ。
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いや、田中さんはやっぱりすごいな、ずっと話を聞いてて、やっぱすごいなって思いますよね。
いや、だってその、そういうふうにちゃんとこう、一つ一つが真剣ですよね。私から見ると一個一個がすごく真剣だって。
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あのね、才能のある人とない人の違いなの。
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いやいや、そんなことはないと思う。
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あの、一件一件意識しながらやらなきゃならないっていう人と。
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いやいや。
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天性のもので自然体でなってるって言ったら、もうそっちの方がね、いいんですよ。
意識の世界でね、やってるとね、やっぱりね、往生際が悪いんですね。
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いや、でもなんかその、一個一個真剣にやること自体が、私はすごい大変だな、疲れるだろうなって逆に思っちゃうから、楽なことを考えちゃう。
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だからの天性もんって言うんですよ。楽にしかるべきステップを踏んでるわけですよ。
昨日あるお客さんに、とにかくこういうクライシスコミュニケーションの場合は、一番大事なのはしかるべきステップを踏むことって言ってね。
ほとんどのクライシスで失敗するケースはしかるべきステップを踏んでないってね。踏んでなくて攻めに出ちゃう。
外に発信しちゃう。だからとにかくまずはしかるべきステップを踏んでから発信しなさいと。
で、その叱しかるべきステップの第一がまず自分の弱点を知れと。いうふうにこうやっていくわけですよ。
そこを僕なんかのコンサル業務は意識してステップを相手にやっていくんだけど、けいこさんの場合は意識しなくてもできるんですよ。
だからそこは天性のもんっていうのはそういうことだと思います。
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そうなんですかね。
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それはね、別に意識しなくてもその正しいしかるべきステップを踏まれてるんですよね。
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田中さんからそういうお言葉をいただくと、自信になりますよね。
一個一個真剣にすごく考えて実践されてる方からそう言われると。
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あのね、これね、自分の往生際の悪さっていうのが根底にあるんですよ。
本当本当これはマジで言ってます。
人間ね、やっぱりね、自分はね、いくら考えても往生際が悪いんですよ、いざとなったら。
これがね、だからね、本当、なかなかやっぱり意識の世界だけじゃ戦えない、乗り越えられないんですよね。
やっぱり無意識とつながるしかない。
無意識の壁が高い。
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やっぱりまたこういうことを言うとあれですけど、
やっぱり生きてた時代で、多少外からの環境が違うと、考え方とか、自然な方向性?
自然にこういう考え方ができる感覚ってちょっと違ってきますよね。
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そうですね。
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本当、戦争真っ只中の中でずっと成長してきた人たちというのと、私たちみたいな人たちとか今の子たちとか。
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田中さんそこまではいってないですよね。
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そうじゃないけど、でも田中さんもすごい色々いろんなやっぱり経験を子供の頃からされてるから、
多感な外的要因で感じるものと、私たちみたいに幸せな割とものがいっぱいある時代で、
そこそこテクノロジーも進んできてる中でぴょこって生まれて育ってきてるのとちょっと違いますよね。
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でもその時代はその時代でまたね、苦労、まるっきり違った苦労があるわけですね。
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それはね、あった。確かに。
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ただここで明確に言っておきますけども、誤解を生まないように、私は戦中派ではございません。
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そこまではもちろん。
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このポッドキャスティングを聞かれてる方は、ぜひともそこは認識をちゃんとしていただいて。
戦後派でございます。
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そこまでのおじいちゃんじゃない。そこまでのおじいちゃんじゃない。