2023-08-12 35:48

#8 ソートリーダーシップ(前編)

ソートリーダーシップとは?その始まり、そしてその重要性とは?

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一     
高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)     
中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

IBMのEビジネスの取り組みから始まるソートリーダーシップの概念により、ビジネスは結果を追い求めるだけでなく、良いビジネスを結びつけることが重要であることが浸透してきました。ソートリーダーシップは30年前から始まり、他の企業も試行錯誤しながら進化してきたパラダイムシフトです。ソートリーダーシップについて考察し、組織の思いの質が重要であることを述べています。また、ソートリーダーシップとバズワードについて話し、総統リーダーシップとホンダのケースを分析することが目的です。続きは次回お届けいたします。

IBMとEビジネス
中川 浩孝
仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
コミュニケーションの修羅場を人生のチャンスと思い込んでいる田中愼一こと、シン・田中です。
高木 恵子
SEからPRに転職して早四半世紀、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきた、アメリカ在住、中川浩孝です。
田中 愼一
今日は私の方から提案がありまして、いろいろな意味で、私が注目している大きなコミュニケーションの世界でのトレンドがあります。
実はこのトレンドっていうのは今始まったばっかりじゃなくて、はっきり言うとそのきっかけは30年ぐらい前。
IBMっていう会社がありますけども、そこがeビジネスっていうコンセプトで、当時IBMっていうのはですね、その当時ローテクっていう風にカテゴライズされて、今までは非常にハイテク的なイメージで、
IBMだっていうのがですね、突然ローテクっていうイメージを色塗られたんですね。
で、それは何でかというとその当時インターネットの世界がどんどん広がってきて、マイクロソフトとか、ありとあらゆるE絡みのところが出てきて、それをハイテクっていう風に世間は見るようになった。
そうすると従来の現場でビジネスソリューションを提供している部分っていうのはどっちかとローテクっていう風に受け取られて、IBMはそこを何とかしなきゃいけないっていうことで、実は一つのキャンペーンというかプログラムを立ち上げるんですね。
で、基本的には色々調査分析していると、基本的に今の評価軸っていうのは1本しかなくて、それはローテクかハイテクかっていう評価軸しかなかった。
そうすると当然ながらマイクロソフトはハイテク企業、IBMはローテクっていう風にカテゴライズされちゃうんですね。
で、そこで考えたのがもう一つ軸を作ろうと。
ですからそれはどちらかというとノンビジネスビジネスっていう風に。
つまりその当時のマイクロソフトっていうのは決してそれがビジネスそのものじゃないわけですよ。
よりネットをうまく使っていくための、ある意味ツールということでビジネスを作ってるわけじゃないわけですね。
ビジネスに対するソリューションじゃなかったわけです。
ところがIBMっていうのは基本的には昔からビジネスソリューションを提供してやってきたんだということで、
そのビジネスかノンビジネスかっていう軸をですね、そのハイテクかローテクか軸と交差させて4次元を作るとですね、
第一象限、第一象限ってあれ右側の一番上でしたっけ?
高木 恵子
はい、そうです。
田中 愼一
がですね、ちょっと絵描きたいとこなんだけど。
今は例えばマイクロソフトであるならば、その2つの軸でいくとですね、ハイテクだけどノンビジネスに入ってるんですよ。
つまり何条件というのかな、昔習ったけど、左の上ですね。
中川 浩孝
第二象限ですね。
田中 愼一
IBMはじゃあどうするかというと、今見られている姿はローテクなんですけれども、
でも彼らはビジネスが強いわけですよね。
だからどちらかというとこれは第三象限ですか。
つまり右下です。
中川 浩孝
右下は第四象限じゃないですか。
田中 愼一
第四象限か、じゃあ第四象限にあるわけです。
それが基本的にはIBMはいろいろな発信をしてコミュニケーションの戦略を練って、それを第一象限に持っていくわけです。
そこで生まれた概念がeビジネス、つまりeという世界、つまりローテク、ハイテクのeというハイテクの世界と、
それからビジネスのノンビジネス、ビジネスの世界の、つまりeとビジネスを結びつける役割をIBMという風に位置づけて、
ソートリーダーシップの始まり
田中 愼一
そういう風に見られるような発信をずっとやってきて大成功するわけですね。
そのeビジネスってeとビジネスを結びつけるっていう、ある意味バリュープロポジションですね、IBMの。
IBMはそういう価値を提供してるんだとビジネスソサイティに対して。
というものを例えば一つ表現する、あらゆるところから表現するんですけど、一つは例えば広告宣伝なんかで、
当時、僕も歳がバレちゃうけど、酒屋の親父がですね、世界中からオーダー来て喜んでワーワーやってるコマーシャルがあるんですよ。
中川 浩孝
ありましたね。
田中 愼一
で、それは何でかっていうと、実はネットと繋がったから。
で、それを繋げたのがIBM。
だからビジネスにはハイテクローテクなんてものがあるんじゃなくて、ビジネスはビジネスなんですよ。
でもどんなビジネスでもいいという世界と結びつくことによって、商売繁盛っていう、こういう構造を作ってそれをアピールしたわけですね。
そうすると徐々に人々の、特にビジネスマンの中にローテクハイテクという切り口はなくて、基本的にはそうか、いいとどうビジネスを結びつけるとビジネスが繁盛するのか。
しかもビジネスっていうのは別に昔からある本屋でも酒屋でもいいし、ものすごいどでかい企業のね、自動車あるいはエレクトロニクスの会社でもいいし、何だっていいんですよ。
ただいいとビジネスを結びつけることが実はこれが大事なんだ。
で、そこにIBMをしっかりとポジショニングする。
これがね、実はソートリーダーシップの始まりって言われてるんですね。
で、これは何が特徴かというと、その時のいわゆる課題、時代認識、課題認識がスタートするんですね。
つまり、もちろんターゲットはこの場合はビジネスのコミュニティってことになるんですけども、これからの皆さんの課題って何か。
これからの時代っていうのは実はですね、いいという流れをいかにビジネスのソリューションとしてつなげていくかっていうことが、どんなビジネスの人たちにとっても重要なことなんですよ。
それをどうやっていくかが課題なんです。
で、そこにIBMはソリューションがありますっていうソリューションをぶつける。
だから、時代課題認識ですね、とそこに対してしっかりとしたソリューションを持ってるっていう、この2つがですね、実はソートリーダーシップって言われていて、何でソートなのか僕もよくわからんのですが、僕はそのソートっていうのを思いっていうふうに訳してるんです。
つまり、IBMが持っている強い思いは、やっぱりビジネスの人たちに、どんなビジネスに携わっている人たちにも繁盛してもらいたいと。
そのためのそういう課題を乗り越えるためには、やっぱりいいというものと結びつくことが、どんなビジネスであっても、それが商売繁盛を約束しますよと。
そのお手伝いをIBMはしますよ。これがIBMの思いなんですよっていう。
こういうパターンですね。だからソートっていうのは、ある意味いろいろな解釈があるんですけど、思いとか、思いとなるとビジョンとかね。
それから、いろいろな項目が出てくるんですけど、思いっていうのが僕は今一番フィット感があるからね。だいたいソートだからね。
名詞系のソート、英語のTHINKの名詞系です。
高木 恵子
やっぱり結局、今で言うと多分ブルーオーシャンを探すってことですよね。
田中 愼一
そうですね。
高木 恵子
だからIBMが結局マイクロソフトと同じ土壌、同じエリアで自分たちがローテク、ハイテクって言われてしまうこと。
で、そこで何か戦うよりも、自分たちがとにかく自分たちのポジショニングを取るためのスペースをあえて自分たちで作ってしまう。
田中 愼一
まさにブルーオーシャンを見つけ出す旅なんですね。
高木 恵子
そうですよね。そこで、もっと分からしく言えばカテゴリートップですよね。
自分たちの今までにないようなカテゴリーがあったかもあるかのように、ここのカテゴリーで自分たちがやっていくんですよっていう宣言を早くした人たちがカテゴリートップを取れるんで、
多分そこにシフトしたんですよね。
田中 愼一
ブルーオーシャンってすごく当たってて、要は時代が変わったんでしょうね。
つまり、昔はある意味、ほっといても口開けてればブルーオーシャンが入ってきたっていう時代があるんだけど、
今はそうじゃなく、こちらからブルーオーシャンを見つけなきゃいけない。
それは単に今のままの状態で黙って口開けてれば見えるかって言うと見えないんですよ。
動かないと見えないんです。
でも動くとリスクはあるんですよ。
高木 恵子
はい。
田中 愼一
未知の世界に入ってきますから。
だからやっぱりその未知の世界に、やっぱり怖くて入れないんだけど、でも入らないとブルーオーシャン見つかんないよっていう世界が実は我々の今の世界で、
だからその未知の世界に入っていくための一つの努力、試みっていうのが30年前に、
くしくもIBMのケースでね、出てきて顕在化されてきた。
そこから実はソートリーダーシップというのは、いろんな企業でいいビジネスというものを考え、
企業のマインドシフト
田中 愼一
IBMはその後、スマータープラネットっていうね、いわゆる本当のソートリーダーシップに今の古典ですよね。古典とも言われるもので。
ただあまりにも金がかかったんで、他の企業には真似できないというですね。
だから本来、僕から言わせるといいビジネスっていうのは、もうどの商売でもどの規模のビジネスの人たちにとってもソリューションになりますよと言ってたのが、
巨大企業じゃないとできないプログラムです。になっちゃった感じがあって。
その後、いろいろな企業が試行錯誤しながら今日まで至ってるっていうのが、ソートリーダーシップですね。
多分ね、その一つの背景っていうのはやっぱり、企業に対する評価軸がガラッと変わってきたっていうね。
つまり企業っていうのは、もともと稼ぐことが企業の使命だったんですけれども、
基本的にはですね、企業っていうのは稼ぐだけじゃダメよって言い始めたんですね。
稼ぐ&貢献するっていう、社会に。
だからその貢献っていう、ある意味で言うと今までの、それまでのってか今でもそうですけど、
社会貢献、あるいはCSRっていうCorporate Social Responsibilityっていうのは、ある意味副業だったんですよ、企業にとって。
本業は稼ぐことだったんですよ。
ところが、本業を稼ぐという同時にもう一つの本業が生まれてですね、それが貢献するっていう。
ここをよく考えると、社会貢献活動なんかやっててよくわかるんですけども、
サステナビリティが一番問題なんですよね。
つまりお金がない。
そうすると持続性ある社会貢献って、やっぱり稼ぎながら持続性をするっていうのは、
企業が入っていける分野っていうね。
だから社会貢献活動っていうのは一方で稼がないと、その持続性で担保できないっていう世界だから。
中川 浩孝
ただ、CSRの時代っていうのは、どちらかというと、稼いでいるからその利益を還元するという意味なんですけど、
逆にプラスになっている、マイナスになっている分、企業活動によってマイナスが生まれたものを埋め合わせしろみたいな。
ちょっとそういう見方もありましたよね。
田中 愼一
まさにキリスト教の原罪というかですね、もう人間は我々は悪いこと、もう既に罪を犯しているんだ。
そこへの償い。これも企業もそうですよね。
今、ヒロちゃん言ったまさにその通り。
そういう意識が今まであった。
で、それをそうじゃないんだというふうに、ある意味肯定的に捉えたってことなんだと思うんですけどね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
で、しかもそこっていうのがこれからある意味今まで開拓されてなかった市場、つまり先ほどけいこさんが言ったブルーオーシャンっていうものが実は潜んでいるんですね、これ。
そこに実際入ってって、でもリスクあるんですよ、未知ですから。
あるんだけども、入りながらある程度お金とか時間とか投資をかけながら、しかも自分が今持っている資産をどうやって活用しながら、しかも重要なのはいろいろな仲間たち。
仲間たちと組んでその社会貢献活動を実施していくっていう流れがですね、今非常に大きな流れで、これは企業にとっては一つのなんて言えばいいんだろう、ものすごいパラダイムシフトですね。
だから逆にこの30年間がそのパラダイムシフト、今でもそのまま続いてるんじゃないかと思いますけど。
高木 恵子
セールスフォースのマーク・ベニオフさんの本でも書いてあるんですけど、本を読んでない私が言うのもあれですが。
田中 愼一
いや、それは読んでるってことですよ。
高木 恵子
この本は読んだんです。
表紙読みまして。
セールスフォースって会社を立ち上げるときから、1・1・1モデルっていう1・3つ。
その1が何かっていうと、まず1つは製品の1%それから株式の1%で、あとその従業員のその就業時間の1%っていうのを社会貢献に使いましょうっていう。
社風というか社訓なのかな。そういうのを会社ができたときからマーク・ベニオフ氏って作ってたんですよ。
そうすると会社が、ビジネスが成功すればするほど、まず製品の1%をNPO団体に、彼らはクラウドのビジネスだったんで。
売上に対して、だから1%を何か製品の1%分を、例えばNPO団体に無償提供してあげる。
あとは株式も、会社が儲かったら株式の1%も寄付とか何か色々社会貢献に使う。
従業員も増えれば増えるほど、就業時間が増えるので、全社員の必ず1%をボランティア活動に。
田中 愼一
これは汗をかく。
ソートリーダーシップの重要性
高木 恵子
そうです。汗をかくというか、ボランティア活動に使いなさい。
それはだから有給とかそういうの関係なくして、会社としての就業時間でカウントしていいという。
最初から111モデルというのを使うと、会社が大きくなればなるほど、その貢献する分量が増えるじゃないですか。
田中 愼一
面白いですね。
高木 恵子
そうなんですよ。だからそれで彼は会社を大きくするんだって、並行してまずそれをやっていって。
本当に今まさに全世界でみんなが知られるようになった会社になりましたけど、まずそういうのを最初からやってきてたっていうのと、
あとその冒頭のソートリーダーシップに戻りますけど、本当マーク・ベニオフ氏の場合は最初からもうどこが自分たちにとってのブルーオーシャンか。
もう最初からソートリーダーシップを考えてビジネスを立ち上げて、で彼のそのやはりもっとすごいなと私が思ったところは、
田中さんおっしゃったみたいに、ブルーオーシャンに攻めていくときってリスクがいろいろあるわけじゃないですか。
でも彼は元々エンジニアだったんで、アジャイル方式というそのアジャイルですよね。よくプログラマーの人がまず軽く試してみて、で何かあったらすぐ変更、
軌道修正すればいいというそのアジャイルっていう、まず試しでやって、でダメだったらすぐ戻って、要は大怪我する前に戻ってやるっていう。
田中 愼一
そうそうそう、あのね試行錯誤がね、もうこれ絶対重要なんですよ。これね未知の世界に行くときは絶対試行錯誤で行かないと痛みにある。
高木 恵子
あのすぐ逃げる、やばい、やばかったら。とにかくね、もうさっと逃げて、でまたタッチしてみて、ああやばい、この試行錯誤が基本あります。
田中 愼一
そうなんです、だからそれをすごいやってましたね。
それをかっこよく言うとアジャイル方式って言うんですよ。
高木 恵子
そうですね、アジャイル。だから会社の方針とか、方針というか、どういう風にビジネスを今やるかっていうのを最初にバーって、
田中 愼一
あのもうほんとトップダウンでバーっと動いて、で、違うと思うとすぐだからトップがまた軌道変更するんですよ。
高木 恵子
そこが一番抜けてるんですね。ほとんどの今の日本の企業の大手企業っていうと。
田中 愼一
つまり試行錯誤してやるってアジャイル方式が体質に合ってないんですよ。もっと言うなら組織体質に合ってない。
高木 恵子
まあでもあとよく田中さんがおっしゃってるやっぱりそこもトップの覚悟なんですよ。そのトップがやっぱりトップダウンでバーって言って、で、違うと思ったらトップがすぐだから引き下がるんですよ。
田中 愼一
だから朝令暮改なんですね。
高木 恵子
で、そうなんです。で、それで多分下の社員の人たちはだからすごい戸惑うんですよ。
田中 愼一
で、社長に文句言うんですよ。で、社長の評判が広くなって。で、社長は心が傷つくんですね。
高木 恵子
でもそれでも、それをぐるぐるぐるぐるやっぱり回す、なんだろうな、リーダーシップ力っていうところで、結果的に今もう、
ちょっと詳しいことは私も本読んでるだけなんであれですけど、結局セールスフォースはそれで大成功ですよね。
田中 愼一
いや大成功だと思います。成功する、大きくなればなるほど社会貢献の量が増えてくるっていうモデル。
高木 恵子
でもう今や本当にあの最初に始まってたCRMのクラウドサービス会社じゃないですからね。セールスフォースってもういろんな軸で、もう今なんか多分メディアも持ってたりするんじゃないですかね。
だからもう最初はほんとCRMのクラウド、サブスクのビジネスで始めたセールフフォースが、今やほんとにGAFAと同じぐらい肩を並べるくらいの大企業になったっていうのは、このたかだかたぶん20年ちょっとだと思いますよ
30年もかかってないと思うんですよね。
田中 愼一
なるほどね。
高木 恵子
すごいですよね。だから、って思います。
田中 愼一
いや、まさにその試行錯誤ってすごく重要かなっていうことで、で、もともとそのソートリーダーシップ的な関係者っていうのは、なんていうか、ブルーオーシャンを見つけるっていうことなんですけど、
今後その企業の立ち位置を作っていく上で、このソートリーダーシップ的な発想っていうか、ものっていうのはすごく多分かなり重要になってくる発想で、
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
あの企業が存続するためには、やっぱり立ち位置がしっかり繰り返していかなきゃいけないし、立ち位置っていうのは、なんか僕の言葉でいうのは表現するとどう見られるかですか。
つまり、どう見られるか、つまり社会に貢献してるのかしてないのかとか、階級に言うとね、どう見られるのかっていうことが実は事業戦略実現に大きく影響してくる。
だからやっぱりどう見られるのかっていうことを確保する上でも、こういうソートリーダーシップ的なプログラムを進めていくことによって、その企業が社会に存在意義のある企業だっていうふうに見られることが、そもそも商売をこれから成功率に収めていくためには絶対に必要不可欠な資産になるわけですよね。
中川 浩孝
社会貢献自体は、もう社会貢献はしなくてはいけないし、というか当然のことになってきているので、逆にそのうちは社会貢献をしていますでは多分もう目立たないし、そんなん当たり前でしょってなってしまっているので、じゃあその中でうちの会社は何をしたいのか、何をしているのか、何をしようとしているのかっていうのが、やっぱり強くメッセージとしてないと結局沈んでしまうというか、結局何もやってないのと同じになっちゃうんですよね。
田中 愼一
そうすると逆に言うともう社会貢献って言葉が死語で、事業を進めるっていうのはもうそんなの社会に役に立っているのを前提とするぐらいの世界に今なってくる。そうすると面白いのは、そうすると逆に言うと企業にとっては、さっき僕がリーダーシップの相当っていうのは重いっていうふうに言ったんですけれども、
企業の重いっていうものをしっかりと持つこと、しかもその重いを実現するためにリーダーシップを取るっていう、そういうことが企業にとっては非常に重要になる。それによって社会の中で認められて生きていけるっていう、しかも成長していけるってこういう構図になってくるってことですよね。
企業の重い
田中 愼一
だから企業の重いっていうのは一つ結構重要な、重いを持ってるか持ってないかっていうのはその企業がブルーオーシャンに出会うか出会わないかを決めるだけじゃなくて、その社会に存在してもいいの悪いのっていうところまでやっぱり関わってくるっていうことで、企業の生存そのものに大いにその企業の重いっていうものをやっぱりしっかりと表現していくってことがこれから重要になるって話なんですよ。
中川 浩孝
そうですね。
高木 恵子
あとそのやっぱりすぐある程度のちっちゃくてもいいから結果が出ないといけないんですよね。
田中 愼一
可視化ね。
高木 恵子
そうなんですよね。やっぱり日本って中期長期計画って必ず3年みたいなプランを立てるじゃないですか。で、別にそれを私も批判するわけじゃないんですけど、はなから3年のプランってやっちゃうと、なんとなく3年間で結果を出せばいいやっていう。
たぶん日本人のカルチャーというかメンタル的に、なんかちょっと私はそれがいつも別に1年で出せるなら1年で出した方がいいじゃんって思うことってありますよね。
田中 愼一
たぶんね、思いを実現することがポイントになりますよね。
企業の思いっていうのはさっき言ったいろいろな要素があって、僕は思いっていうふうに漠然とやってるけど、その思いの中には何かを足したいとか、ブルーオーシャンを作りたいとか、社会貢献したいとかいろいろな思いがあるんだけども、それをやっぱり実現するにはその思いによって期間が変わってくるはずですよね。
だからこの思いだったら3年、日本の場合中期だと3年か5年だから、その枠に当てはめるってこと自身がもうアジャイルじゃなくて。
高木 恵子
と感じますよね。
田中 愼一
やっぱり思いは、この思いを出せると10年かかるって言ったって言うわけですよ。
高木 恵子
そうですそうです。
だけど短く、まずできることからやっぱりやらないと、そこってそれこそ会社が、企業が社会に存続する意味って一つは、やっぱりすぐ何かの結果を出さないと意味がないですよね。
田中 愼一
ないと思います。やっぱり言ったことだけじゃダメで、言ったことを絶えず確かしていくという努力がこれから重要で、ほとんどの企業っていうのは中期を発表すればそれで終わりなんですよ。
中期の期間が3年5年で終わったらどうだったかって振り返る。これだけ。世間から見てると。でも実際はその中期の活動って動いてるんですよ。
中川 浩孝
そうですよね。2年3年で今世界はどんどん変わっちゃうわけですから、3年とか言ってる場合じゃないですよね。
田中 愼一
だから重要なのはもう本当にデイワンからね、中期が始まったデイワンからなるべくそれを世間に対して可視化する、つまり見せてあげる、発信するということがもうすごく重要になってくるんで。
企業にも言語、非言語があるんですよと。人間の言語、非言語っていうのは人間の言語は話すこと。非言語っていうのはあらゆるあなたの動き、行為。企業も語ることは言語だけど、実際に事業活動を行っていくのは全て非言語になりますよ。
だからその非言語の部分をなるべく可視化、発信し、いろいろなステークホルダーやパブリック世論に対してやはりちゃんと知らしめておくっていうことはすごく重要ですよっていう話。でも可視化っていうのは本当に重要な話ですね。
思いの質
田中 愼一
いろいろそういう意味ではありますけどね、なかなか今日いいポイントが出てきてます。
中川 浩孝
逆に言うとこの会社はうまくいっているなっていうのは田中さんの中では例として。
田中 愼一
うまくいっているところっていうのはすいません。セールスフォースなんかが代表格だと思いますけど。
あと、なんていうのかな。
基本的にはこのソートリーダーシップっていうのが企業の規模に限らずに小さなところでもちゃんとやっていけるようなやっぱりプログラムまでその完成度、プロセスをですね。
しっかりと作るっていうのはやっぱりこれからすごく重要かなと。そういう視点から見ると今じゃあこの企業は非常にうまいなとか見てるとですね、どうだろう。
いや今乱立してるとしかあんまり見えないんですけどね。
だから誰かがすごくそれを見極めたっていうのは多分今の現状ではないんじゃないかなと思います。
逆に言うとあの企業はっていう風に言われないのがもしかしたらいいのかもしれない。要するにみんながもうやり始めてる。当たり前になってきてる。
だからソートリーダーシップって言葉があることがおかしいのかもしれない。
中川 浩孝
そうですね。確かに。
田中 愼一
ソートリーダーしてあえて想いを明確にしてそれを実現するためにリーダーシップを取れって言われても、そんなのある人によってみると当たり前のことをやってるっていう。
中川 浩孝
いやそうなんですよね。私も正直ちょっとバズワード的に使われてるのが嫌だなと思うんですけど、結局パーポス経営とかも全く一緒で。
パーポス経営とソートリーダーシップとかって結局全部同じことを目指していて、
あなたの会社は何をしたいんですかっていうことと、それが社会のためになっていますかとかなんか高い、
崇高な理念があるんですかみたいなこととすごい関係していて、
それこそさっき出ていたブルーオーシャンとかもそうで、マーケティングワードで言えばそうですし、
ポジショニングもそうなんですけど、結局どこも、何の言葉もどの言葉も目指してることは基本的に一緒で。
他の人からとディファレンシエイトがどれだけ差別化ができるかっていうことと、
それがお客さんというか人々から見たときに、この会社なんかすげえいいことやってるじゃんとか、
だからこの会社の製品買ってみたいなとかサービス使ってみたいなと思わせるっていう、
やっぱりなんかそれって全然昔から何も変わっていないし、
それが単純にバズワードとして使われているのはすごく残念だなという気がずっとしています。
田中 愼一
ある意味、昔から人類が始まった時から組織というものは大体やってきた話で、
やっぱり組織というのは思いっていうと漠然としてますが、やっぱり組織には目的とか戦略とかなんかあるんだろうけども、
やっぱり思いがあって、その思いを実現するために行動活動していくっていうのは当たり前の話なんで、
あとはその企業がいいか悪いか、その組織が良かったか悪かったかっていうのはその思いの質ですよね。
悪いこと思ってたらね、例えばヒトラーなんか思いは強いですよね、あの人。
でもしっかりとリーダーシップ取りましたよね。もう完璧なソートリーダーじゃないですか。
でもやっぱりその思いがやっぱり重要で、ヒトラーの思いっていうのは自分の自己中心的な思いっていうふうにもしかして位置づけると、
我々が求めている思いっていうのは、やっぱり相手に対する思いでやって、
自分にとっていいっていうよりも相手に対してどういう相手の課題があって、
その課題に対してどういうふうに自分は解決できるか、それが思いですから。
だから相手あっての思いって言うんですか。
自分だけの思いっていうのは単なるわがままでありもっと言うならば危険でさえあるんですね。
それがなんていうのかな、優れた人間だったらなおさらのこと。
ソートリーダーシップと総統リーダーシップ
田中 愼一
そういう意味で言うとやっぱり思い、当たり前のことでバズワードがね、ヒロちゃん言ったようにバズワードばっかり言われてて、
僕もね、辟易してるんですよ。何かソートリーダーシップとかパーパスとかビジョンとかね。
何言ってんのかなと思うし、ソートリーダーシップもだんだんそういう、パーパスとかあれみたいにまだ有名じゃないけども、
ソートリーダーシップでもやっぱりバズワードの一つでしょうね。
中川 浩孝
だからそれ言ってる人たちってやっぱりじゃあ今ないんだろうなって思っちゃうんですよ。
田中 愼一
いや、そうなの。だから多分ね、僕が思ってる不安っていうのはその不満っていうのはですね、本質をつかんでない言葉になってる。
中川 浩孝
そういうことですよね。
田中 愼一
空虚な言葉になってるんです。パーパスって言うと僕ね、え?って。
中川 浩孝
パーパスは特におかしな言葉ですよね。なんかわざわざなんで英語をそこ使うんだろうって。
田中 愼一
なんでって感じだよね。
昔ね、民主党の選挙やってたときにあえてマニフェストって使いましたけどね。
政権公約でいいじゃないかとかね。日本語がちゃんとあるのに、なんでこんな横文字を使うんだって散々民主党の両議員総会で責められましたよ。
なんで一般平民がですね、議員からね、お歴々の参院衆院の両議員の民主党、あの頃200人くらいいたのかな。
とにかく売国奴とかね、そういう言葉がやって。
でもまあ確かに文字だけが走る、バズるっていうのはある程度警戒しなきゃいけない動きでしたね。
あんまりソートリーダーシップっていうのは、一つの問題はそのバズってるがゆえに、みんなそのバズり言葉で話をしちゃうから、本質につかめないんですよ。
中川 浩孝
本当そうだと思いますね。
田中 愼一
僕の戦略としてはですね、一般にソートリーダーシップが優れているケースっていうふうに理解されているものは一切使わず、まずは条件としては自分が経験したものっていう。
しかもソートリーダーという考え方は、何十、三十年くらい前かなんだけど、実はもっと前に、ある意味総統リーダーっていうことを実現したところがあるんだなっていうのに気がついたんですね、ケースを。
これは俺発見、ブルーオーシャンだなと思ったんだけど。
あの、僕がやってたそのホンダでの7年間なんですよ。
で、あの時、だからまぁある意味で僕が実際体験したという立ち位置で、ホンダのケース、しかもそれはソートリーダーシップって言葉が出るはるかに前の、昔のインターネットさえない世界。
そこでの世界っていうものの中に実はソートリーダーシップの要素が、しっかりとあって、その時はブルーオーシャンを見つけたというよりも、事業戦略を守ったっていう結果なんですよね
ソートリーダーシップを使って、カテゴリーリーダーじゃないんだけども、ホンダにとってのカテゴリーリーダーになれる事業戦略を守るっていうね。
でもそれなんかはですね、やっぱり一つ、あの、さっきヒロちゃんが言ったように別に今になってソートリーダーシップが始まったんじゃなくて、
もうはっきり言って昔に遡るとやってる人っているんですよ、ケースって。
で、そういうケースの方がある意味古典じゃないんだけども、あの、なんていうのかな、やっぱり学びが多い。
あの、原点に帰れるから。バズってないから。バズはバズりゼロの世界なんで、あの、バズワードに惑わされるってことがなくて。
で今ね、ソートリーダーシップはあまりにもバズワードに惑わされてるんですよ
ホンダのケースの分析
中川 浩孝
あ、ほんとそうですよね。
田中 愼一
改めてね、ホンダの自分がやってた、やったことを見直してみると、本当にズバリそのソートリーダーシップのある意味原理原則がね、あの入ってて面白いな。
だから、この話はね、どっかでね、やっぱり一度しておきたいなと思います。この場で。
あの、ホンダのやっぱり、あれを見ると、ソートリーダーシップっていうか、もっと言い方変えると、思いのリーダーシップっていうのがね、いかに大事なのかっていうこと。
で、今ここでさっき言ったアジャイル方式みたいな、そのね、発想とか、いろいろなものっていうのが、実はそのホンダのケースにやってきた時にも同じ状況だったんで。
だから、やっぱりそこに何か共通項の原理原則があるんですよ。
それ見つけ出す上でも、実際に自分がやったことを分析していくと、多分ね、その原理原則が見えてくると思うんですね。
で、これをね、今度ビジネススクールで教えるんで、年に2回の僕のコースがあるんですよ。戦略コミュニケーション道場というか、特別講座っていう。
で、2日間もうフルで35名かな。毎年2回教えてるんですけど、今度夏のバージョンがあってやるんですよ。
で、そこに今までもホンダのケースは入れてたんだけど、そこに新たにそのソートリーダーシップという考え方を導入して、あの受講生にその理解をしてもらって、その中でホンダのケースをそういう視点から分析してみようかなと思ったんですよ。
そうするとね、結構面白いケースタディの勉強会になるかなと思って。それで少しずつやりながら、いろいろな回でこれ発信していこうと思ってて、ソートリーダーシップのソートリーダーになろうと思ってました。
高木 恵子
いいですね。
田中 愼一
なんかバズりを2つ使いましたけどね、ソートリーダーシップのソートリーダーシップになるっていう。そんな感じです。
ただ、実は私が今日ソートリーダーシップから話したいと思っていた、もう一つの実は理由がありまして。
中川 浩孝
この続きはまた次回お届けします。
35:48

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