2023-12-02 41:02

#23 働き方改革はどうあるべきか

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リモートワークからオフィスに戻る動きは、昔の働き方への回帰なのか、ハイブリッドが定着するのか?働き方改革の本質とは?仕事のモチベーションとは?

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)
高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)
中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

日本人の働き方については、経験と知識のバランスが崩れ、上下関係のある対話が不足していると指摘されています。これらの課題に対しては、対等な対話が重要とされ、組織内での対話の重要性が増しています。対話を通じてエンパワーメントを促進し、多様な働き方の選択肢を提供することが求められています。また、働き方改革を進めるためには、組織の対話力とエンパワーメントだけでなく、一人一人の対話力が重要とされています。対等な対話を通じて、一人一人がエンパワーメントされ、プライドを持って仕事をすることが必要です。

00:01
中川 浩孝
コミュニケーション力を極めるゴールデン・トライアングル。
仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
皆さん、こんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。コミュニケーション、命。
シン・田中こと、田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
なんか今日の田中さんの挨拶は、とても元気な感じがするのは、私の気のせいでしょうか。
SEからPRコミュニケーション業界に転職して、はや四半世紀、高木恵子です。
中川 浩孝
会社系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川浩孝です。
今日録音時間がいつもと違うから、なんかお酒か何か入ってんじゃないですか、これ。
高木 恵子
あら。
田中 愼一
鋭いね。
これ。
高木 恵子
水じゃないんですね。
田中 愼一
社内でコールするときは、これは水だって飲んでますけど。
ちょっとですね、やっぱり元気重要ですよね。
高木 恵子
声のトーンというか、全然違います。艶がありますよ、艶が。
はい、声に艶があります。
田中 愼一
それを酒のせいにすると、ちょっと僕も寂しいものがあるなと思うので。
でも元気って実はすごく重要で、
今日の一つ、ちょっと皆さんと議論したいのは、
働き方改革の本質
田中 愼一
新しい、いわゆる働き方っていうんですか、ワークスタイルっていうのかな。
ここあたりっていうのはすごく重要で、今はもう働き方改革とか言ってですね、
あちこちの企業が、もうそれをできないとグローバル競争に勝てないとかね、
いう話で、結構みんなその働き方改革どうあるべきかっていう。
で、コロナで一旦在宅っていうことが普及して、
オンラインでやるようになって、リモートコミュニケーションですね。
で、そういう中で結構ね、多くの企業がまた再びコロナが一段落した中で、
オフィスバックね、オフィスに戻れという動きが、
これは海外の方がもっと強い感じがするんですけども、
日本の国内でもそれが始まりつつあるっていうことで。
で、なんかまた元に戻っちゃうのか。
あるいはそうじゃなく、何らかの形の新しいハイブリッドの形で、
新たなワークスタイルっていうのが生まれるのか、生まれないのか。
ここあたりの今、一種の端境期っていうか、
やっぱりあるんじゃないかなって気がしますね。
で、やっぱりそういう中で働き方改革が今議論されてるんだけども、
結構ね、議論のポイントっていうのが、
働きやすい環境を作るとか、
よりイノベーティブ、クリエイティブであるために、
どういう仕組みにすればいいのかとか、
そういうところに行くんですけど、
基本的に働き方改革の本質っていうのは、
人を元気にできるかどうかだと思うんですね。
それが本質だと思うんですね。
環境を整えるとかっていうのもすごく重要な手段なんだけども、
でも今求められてるのが、
楽しく思いながら、
元気よく仕事ができるかどうかっていうのは、
働き方改革の一番重要な本質かなと思うんですけどね。
だからやっぱりそこでいろいろな仕組みを作るとか、
働きがいのある環境を提供するとか、
そういうことがよく言われるんですけども、
それも重要なんだけど、
田中 愼一
でも本質はね、やっぱり人を元気にする。
一人一人を元気にしていく。
やっぱりこの仕事をやっていくと、
自分は元気になるんだっていう。
元気にやるってことは、
やっぱり自分の成長っていうのを一番実感するんですよ。
そうですね。
だからやっぱりそういう、何ていうのかな、
人を元気にするっていうことをもう少し主軸に置いた、
ワークスタイルの在り方、
働き方改革の方向性っていうのを、
もっと考えるべきだと思うんですね。
で、結局人を元気にするっていうのはですね、
人しかできないことなんですよ。
いくら環境とか仕組みとか制度とかを入れたとしても、
それ自身が一人一人の人間を元気にするってことはですね、
なかなか難しい。
やっぱり人は人とエンゲージすることによって、
元気をいただくんですね。
あるいは元気が覚醒すると思うんですね。
だからやっぱりそこは、
どうやって一人一人の社員、一人一人のスタッフと
エンゲージしていって、
一人一人を元気にしていくかっていうところが、
やっぱりある意味、
マネジメントのね、やっぱり責務になってきてるんじゃないかなと。
で、その中から新しい働き方っていうのを見つけていくことが、
今求められてるんじゃないかなって気がしますね。
エンゲージメントの重要性
中川 浩孝
いや、なんか今日は最初から結論が出ちゃってるっていう気がちょっとするんですけど、
おっしゃる通りだと思っていて、
一人一人の働く人たちが元気になるというか、
一番心地よい環境の中で働けるっていうのが私も
一番大切だと思っていますので、
そういう意味ではそれが本当に結果というか、
ほとんど私は結論に近いと思うんですけど、
そこにどうやってたどり着くかっていうのがやっぱり皆さん難しいと思っているからきっと。
田中 愼一
難しいでしょうね。たどり着くっていうのが。
中川 浩孝
これが問題になってるんでしょうね。
で、私今ほらリモート、完全リモートの会社で働いているので、
なんかそれってまさに両方の問題と言いますか、
もちろんリモートの方がいいことと、
一緒に会社で働いた方が良かったなと思うところと、
もちろん両方あるので、
その多分普通はですね、
急激に完全にリモートっていう風になる会社もなかなかないと思いますので、
その間のハイブリッドっていうところを多分探っていくっていうことが今後進んでいくんだと思うんですよね。
おそらく。
田中 愼一
やっぱり、
何て言うんですかね、
人間ってやっぱり社会的動物なんで、
他の人とどうつながっているのか、
っていうものが実感できると元気になるっていう風に僕は思うんですね。
で、特にコミュニケーションっていう視点でね、
長年仕事していると、
やっぱり人を元気にするのは人しかいないっていうね、
もうそこに行き着いちゃうんですよね。
だから、
今のその働き方改革っていうのが結構ね、
その制度面とか仕組み面とか、
形から入っているような気がしてならなくて、
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
やっぱりその本質的なところは、
人一人一人をですね、
どれだけ元気づけるか、
モチベートさせるかっていうのが多分これからすごく重要になって、
で、そういう一人一人をモチベートするための、
やっぱり方法論っていうのは、
昔から同じで、
要は、
エンゲージする、
相手と。
いわゆる自分がどう周りの人たちとエンゲージしているのかっていうのを実感するっていうのがすごく重要で、
で、それを実際実感する方法論で言うと、
これ対話しかないんですね。
高木 恵子
うーん。
田中 愼一
やっぱり一人一人と対話することによって、
なんていうんですかね、
そこから元気が出てくるっていう部分、
これが多分ね、かなり重要なんじゃないかなって気がするんですよね。
だから、
多分、
今エンゲージメントが基本的には弱くなってきてるってことは間違いなくて、
オンラインのリモートが増えることによって間違いなくエンゲージメントが弱くなってきてて、
それはやっぱりオンラインだとですね、
コミュニケーションっていうのは、
やっぱり前も言ってるんですけれども、
田中 愼一
言葉だけじゃないんですよね。
やっぱり非言語コミュニケーションという、
どっちかというと、
言語はうまく言えばね、
なんていうのかな、
ある程度コントロールができるんですけど、
非言語っていうのはなかなかオンラインになると見えなくなってきてしまって、
要するに目の前に相手がいないから、
やっぱり非言語はすごく弱くなってしまうために、
こちらの言っていることが相手に伝わる、
あるいは相手の心の中にやっぱりしっかりとして残るっていうのは、
言語だけではまずダメで、
やっぱりそこにどれだけ非言語がうまく絡んで、
相手に伝わるかっていうところが重要になるわけですね。
だからオンラインはそこが一番ある意味、
顔は見えるんだけど、音は聞こえるんだけど、
オンラインコミュニケーションの課題
田中 愼一
でも直に目の前にいて、
相手の反応を細かく露出、
それを浴びるっていうのがないんで、
なかなかこちらの非言語も相手に伝わりにくいっていう状況は、
やっぱりエンゲージメントをどんどん弱くしていくような気がしますね。
それからもう一つの問題点っていうのは、
対話をするって実は結構ほとんどの人間にとって、
実はそれによって元気を得るんだけども、
一方でめんどくさいんですよ。
人と会うって結構めんどくさいってみんな思いません?
僕結構ね、コミュニケーションの仕事してるけど、
人と話すっていうのは結構めんどくさいっていう気持ちがある。
今でも残って40年やってるんですよ。
僕40年以上。
でもやっぱりね、
自分を言い聞かせて、
ある程度強制的に会っていくっていう。
ところがこうやってオンラインになると、
会わなくても済むようになっちゃうから、
そうすると結構人間って本質的にめんどくさがりやな、
そうすると、
会わないで済むんだったらそっちは楽だっていうんで、
リモートに頼り依存するっていうのがどんどん強くなっていく気がするんですよね。
だからそれがやっぱり人とのエンゲージメントをどんどん弱めてるんだろうなって。
エンゲージメントが弱まると何が起こるかっていうと、
会社側からすると何がポイントかっていうと、
まずイノベーティブじゃなくなる。
イノベーションという発想が生まれにくくなる。
クリエイティビティっていう発想が生まれにくくなる。
あるいは何か起こったときに、
レジリエンスじゃないですけども、
そっから回復する力っていう発想がね、生まれてこなくなる。
それがある程度日頃からやっぱり対話して、
ちゃんとつながってるって実感を持っていると、
やっぱりよりクリエイティブな、
よりイノベーティブな話っていうのが出てくる、
しやすい環境になってくるんで、
多分そこあたりが今各企業がですね、
すごい困ってるところで、
一言で言うと、
やっぱり社員とのエンゲージメントが弱くなってるって、
もうこの一言ですよね。
それが今言ったクリエイティビティとか、
イノベーティビティとか、
あるいはレジリエンスに対する、
何て言うんだろうな、
辛抱強さっていうか、
そういうのが影響を受けてるんじゃないかなって気がしますね。
高木 恵子
なんか私はあんまり、
今回コロナっていうので、
特に日本はリモートワークが一気に普及したっていう、
背景というか事情がありますけど、
なんか、
日本人の働き方の課題
高木 恵子
もっと前からそもそも論で話すと、
日本人の働き方っていうのは、
日本人の働き方っていうのは、
そもそも論で話すと、
日本人の働き方自体に、
別に問題じゃないけど、
そこがちょっとやっぱり、
欧米諸国と違うんじゃないかなっていうのは、
本当のそもそも論で言うと、
そこが課題のような気がするんですよね。
そのエンゲージメントとか、
どこで仕事をするとか、
対面の時間を増やすとかって、
もちろんその部分の必要性はあるとは思うんですけど、
それ以前に、
元気にするっていうところで考えると、
やっぱり日本人って、
なんで今自分がこの仕事をしてるんだろうかとか、
仕事に対するモチベーションとか、
やりがいとか考え方が、
なんかやっぱり、
ないまま、
ただ単に毎日送って、
会社に行ってるみたいな、
人が圧倒的に多い気がするんですよね。
なるほど。
だから、
だからなんか、
もう全然ちょっと、
田中さんが言ってる、
エンゲージメントとか対面でっていう、
時間を増やすっていうところ、
ちょっと、
話してる、
ちょっと、
フェーズが違うかもしれないんですけど、
そこの課題よりも、
なんかもっと、
仕事に対する向き合い方、考え方って、
全然日本人って、
欧米の人たちと比べると、
なんかちょっと違うような気がする。
弱いって言い方は、
なんか変なんだけど、
中川 浩孝
うん。
高木 恵子
そう。
田中 愼一
確かに、
例えば、団塊の世代っていう、
僕の上の世代なんですけどもね、
の人たちから、
その次の世代は、
僕なんかはそっちに入るんだけども、
ここあたりの世代っていうのは、
昔、
高度成長を支えた世代なんですけど、
日本のね、
彼らっていうのは、
もうひたすら、
元気よく、
仕事をしてたっていう印象なんですよ。
で、
その頃、
何がサラリーマンっていうか、
ビジネスマンを元気にしていたかっていうと、
実はね、司馬遼太郎なんですよ。
司馬遼太郎の本をみんな読んで、
で、
自分がその主人公なように、
龍馬が行くとかね、
いわゆるね、
いろいろ今、
輝いているトップの人たちって、
結構その世代の人たちっていうのは、
坂本龍馬ってね、
あれ全部ね、司馬遼太郎史観なんですよ。
確かに。
で、いわゆる司馬遼太郎、
とにかく本屋行きゃ、
司馬遼太郎の全書がワーッとなってて、
で、みんな司馬遼太郎読んでて、
で、みんな司馬遼太郎によって元気づけられて、
自分の目の前にある仕事に対する意味付けをですね、
やるわけですよ。
俺は坂本龍馬だとかね、
俺は、
こういう、あそこの、
桂小五郎であるとかね、
俺はなんとかって、
みんなやって、それで結構ね、
それを、なんていうのかな、
自分に当てはめて、
っていうのがあったんですね。
ところが、今本屋行ってもわかるけど、
司馬遼太郎なんてほとんど出てこないんですね。
中川 浩孝
田中 愼一
で、読んでる人も多分ね、
あんまり読んでる人って少ないんじゃないかと思って、
おかしいみたいになる。
で、そうなると、
じゃあどうやって元気をつけるのかっていうところの話に入ってくるんですけども、
今のその現役、現役世代というか若い方の世代っていうのは、
ある意味、悩み大きい、迷える羊、
ここ羊って言ったら怒られちゃうかもしれない。
どうやって自分の目の前にある仕事に対して、
自分にとって元気になるような意味付けができるかできないかっていうのが、
結構大きな問題になってるんじゃないかな。
で、今の世代っていうか、
何とかいう若い方の世代っていう、
その段階とか僕の世代の、いわゆる下の世代っていうのは、
若くなればなるほどなんですけども、
いわゆるですね、この経験と知識のギャップが広がってるんですよ。
高木 恵子
ああ。
我々の時代ってインターネットなかったんで、
だから、どっちかというと経験先行型なんですよ。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
経験が先行して、そこから知識が入ってくることによって、
どっちかというと経験先行だから、
田中 愼一
そこを知識が入ってくることによって、後付けで意味付けするわけ。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
ところが今の世代って真逆になってて、
高木 恵子
そうだ。
田中 愼一
経験よりも知識の方がうわーって入ってくるわけですよ。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
そうするとね、知識はたくさんどんどん増えているんだけど、
経験が少ないから何に迷うかっていうと、
いわゆる経験が十分じゃないから知識とのバランスが崩れちゃってる。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
で、経験先行じゃなく知識先行になると、
人間はどんどんどんどん知識中心のそのなんていうのかな、
呪縛というかですね。
高木 恵子
頭でっかちになりますよね。
田中 愼一
頭でっかちになる。
だから結局、経験が出てくるとそこに、
何というか自分の知識っていうものと経験を答え合わせのごとく一致させながら、
確信を持っていくわけですね。
中川 浩孝
はい。
田中 愼一
ところが経験先行であれば、そこはもっと簡単なんですよ。
知識が来たらそれは後付けの意味付けになるわけだから。
ところが知識が先行してると、そこに経験というものが追いついてないから、
逆に言うと不安が出てくるんですね。
だからこの知識とそれから経験っていうもののバランスが今大きく崩れていっちゃって、
ここをどうやってエンパワーメントしていくか、
っていうのが多分一番今でかい問題になってるんじゃないかなって気がするんですよ。
いろんなこういうエンパワーメントというか働き方とか、
そういうことに直接向き合ってる人たちの話なんか聞くと、
今のどっちかというと若手っていうのは、
結構プラスに持っていくっていう前に、
もともともうマイナスになってると。
そのマイナスをゼロに持っていかないと、
経験と知識のバランスの崩れ
田中 愼一
ゼロをプラスにはできないっていう。
この2つのステージってまるっきり特徴が違ってて、
マイナスをゼロにすることと、
ゼロをプラスにしていくっていう方法、
例えば集団的な研修とかね、
そういうある程度標準化されたもので、
ゼロからプラスに持っていくことは可能なんですけど、
マイナスをゼロには持っていけない。
マイナスを持ってしまってそれをゼロにするためには、
唯一はもう一人一人に、
コーチングじゃないけど、
向き合って対話を通じて相手に、
徐々にマイナスからゼロに持っていくっていう動きがですね、
必要になってくるわけですね。
今の働き方改革見てると、
ゼロからプラスっていうね、
でも相手は今マイナスになっちゃってる部分がある。
そのマイナスってどこから出てきたかっていうと、
知識先行型に入っちゃって、
経験の方が追いついてないっていうところが、
いろんな不安とか、
そこがほとんどですからね。
いいこと考えないんですよ、基本的に。
頭だけで考えてると。
そこに経験っていう、あれがガツって入ってこそ、
初めて納得っていうかね、
そうだよなっていう実感っていうのを得ないと、
知識だけで回してると、
人間はどんどん不安定になっていく。
中川 浩孝
そうなんですよね。
自分に対しての忌ましめとして言うんですけど、
経験って邪魔をするんですよね、やっぱり。
田中 愼一
経験邪魔しますね、一方でまさにその通り。
中川 浩孝
おじさんとか、私も若い頃におじさんから言われたことを思い出して、
今自分が同じことを言っちゃいけないなと思って、
それこそテクノロジーがどんどん進んできたことによって、
経験だけでは考えられないようなことがわかってきてるじゃないですか、
ビッグデータみたいなのがまさにそうですけど、
今までの経験だけでは見えなかったものが、
データにしてみたら見えてきたっていうことがあったりするので、
若い人たちの意見とか、私が見たら、
それはどう考えても違うぞっていうことでも、
そこから制したりしないというか、
そういうのはすごい気をつけないといけないなという若い人たちのやる気を、
それはやる気でもあるので、
田中 愼一
確かに経験が逆に呪縛になるっていうのはあって、
ただ問題なのは、今行われているマネジメントと普通の社員の対話っていうのは、
やっぱり上下関係が出てきちゃうんですよね。
だから俺の方が年取って経験もあるんだよっていう、
上位の格差、要するにバーティカルな対話になっちゃうわけですよ。
でも本当の対話っていうのは平等でホリゾンタルなんですね。
それはやっぱり対話するっていうことが、
バーティカルじゃなくてホリゾンタルなんだよっていう認識を持って対話していかなきゃいけないから、
上下関係の対話の不足
田中 愼一
ホリゾンタルだと自分の経験を引き付けるってことはなくて、
あくまで一つの選択肢としてこういうことあるよというふうに、
いわゆる平等に議論できるっていう。
これは対等の対話っていうのと、
いわゆる上下関係のある対話っていうのは、
本当の対話っていうのはやっぱり基本的には対等な対話だと思うんですね。
それが今の日本のビジネス社会では、
実はあまりない。
中川 浩孝
それが一番の働き方改革に必要なことなのかもしれないですよね。
そういう意味でいくと。
上下関係。
田中 愼一
そうするとある意味働き方改革っていうのは、
平等、対等な対話っていうものを組織内で行っていくことっていうのが、
実は一つの働き方改革のポイントになるのかもしれないですね。
中川 浩孝
私もこれはずっと自分が働いてきた会社で、
何人かに同じようなこと言われたので、
そうなんだろうなと思うんですけど、
役職っていうのは、
どっちが偉いとかどっちが偉くないとかっていう話ではなくて、
単純に会社の中でのファクションなんだよっていう話をすごい言われて、
それ外資系で私ずっと働いてるので、
そういう考え方がもしかしたら浸透してるからなのかもしれませんけど、
自分の上司が必ずしも自分の年上の人とは限らないっていうのは、
もう周りで実際にそういう例をたくさん見ていますし、
そこは日本のですから長く同じ会社に働くっていう世界だと、
それが起こりにくくなるのは当然そうなのかなという気はしますよね。
田中 愼一
そうすると、やっぱりそれがちゃんと平等で対等な対話っていうのが実現するためには、
誰が変わらなきゃいけないかというと、
対話の重要性と変化
田中 愼一
両方そうなんですけど、若手の方は若手で、
怖気ずにどんどんどんどん自分の意見を言うべきだし、
上の方の人間は基本的にはそれを受け入れていくっていう姿勢を考えないと、
あまりにも上下関係での対話に慣れちゃってるから、
まず自分を落としていくっていう、
どっちかというとまずマネジメントが変わらなきゃダメですよ。
そうですね。
社員やスタッフはマネジメントの対話が変われば、
下もついてくると思うんですよね。
その平等な対話っていうのをどうやっぱり組織の中でやっていくかっていうのは、
働き方改革のエンパワーメントっていうことから考えてるには、
すごく重要な要素だと思いますね。
中川 浩孝
それ、私もう一つ思ったのがあって、さっきエンゲージメントみたいな話があったんですけど、
同じ場所にいた方がエンゲージメントが高まるっていうのは、
もちろん私も人間ですから理解はするんですけれども、
そこに本音で話してるかどうかっていうのがもう一つ関係してるような気がするんですよね。
私、アメリカの会社でしか働いてないからあまり比べられないんですけど、
やっぱり対話というか、ディスカッションでもそうですし、
いろんな場でそうなんですけど、みんな自分の意見を置くすることなく言うし、
それが全員の意見と違ったとしても、やっぱり述べる人が多いと思うんですね、そういうのを。
私の勝手な推測ですよ、日本の企業だとやっぱりそういうのが言いづらい、
雰囲気として言いづらいとか、そこの場で本当は言いたいけれども言えなかったので、
後で部長のところの部屋に行って、例えば言うとか、わからないですけど、
あとは会社以外の飲みニケーションでするとか、
会社の中で本来起こるべき会話がもしかしたら全部起こってないから、
それ以外の場で必要なんじゃないかっていうのを私は勝手に想像したりしてみたんですけど、どうですか?
田中 愼一
昔はそうだったんですね、確かに。
昔は飲みニケーションとか言って、本音は飲みながらやろうぜっていうのがあって、
僕なんか入社した時っていうのは結構飲み会っていうのが随分あって、
さすがに僕の世代では社員旅行っていうのはあんまりなかったんですけどね。
でも飲み会は結構あって、そこでバランスを取ってるっていう。
だから組織の中での対話と、いわゆる飲み会なんかの対話。
ところが今はっきり言うと若手の方は飲み会望みませんよね。
中川 浩孝
そうですよね。
田中 愼一
酒飲まなくなった。
飲み会も夜遅いの嫌ですっていう形で。
だからそれはそれで一つの僕はスタイルが変わってきてるっていうことで、僕はいいと思うんですけども、
そうなるとやっぱりどっかで本音ベースで話せるっていうか、そういう場っていうのがどんどん少なくなってきてるんですね。
ましてやリモートになったらもっとそれが広がっちゃうわけですよ。
で、やっぱり飲み会なんかがなんで機能してたかっていうと、飲み会っていうのは立て前じゃなくて本音で話すところなんですね。
で、本音で話してると実は非言語がくっついてくるんです。
だから間違いなく飲んでたらこいつ本気に言ってるなっていうふうにお互いが本気で本音で話してるんだっていうのがわかるんだけども、
これがだから組織の中に入るとそこが本音で話さなくなるから、そうすると本音で話さないとそれ本音じゃねってわかるんですよ、非言語で。
間違いなく非言語って本当に心で思ったことが素直にそのまま表に出てくるんです。
声のトーンとか目つきとかこういう手振りから、表情から全てが出てきちゃうんですよ、本音じゃないと。
っていうのが非常にあるのと、それから組織でやっぱり横行している対話っていうのは報告なんですね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
報告でしかなくて対話じゃないんですよ。
だからいろいろ僕なんかセッションでやってると、そこがクリアに分かれてない人が多くて、報告では簡単になるべき余計なことを言わずに直接的に話すってことを求められますから、
対話なんかとてもじゃないけど必要、効率が悪いって言われてしまいますなっていう意見が来ちゃうわけですよね。
だからやっぱり基本的には会社の中でのコミュニケーションっていうのはやっぱり報告っていうみたいなものが非常に強くて、
対話というところの部分がなかなかできてないなって気はしますけどね。
これはどうかな。僕も外資系に長年いるけども、
日米で、日米っていうかグローバルと日本で国内で大きな違いっていうのはあるのかしら。どうですか、ヒロちゃんのところで。
中川 浩孝
何ですかね。逆に私たちはちょっと先を行き過ぎてる部分があると思うんですけど、私たちの場合は報告に関してはもうミーティングをしないと基本的には。
ビデオで録画してそれを送ってください。そうすれば見る側も好きなときに見れるし、好きな速度で見れる。
会話とか対話とかディスカッションとかブレインストーミングみたいなものはもちろんオンラインの会議でやりますと。
あるいは重要であれば実際に会ってやりましょうっていうふうになっているので、そこは逆に言えばだからミーティングとかいうか、
せっかく例えば3人とか5人とかっていう人を集めてやるわけですから、その時間はみんなの時間を使っているっていう意識がやっぱりすごく高まるので、
その時はみんながいないとできないことをしましょうっていう。つまりディスカッションとか何かディスカッションをするとか、
そういう場でしかミーティングはもうしないっていうふうに基本的にはなっています。
田中 愼一
なるほどね。
そうすると新しいワークスタイルっていうことを考えたときに、より組織内での対話を広めろって話になってるわけですかね。
その場合の対話ってのは明確に縦構造の上下関係の対話じゃなくて、もともと上下関係の対話っていうのはなくて、
それは報告と指示という指示報告っていうところで対話にはなってないんですよ。
そういう逆に言うと対話っていうものを増やしていくっていうような環境を作っていくっていう、
そういう対話に対する認識っていうのをもう少し持ってもらうっていうのが一つやっぱり、
組織の一人一人をエンパワーするっていう意味では重要なんでしょうね。
中川 浩孝
それは大切ですね。
もう一つさっきの話で考えていたのが、
結局、飲みニケーションだったものがなくなって、
リモートワークの影響
中川 浩孝
若い人たちが嫌だからといってなくなったっていう、
若い人たちが嫌だからっていうのもあったし、
実際には若い人じゃなくても嫌だと思っていたけど言えなかったっていう人がたくさんいたと思うんですよ。
それはいいんですけども、そういう流れと一緒のものが多分リモートワークにも来るんだと思うんですよね。
リモートワークって最初は若い人がとか一部の人がしたいと思っていたからしているんだけどっていう話だったんですけど、
多分飲みニケーションと同じような扱いになると思うんですよ。
それって昔は何かやってたみたいよみたいな、
会社に全員行かなくちゃいけないって言ってたのが昔はあったみたいよっていうふうに、
私はどっちかというとなっていくんじゃないかなと思って。
田中 愼一
多分僕もそっちの方向になると思いますね。
中川 浩孝
なぜそれが起こるかっていうと、やっぱり人によってプライオリティが違うので、
さっき言っていたみたいに人と会うことがいいとエンパワーメントになる人もいるし、
自分のやっぱりもっと静かな環境で落ち着いて集中して仕事をすることの方がエンパワーされる人もいるわけだから、
組織の対話力の向上
中川 浩孝
そういうやっぱりいろんな人たち、いろんな方向の人たちに対してみんなが幸せになる。
それこそさっきまさに田中さんが言っていたように、全員が多分元気にならないといけないので、
一部の人が元気になるのではよくないので、今まで見ていなかった人たちの元気さ、
元気をどういうふうに取り戻せるのかっていうところまで考えると、
やっぱりリモートワークもOKにするっていうことがすごく重要になってくるんだと思います。
田中 愼一
いいと思いますね。僕もそう思います。大賛成、ヒロちゃんの。
なぜかというとエンパワーメントのやり方がもっと多様化してるんですよね。
昔はね、司馬遼太郎でよかったんですよ。
昔は飲み会でよかったんですよ。
でも結局今は人それぞれの価値観が多様化する中で、
エンパワーされるものっていうものがみんなそれぞれ違うんで、
だからそういう意味で言うと、そういう選択肢がある、
自分をエンパワーするための選択肢がある仕組みっていうのがやっぱり一番重要で、
そっちの方向に働き方っていうのは新しいライフスタイルっていうか、
ワークスタイルっていうのはいくんじゃないかなって気はしますね。
そうすると企業からすると、とにかく主軸はエンパワーするってことを一人一人をですよ。
一部の人間だけじゃなくて一人一人エンパワーするってことを主軸に置きながら、
多様なエンパワーメントの選択肢っていうんですか、
っていうのを提供する場を作っていくってこんな感じなんですよね。
中川 浩孝
多分そうだと思うんですよね。
田中 愼一
で、あとはやっぱり組織の中での対話という新たな対話に対するコンセプト、
やっぱり平行な対面、対等なディスカッションというか対話っていうものを、
もっとやっぱり増やしていくっていうのが重要なんでしょうね。
中川 浩孝
本音で話せる機会っていうものですかね。
田中 愼一
そういう意味ではやっぱりマネジメントの人たちが降りていかなきゃいけないんですよ。
自ら平等、対等な対話っていうのをどんどん仕掛けていく。
そういうのがやはりこれからもっともっと重要になっていくんじゃないかなって気がしますね。
だからマネジメントの方々トップも含めてですけども、
やっぱり対話する能力っていうのかな。
高めていくっていうのがこれからのビジネスリーダーの必須、
絶対的に必要な条件。
対話力のないリーダーは去れっていう時代。
やっぱり対話で人に動いてもらうっていう能力はこれからすごく重要になってくると思うんですね。
中川 浩孝
そうですね。
そういう意味ではもう一つあったのは、
そういうのがリモートで働く人とか出てきてバラバラになってくると、
じゃあなんでこの会社で働く意味があるんだろうとか、
この会社でいる必要はどこにあるんだろうとかっていうのが出てくると思うので、
そこは例えば会社のメッセージであるとか、
パーポスみたいなものがすごくはっきりしていて、
この会社で働くために別にどこで働くのは関係なくて、
それを達成するために私はこの会社で働いているから、
それはどこで働こうとどういう形で関わることになったとしても、
それを達成するためにこの会社で働いているっていうやりがいみたいなものを
すごく強く感じられるようにしないといけないのかなっていうのも一緒にありますね。
田中 愼一
そうですね。そうなると結局はもっと言い方を変えると、
組織の対話力っていうんですかね。
組織が社員も含めてあらゆるステークホルダーとの
エンゲージメントを強められるような対話をどんどん仕掛けていくっていう、
組織の対話力とエンパワーメント
田中 愼一
そういう対話力、組織の対話力っていうのはこれからますます。
その組織の対話力は極端に言うと、
一人一人のマネジメントの人たちの対話力の相対になりますから。
単にCEOだけじゃなくて、あらゆるところで対話を仕掛けていく、
対等な対話をトップマネジメントが仕掛けていくっていう
努力をしてもらわないといけないんで、
ただで忙しいマネジメントの人たちなんだけども、
さらにそういうところにも自分のエネルギーをやっていくっていうことが
重要になってくるんだろうと思いますからね。
やっぱり自分がエンゲージメントが高いっていうのは
やっぱり自分のいる場所があるってことですよね。
組織の中でちゃんとした自分の居場所が。
居場所がなくなった瞬間に、居場所が感じられなくなった瞬間に、
人間はやっぱり非常に不安があり、
さっき言ったマイナスになってきますから。
だから今そういう人が増えてきていくと、
また一方では事実なんじゃないかなと思いますね。
中川 浩孝
確かにそうですね。
そういう意味では 1 on 1 とか、
1 on 1 みたいな機会が大切なのかなっていうのはあるんですよね。
オンラインで、リモートで働く場合は。
田中 愼一
そうですね。1 on 1 が重要だということと、
でも単によくあるのが、タウンホールミーティングを開いてるっていうね。
タウンホールミーティングを開けば、これでもうエンゲージメントは大丈夫だって
思ってるトップが結構いるんですけど。
あくまでそれは単なるチャンネルであって、
タウンホールはそこで何を語るか、
何をそこで対話するかっていうのが鍵なんですよ。
中川 浩孝
くだらない話聞かされるために仕事を、
本当はこういう仕事をしようと思ってたのに、
くだらない話を聞いた。
田中 愼一
逆にマイナスになっちゃう。
だから仕組みで入ると僕間違えると思うんですよね。
中川 浩孝
もうその通りですね。
リモートワークとかハイブリッドワークは何のためにこれをやるのかっていうのを
まず最初にすごく考えないといけないんですよね。
とりあえず入れてみようではなくて、
もちろんコロナの時はしょうがなくて入れた部分もありますけれども、
今後やっぱり導入していく場合には、
これがなぜ必要なのか、これが誰をハッピーにするのかとか、
そういうのをすごいちゃんと考えて。
田中 愼一
だからやっぱりキーワードは僕はエンパワーメントだと思ってて、
一人一人をどうまんべんなくエンパワーしていくのか。
そのやり方が今は単純じゃもうなくて、
いろいろな選択肢があるわけで、
そのいろいろな選択肢を提供できるようなワークスタイルっていうんですか。
だからやっぱり一人一人がエンパワーされて、
一人一人が元気になって、
一人一人がプライドを持って仕事をする。
こういうのを可能にするようなエンパワーメントっていうものを与えていく必要があって、
僕のコミュニケーションという視点から言うと、
やはり対話という組織の中でおけるその対話というものを、
やっぱり一つ、なんていうのかな、
重要視するっていうんですか。
やっぱり一人一人が対話力が上がればですね、
やっぱりそこあたりってのは、これは別にマネジメント人たちだけじゃなく、
一般の社員の人たちもそれぞれが対話力を上げることによって、
より全体としてのエンパワーメントは大きくなっていくんじゃないかと思う。
だから対話ですね。
コミュニケーションからの視点で、
新しいワークスタイルって何なのかっていったときに、
やっぱり基本はエンパワーメント。
エンパワーメントするのは対話しかありませんよと。
いわゆる対等な対話ですね。
それというのがやっぱり、
昔福沢諭吉が、天は人の上に人を作らずとかね、
人の下に人を作らずって言ってたけど、
あれですよ。
要は対等な対話。
これをどういろんな形で実現するかって感じですかね。
41:02

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