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2023-06-01 14:50

#537 はじめての裁判所(前編)

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「良い場所があります」と裁判の傍聴を勧められた。というわけで裁判所に行ってきた。


▼上水優輝⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠Twitter @y_uemizu⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ⁠⁠⁠⁠⁠

作務衣を着た悪魔。株式会社現象 代表取締役。

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皆さんこんばんは、上水優輝でございます。サイコパスのラジオ、ぜひ最後までお付き合いください。
今日は、初めての裁判所という話をしたいと思います。
5、6回前にですね、映画についてということで、映画を見た後に人と語り合うって結構素晴らしい体験だよね、みたいな話をこのサイコパスのラジオでしたんですけども、
そういうようなことを友人に話したんですね。何かを鑑賞してとか、何か同じものをインプットして、その後に語り合う。
どう見えたかってことを解釈をね、語り合うのはとてもね、有意義だなぁってことを言ってたんですけども、そしたらその友人がね、
そんな上水さんに、いい場所がありますって言われて、
裁判の傍聴を進められたんですね。
みなさんは裁判所に行ったことありますかね。
自分が被告になるとかね、そういうことを言う意味ではなくて、意味もあるかもしれないけども、傍聴ですね、見に行くみたいなことをしたことありますかね。
僕は裁判所に行ったこともないし、ドラマで見たような、とか映画で見るようなイメージぐらいしかなくて、
そういえば、憲法にも書いてあるにもかかわらず、権利としてね、ただ、裁判を見たことないなぁと思ったんで、早速ね、行ってきました。
で、福岡の裁判所がね、六本松駅っていうところのね、すぐ近くに、最近建て替わって、すっごい綺麗なね、大きい裁判所があるんですけども、
そこに行ってきました。で、入り口入ったらね、これも知らなかったんですけど、空港みたいな感じで、荷物検査がありますね。
あと身体検査みたいなのがあって、入ると。
そりゃそうですよね。あの、そりゃそうですよね。てか、まあね、危ないもんね。なんか起こりそうな場所だから、チェックもするよねって感じで、厳重な感じで入場しました。
で、入ってしまえばですね、普通のビルなので、なんというか、入るまではちょっと緊張したんですけども、入ってしまったら今度どうしていいかわかんないって感じになりましたね。
何の説明もなく、ただビルの中に入ったみたいになってしまって、友達と待ち合わせしてたんですけども、友達がちょっとまた合流できていなくて、僕は一人ね、そのビルの中でどうしようっていう感じで、少し迷子になりました。
で、よく見たらね、1階の隅っこの方に、裁判のね、予定表みたいなものがファイリングされてあって、
福岡の場合だと、民事裁判と刑事裁判、2つファイルがポンポンと置いてあって、そのファイルを見たら、今日の何時から何号室でこの裁判がありますみたいな、
何とか事件、何々さん、説当、何とか、判決ですとか、心理ですとか、今どの段階のやつか、みたいなことが書いてある表みたいなものが見れるんですね。
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で、自分が傍聴したい裁判をピックアップして、この時間ここだなっていう感じで、例えはよくないですけども、セスのタイムテーブルみたいな感じですね。
この時間ここの部屋に行って、この時間ここの部屋に行ってみたいな感じで、いくつか傍聴するんであれば、そんな感じで全体を見て、この裁判気になるなってものを選んで見ていくっていう感じですかね。
僕の場合は、今回朝から夕方まで滞在して、結局どれくらいいるかとかも考えてなかったんですけども、結果として丸一日いて、四つの裁判を傍聴しました。
一つは盗殺をされた方の裁判、そして一つは殺人事件の判決、一つは説当、もう一つも説当という感じで四つの裁判を傍聴したんですけども、
どれも印象に残ったし考えさせられたんですけれども、全部話すとすごい時間かかっちゃうし、全部話すとどの日のどの裁判かわかっちゃう可能性すらあるので、
一個だけピックアップして、特に印象に残った一つの裁判について語っていきたいなというふうに思っています。
それが一番最後に見た説当の裁判だったんですけども、この説当はただの説当ではなくて、常習累犯説当罪ということで、
この常習累犯説当罪というのは、10年以内に3回以上説当、また説当未遂とかで逮捕された人というような罪で、説当よりもランクの高い説当罪なんですね。
繰り返しやっている説当なので、最低でも懲役3年からということで、まあまあ重い罪としてあるんですけども、その裁判だったと。
裁判が始まる前、少し時間があったんで、その会の待合室で待ってたんですけども、おじさんが何人か座ってて、僕と友人と座っててって感じでしたんですけども、
10分前くらいから、某庁席に入れるんですね。その裁判開始は10分前になったんで、その待合室からおじさんたちも出て行ったんですけど、僕たちも出て行って、ゾロゾロとその部屋に入っていきました。
そうしたら、そのおじさんたちが被告と保護士さんだったっていうね、と僕たちっていう謎の状態で入って行ったんですけども、
この裁判が4つの中でも一番イメージする裁判っぽいというか、それぞれが弁護士さんから被告に質問したり、検察から被告に質問したり、裁判官から被告に質問したりって感じで、結構いろんな人が喋る双方向的なというか、そういう裁判だったんで特に印象に残ってるんですが、
その話を聞いていく中で、被告がいろいろ質問される中で、何を説得したのかとか、何を説得したのかとか、いろんな背景が見えてくるんですね。
被告はアルコール中毒ということでね、年齢で言うと60代くらいの男性だったんですが、50代に入ってからアルコールによるというか、泥水状態で犯罪を犯すようになったと、説得を犯すようになったと。
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本人もね、少し生まれつきなのか、アルコール依存症のせいなのかわからないけど、ちょっと知能的にですね、教会知能というか、あまり頭が働いてる感じがしなくて、説明もちゃんとできてなかったんで、10年前くらいからなんで荒れていったのかってことはよくわからなかったんだけども、正確には。
ただ、だんだんその頃、仕事が上手くいかなくなったとか、親が亡くなったとか、いろいろあったっぽいんですけども、狩猟が増えていって、だんだんね、お酒を飲みすぎてね、仕事にも行けなくなっていったと。仕事にも行けなくなっていくと、仕事を辞めざるを得なくなって、仕事を辞めてしまったら、生きていけないので生活保護をもらうようになったと。
生活保護をもらうようになったら、時間があるので、より酒を飲むようになったと。酒を飲みまくるとお金が足りなくなるので、お酒を盗むという感じで、結局お酒をスーパーとかで窃盗してね、捕まってっていうような。で、また出所して、またお酒を盗んで、ということを繰り返しているような方だったんですね。
まあね、泥酔して、窃盗してみたいな感じですよね。本人も窃盗した時の記憶がないみたいな感じでおっしゃってました。
で、それぞれね、弁護士から質問があったり、検察官から質問があったり、裁判官から質問があったりするんですけども、弁護士のターンではね、当然ですけども、援護者劇というかね、守るような質問をしていくわけですね。
その反抗議っていうのは、すごく酔われていたんですか?みたいな。その時の記憶があるんですか?とか、あとはアルコール中毒っていうのは自覚していましたか?みたいな感じで、いや、最近なんですよ。
で、その自覚して以降は治療プログラムにも参加されていますけども、それは治したいっていう、もうお酒を飲まないっていう意思と捉えていいんでしょうか?とかって感じで、かなりね、頑張ろうとしてるよってことをアピールできるような質問をね、していましたね。
もう独協だと自己管理できないんで、グループホームに入居しようと希望していますみたいなことを言うようなね。とにかくその、よくしていこうと思ってて改善の行動を取ってるんだよっていうこと、そしてその意思があるんだよねってことを確認するような質問を弁護士からはされ、一方、検察からは詰められるわけですね。
3回も同じことを繰り返してて、反省の色が見えませんよねと。本当にお酒辞める気があるんですかね?みたいなことを言われるわけですね。その時に、さっきちょっと知能的に、少し境界知能かもしれないみたいな話をしたんですが、こういうところに出ちゃうんですね。本当にお酒辞める気あるんですかね?ちょっと検察の不機嫌な感じでね、聞いて。
その不機嫌感とか、圧みたいなのが伝わっちゃったんだと思うんですけども、この被告がね、ちょっと弱気になっちゃって、辞めたいっていう気持ちは、今この瞬間はありますみたいな言い方しちゃうんですよね。今この瞬間はあるってことは、この後ないんかい?みたいな不安にさせるような回答だったり、でもやっぱりテレビCMとか見ると飲みたくなっちゃうんですよねって言っちゃうんですよね。
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だから、全然反省してるように見えないっていうね、その客観的に見るとね。でもね、この僕も軽度のアル中をね、今克服しつつある人間としてはね、分かるんですよ。本当に辞めたいという意思と、なんかトリガーとなるものを見た時に飲みたいという衝動が湧くって、これは両立する、共存するものなんだけども、もうこの言い方をしちゃうと、今は辞めたいけども、CM見るとやっぱり飲んじゃいますもんね?みたいな、もう全然やる気ない人みたいに見えちゃうみたいなね。
だからこの辺がね、上手い下手じゃないけども、なんていうのかな、誤解して伝わるよなって思っちゃいました。検察からすると反省の色が見えないですよねって感じで、いかに被告が反省していないかっていうことを、とうとうとね、いろんなことをあげながら、いろんな例をあげながらね、言っていくと。
裁判官もちょっと思うところがあったんでしょうね。常習類犯窃盗罪というのは、窃盗罪よりもワンランク重たい罪なんですよっていうことを改めてね、被告に伝えて。これはもう今までと同じようにはいかないと。ちょっと罪は継がなってもらわなければいけない。重たい罪ですよっていうことを伝えた。
ただ、被告にもね、その後の人生がありますよねと。なんで出所後、どんなふうな生活を送ろうと思っていますか?みたいなことを聞かれるわけですね。たぶんそこはね、アピールタイムなんですよ。出所したらグループホームに入居して、断食するためのプログラムを始めたいと思いますとか、たぶんそういうことをフリとして求められてるんだけども。
いやーちょっとそれ出てみないとわからないですね。また確かにその通りなんだかみたいなことを答えちゃうわけですよ。だからその裁判官のパスにもスルーしちゃうと。
最終答弁って言うんですかね。最後の判決前のプレゼンみたいなのがあって、で検察はね、その延長線上で、結局反省の色が見られない、これは極めてひどい態度であると。なので懲役3年を休憩しますみたいな感じでバーンってね、ちょっと切れ気味で言うわけですね。
で最後、弁護士の答弁。これがね、あのすごい筋が通ってるというか、すごいな弁護士ってすごいんだなと思ったんですけども、まずその犯罪、彼が犯した今までの犯罪はすべて冷水状態で行われているので、本人の意思とは関係ないと、本人の意思で行った犯行ではないんですということをまず言うと。
ただ酒によって起こっているのは明らかであるから、酒をどうにかしないといけない。この酒っていうのは、実は今まで何回も酒でやらかしているけれども、今まではアルコール依存症という自覚がなかったんだと、というふうに本人も証言しているし、そんな証拠があると。
ただ、今回はいろいろ経て、その診断を受けてアルコール依存症と診断されましたと。でその後は本人は、自分はアルコール依存症なんだなという自覚を持って、プログラム、治療プログラムも素直に受け入れているし、グループホームに入居するということを検討しているんだと。
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なので改善をしているんだと。そしてその精神科医にも証言をもらっていますと。精神科医はこの方はとても性格的にも穏やかで、お酒を飲まない限り犯罪を犯す可能性は極めて低いだろうというふうにおっしゃっていますと。
で我々は、我々弁護士、そして裁判官と、法律の専門家でありアルコール依存症の専門家ではありませんよねと。アルコール依存症の専門家の意見は専門家の意見として尊重されるべきであると。
よって上場釈放の余地があるとして、原刑を求めますみたいな感じでね。結構筋通っているなと思って。それを言った後、全体がピキーンと一瞬静まり返って、決まったって感じになったんですよ。
で、裁判官がね、そっと口を開いて、被告人証言台へ。で、被告人が証言台にまた行くわけですね。
で、被告人、最後に何か言いたいことはありませんか?って。映画のラストシーンみたいになって。
で、被告人が、いや特にないですね。と言って終わったんですよ。だからこれね、どんないいパス出しても、最後決めないと。
最後ね、いや自分もまだお酒を辞めるのは難しいところもあるけども、今一生懸命取り組んでいますって。頑張りますって言えば、補助補助釈量をね、最後一押しってできたんですけども。
いや特にないですねとかって言っちゃうみたいな。なんかこういうことなんだろうなって思いましたね。
まあ、なんかいろいろ思うところがありました。で、ちょっと時間が結構いっちゃったんで、次回ですね、その裁判所を一日見学してみて感じたことをいくつかあるんで、その辺ねお話ししていきたいなというふうに思っております。
今日はね、自分が見た裁判の中で一番印象に残った裁判のエピソードでした。また次回続きをお話ししたいと思います。本日は以上です。またお会いしましょう。さよなら。
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