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2025-06-17 20:21

【2-1】ビール=ドイツってイメージは日本だけ?ビール純粋法とか。【mymy_ビール職人_Guest:大村希(ケルン/ドイツ)】

みんな大好き、ビール!のことを本場の職人の言葉で詳しく聞きたい。ビールは家のキッチンで作れるなんて驚き。酵母の力。
ゲストは、ケルン(ドイツ)の老舗Päffgenで職人として働く大村希さん。
“芸大ラジオmymy”は京都芸術大学の開学50th(2027)を記念して始まった、芸術・デザインをひもとくラジオです。

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URL
Brauerei Päffgen(大村希さんがGeselleとして働く醸造所)
http://www.paeffgen-koelsch.de/ (Päffgen Kölsch)
Reinheitsgebot(ビール純粋令)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%B4%94%E7%B2%8B%E4%BB%A4 (WIKIPEDIA)

サマリー

このエピソードでは、日本のビールに対するドイツのイメージと実際の文化について語ります。ゲストの大村希氏は、職人としてのビールの製造過程やドイツのビール文化に関する誤解を解消し、地元の素材を活かした地産地消の考え方を紹介します。また、ビール純粋法についての日本とドイツの違いが語られ、特にドイツのビール製造における厳格な法律が強調されます。さらに、ビール造りの楽しさと難しさについても触れられます。

ビール職人の紹介
芸大ラジオmymyは、京都芸術大学の人気先生坂井さんと、舞台芸術を学ぶ学生の私谷口七葉がお送りする芸術・デザインのラジオです。
様々な領域で活躍する卒業生や先生をゲストに招いてやっていきます。
未だに芸術・デザインは、絵が上手いこととか、あるいは自分とは関係ない遠い物事と感じておられる方が多いと思うのですが、
すごく身近で生活のそばにあるものなので、その辺の誤解も解いていけたらと思います。
改めまして、舞台芸術学科・舞台デザインコース2回生の谷口七葉です。
そして、京都芸術大学の先生の坂井でデザイナーをしております。よろしくお願いします。
今日もこの2人でゲストをお招きしたいと思います。
今回はビールの職人を、うちの大学の卒業生なんですけど、ビールの職人をお招きしてやっていきたいと思うんですけど。
なんかスーパーに行くとね、発泡酒とか第三のビールとかあるじゃない。
俺はちなみに一番しぼりっていうやつが美味しいなと思ってるんですけど、それでどう違うのかとか、よく考えたら全然知らないよね。
というところになぜか芸大卒で職人になろうとした変な人が今日はゲストで来てくれているので。
ビールっていう本当に身近にあるもの、お父さんの大好きなものみたいな、それについて全然知らないっていうことなので、
それをちょっと聞いていくとかだったり、発酵、そこには菌の仕事がありますから、そんなちょっとマニアックな話までデザインと芸術の視点も交えながらやっていけたらなと思っております。
では早速お招きしましょう。ドイツのビール職人大村臨さんです。どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。わざわざ来たわけよね。
来ました。先週日本に着きました。
一時帰国ですよね。
一時帰国です。
冬季休暇的なものですか。
そうですね。
早速ですが大村さん、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
大村臨です。2016年に空間衣装デザイン学科の空間デザインコースを卒業しました。
今はドイツに7年目になります。
ドイツのビール文化
2018年にケルンという町に行ってからビール職人の修行を3年間して、その後職人として今も続いています。
出身は?
出身は福岡県です。
うちの大学に来て、今はビール職人ということですね。
今回はそんな大村さんを招いてお話ししていきます。
第1話では早速大村さんのことをもっと伺っていきたいと思います。
では大村さん、ビール職人って全く想像できないんですけど、どのようなお仕事なんでしょうか。
ビールを作る。
ビールを作るお仕事なんですけど。
職人というイメージが僕にはなくて、すごい巨大な施設で、巨大なタンク。
人がありぐらいの小さなタンクなので、基本的にパソコンとかいじって作ってるのかなみたいな。
ボタンポチって。
そういうイメージなんで、職人ってそんな仕事のことを言わないじゃないですか。
それは僕は日本のCMの影響をすごい受けてると思うんで、ドイツってやっぱりビール一番飲む国ですかね。
チェコが一番ですね。
チェコが一番。
2番は?
2番、ロシア。
ちょっとドイツを早く出してほしい。
でもドイツと言えばビール、ビールと言えばドイツっていうイメージができてるのは何でなの?
日本に持ってこられたビールが、もともとがドイツから来ている。
長崎とかで貿易してた時、島とかその時代の時にビールの文化がヨーロッパであったので。
その始まりが、今いろんなスタイルあるんですけどビールには。
ドイツの1個のスタイルがオランダ、ベルギーとかの海を渡って伝えられてきて。
じゃあドイツと言えばビール、ビールと言えばドイツっていうのは日本だけのイメージなの?
です。
それもなんですよ。
衝撃です。
ヨーロッパの人たちは別にみんなドイツに行ったらビール飲まなきゃねみたいなことはあんまり思ってないってこと?
ないですね。
ドイツだからビールというよりかは、その国に行ったらそこのビールがあるっていう感じなんで。
ベルギーにはベルギーのビールがあって、オランダにはオランダのビールがある。
ドイツにはドイツビール、チェコにはチェコのビール。
イメージしたらスペインとかフランス行くならワインだよねみたいなその、そういうイメージですかね。
なるほど。
私もビール職人って工場で作ってるイメージとかがあったんですけど、職人さんによって個性が出るものなんですか?
地産地消の重要性
職人によって個性は出てはいけないですね。
職人としての仕事は、地産地消をドイツってすごく推していて、なので麦の農家さんがいるんですよね。
で、それを漠画にするっていうのは、乾燥してる取った麦をちょっとお水に浸して発芽玄米みたいに発芽させるっていう工程をしてくださる職業の方がいて、それを運んでもらうんですよ。
で、きた麦を大きなお鍋に3倍のお水と一緒に煮ます。グツグツグツって。
で、大手さんはボタンポチっとしたら動くんですけど、私たちは自分で火を起こし。
自分で火を起こし?
はい。
どういう意味?
自分で火を起こすというかじゃないんですけど、ガスコンロみたいなガスガチしてボーってなったら、それを火種にガッってやって煮ます。
で、爆充と言われる液体を抽出して、そこにホップ加え。
ホップ?
はい。何でしょうホップ。
ホップ、ホップ何だろう。植物。
あ、正解です。
ホップを加えて煮て、まだそれ発酵してなくて、爆充って言われてる状態。風邪薬とかで昔ドイツ人は飲んでたと言われる。
まだ糖分を含んでる甘い黒糖みたいな液体なんですけど、味的に。
まあ、俺飲んだことあるんですけど。そういう話は第2話か3話で。
分かりました。楽しみにしてます。
そういう作業をやってる人ってことですね。
はい。なので全て見えます。キッチンで作ってるのの置き場みたいな感じです。
ビールっていろんな色あるじゃないですか、透明で。あれは機械でやることが多いんですけど、うちの職場、浄土所は人間が一番なので、人間が一番性格であると思います。
毎日見てる人が。なので必ず目視で見ながら、透明度とか、色味とか。
何かあったら麦の農家さんに、ちょっと色が違うんですけど、何か違いますか?とか聞いたりして作っていきます。
どんぐらい作るの?
毎日仕込むんですけど、月曜日から金曜日まで。1回が6200リットル。
えー。
えーとか言ってるけど、6200リットルってどんぐらいなの?
手に負えない。
手に負えないですよ。
それを何人で作るんですか?
一人です。
えーすごい。
仕込みは一人です。
仕込みは一人。
その今の工程が仕込みなんですけど、仕込み担当ができるのが、責任者としてマイスター。
ドイツの浄土所は全ての浄土所に一人マイスターって方がいて、責任者なんですけど。
と、その一人ともう一人浄土。で、マイスターは基本できるんですけど、やらない。
やらない。
で、私が一人浄土担当として。
6200リットルを。
はい。
えー毎日。
毎日。
うわー。
すごい。
すっごいね。
すごいですね。
で、あのすみません。じゃあその今働いてらっしゃる浄土所の名前は?
ペフゲンって言います。
ペフゲンのスタッフは何人いるんですか?
浄土所だけだと5人。
ほー。
だから5人で一つの銘柄のビールを作っている。
はい。作っています。
すごい小さいよね。
小さいですね。
他にもその同じ銘柄のやつを作っている浄土所があるっていうことですか?
は、ないです。
ないです。
うわー。
でも違うブランドというか。
はい。
を作っているところはドイツにたくさんあるんですか?
たくさんあります。
何軒くらい?
ケルン、私の町だけで言うとそのケルシュっていうビールを作っているんですけど。
これ後ほどお話しするんですけど。
はい。
トータル、まあでも30とか。
30もあるんや。
はい。
で、まあ大小ありますけど。
で、だいたいそのみなさん仕込み場をもう一箇所持っているんですよ。
で、そこに併設しているとかレストランがやっています。
えー。
だから大手もあるし、もっと小さいところもある。
あーそうか。
じゃあレストランも一緒になってたりして。
はい。
そこに来て飲ん、ビール飲んでちょっとソーセージも食べてるんじゃない?
うわー。
最高ですよ。
最高ですね。
最高ですね。
最高ですね。
基本的に近くにあるので、レストラン。
はい。裏か、横か。
えー。
直営のレストランってこと?
直営のレストラン。
ね。
これ面白いね。
面白いですね。
そこ2位しかいないんですけど、職場の規模としては一番有名ではあります。
一番老舗で有名で、生産量も4位か5位くらいです。
ほう、今働いてるの。
はい。
なんてとこでしたっけ?
ペフゲンです。
ペフゲン。
ペフゲン。
ペフゲン。
はあ。
はい。
一番老舗っていうと、新数いつからなんですか?
新数、1883年。
1883年。
いや、この京都もね、老舗は多いですけど、ビールの老舗はありませんがね、他の老舗が多いけど、かなり長いですね。
かなり長い方だと思いますね。
うん。今何代目なんですか?
今4代目になります。
その社長さんというか、マイスター?
社長さんか。
社長さんになりましたね。もともと仕込みもされてたんですけど、もう76歳くらい。
おじいさん。
はい、おじいさんなので。
そのおじいさんに見出されて、大村臨みは入ったんですか?
私はマイスターに見出されましたね。
気に入られて。でも日本人でほら、そんなドイツでビール職人やってる人っていないですよね。
いないですね。
ちっちゃい世界というか、商人ギルドって聞いたことあります?
商人ギルドは聞いたことないです。
同業者の組織、助け合う小さい組織として、ケルンはそれも1900年代に結ばれてて。
なので、だいたいいつもよその情報のことがわかるんですよ。
で、困ったら助け合うみたいな。
なので、ちょっと修行したところで、アジア人がいるらしいみたいな噂はあったみたいです。
そこなんかアジア人の女がいるらしいみたいな。
なので職場変わったんですけど、去年に1年前くらい。
あ、君かって。お話は聞いてましたみたいな。
珍しい。ものすごく。
女性っていうのもすごく珍しいので、ドイツ国内でも。
すごく珍しかったってこと?
珍しかったみたいです。
なんかチヤホヤされそう。どうなんですか?
しないです、ドイツ人チヤホヤ。
逆だと思いました。
意地悪?
意地悪でもない。
働きにくいのかなと思ってます。
あ、いや全然。
本当ですか。
でもさ、例えば今大村臨が日本に帰ってきてビール屋さんをやりますと、
それが女性でまだ若いピチピチの声だけが職人っぽい声。
この声皆さん聞いてますか?大村さんの声。職人っぽい声ですよね。
職人っぽい声ですか?
なんかドゥーンとした。
あ、ちょっと低めの?
ドゥーンって声してるんですけど、それだと多分話題になるし、
なんかインスタグラムとかいうのやったらすぐフォロワーがドゥーンって増えそうで、
ちょっと一回飲んでみっかみたいな、しかもドイツで修行してきたらしいぞみたいなことになりそうだなと思ったんですよね。
だから早く帰ってこないかなみたいな。
そしたら俺大村買収するのになると思ってるんですけど。
だからドイツでもアジア人で、そもそも女性が少ないような職場で働いたら、
それだけで噂になってチヤホヤされると。
ならないんですよね。
そうなんですか。
なんか国民性なのか、新しいものに対してあんまりみんながわってならない。
なるほどね。
どっちかっていうと、私女性アジア人でやってるというよりかは、
このペフゲンっていう老舗で働いてることの方が注目されることが多いですね。
お前は知らんみたいな。
お前は知らん。
その経緯とかを興味持たれるんですけど、なんかチヤホヤというよりかは、
まあ言って言ってますけど、ペフゲンいいですよねみたいな。
ニュースに載ったりしないの?新聞とかに。
日本やったらやりそうやけど。
そうですね。
なんかその女性特集。
ケルの中で女性の特集、上層化特集があって、
それで一回乗ったことあるんですけど、
全然お店の一員としての感じで乗りました。
わかった。ペフゲン。
ぜひ。
ぜひって何?来いってこと?
はい。
上層処理。
なかなか行けない。でも俺ちょっと行ってみたい本当に。
ぜひ。
上層の隣にレストランが空いてるのとか、すごいおしゃれじゃないですか。
それを何軒か回ってね。
そうですね。
あんまりビール飲めないんですけど。
お酒はあんまり飲めないけど、ちょっとそういうの楽しそうやな。
すごい思います。
お願いします。
僕話をちょっと変えたいんですけど、
僕ね、ビールのここの成分のとこ見るんですよ。
買うときいつも。
いいですね。
はい。いつも見るんですよ。知らないビールやったら。
僕はバクガーだよね。
バクガー。
とホップ。
はい。
そこにコーンスターチとか米とかこういうのが書かれてて、
僕はコーンスターチとか米とか書かれてたら買わないんですけど、
ビール純粋法の重要性
確かドイツって決まりがありますよね、ビールの。
それもちょっとお聞かせください。
ドイツはですね、ビール純粋法っていう、
ドイツ語で言うとRheinheitsgebotっていう。
かっこいい。
今から全部ドイツ語で言ってらっしゃる。
かっこいい。
っていうのがあるんですけど、皆さんがイメージするようなドイツビールがバイエルンから来ています。南ドイツ。
の何世紀だったっけ。結構昔なんですよね。
1516年にバイエルン州でドイツビールは水、麦、ホップ、コーボ、
この4つのみで作られたものをビールと呼んでいい、それが呼べませんっていう法律があるので、
他の混ぜちゃうとビール系飲料みたいな名前になります。
だから僕があんまり飲まない日本のビールでも、混ぜてるやつの方が多いんですけど、
やっぱ米とかコーンスターチがほとんど入ってるんですけど、
そういうのはドイツではビールとは呼ばない。
オランダ、ベルギー、他の文化だと全然OK。
米とかコーンスターチって何のために入れるんですか。それ以外のものも。
あんまり詳しくないので言えないんですけど、一回自分で何で入れてるんだろうと思って入れたことがあって、
マイスターに聞いたりすると、お米は糖分が高いのでアルコール発酵をすごく助けてくれる。
味的な変化は起こさない。ただ色が透明になりやすいっていう。
っていう作用が全てのコーンスターチとかにもあるんだと思う。
でも味とかには作用しない。
今大村さんが言ったみたいにビールっていうのは、
麦とコップと水とコーブ。これだけでできる。
本当かよって感じがします。
そうですね。
なんかその辺は次回ですかね。
ちなみに僕は大村さんに久しぶりにお会いした時に、
ビール造りの経験
ビールの職人なんだったらビールの作り方を教えてくれと言って、映像を撮ったんですよ。
大村さんが一人でこうしてこうして喋ってるのを一人で映像を撮って飲み屋でね。
でそれを変えてそれを見ながら材料を揃えてやってみたことがあります。
あーすごい。どうでしたか。
激まずの。
いいですね。
激まず。
激まずのものができたんですよ。
やっぱり職人さんじゃないと。
それで分からなかったことはちゃんと全部聞いてやったんですけどね。
アルコールを作ったらダメなんでそこは無しでやろうと思ってやったけど、
とにかく激まずのものができた。
次回はその大村さんにそんなことが起きないようにもうちょっと丁寧にビールの作り方を教えて欲しいと思ってるんですけど、
ポイントとしてはやっぱりこんなシンプルにできるんやみたいな。
家でできるんですよ。
できます。
いや俺も本当にって何回も確認して絶対できます。この声。
絶対できます。
ドイツ語で言うと?
ドゥカスタス。
ドゥカスタス。
ドゥカスタス。
とか何回も言われてじゃあできるんやな絶対できるんやなって思ってやったら激まずのができたんでその反省も踏まえて。
いいですね。
次回はね。
やっぱりまずいものができた方が知的好奇心が高まりますからね。
かっこいいわ。
いや、高まりません。
俺もめちゃくちゃ悲しかったよね。
ちなみに言っとくとね、バチンと蓋して空気がそこに密閉される状態にしたら二酸化炭素がね、二酸化炭素を酵母が出したやつが炭酸になるのよ。
溶け込む液体。
ってことはそのパチンってやるものを俺は買わなきゃいけないわけで、俺ビール瓶30本とちゃんとパチンと栓をするやつも、いやなるつもりないけど全部買ったのよ。
いやのに失敗したからもうすごい悲しい。
ハートブレイクですね。
今も冷蔵庫にあります。
その気持ちドイツ語でシャーデって言います。
シャーデ。
そんなの教えていりませんからね。
さて、今日はドイツビール職人の大村さんをお招きし、ビール職人についてお話ししていただきました。
日本とドイツでのビールの立ち位置の違いとかすごい面白いですね。
次回はビールの作り方について、具体的な大村さんの仕事について伺っていこうかと思います。
大村さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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