レジリエンスをキーワードに、世界20の都市戦略と実践から持続可能な街づくりのヒントを読み解いた『世界のSDGs都市戦略-デジタル活用による価値創造』。
20都市のとりくみから見えてきたことを、本書の著者であり国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の櫻井美穂子さんにお話しいただきます。
・本書の特徴―都市の持続性に必要な世界の都市のアプローチを紹介
・本書の3つのキーワード―システム思考・デザイン思考・デジタル活用
・櫻井先生の専門領域
・レジリエンスという言葉が持続可能なまちづくりのキーワードに
・DXは持続可能なまちづくりに重要
・印象に残った都市戦略―ブリストル・グラスゴー/イギリス
・SDGs、デジタル活用に興味のある方はぜひ読んでほしい

▼書籍ウェブページ
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527839/
SDGsにおけるレジリエンスのキーワード
(音楽)
こんにちは 学芸出版社編集部の井野口といいます よろしくお願いします
今日は「世界のSDGs 都市戦略 デジタル活用による価値創造」という本を
7月25日に発売することになったのですが その著者である桜井美穂子さんにお越しいただいて
この本の読みどころを紹介していただこうと思っています
桜井美穂子さんは 町づくりとIT活用について研究をされている方で
国際大学グローバルコミュニケーションセンターで研究をされています
記営の研究者です
こんにちは よろしくお願いします 桜井さん
こんにちは 皆さんはじめまして どうぞよろしくお願いします
早速ですけれども SDGsってすごく流行っていて
ビジネス書でも子供向けの本でも いろんな本がすでにたくさん出ているんですけれども
今回の書かれた本の特徴というか切り口 視点というのはどう読むのですか
はい この本のすごく大きな特徴は
レジリエンスというキーワードを通して 年の持続性 100年 200年続く年の持続性に必要な
世界の歳におけるいろいろなアプローチを ご紹介していることだと思います
具体的にはですね レジリエンスって少し難しい言葉なんですけれども
その言葉のそもそもの起源にまでさかのぼって
システムの進化という新しい解釈を踏まえて 歳の持続性について捉えています
今までとは少し異なる視点から SDGsについて考えていただけるかなと思っています
デジタル活用による持続可能性の実践データ
そうですね 歳戦略を20集めてきて比較している本というのは
確かに今まで出てないんですよね
いくつか本の中でも挙げられてますけど キーワードがあるんですよね
この本を書くにあたって 最初から最後までずっと意識していたキーワードは
システム思考 日本でシステムシンキングとか言われているものと
デザイン思考 これもデザインシンキングって言われるワードですけれども
デジタル活用です これは去年から日本でもかなりいろいろなところで
言われていますけれども この本でご紹介している20の事例
世界のいろんな都市における戦略の事例には これらのキーワードに基づいた
持続可能性の達成に向けた具体的な実践データとか アイデアがたくさん詰まっています
そもそも桜井さんの専門はどういう領域だったんですか
はい 私の専門はレジリエンスってよくキーワードで言っているので
レジリエンスが専門ですかってよく言われるんですけれども 実際の学問的な専門としては
経営情報システムという学問を専門にしています これはあまり聞き慣れないかなって思うんですが
情報システムとかITが社会や組織とか個人に与えるインパクトを研究している
学問になります これは1970年代の後半にアメリカで新しく生まれた学問領域で
もともとのベースは経営学なんですけれども そこに理工学のエッセンスを取り入れている
かなり学際的な学問です 日本であまり皆さんも聞いたことがないかなと思うんですが
世界的に見ますと特に今アジアを中心に研究者の数が爆発的に増えている分野になっています
この学問分野でいろいろな研究をしている人がいるんですけれども
私自身は先ほどキーワードに挙げたデザイン志向というものをこの学問の言葉で言うと
デザインサイエンスと言っているんですけれども その手法を用いた社会とか町づくりにおける
IT活用デジタル活用というのをずっとこの10年ぐらい研究をしてきました
特に関心があるのが情報だとかICTの活用が私たちの日頃の生活にどういうふうに貢献できるのか
自治体とか地域でどういうふうにデジタル化を進めていったらいいのかというところです
私自身が経営情報システムという学問に出会った日本の大学の先生との出会いがきっかけだったんですけれども
その学問領域を深めるにあたってアメリカの7年前に渡りましてそこで先生たちに教えてもらいました
6年前にアメリカの経験がきっかけだったんですけれど
北欧のヨーロッパのノルウェーの大学で仕事をすることになりました
そこで私が在籍してたのが社会科学学部の情報システム学科というところで
あんまり日本ではイコールの学部がないような名前かなと思いますけれども
そこでやはり街づくりだとかICTの活用社会へのインパクトというのを研究をしていて
ペジリエンスという言葉についてもそこでずっと研究テーマとして扱っていました
そうなんですね
そういう海外での経験や研究の内容が今回の本の動機に結びついているということですか
はいそうです
持続可能性とレジリエンス
この本で具体的には3章で詳しくご紹介しているんですけれども
ヨーロッパの多国籍コンソーシアム
いろんな国の自治体だとか大学あと比叡団体の方たちとの一緒の研究プロジェクトに参加することになりまして
アジア人は私ともう一人インドネシアから来ていた同じ大学の同僚だけだったんですけれども
そこでレジリエンスというのをキーワードにしたプロジェクトだったので
レジリエンスという言葉が持続可能な都市戦略のキーワードになっているということを知りました
それまで日本ではレジリエンスというと災害に結びついて語られることが多いかなと思うんですけれども
ヨーロッパに行った時にソーシャルセキュリティという考えで
社会の安全性という広くそういう考えのもとに都市の持続性に関わるキーワードとして
レジリエンスが使われていたんですね
その持続可能性というサステナビリティと言われている言葉もかなり抽象的で
どうやってそれを持続可能性を達成していくんだろうって難しいと思うんですけれども
レジリエンスという考え方をそこに入れることでより具体的にサステナビリティを達成するための方法論として使える
都市の取り組み事例
だなというのをいろんな一緒に仕事をしていた自治体の皆さんとのディスカッションの中で
気づくことがありましてそれがこの本の最初の動機になっています
もう一つ先ほどデジタル活用というのもこの本のキーワードでしてお話ししたんですけれども
このヨーロッパで私が一緒に仕事をさせていただいた自治体の皆さんは
今日本でdxという言葉が流行っていますけれどもその言葉が社会的にバズる前から
持続可能性だとかレジリエンスの実現のためにはデジタル活用ってすごく重要だというふうに
皆さんが共通認識で持っていたんですね日本でもちょうど去年のコロナの後から
dxというのがバズワードになってきていましたのであとsdg図の注目度というのも引き続き
高いのでこの本のテーマであるレジリエンスとデジタル活用というのを持続可能性のアプローチとして
捉えるという内容自体が日本でも受け入れられるかなというふうに思いました
20の都市が事例として挙げられてますけれど特に研究されていて印象に残っていた都市の戦略ってありますか
はい私が一番印象に残っているのはイギリスの事例です
このプロジェクトでご一緒した自治体はこの本でもご紹介をしているんですけれども
イギリスの南西部にあるブリストルという街とあとスコットランド北部のスコットランドの首都であるグラスオーという2つの都市の取り組みを紹介しているんですが
私がこの2つの自治体の職員の方といろいろ話をする中ですごく驚いたのが
デジタル活用と都市戦略
彼らと会話をしているとその彼らの思考回路が非常に構造的でこの本のキーワードになっているシステム思考が自然に身についているんだなというふうに感じることがすごく多くありました
例えば具体的な会話のエピソードってありますか
はい例えばこの本でもご紹介しているんですけれどもコミュニケーションのデザインという観点でフェイスブックを取り入れて地域のご近所コミュニティの活動を通しするという事例があるんですが
その中でもフェイスブックそのものを入れることを目的にするのではなくてツールフェイスブックを入れることで住民の皆さんとどういう繋がりができるのかなというところを非常に重点を置いていたというところがすごく印象的で
日本だとそのツールを特にデジタル系の話だとツールを入れることが目的になっちゃうことがすごく多くあると思うんですけれども
イギリスの人たちと話してたり実際の事例を見てるとそこのゴールが絶対にぶれないツールはあくまでツールだよねっていうところがぶれないっていうところはすごく印象的だったかなと思います
特にデジタル活用なんて言われると身構えちゃったりする部分がまだ結構あるかもしれないですよね
それじゃあ最後になりますけどこの本をどういう方に読んでもらいたいと思って出品されました
はいこの本はですねSDGのゴールの中でも持続可能な街づくりを特に取り上げています
先ほど申し上げたように私もいろいろな自治体の日本でもあのヨーロッパでも自治体の皆さんと一緒に仕事をさせていただいていたので
街づくりに関わっている自治体の皆さんだとかあとその都市戦略の旗振り役を担う首長さん
あと実際の地域でいろんな生活に関わるサービス展開を担っている企業の皆さんに読んでいただけると嬉しいなと思って書いていました
SDGsの取り組みについて
ただの街づくりに関わるサービスだとかあと情報コミュニケーションの話ってこの人っていうよりかはもう私たち一人一人に絶対関係するかなという風にも思うので
このSDGsだとかデジタル活用のキーワードに少しでもお関心がある方にはぜひ読んでいただけると嬉しいなと思います
20カ国のいろんな都市のエピソードなんかも特に桜井さんが直接関わられた街の話なんかも出てきて
臨場感というか現場の雰囲気もわかる内容になっているので
デジタル活用SDGsって言われると大きな話かなと思うんですけど
読んでみると現場の人たちがどんな風に身近な問題を課題として取り上げて小さなことから取り組んでいこうって思われて行動されてるのかがよくわかるので
今、SDGsのバッチをしてる方も多かったり大人から子供までみんなSDGsって言ってるんだけど
具体的には何をしたらいいの?みたいなことを考え始めた人とか悩んでる人とかにはぜひ読んでいただきたい本だなと思います
はい、ぜひ
あとは個人的にはいろんな国の事例が出てきていて
私が実際に現地で撮った写真とかもたくさん撮ってるので
今なかなかコロナで海外に行けませんので、プチ海外旅行に気分に当たっていただけると嬉しいなと思います
これは本書の目的ではないんですけど
そういう観点でも見ていただけると学生さんだとか学校でいろんな世界の都市の事例を教えていらっしゃる先生なんかにも
もしかしたら何かお役に立てるかもしれないなって思っています
本書の紹介とまとめ
はい、7月25日発売の世界のSDGs 都市戦略のご紹介をさせていただきました
桜井さん、今日はどうもありがとうございました
ありがとうございました
是非書店で見かけたらお買い求めください
よろしくお願いします
♪~
13:57

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