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2026-02-27 37:42

2026/01/19 ちょっと深堀り“考古楽”#10(佐野隆)

00:16
FM八ヶ岳 レインライフ ちょっと深堀り考古楽の時間です。
人類発生から600万年、21世紀の現代までの長い長い人類の歩み。
北都市在住の考古学者、茅ヶ岳歴史文化研究所主任調査員の佐野隆さんに、優しく楽しくお話しいただきます。
聞き手は、柴山博子です。
はい、佐野さん。前回は話し途中でね、時間になってしまって駆け足で締めてしまったんですけれども、言語の獲得。
はい、そうでしたね。
しゃべりだすと夢中になっちゃって、時間忘れちゃうんで言ってないんですが。
前回は確かチンパンジーのアイちゃんが、抽象的な情報を具体的な情報へと変換をするっていうのができないんだっていうね。
その抽象から具象への記号の変換、これができるっていうのが人類が言語を獲得した非常に重要なターニングポイントなんだというお話をしました。
おそらくホモエレクトス60万年とか100万年前とか、そのホモエレクトスの段階では、例えば、俺これから狩りに行くとかね、そういう簡単な会話っていうのは十分成り立ってたと思うんですね。
ちょうど赤ん坊がだんだん言葉を獲得していくその段階。
最初はあーとかうーとかって言って注意を引くだけの発声から、やがてなんか食べたいとかやりたいとか、そういう動詞だけ、述語だけの言葉になって。
それに私はーとか僕はーとか、あの子がーとかっていう種語がついていく。
だんだん言葉が複雑になっていく。そういう過程に似てるんじゃないかと思うんですよね。
今から7万年前、ホモサピエンスですね。
私たちホモサピエンスは今から7万年前に急激に脳の性能が進化したという説があるんですね。
確かにね、壁画であるとか、あるいは装飾品、貝とか骨で作った装飾品が非常にバリエーションが豊かになって複雑になるとかですね。
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あと石器も非常に成功で複雑な石器が次々と登場するとかです。
7万年前に何か起きたらしいと。
その時に言語っていうのが飛躍的に進歩して、現代の言語に近いような形になったんじゃないかというふうな研究があるんですね。
私たち言語っていうのは当たり前に喋っているので、改めて言語の複雑さって何だろうなんて考えたことないと思うんですが、
通常、私たちが喋っている言葉っていうのは、日本語、英語によって主語がはっきりしているしないっていうのはあっても、
普通は主語があり、述語があり、あるいは私は食べるなんていう主語と述語。
それに私はリンゴを食べる目的語が加わると、より対象がはっきりする。
さらにそれがですね、私はあなたがリンゴを食べるのを見たなんていうふうに、これは2つの文が入れ子になってますよね。
これさらに入れ子を複雑にしていくと、いろんな文章ができるわけですよね。
そういう複雑な言葉ができることによって、例えば昔話、神話、伝説なんていうのが効果的に語れるようになったり、
さらに本、書物のようなですね、膨大な情報を的確に第三者に伝えるっていうことができるようになってくるわけですよね。
言語というのはそういう入れ子の複雑な構文というのができるようになると、どんどん情報量が増えていくわけですね。
そういうことですね。
文明社会に生きる私たちは、相当複雑な言葉を駆使して、抽象的な複雑な情報をやりとりして生活をしているわけですね。
そういった能力が7万年くらい前にできてたんじゃないかというふうに言われていてですね。
次の問題は、私たちの一番近い親戚あるいは兄弟であったネアンデル・ジャルチンとかが、
同じような言語能力や能力を持ってたんだろうか。
そんなのが気になってくるところですよね。
ネアンデル・ジャルチン、最近注目されてますよね。
前回にも紹介しましたが、つい3年くらい前でしたっけ、ノーベル医学賞を取ったスバンテ・ペーボさんという方が、
ネアンデル・ジャルチンの古いDNAを抽出して解析できたんだ。
ネアンデル・ジャルチンのDNAがどんなものかというのが分かったら、
実は私たちホモサピエンスの中にもネアンデル・ジャルチンから受け継いだDNAが入っているんだ。
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そんなのが分かったんですよ、というのを前回紹介した記憶があるんですが。
そのくらいネアンデル・ジャルチンとホモサピエンスというのは、しかしある時期共存をしてたわけですよね。
そうですね、要するにオーバーラップしているわけですよね。
片方が全然いなくなっちゃって、新たに出てきたわけではないということですよね。
共存をしていたのですが、やがてネアンデル・ジャルチンは絶滅してしまって、ホモサピエンスだけが今に至っている。
そうですね、でもそこの前にいろんなネアンデルタル人とか、
他に進化する途中でいろんななんとか人というのがいるわけですよね。
ネアンデルタル人というのは、先ほど話を戻すとホモエレクトスという人類が、これは現人段階ですよね。
ホモエレクトスがユーラシア大陸へ広く進出していた。
ヨーロッパの寒い地域、寒くて広い土台で日照時間が短い。
そういう地域に進出したホモエレクトスが、その地域で独自に進化したのがネアンデルタル人ですね。
さらにそのネアンデルタル人は、ユーラシアって広いので大陸が。
どうもネアンデルタル人の中でもまた微妙に性質の違うグループが。
それがアジア地域に分布したデニソワ人と呼ばれる。
ほとんど変わらないんですけどね。
遺伝子レベルで見ると微妙に違う。
デニソワ人という人たちがいて、これも現人ですね。
現人ではない、旧人ですよね。
旧人ね。
その2つの旧人がユーラシア大陸にいたと。
ネアンデルタル人もデニソワ人もですね。
せいぜいのところ4万年くらい前にはどうも絶滅してしまったわけですね。
一方でホモサピエンスは、現在の説では7万年くらい前にアフリカを出てユーラシアに進出をしていって。
ですから7万年から4万年くらい前の間の3万年間はホモサピエンスはネアンデルタル人やデニソワ人と共存していた。
そういうことですね。
あるいは住み分けをしていたということになるわけですね。
ただ最近の研究ではですね、7万年前をさらに遡る12万年前に一時的にホモサピエンスがアフリカからイスラエルとか西アジアの一部にまでちょっと出かけていったと。
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そういう出来事があったようなんですよね。
不思議なことにその出かけていった12万年前にネアンデルタル人もホモサピエンスも死者を埋葬する、お墓を作るということをしているらしいです。
12万年前。
すごい前。
ネアンデルタル人の埋葬というのは、イラクのシャニダール洞窟というところで発見された、これ死者を埋葬しているんじゃないかという遺跡があるんです。
これが有名なんですけど、これ一時的に否定されたこともあったんですけど、それは埋葬じゃないというふうに否定されたこともあるんですが、
最近の研究では同じ12万年前にホモサピエンスが埋葬をしているという証拠が見つかってきた。
ひょっとしたらシャニダール洞窟の埋葬というのは年代的にもあっているし、何か関係があるんじゃないかと。
そこから、これはまだ推測の域を出ないんですが、ホモサピエンスが来た。ネアンデルタル人もそこにいる。
お互いこの地域は俺の縄張り、テリトリーだぞというのを示すために、死んだ祖先をそこにわざわざ埋めて、
ここは祖先が埋まっている俺たちの縄張りなんだというのを主張し合うためにお互い埋葬を始めたんじゃないかというような説がありますね。
これはまだまだ仮説の段階なんですが、去年の9月くらいに発表された論文です。
そうなんですか。
12万年前にぽっと埋葬というのが出て、その後私はしばらくその証拠がなくなっちゃうんですね。
その時期だけというので、何かそういうお互いの接触し合った両者の緊張関係の中から埋葬という特殊な種族が発達したんじゃないかと言われていますね。
12万年前、それはもう本当にびっくりしちゃいますよね。
似たような研究が、そのホモサピエンスが本格的にアフリカを出る7万年前よりも以前にホモサピエンスとネアンデルタル人が出会っていたということですね。
その証拠がまた別に見つかったと。
14万年前の西アジア、イスラエルの遺跡で、ホモサピエンスとネアンデルタル人が同じ洞窟をお互い利用し合っていたと。
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ネアンデルタル人がいない時にホモサピエンスが来て洞窟にしばらく滞在して、ホモサピエンスがいない時に同じ洞窟をネアンデルタル人が使っているなんていうね。
相当至近距離で接触をしていた。
ひょっとしたらそこでお互いパートナーを交換し合って遺伝的に交流までしていたんじゃないか。
なんていうことも言われるようになっています。
じゃあここで音楽一曲おかけしたいんですがよろしいでしょうか。
前回の続きで、アルゼンチンのバンドネオン奏者アストール・ピアソラのバンドネオンとオーケストラのための3つの単語という組曲があります。
そこから第一楽章をお願いします。
FM安畑、レインライフをお送りしております。
ホモサピエンスとネアンデルタル人が、両者が交雑したのではないかというような話で前のショーのところで話していたんですけど。
そうですね。そうやって共存をしていたんですけども、ネアンデルタル人は結果的に絶滅してしまったわけですよね。
なんでなんでしょうね。
なんでなんだろうなと。いろんな説が今までにも考えられてきました。
例えばネアンデルタル人というのはそもそもその集団の規模が小さいんだと。
集団規模が小さいというのはどういうことかというと遺伝的な多様性が小さい。
なのでちょっと何かがあるとみんな同じ遺伝子を持っているのでバタバタと死んでしまって。
例えば感染症とかね。あるいはホモサピエンスと接触したことで今まで知らなかった未知の病気にかかっちゃったとか。
いろんなことが考えられるわけですよね。
実際それを裏付けるような研究がありまして。
フランスはドイツと並んでネアンデルタル人の化石人骨がたくさん見つかっているんですが。
その化石人骨のDNAを分析するとですね。
フランスの地域にいたネアンデルタル人というのはそれぞれの地域で10万年間。
10万年って長いですかね。
長いですね。すごいですね。
10万年間ほとんど遺伝的な特性が変化がない。
ということは進化していないということ?
進化もしていませんし、いろんな地域のネアンデルタル人同士が遺伝的に交流をしていない。
狭い地域でずっと世代を重ねることで遺伝的特性が非常に。
濃縮されちゃうわけですよね。
菌質なグループになっているわけですよね。
ということは弱くなるということですね。
そういうことですよね。
15:00
その研究ではたった10キロ先に違う集団がいるのに
その集団とは遺伝的な特性を共有していないというね。
10キロ先の集団と交流がないというのはホモサピエンスでは考えられない。
そういうことですよね。
そういうある意味、社交性が低いというのかね。
それとも非常に近しい血縁集団だけで活動していたネアンデルタル人というのは
結果的に弱かったというような説がありますね。
なるほどね。
またネアンデルタル人とホモサピエンスの化石人骨の歯ですね。
歯のエナメル質が赤ん坊の頃からずっと形成されていくわけですけどね。
その歯のエナメル質が栄養状態が悪いと形成がうまくいかずに
縞模様のような形成不全という痕跡が歯に残っちゃうんですね。
それを調べるとどうもネアンデルタル人のほうが歯のエナメル質の原形成という
赤ん坊の時期の栄養不良が頻発しているらしいと。
ホモサピエンスのほうが赤ん坊に十分な食料を食べさせてあげられる
というような違いがあったんだなんていうね。
それがどうも両者の生存競争の優劣を決めたんじゃないか
なんていう説もあります。
なるほど。
ただその一方でですね、それと全く反対なイメージを持っている研究もあってですね
例えばスペインのバレンシア地方の洞窟遺跡で見つかったネアンデルタル人の化石人骨
ダウン症の子供が成長してるんですね。
なんでダウン症ってわかるの?
骨を見るとわかるらしいんですよね。
骨とDNAの分析ですね。それからダウン症の子供だったらしい。
その子がある程度大きくなるまで成長してる。
これやっぱり介助してあげてないと成長できないですね。
なのでネアンデルタル人はその障害を持った子供をちゃんと養育してたと。
そういう、ある意味ゆとりというかね、人間的な行動もしてるんだという証拠があったり
また一方で先ほどはフランスの話しましたが
ドイツで生きていた、今でいうドイツの地域で生きていたネアンデルタル人はですね
大きな象の狩りをしてるんですね。
その当時って象がいたわけね、その辺りまで。
18:00
そうなんです。つい最近の話ではなくてですね。
ネアンデルタル人30万年とか前の話なんですね。
その頃のヨーロッパっていうのは非常に温暖でして
今では絶滅してしまった象、象といってもね
アフリカ象の倍くらいの大きさの大型の象、それを狩りをしてるらしいんですね。
すごいですね。
そんな大きな象は小さな集団ではとても狩りができない。
そういうことですよね。
しかも1頭のその大型の象を仕留めると肉が4トン手に入る。
10人や20人の複数の家族が集まったような集団で
4トンの肉なんて言ったらほとんど腐らせて消費しきれないんですよね。
4トンの肉っていうのはどのくらいの肉の量かっていうと
ネアンデルタル人は私たちホモサピエンスよりも体格が良かったので
食べる量が1.5倍、2倍くらい。
体の大きさもそのくらい違うってこと?
身長はそんなに変わりませんが筋肉質。筋肉流々でしたね。
腕相撲したらホモサピエンスはネアンデルタル人にかなわない。
そういう人たちなんですね。
そのネアンデルタル人が4トンの肉があれば
350人くらいの人が1週間食っていけると。
100人のネアンデルタル人が1ヶ月分の食料に匹敵すると。
そのくらいの量なんですね。
しかもその象をどのくらい1年で狩りしたのか100年で狩りをしたのか正確なところは分かりませんが
そのドイツの遺跡では狩りをして解体された象の骨が70頭分見つかっている。
70頭?すごい。
70頭かける4トンですね。
すごいですね。
そのくらいの肉を、そのくらいの象を狩りをしてうまく仕留めて解体をしてしかも肉を消費すると。
そういうことですよね。
それだけの大きな集団だったという説もあるんですよね。
そっかそっか。
ただそれはいつも大きな集団でいたのか
象の狩りをするシーズンだけ集まってみんなで協力して狩りをして
肉を分けて燻製化なんかにした後また小さなグループに分かれたのか
そこまでは分かりませんけれども
どうも今までのようなイメージとは違うんじゃないかと。
そんな小さな集団で生きていたので競争力が弱くて絶滅しちゃったんだ
そういうわけでもないんじゃないかというような説もあってですね。
さらにですね
21:01
ホモサピエンスは海洋進出あるいは海産資源の利用というのが
ホモサピエンスの特徴なんだと言われてたんですが
どうもネアンデルタール人もですね
これもスペインの洞窟でネアンデルタール人が貝とかですね
いわゆる魚介類を利用してたという証拠が見つかったりとかしてますね。
あとネアンデルタール人はホモサピエンスほど知能が高くなかったと
その証拠にホモサピエンスはラスコーの壁画とかアルタミラの壁画とか
非常に見事な芸術的な壁画を残しているのに
ネアンデルタール人はほとんどないと言われてたんですね。
ところが最近にはネアンデルタール人もどうも
単純だけども壁画を残しているというのが説が唱えられたりしてますね。
でも説を唱えるということは現実にそれらしきものがあるということですよね。
これもフランスの洞窟で5万7千年前の
まだフランスにホモサピエンスが到達してないかもしれない
古い時代の壁画が見つかったと言うんですね。
ただその壁画の写真を私が見ると
ひっかき傷のようにしか見えない
本当にこれ壁画なのかなという気はするんですが
仮にそれが壁画だとすると
ネアンデルタール人も壁画を残すくらいのことはしていると
ただそれはどうもホモサピエンスの壁画とは全然似ても似つかない
ごく簡素な単純なものであるということですね。
ただ今紹介した通り
ネアンデルタール人というのは我々がかつて思っていたよりも
ずっと現代人に近いような人たちだった。
研究者によっては古代型ホモサピエンス
なんていうふうにネアンデルタール人のことを呼ぶ人たちもいます。
そのくらいに両者の能力の差って違わなかったんじゃないか
なんていうふうにも言われていますね。
いずれにしてもネアンデルタール人がなぜ絶滅してしまったんだろう
現代まで生き延びていないんだろう
というのはまだまだ謎が十分解けていないと
いうのが今の研究の現状のようです。
一言で絶滅しましたと言われると
なんでなんだろうってそこが疑問ですよね。
本当にそうなんですよね。
突然にパッと絶滅したのではなくて
でしょうね。たぶん徐々に徐々に減っていって
24:02
そうなんです。ユーラシア大陸に広くデニソワ人と
共にいたネアンデルタール人たちがだんだん数が減っていって
最後のネアンデルタール人と呼ばれる人たちが
スペインの大西洋側の洞窟で死に絶えた。
それが最後。その死に絶えたのがどうも4万年前くらいらしい。
ちょうどその死に絶える直前くらいに
ホモサピエスがヨーロッパに到達しているというような
時間的な前後関係までは分かっている。
でもホモサピエスがネアンデルタール人の絶滅の直接な原因になったのか
間接的な原因になったのか
それともネアンデルタール人たち自身の何か生物的な限界があって
遺伝子の多様性が小さいとかで
そういうので絶滅したのか
まだまだ十分に謎が解明されていないようですね。
いろんな説が今はあるという感じです。
なるほど。
じゃあここでまた音楽をおかけしたいと思いますが。
ではピアソラのバンドネオンとオーケストラのための3つの単語から
モデラートですかね。お願いします。
FM岩瀬畑レインライフをお送りしております。
お話で先ほどデニソワ人というのが出てきたんですけれども
どこ行っちゃったんでしょう。
ユーラシアに広くネアンデルタール人とデニソワ人が分布していて
ユーラシアの西半分はネアンデルタール人
東半分はデニソワ人
そんなイメージで考えてもらったらいいと思うんですが
実はデニソワ人というのはネアンデルタール人と違って
化石がほとんど見つかってないんですよね。
つい最近までデニソワ人というのは
ロシアの中央アジアのデニソワ洞窟というところで見つかった
本当に指の小さな骨
第一関節の先ちょくらいの小さな骨だけしかなかった
そんな小さな骨から何でデニソワ人というのが分かったんですか
上手い具合に先ほどお話したスバンテペーボさんたちのグループが
その小さな骨からDNAを抽出できて
ネアンデルタール人のDNAとはほとんど同じだけどちょっと違う
ネアンデルタール人の親戚のグループらしいというのが分かった
ですからデニソワ人というのは正体がほとんど分からなくて
DNAの上だけで存在していた化石人類というようなイメージだったんですね
でも結構ユーラシア大陸の西と東でした
27:06
東にいたんじゃないかって思われてるわけだから
そう推測できた根拠というのは
デニソワ人のDNAが東南アジアにいる私たちホモサピエンスに残っている
ヨーロッパ・欧米の人たちにネアンデルタール人のDNAが残っているように
アジアの人たちの中の全部ではないですけど
一部ではデニソワ人のDNAが受け継がれているというのが分かった
のも東ユーラシアにはデニソワ人が広く分布してたらしいと
いうふうに推測されてたんですね
ところが今年の4月に東京大学や総合研究大学院大学という聞き慣れない大学があるんですが
その大学の研究グループが
台湾の研究グループと共同で研究したところによると
随分以前に台湾で発見されていた台湾島ですよね
台湾最古の化石人類と呼ばれているその骨が
どうもデニソワ人らしいというのが分かったんですね
その骨は顎の骨
顎だけの骨なんでやっぱりちっちゃくて
全身骨格なんていう詳しい情報は分からないんですが
しかもDNAはうまく取れなかった
そうなんだ
その代わりにこれまた前回までお話ししてた理化学分析の成果なんですが
プロテオミクス分析といって
タンパク質
骨の中にコラーゲンとかいろんなタンパク質が残っているんですが
そのタンパク質のいろんなアミノ酸や何かの種類
その組成というのは生物によって違うんです
タンパク質の組成が
そうなんですか
その骨のタンパク質を調べたら
これはどうもホモサピエンスとは違う
ネアンデルタール人とも違う
デニソワ人じゃないかというようなことが分かったらしいですよね
なので少なくともデニソワ人は中央アジアだけではなくて
当時のユーラシア大陸の東の端っこ
当時の台湾は多分中国と陸続きだったと思うんです
端っこにまで到達してたんだというのが分かったわけですね
そうなると私たち日本人にはデニソワ人の血が流れてるんだろうか
そういうのが気になってきて
結論から言うとどうも流れてるらしいですね
30:00
DNAをわずか1%とか受け継いでるようなんですが
ただ縄文人はどうかというと
縄文人では今のところデニソワ人のDNAを受け継いでいる形跡はないんです
そうなんですか
ですから現代の私たちがデニソワ人のDNAを受け継いでるっていうのは
弥生時代以降いわゆる都来人という人たちが
日本に入ってきて縄文時代の人たちと根決したりして
現代日本人ができていく過程で
大陸にいた人たちから
我々がデニソワ人のDNAを受け継いでるらしいということですね
すごい壮大ですね
そうなんですよね
いずれネアンデルタル人もデニソワ人も
やがて歴史から姿を消していってしまうっていうのは関わらないわけですけどね
ほんのわずかですがDNAという形で生き残っている
というふうにも言えるかもしれませんね
そうですね
すごいすごいすごいって
それこそそれが7万年よりも前の話ですよね
そうですそうです
そういうことですね
そうするとネアンデルタル人が絶滅して
デニソワ人もいなくなって
7万年前以降いよいよアフリカからホモサピエンスが広がってくる
ホモサピエンスというのはいろんなところに
いわゆる世界中に広がっていくわけですよね
そうですね
今までアフリカから出ていった人類
現人段階ではホモエレクトスが
ユーラシアの熱帯と温帯地域にずっと広がっていった
さらにネアンデルタル人やデニソワ人も
ほぼホモエレクトスと同じような地域に広がっていった
一方でホモサピエンスの拡散はさらにすごくて
ユーラシア大陸では北極圏に至るまで進出しています
これはホモエレクトスもネアンデルタル人も
そんな寒い地域にまでは到達できなかった
さらにホモサピエンスがすごいのは
海を渡ってオーストラリア大陸とか
暗黒の果てにはトンガ ハワイ ニュージーランド フィジ
イースター島とかそんなところにまで到達している
すごいですね
アメリカ大陸にも行っているんですか
もちろん南北アメリカ大陸にも行っています
33:02
ということは本当に世界中に広がっていったということですね
現在のホモサピエンスは月にまで足跡を残した
次は火星だということですよね
そういうことですよね
そのホモサピエンスがアフリカから出て
いろんな地域 西アジアを経由して
北へヨーロッパ方面に移動していったグループ
それからユーラシア大陸をずっと中央アジアを超えて
ヒマラヤとか天山山脈とかという山脈の北側を超えて
シベリアの方に北回りで入っていったルート
それから西アジアからアラビア半島を超えて
インドから東南アジア
インド洋沿いに南回りのルートで
ユーラシア大陸を東へ進出していったグループ
いろんなルートがあるわけですよね
一説では6万年前にはオーストラリアまで
アフリカ出てから1万年たらずですよね
オーストラリアにまで到達していたのではないかという説もありますが
まだ確実な情報ではないですね
つい最近 東南アジアのラオス
タイの北西側 内陸の国です
ラオスでひょっとしたら8万年くらい前に
遡るんじゃないかというホモサピエンスが見つかって
それってアフリカといったら7万年より古いじゃないと
ちょっと話題になったことがありましたね
最近では年代測定がさらに精密になって
古ければ6万3千年前 新しければ4万6千年くらい前
比較的今までの定説に近い年代になってはきていますが
やはり相当古い段階に東南アジア ラオスとか地域にまで到達している
ひょっとしたらオーストラリアまで
5万年くらい前にはオーストラリアまで到達していたかもしれない
そんな情報が分かってきているようですね
あと海洋進出という点では
フィリピンというのはたくさんの島なわけですね
島によっては一時期アジア ユーラシア大陸と
陸続きになっていたところもあるんですが
島のままだったところもあるんですね
ミンドロ島という島はずっと島だったんですが
そこにもホモサピエンスがずいぶん古くから来ていて
やはり魚介類を食べていたというのが分かったりとかですね
36:05
なのでホモサピエンスは海も物ともせずに航海をして
丸木舟か何かでしょうかね
渡って海洋進出を果たしていた
さらに魚介類も普通に食べていた
だから今までは本当に動物の肉食系だったのに
海のものまでも利用できるようになるということは
広がりやすいですよね
食料資源 食べられる食料資源が多い
幅が広いということは
どこにでも行って生きていけるということですよね
そういうことですよね
そこがひょっとしたらネアンデルタール人と
そういうところも違ったのかもしれませんね
もう一つ最近分かってきた
ホモサピエンスの拡散の歴史で面白いのは
南北アメリカ大陸への進出なんですね
今から2万年くらい前
氷河期一番寒かった時期に
ベーリング海峡が陸続きになっていたときに
シベリアからアメリカ大陸に入っていくわけですよね
そんな話を次回では詳しくお伝えしてみたいと思います
そうですね 楽しみにしてますので
よろしくお願いいたします
FM八ヶ岳 デインライフ
ちょっと深掘り考古学を終わります
聞き手は柴山博子でした
37:42

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