まずこのガンダムサンダーボルトという作品についてね、
簡単にご説明をしておきたいと思います。
こちらの作品ですけれども、私が今回取り上げるのは、
映画、機動戦士ガンダムサンダーボルトディッセンバースカイという作品になりますけれども、
このガンダムサンダーボルト自体はですね、
メディアミックスで展開されておりまして、
漫画やOVAなんかの作品もあります。
そんなね、サンダーボルトなんですけれども、
今回ですね、原作漫画10周年の記念サイトというのが
あってですね、こちらにストーリーの紹介が掲載されておりましたのでね、
少し引用させていただきますけれども、
宇宙世紀0079、地球連邦とジオン公国が戦った一年戦争の末期。
サイド4のスペースコロニー軍ムーアは、
ジオン公国軍の攻撃により大きな被害を受けて、多くの住人が命を落とした。
破壊されたコロニーや撃沈された戦艦の残骸が無数に漂う、
暗礁中域ではぶつかり合い耐電したデブリによって絶えず稲妻がきらめくようになり、
いつしかそこはサンダーボルト中域と呼ばれるようになっていた。
ムーア市民の生き残りで構成された地球連邦軍所属部隊ムーア同胞団は、
故郷であったサンダーボルト中域の奪還を悲願とし、
中域のジオン公国を殲滅せんとしていた。
一方、連邦軍の進撃を足止めせんとするジオン公国軍も、
疑似兵の戦闘データ採取を目的に設立されたリビングデッド手段を展開。
ムーア同胞団に所属しながら、故郷や自身の出自に束縛されることをうとましく思う、
イオ・フレミング。
過去の戦闘により両足を失って、
今はリビングデッド手段でエーススナイパーとして活躍する、
ダリル・ローレンツ。
イオとダリル。
二人の男は戦場で対峙した時、互いに悟るのだった。
自分たちは殺し合う宿命なのだと。
というですね、ちょっと長めのご紹介がありましたけれども、
要はですね、皆さんがよく知っているアムロとかね、シャアかね、
最初のガンダムとね、ザクだとかね、ああいうので戦っていたお話の、
別の地域でね、起こっていた、その戦争の様子を舞台にしてね、
しているお話になるんですけれども、
ガンダム知らない人からするとね、何の話だっていうことですけれども、
まあまあまあそういう話ですよ。
で、大事なのはね、この二人です。
連邦軍ってよくガンダムがね、いる方ですね、服が白い方ですけれども、
そのパイロットの名前がイオ・フレミング。
ジオン公国ってシャアがいた方ですね、ザクとか、服が緑の方ですね、
負けちゃう方ですけど、そちらがダリル・ローレンツというね、
この二人のパイロットが中心になってお話をしていきます。
今日はね、この二人の対比の話しかしていきませんのでね、
この二人の名前さえ覚えておいていただけたら、
このね、JAZZで聞くガンダムのお話が理解できるかなというふうに思います。
で、あの先ほどのストーリーの中でね、ちょっと補足で言うとですね、
このイオ・フレミングという人のお父さんはムーアというね、
場所の町の市長さんをやっていた人になります。
で、結果的にね、市民を守れずにですね、
自分自身はね、自害をしてしまうというような人生なんですけれども、
そういった中でね、今パイロットをやっているイオ。
それからね、ダリルの方は先ほども出てきましたけども、
戦争によってですね、両方の足を失ってしまって、
今はね、義足をつけている。
そんな状態でね、お互いに戦場で見えるという話になってきます。
ではね、実際のお話の中で一体ね、
どうジャズが味わえるのかというお話をね、していきたいと思います。
この二人のパイロット、全くですね、対照的な存在として描かれます。
その描かれ方が何かというと、
彼らが登場するシーンの後ろで流れる音楽が全く違う、対照的なわけですね。
これによってですね、この物語のメッセージ性というかね、
その心情の理解みたいなものがよくわかるというか、
非常に伝わってくる手法の一つ重要な鍵になっているというのがね、
この作品の面白いところ。
ちなみにこの作品の音楽を担当しているのが、
ジャズミュージシャンの菊地成吉さん。
この方は以前の回でもやりました大停電の夜にというね、
クリスマス映画があったと思いますけれども、
あちらの映画音楽も担当されておりました。
ということでね、ジャズだけではなく色々な音楽も全てこの菊地さんが、
基本的には作っているわけですけれども、
どのように違うのか。
このですね、連邦側のパイロット、イオフレミングというね、
パイロットが登場する、そんなシーンがね、一番冒頭に来るわけですけれども、
そんな冒頭から流れてくるのが、ジャズです。
ちょっとね、アップテンポな、かなりフリーに近いような、
ちょっと荒々しい感じのね、メロディーラインというか、
フレーズの並ぶジャズが流れてくるというか、
流れてくるわけですけれども、そのバックでこの、
連邦軍のね、モビルスーツというロボットがですね、
格納庫にしまわれている、それを整備したりね、
バーッとカメラが動いていく、その流れをね、
このジャズを聴きながら見ていくっていうんですけど、
かっこいいです。めちゃくちゃかっこいいです。
なんかこう、気分が高揚してくるような感じをね、
皆さんも受け取るんじゃないのかなと思うわけですけれども、
実際にここからね、イオが、こういろいろ仲間との
やり取りを済ませてですね、モビルスーツでね、
戦場へ出撃するわけですけれども、その戦場というのが、
最初のね、冒頭の説明にもありましたけれども、
この宇宙デブリって要は、いろいろなね、機械のゴミ、
破片みたいなものが、いっぱい漂っているんですね。
ですからこの、普通に真っ直ぐ宇宙の間を飛んでいけば
いいというわけではなくて、飛びながら周りからですね、
いろんな障害物が、小さいものから大きなものまでですね、
飛んできて、それを避けながら、さらに敵の攻撃も
避けなければいけないという、なかなかね、激ムズの
シューティングゲームみたいな、そういう状況なんですけれども、
ですから、それをヒリヒリしたですね、緊張感の中、
パイロットはモビルスーツを操縦していかなければいけないという、
こういうね、緊張感。そして、いつどこで、
相手はですね、すごい長い距離を狙撃してくる、
スナイパーみたいなね、ことをしてくる、部隊なものですから、
特にこの主人公と対になると、
もう一人の主人公のね、ダリル・ローレンツという人は、
ものすごい遠くからね、射抜くことが可能です。
ですから、いつ狙われているのか、いつ撃たれるのかわからない中、
このイオたちは、敵に近づいていかなきゃいけないというね、
そういう状況なんですけれども、そんな中でね、
イオが言うわけですけれども、やっぱり戦争にね、
行くにはね、フリージャズが似合うっていうことを言うわけですね。
この初めの冒頭の部分から、このイオがスタートするときになると、
より一層、フリージャズ感のある音楽が流れてきます。
フリージャズっていうのは、ちょっと前にも説明しましたけど、
綺麗にね、コードが美しく、メロディーが美しくなるように演奏していく
っていうようなジャズではなくて、もっと荒々しくてですね、
音楽自体に緊張感みたいなものが常にありますね。
そういう緊張感があるフリージャズを流すことで、
このゴミが大量に滞留している、
そういうサンダーボルト中域、また遠方から狙われている
緊張感みたいなものを音楽を通して表現。
さらに、このイオという主人公の性格、
この何というか、美容によっては荒々しくてね、
戦争をすることが好きなようなキャラクターに見えるような
そういう表現も合わせて、このジャズを流すことで、
フリージャズを流すことで伝えているというような場面でですね、
この音楽というものが出てきます。
そういうのが効果的に使われています。
一方ですね、このイオたちを狙う狙撃部隊の場面に切り替わるとですね、
打って変わって音楽がね、全然違う音楽が流れてきます。
どんな音楽が流れているかというと、
ちょっとね、散る目のポップスが流れています。
そんなね、散るいポップスが流れている中で、
さらにですね、義足だとか義手をつけているパイロットたちが
この敵をね、スコープで狙ってね、撃ち落とそうとしている。
そういうね、場面になってくるわけですけれども、
なんかここがね、すごく違和感を感じるんですよ。
先ほどまでね、この戦争に対する緊張感みたいなものをね、
ジャズでヒリヒリ煽られていたのに、
こういった音楽が流れているわけですよ。
これがね、なんというか、すごく不思議というか、
違和感を感じるところになります。
このジオンの兵士たちは遠くから狙っていますからね、
直接敵が近づいてくるということはほぼないわけですね。
そういう意味で緊張感というものはね、
ひりついているということもないので、
本当にね、緊張感というかね、ひりついた感じがなくて、
パイロット同士の会話もね、自分が付き合っている女性の話だったりだとかね、
そういう笑い話、冗談みたいなものをしながらですね、
いる場面になって、ものすごい対照的に描かれています。
またこのね、ダリルというもう一人の主人公の性格というかね、
穏やかな人柄としてね、印象づけられていきます。
でね、これちょっと本筋ではないんですけど、
このね、ダリルが一場面終わってですね、
実際にモビルスーツが基地に帰還した後ですね、
この流れていた曲について話す場面があるんですけれども、
パーティーページのテネシーワルスだろって言われるわけですよ。
これはポップスというか流行歌なので、
このパーティーページという方が歌った流行歌なんですけれども、
昔の流行歌っていうのはジャズであることが多いので、
ジャズの歌だということで、ここでね、
ジャズがこちら側でも聞こえるわけですけれども、
でもね実際に流れているのはね、このパーティーページの
なんていうか、ここでテネシーワルツだろって言っている
理由みたいなものはね、何だったのかなってちょっと思ったりもしますね。
あえてジャズのね、このタイトルを持ってきているっていうところには
何か意味があるのかなっていうことは思うわけですけれども、
こういう考察が本当に疎いので、私ね、しません。
こういう考察は得意な人にね、お任せします。
ということでね、この音楽が後ろで流れる音楽によってですね、
この主人公2人の置かれている状況だとか、
人柄っていうものがすごく対照的に描かれているわけですけれども、
この冒頭部分ではね、だんだんこれがね、変わっていくわけですよ。