このあたりは個人の主観の自由ということでご容赦いただきたいわけですけれども、
どちらかというと、この1話の中にいろいろなストーリーが込められておりまして、
そのストーリーに合わせる形で、菅野陽子さんが作る音楽というものが、
そのお話の世界観を素敵に彩っていたというのが、私の感じるカウボーイビバップ。
特にこのハードボイルドっぽいような世界観ではあるんですけれども、
ちゃんとユーモアを聴かせていて、どちらかというとかなりユーモアに触れている回が多いのかなという気もしますけどね。
ですから緊張感というよりは、ちょっと緩めた感じの空気感を出している、そんな曲も多いですね。
曲調としては、ジャズというよりは、どちらかというとブルースとか、
その時々に合わせた本当にいろいろな音楽が使われている、ちょっとブルース調が多いですかね。
主題歌のタンクというのはビッグバンドのジャズですけれども、
実際、劇中の使われている音楽もシートベルツというビッグバンドのメンバーが中心になって演奏しているものが多いですので、
ジャズの要素がすごく強いわけですけれども、ブルース、アメリカのガンマンがいるような、
ああいう西部劇になんとなくオマージュしたような世界観ではあったのかなと思うわけですけれども、
ラザロですよ。これはね、カウボーイビバップであった一話完結型の、そういう形ではなくて、
どちらかというとアニメの中でストーリーが一本しっかりあって、
ストーリーを追うようにして一話ごと進んでいって物語が進んでいくというような形なんですけれども、
その音楽というものが非常に豊かですね。
ビバップでいうと、このカンノヨウコさんが一人で、天才ですからね、あの方日本の欠物ですから、
一人でね、いろいろな、本当にいろんな弾き出しを持って様々な曲を作る。
言うと、あの方初めてジャズを作ったらしいですね、ビバップでね。
それぐらい初めてなのに完成度というね、本当に天才なんですけれども、
今回ラザロでは3人のミュージシャンがこの音楽を担当しています。
さらにエンディング曲というのを90年代に活躍していたブーラドリーズというバンド、
こちらのラザロという曲が使われています。
渡辺監督のインタビューとかね、あのポッドキャストにも出てお話しされてましたけれども、
ちょっとそういったお話を聞くとですね、どうやらいろいろなこの頭の中でね、
浮かんできたアイディアというものが、このね、ブーラドリーズのラザロを久しぶりに聞いたことで、
ぐっと一つにね、まとまったというお話をされていました。
そのあたりのことはね、ちょっとブーラドリーズのラザロという曲がどういう意味を持っているのかとかね、
このラザロという言葉自体がキリスト教のね、イエスの復活だったかな、
そのようなことに関わる人の名前らしいですけれども、
ちょっとキリスト教のお話みたいなんですけどね。
まあ確かにこのラザロのエンディングテーマで流れているブーラドリーズの曲をバックにエンディングを見ていますとね、
それらしい映像が見られたりもしますけれどもね。
ということでこのブーラドリーズのラザロという曲を一つね、
中心にこの渡辺監督がこの物語を描いていた。
で、その物語を描くために選ばれた3人の音楽家、これがすごいということでね、
ちょっと今日はこの3人について中心的に見ていきたいと思っております。
一人目はやはりね、この人、かましワシントン。
もう聞いたことのある方はジャズが好きな方ですね。
かましワシントンの音楽家というのは、
いわゆるドジャズみたいな音楽というよりは、
ヒップホップとかね、アフロミュージックとか、エレクトリックミュージックとか、
いろいろな音楽というものを作っているんですけれども、
この3人の音楽家の中で、
この3人の音楽家の中で、
この3人の音楽家の中で、
エレクトリックミュージックとか、いろいろな音楽というものを取り入れて、
彼独自にアレンジしていった、とても現代的なジャズを演奏します。
彼自身はサックスプレーヤーなので、実際サックスも吹いているわけです。
当然このラザロでの曲の中で、サックスが非常に際立つ曲というのは数多くありますけれども、
かましワシントンのプレイになります。
この渡辺監督が、かましワシントンに音楽の依頼をした当時のことを、
インタビューで語っていたんですけれども、
このかましワシントンはとても有名な方ですから、無理だろうなと思って、
この渡辺監督はかましのところにオファーを出したそうですね。
1回目の打ち合わせがZoomであったそうなんですけれども、
渡辺監督が回っていると、Zoomの画面越しに向こうに現れたのは、
アフロヘアのすごく画体のいい黒人の、さらに言うと民族衣装みたいなものを着た、
かなりこわもての男が向かい側に座るわけですね。
ちょっと想像しただけでも怖い感じがしますけれども、
かましワシントンってそういう感じなんですよね。
見た目はね。
何言うのかなと思って話をしていたら、
俺がお前の作品をどれだけ好きか知っているかという話から入ったみたいで、
どうやらかましワシントンは渡辺監督の作品の大ファンだったらしくて、
カウボーイビブアップはもちろん、いろいろな作品すべて、
本当に隅から隅までも見たんだと、めちゃくちゃ好きなんだと、
どれだけ好きか語ってやるから聞いてくれっていうような話から入ったらしい。
かましワシントンはオタクだったって話なんですけれども、
その勢いも余って、主題歌は俺が書いてやるから俺にやらせてくれっていうことで、
逆オファーを受けて渡辺監督もじゃあよろしくみたいな感じで、
隣にいたマネージャーがね、
いやいや待って待ってまだ契約してないからそんな勝手にしちゃダメだよみたいな、
そういうやり取りがあったっていうことをご本人がお話ししてましたけど、
とてもね、このかましワシントン、この企画には乗り気だったようでして、
かなり気合い入れてね、こう曲をいっぱい書いたみたいですね。
実際のこのオファーというか作る過程で渡辺監督から具体的な指示というよりは、
イメージだったりだとか、素材になるような資料だったりとか、
そういったものを与えられて、ふんわりとした大きなイメージだけを伝えられる中で、
この曲作りをしていたと。
彼はもともと映画音楽とかも携わったことがあるんですけれども、
今回のようなこういう曲の作り方っていうのは初めてで、
映画音楽とかだとそのシーンだとか場面だとかに合わせて練りに練って曲を書くらしいんですけれども、
今回はそういう形ではなかったらしいですね。
ただね、このかましワシントンのオタクっぷりというか、
俺も渡辺監督のこのアニメにああいう曲を、タンクのような曲を書きたいんだっていうね、
そういう意気込みが本当に伝わってくるっていう曲があります。
これはね、おそらくかましワシントンのインタビュー記事もあってちょっと読んだんですけど、
たぶんね、かましワシントンはこの曲をオープニングテーマとして自分の中で作ったと。
これはそうだと思いますね。
かなりね、タンクを意識して作ってるなっていうことがすごく感じられるんですけれども。
その曲実際に使われたのは1話のですね、主人公がこの牢獄に入ってるんですけど、
そこから脱獄する際の大立ち回りを演じるシーンで流れるんですけれども、
この曲がね、本当に素晴らしいですね。
かましワシントンのね、このソロプレイっていうんですか、
ものすごいこのかっこいいソロプレイが流れて、わーって感じなんですけど、
これあの、ラザロの音楽っていうのは、
この今から紹介する後の2人も含めて3人それぞれ1枚ずつのサウンドトラックが作られています。
ですから、このかましワシントンのサウンドトラックっていうものは
全部かましワシントンが作った曲が入ってるんですけど、
そのね、1曲目に入ってます。かなりいい曲なんですけどね。
で、聴いてみたんですよ。
そうしたらね、アニメで見た時のこの音楽と、
実際にこのアルバムで聴いた曲ってね、
かなり違って聞こえるんですよね。
なんでだろうなーって思ってたら、
渡辺監督が言うにですね、1曲丸々あるんですね。
で、使うのはかなり短い秒数なんですけど、
この渡辺監督自身がこのかましワシントンに依頼する時に、
1曲の聴くための曲を作ってくれっていうオファーをしたらしいですね。
ですから、このシーンに合わせて曲を作るのではなくて、
かましワシントンの曲を聴くために1曲作ってくる。
それを渡辺監督たちが細かく切り張りをして編集をして、
そのシーンに合うように作り変えてるらしいです。
渡辺監督の言葉を借りると、職人技の編集作業ということでしたけれども、
かっこいいポイントは全部使いたい。
で、突然このかましワシントンがめちゃめちゃかっこいいソロをするから、
そこも使いたい。
で、どうやって行こうかなっていうところで、
この切り張りをしているところがかなり分からない状態にして映像に乗っけてると。
二人目のミュージシャンは、ボーノボ。
ボーノボって聞いた時にね、もう解散しちゃいましたけど、
日本にもボーノボっていうバンドがありましたね。
私はサンキューフォードミュージックっていう曲が好きだったんですけど、ボーノボね。
それとは別です。
イギリス人なんですけれども、エレクトリックミュージックをやっている人ですね。
日本でいうと、昔、ビートたけしがポカリスエットのCMをやっていた時の
バックで流れていた曲をやっていた、トワって書いてトワって読むバンドがあるんですけど、
孤独の照明とかね、そういう曲があるんですけど、
そのバンドの雰囲気に似てるなぁと、独特の浮遊感がありつつ、
なんとなくね、ワールドミュージックというか、東南アジア系の曲、音というか雰囲気のようなものも感じますしね。
オリエンタルなインドだとかね、そういうオリエンタルな雰囲気も感じる。
だけども、あくまで電子音楽なので、そのね、ちょっと冷たさというか、そういったものがやはり残っている。
それでいてね、とてもね、有機的、有機的ってわかりますかね、無機、有機っていう、
ちょっと命を感じるというか、温かみを感じるというか、生命を感じるというかね、
そういう感じの曲ですね。不思議な感じですね。
とても浮遊感があって、僕はね、実はこの3人の中の曲だったらね、
ボーノボーがね、実は一番好きだったりしますね。
カマシワシントンもいいんですけど、ボーノボー、僕好きですね。
このアルバム、ボーノボーのアルバムね、全部聴けちゃうんですね。
途中で止めることなくね、それぐらいですね。
で、3人目がね、フローティングポイントという人ですね。
で、3人目がね、フローティングポイントという人です。
この人はね、宇多田ヒカルさんのバッドモードっていうね、
アルバムがあったと思うんですけど、これのね、共同プロデュースをした人で、
この人もね、クラブサウンドですよね、先ほどのボーノボーと一緒。
でもね、ボーノボーよりももうちょっと、緊張感があるような曲ですね。
リズムがしっかり、ドラムのリズムがかなりね、ボーノボーと思うと強めなのかな。
もう少し、ボーノボーよりもジャズっぽさを感じるのは僕だけでしょうかね。
とてもね、これもかっこいい。
しかもこのね、フローティングポイントっていう人はめちゃめちゃ頭が良くて、
脳神経科学の博士号だったかな?
そういうね、クラブミュージック界、キッテのね、頭脳派ということでね、
言われているすごく賢い人であります。
で、このね、ボーノボーとフローティングポイントについては、
この渡辺監督がね、この切り張りをするっていう、そういう話をした時にね、
ああなるほどねって、やっぱりクラブミュージックとかだとね、
DJとかやったりするじゃないですか。
そうすると曲と曲を繋げたりだとか、曲の途中で曲を割り込んだりだとかって、
そういうやっぱりリミックスみたいなこともね、文化としては根付いているっていうところがあるんで、
そういうイメージでやるから、好きに曲作ってくれたらこっちでやるからって言ったらね、
ああそういうことね、オッケーオッケーってなったらしいんですけど、
かましワシントンはそうはいかなかったみたいですね。
やっぱりちょっとね、ジャズ畑ですからね彼らと思うとね。
かなりでもかましワシントンの曲もね、僕からするとすごく現代的で、
クラブミュージックと言っても過言ではないような、
クロスオーバージャズっていう感じなのかな、最近の言い方で言うとわからないですけどね。
このフローティングポイントもね、2人とは思うと曲数は少ないんですけど、
なかなかこうヘビーな感じの曲でね、独特の緊張感。
ボーのボが浮遊感だとしたらフローティングポイントは緊張感って感じですかね。
だからこの3人が音楽を作っている、提供しているっていうことによって、
このラザロっていう作品の世界観がね、ものすごく広がる、深まるっていうか、
立体的に世界をね、いろんな音楽で彩ってくれます。
ですからこのアルバムを聴いた後に、この本編をね、アニメを見ると、
この曲ここで使われてたんだとかね、
ああなるほど、こういう使い方するのかっていうようなことも感じられたりしてね、
なかなかそういう見方も面白いですよ。
ただね、そういう見方をしているとね、ちょっと物語に置いていかれそうになる時があるのでね、
聴き方、見方は自由なんですけれども、結構面白いですね。
そうやって音楽視点でラザロを見るっていうのもなかなか面白いんで、
とりあえずラザロをね、一通り見た後にですね、2週目見る時には、
このアルバムを聴き終わった後にね、改めて聴いていくと、
ここはボノボだ、ここでカマシが来るんだ、
フローティングポイントがこんな感じで、ここで使うのかみたいなね、
そういう見方をするっていうのもちょっとマニアックですけど、
面白いんじゃないかというふうに私なんかは思っております。
とにかくね、このラザロ、非常に本編のお話自体も面白いですね、ミステリーな感じ。
どちらかというと、やっぱりビバップとは違うこの魅力。
全世界に向けて作ってるってね、渡辺監督も言ってますしね、
もうだから日本向けに作ってないっていうところがやっぱりこう世界観というか、
規模感が違うなっていうところはね、思いますし、
この海外資本でね、直接渡辺監督にオファーがあったっていうんで、
全部自由にね、お金も使いたい放題、だからこそ集められたこの3人っていうね、
贅沢な、本当に贅沢なね、3人。
ボノボもね、実はグラミー賞にノミネートされてますから、
3人中2人はグラミー賞にノミネートされてますしね、
何らかのね、勝利に輝いている。
とにかく、今のラザロとしてはね、
何らかのね、勝利に輝いている。
とにかく、今の音楽シーンというものを、
それぞれの分野で先頭に立ってね、走っている、
まさに今が旬の新鮮気鋭の3人のミュージシャン。
これを3人の音が彩るこのラザロ。
とても内容も複雑で、とても味わい深いものとなっております。
まだの人、ぜひアルバム、またこのアニメを味わってほしいと思います。
ということでね、今日はこのラザロの3人からね、
それぞれ曲を紹介したいと思うんですけど、
まず、かましワシントンね。
このかましワシントンがオープニングとしておそらく作ったであろう、
このラザロという曲ね。
これはもう、聴いてください。
タンクとね、ものすごく似てるんじゃないかと。
これをだから1話の一番冒頭に持ってきて、
パーンと持ってきた渡辺監督のセンスというかね、
このキャッチーなところ、素晴らしいなと思うんですけど、
あの曲をだからその場面しか使わずに、
あとも全然使わないわけですからね、
とてもこの贅沢な使い方だなというふうに思います。
このね、まずはかましワシントンはラザロ。
次にボノボですね。
ボノボの曲はね、どれもいいんですけど、
中でもこのリングスっていう曲がおすすめですね。
この曲はね、もう本当になんていうかな、
ガムランのような、そんな音。
スチールパーンを叩いているような音っていうんですかね。
それをちょっと歪ませたような音。
おそらくね、電子音で作っているのか、
加工しているのか、ちょっとわからないですけどね、
サンプリングしているのかわからないんですけど、
とにかくそういう、なんていうかな、
ワールドミュージックのようなね、
そういう世界観が聞こえますね。
だから神秘的というか、
ちょっとね、不思議な異世界に迷い込んだようなというかね、
そういうちょっとトリッピーな雰囲気。
かましのオープニングもね、
ちょっとトリッピーな感じがするんですけど、
ボノボはさらにトリッピーですね。
もともとこのラザロっていう曲、
ラザロっていうアニメに出てくる大事な要素としてね、
このハプナっていう鎮痛剤があるんですけどもね、
ある意味ドラッグ代わりに使って、
いるっていうような描写もありましたけど、
そういう世界観を表すにはね、
このボノボの曲ってすごくいいと思うんですね。
じゃあこのリングスっていう曲が
どこで使われているのかっていうところもね、
注目していきたいわけですけれども、
このボノボのリングスという曲ね、
プレイリストに入れたいと思います。
ボノボの曲は、
エピソードの最初にね、