成り立ちも含めた日本海(おもに本州沿岸)の特徴と、それを踏まえた釣行時のアプローチをお話しました。 日本海の成り立ちと地形的特徴 潮流と水温 海水の透明度について 日本海が豊かな漁場である理由 特徴を踏まえた日本海における釣りのポイント 【参考資料】 ・長田宏「日本海における透明度の分布とその季節変動-予-」日本海区水産研究所研究報告 (1994) ・V. N. Stepanov, 盛谷智之「日本海の地質と水理の基本的特徴」.産業技術総合研究所地質調査総合センター(1971) 【Twitter】 twitter.com/fishpod_roku6 【Instagram】 https://instagram.com/fishpod_roku?igshid=MjEwN2IyYWYwYw== 【Googleフォーム:ご意見・ご感想・次回配信して欲しい内容などはコチラへお願いします】 https://forms.gle/b6NmWPnHCjRTYFLq7
【コーヒーの差し入れ(100円のご支援)はコチラ】
https://buy.stripe.com/3cs6qr0Jw8xo74sdQS
番組制作の励みになりますので、よろしければ応援よろしくお願いします!
【使用楽曲等】 曲名 『Reflection』 作曲 RYU ITO https://ryu110.com/
サマリー
彼の出身地である山陰地方は、日本海に面しています。彼は、特徴や成り立ち、地元の釣り人の立ち回りについて紹介します。川の色がカフェオレみたいな場所でも、ツズキやチヌはむしろ釣りやすくなります。全体的に言えば、このような川に対する注目度を太平洋側よりも高めていただくと良いかもしれません。
日本海の成り立ちと特徴
みなさんこんにちは、ロクです。今回は、私の出身地である山陰地方が面している日本海についてお話しします。
前半は日本海の成り立ちや特徴、後半は地元釣り人の視点で、日本海で釣りをする時に気にしているポイントを話していきます。
まずはこの海の成り立ちですが、日本海ができ始めたのは今から1500万年より前のことと言われています。
その後は大陸と陸続きになったり離れたりを繰り返して、今のような形になったのはおよそ8000年前のことと言われています。
海の誕生が45億年とか前なので、意外と歴史の浅い海ということが言えるんじゃないでしょうか。
地形的な特徴としては、5つの浅い海峡によってくくられた平均1500メートルほどの深さの海です。
海峡というのは陸と陸に挟まれて海が狭くなっている場所ですね。
ちなみに太平洋は平均約4000メートルと言われていますので、日本海はそれと比べると浅い海ということになります。
この5つの海峡は北海道と本州の間にある津軽海峡が最も深く、ここだけ400メートルほどありますが、
津島海峡、朝鮮海峡やその他の北海道周辺の海峡は水深数十メートルから一番深くても100メーターちょっとと浅くなっています。
この浅い海峡というのが日本海を特徴づける一つの要素になってきます。
次に潮流ですが、日本海に流入している唯一の暖流である津島暖流は黒潮から分かれたいわゆる分流と呼ばれるもので、
水の輸送量は黒潮本流の10分の1程度と言われています。 船で沖に出てもですね、普通に釣りができるコンディションで釣りをしている限り、
船員だと結構沖に出ても1.5ノット以上で流れることはとても少ないと思います。
だいたい2ノットが人が歩くぐらいのスピードと言われていて、対比として出すと赤石海峡大橋のあたりは最大9ノットぐらいで流れると言われていますので、潮流としても非常に穏やかな海ということになります。
緩慢差もですね、太平洋側だと和歌山あたりで最大2メートル、有明海などでは5メートルにも及びまして、平均潮位も年間を通じて一定であまりデコボコしないというものなんですが、
海峡が狭い日本海の場合は水の出入りが制限されるので緩慢差はかなり小さくですね。 大きくても30センチほどしかありません。
さらに津島暖流の勢いも夏は強くて流入量が比較的多いのに対して、冬の間は勢力も弱いので、海水面の高さが夏はずっと高く冬はずっと低いというアンバランスな潮汐のリズムというのが見られます。
これが何を生むかというと、干潟が発達しないということですね。 干潟というのは潮が引いた時に現れる遠浅の浜のことで、
ここは多様な生き物が暮らす生命の宝庫と呼ばれたりもしますが、 緩慢差が少なくアンバランスなリズムの日本海ではこういったものが発達、非常にしにくいということですね。
日本海の生物多様性
これにもつながりますが、生物の多様性という観点で見ると、日本海の海洋生物の種類は太平洋側と比較して少ないことが知られています。
例えば淡水魚を含め日本海域に接続している魚種は約700種類と見込まれているんですが、 本州の太平洋側ではこの2倍の種類が知られています。
また生物のバリエーションも比較的単調とか単純とか言われる場合もありまして、主な理由は先ほどの干潟が発達しないという話の他にも、
例えば日本海を囲む5つの海峡がですね、いずれも浅くて外海から半分隔離されたような状態であるので、
例えば太平洋側の深海に住んでいる魚などは浅いので侵入できないということになります。 またそもそも日本海の形成の歴史というのが冒頭話したように浅いので、
生態系の発展の歴史も浅いというのも理由ではないかと言われています。 水温ですが海水の表面温度は2月から3月の平均約10度が最低で、
8から9月の30度弱が最高と。日本海の水温については海水の表面温度は2月から3月の平均約10度が最低で、
8から9月の30度弱が最高値となります。 日本海は海峡が狭くたらいのような構造をしているので、周辺の海との海水の交換は主に
漂走域に限られています。 津島断流を流れる本州沿岸域でも浅くても250mまでの下には
日本海固有水と呼ばれる水温0度から1度の冷水の塊が広がっています。 以前黒マグロ釣りをする知人に聞いたことがあるんですが、
日本海側はこの冷水の塊があるので、水深が深いところまでマグロが入っていかない。 反対に太平洋側はこれよりも遥かに深いところまで
黒マグロが潜っていくので、釣るという意味では太平洋側の方が探る大変さがあるという話を聞いたことがあります。
その代わり日本海側の黒マグロはサイズもやや小さめということのようです。 ここまでいろいろ話をして、いや日本海って豊かな海なんだろうかと思われた方もいるかもしれません。
今から海水の透明度についてお話をするんですが、実は日本海が豊かな漁場と言われる理由がこれに関連してきます。
夏から冬の間は透明度20m前後に安定しているんですが、春ぐらいに濁りが見られるケースが多くなってきます。
原因は植物プランクトンの大量発生です。 冬の間日本海の氷層は大陸からの強い北西風によってかき回されて冷やされます。
さらに海面ではこの風によって津島暖流と異なる流れが発生して、この流れも手伝って冷たい深層水が引き上げられ、
ますます海の表面を冷やすことになります。 その結果暖流に乗ってきた南方系の動物を死滅させ、この現象が死滅回遊とか言われたりします。
よく知られているものはハリセンモン、それからメッキ、 富山湾のアオリイカなどがあげられると思います。
一方でこういった冬場の水温低下と異なる流れというのは、 例えばタラやホッケ、サケなどの寒帯とか暖帯に住んでいる魚の侵入も可能にしている側面もあります。
さて先ほどお話ししたこの引き上がってくる深層水、いわゆる日本海固有水ですね。 これは栄養が非常に豊富で、さらに春先になって海水温が上昇するとともに
太陽光も増加するので、光合成をする植物性ブランクトンが大量発生することになります。 これらの植物性ブランクトンはその後植物連鎖、動物性ブランクトンや小魚などに捕食され、
さらにそれらが大型魚類に捕食される植物連鎖の起点となってきます。 実は日本海が豊かな漁場として栄えている理由の一つがこれであり、
現象としてはスプリングブルームとも呼ばれるようです。 ここまで日本海の特徴をお話ししてきました。
日本海での釣りの立ち回り
日本海側の港町出身の私が言うのも乱なんですが、歴史も推進も割と浅め、でも豊かな海でもある日本海。
釣り人目線では緩慢さが非常に小さく、流れも弱いという点が釣りにとって影響が大きいと思います。
こういった特徴を踏まえて実際に日本海で釣りをする際に気をつけていることをお話ししていきます。
まず前提になる考え方として個人的に心がけているのは、少なくとも帳席による流れは読めないという前提に立って釣りをしているということです。
これは帳席を見ないということではないんですけれども、どういうことかというと当然水が動いている方が魚は反応する。
特に普段動いていないところから少しでも水が動けば釣れやすくなるということは日本海側も同じだと思います。
ただ動くタイミングというのが少なくとも帳席だけを頼りにすると読めない。
河口で釣りをしていてもほとんど流量がもともとない川だと潮止まりの時間でもないのに足元の流れが左に右にいたずら行ったり来たりすることも珍しくありません。
そのぐらい一般的な帳席だけでは非常に読みづらいと、なので完全には読めないものとして向き合うのが大切だと思っています。
いくつかポイントはあるんですが順番にお話しすると、まずそもそも目の前の潮が動いているか動いていないかっていうのをしっかり確認、認識するというのがファーストステップだと思います。
なのでこれに向いたルアーをまずはパイロット的に投げるということを意識しています。
具体的には例えばシーバスとかやっているのであれば大きめのミノーとかあるいは比重が比較的軽めのシンキングペンシルなんかの割とゆっくり引けるエントが可能なルアーですね。
メバルとかやっている場合はおすすめルアーのエピソードでもお話ししたオルガリップレスのゴーマルだったり、あとはフロートリグですね。
このあたりだとゆっくり引けて潮受けもまあまあいいのでジグヘッドなんかを投げるよりは圧倒的に潮が動いているかどうかの確認というのはしやすくなっていきます。
このようなルアーを投げてまず目の前の海が動いているかどうかをしっかり確認、認識するというのが一番最初のステップなのかなと思います。
次のポイントとしては河川ですね。 川に注目するということです。
冒頭お話ししたようにカンマンサも少なく、また津島暖流も黒潮と比べると勢いがそこまで強くないという意味で、流れを生み出す要素が比較的少ない日本海においては川の流れというのは非常に重要になっていきます。
特に雨が降った後なんかで増水している時ですね、川からの流れが強くなっている時は絶好のチャンスになります。
カフェオレの川の特徴と立ち回り
カフェオレみたいな川の色でもツズキやチヌはむしろ釣りやすくなってきます。 デイゲームのハードルアーを使った釣りで足元まで追いかけてきてくるということもたくさん出てきますので、その意味ではチャンスですし、
それからメバルとかアジのようないわゆるライトゲームの釣りをする場合にも、さすがにカフェオレみたいな色だと難しい時も多いと思いますが、少し増水をして川の流れが強くなっている時に、河口そのものというよりはその周辺にある漁港とかサーフですね、に行くと普段釣れないところでも美味しい思いができたりすることもあるので、
全体的にですね、このような川に関する注目度というのを太平洋側よりも上げていただくと良いかもしれません。 次は風ですね。
やはり風が当たっている面が釣れやすい。これはベイトが寄っているからなのか、それともバシャバシャ水面がなっていて身を隠しやすいからなのかわかりませんが、
経験上も風が当たっている面で釣れることは多いなと思います。 その他にもですね、無風状態から突然風が吹いた時ですね。
このタイミングで釣れることは多いなというふうに思います。 一瞬だけだとさすがに厳しいんですが、例えばほぼ無風の状態から風が吹き始めて数分間とか
一方向に吹き続いてくれると、その間に釣れた経験というのは多いなと感じます。 なのでそういう時はですね、その瞬間打てる範囲でいいので、そのエリア内の一級ポイント
例えば明暗だったり、流れが変化する角とか、 水の通り道が狭くなっている場所なんかを集中力をちょっと上げて打ち続けるというのは良いと思います。
ここまでが長石による真潮の流れというのは読めない前提に立ちつつ、 まずは目の前の潮が動いているかを確認しやすいルアオンであげるということ。
次に川と風の影響ですね。これを意識するということをお話ししました。 ここからは個人的にこれでどうにもならない時の対応策を少しだけですがお話をしたいと思います。
夜釣りであってもバイブレーションのリフト&フォールとか、 あとダートですね。昼間ほど激しく動かさないですけれども緩やかなダートを入れてみるということはやります。
これはメバル、チヌ、シーバスあたりは比較的共通するんじゃないかと思いますが、 私も地元山陰エリアで初めてランカーサイズのシーバスを釣った時は、
ワームやミヌを投げても何も反応がなくて、まあ帰る前にと思って、 バイブレーションのリフト&フォールを護岸際にバイブレーションを投げてやっていた時に釣れました。
なのでリアクション要素というのはやはり非常に大事だと思っています。 メバルもメタルワイブのリフト&フォールは非常に効く瞬間があります。
ただ、目がかり注意です。 最後にですね、複数のポイントを欄眼するということです。
ここまでお話ししてきたように少なくとも太平洋側と比べて長跡の差だけで、 つまり時間経過だけで劇的に状況が変わる可能性というのは相対的に低いと言えると思います。
変化が緩やかなので、 欄眼、いわゆるポイントを一気に変えてしまうという方が良い思いができるんじゃないかと思います。
その際に重要なのはバリエーションですね。 例えば、堤防でも水深の違いとか伸びている方向が違う堤防をいくつか抑えるであったり、
漁港だけではなくて、例えば河口、サーフ、ジーソ、ボロタ浜なんかのいくつかのポイントのバリエーションや、
そもそも狙う漁師を変えるということを個人的に大切にしています。 ちょっと話し忘れたんですが、ニュアンスが難しいんですけれども、
長跡を全く見なくてよいかというとそういう意味ではなくですね、 それ自体が強い流れを作らなかったとしても、とはいえ30センチ水位が動くので、
例えば五眼打ちをやっていると、この30センチの変化のうち一定の潮位になった時に魚が捕食体制に入るということは、これは場所単位であるなと思っています。
なので自分がよく通うポイントのそういった特性みたいなものは把握されると、他の釣り人との違いになるんじゃないかなと思います。
ということで、今回は釣り人の目線で見た日本海の特徴と、私が個人的に気にしているポイントを話してみました。
こういった着眼点を頭に入れておくと、集中力が保てるというメリットもあるんじゃないかと思うので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
このポッドキャストは釣りの知識やノグハを発信しています。 気に入っていただけましたら番組フォローと高評価どうぞよろしくお願いいたします。
感想などありましたら概要欄のフォームか私のインスタグラムのメッセージまでお願いします。
ではお聞きくださりありがとうございました。
16:23
コメント
スクロール