アミの生態
お聞き下さりありがとうございます。今日はアミの生態についてお話をしていきます。 釣り人なら名前は聞いたことがあって、なんとなくエビみたいなやつというイメージを持っている方も多いんじゃないでしょうか。
沿岸部の生物量としては結構豊富で、通年見られることから、小魚も含めたあらゆる魚に捕食されています。
つまり、大型魚の餌となる小魚も含めて、このアミによって行動が左右されるということです。
そう考えると、あらゆる釣りで大切になってくる生き物と言えるんじゃないでしょうか。 まずアミの見た目ですが、素人目にはほとんどエビと見分けがつかないような非常に似た見た目をしています。
が、実はよく見るとハサミがないことが最大の違いになってきます。 分類上もエビカニ類はジュッキャクモクと言われるものに属するのに対して、アミはアミモクに属しているため、割と離れた種類で、どちらかというとプランクトンの仲間と言われることが多いかなと思います。
ちなみに餌釣りで親しまれているオキアミはオキアミモクというさらに別の種類となっていますので、実はこのアミとは別物ということになります。
アミの大きさは5ミリから大きくても3センチ程度と言われています。 これはワームサイズで言うと1インチでもちょっと大きいかなというサイズです。
ただしメバルをやっていると明らかなアミパターンであっても3インチ近いワームで釣れることもありまして、ワームサイズを必ずしも一致させる必要はないし、実際難しいのかなとも思います。
生息エリアとしては沿岸部や起水域はもちろん、あと海から完全な淡水に適応した種類も見られています。
沿岸部のベイトとしては先に言いましたように生物量も豊富で、多くの魚類や大型広角類の重要な食べ物になっています。
実際にシーバスやメバルを筆頭にアミパターンが一つのベイトパターンとして確立されている釣りも多くあります。
またあまりイメージはないかもしれませんが、例えばヒラメも体長が10センチ前後ぐらいまではアミが結構メインベイトになっているようで、
こういった特に体が小さい魚にとっては貴重なエサになっているということですね。
もう少し細かく生息域を見ていきますと、アミは海底を離れてですね、手足をつまく使って遊泳するということが可能なんですが、
多くの種が特に日中、海底付近に留まったり、海底から少し上に浮いて群れを形成する均定性と呼ばれる性質を持っているようです。
アミの見た目と分類
これは近いにそこと書いて均定性ですね。 例えば砂底の表面や海藻、岩石との構造物などに関わりを持つ霊が見られたり、
イソギンチャクやサンゴなどの特定の生物の周辺で群れを形成する種類も知られています。 一方で全部の種類ではありませんが、夜になると海面近くに浮上する種も多く知られています。
このように日中は深いところにいて、夜になると浮上する動きをするアミも多くいるというのがポイントかなと思います。
このような動きをするのは単純に捕食者に夜は食べられづらいからというのもあるかもしれませんが、それと同じくらい大事な要素となってくるのが餌、いわゆる捕食活動ですね。
これが夜に浮くことと関連していきますが、アミ類の特徴としては非常に幅広い餌を食べることができるということが挙げられるそうです。
具体的には植物プランクトン、動物プランクトンのほか、デトリタスと呼ばれる海底に沈殿した微細な有機物の粒子、
何のことかというと、これは主に生物や微生物の死骸とか排泄物が溜まってそこに沈殿しているものです。
このように結構動き回ってそこそこ体も大きい動物プランクトンのほかに、全く動かないデトリタスまで色々な食べ物を食べることができるというのがアミ類の特徴になってきます。
餌が幅広いので捕食方法も大きく2パターンあるようで、まずは一つはブラシのような手足を使って泳ぎながら水利を発生させて、
この水利を使って餌をうまく口に集めて食べるという方法で、もう一つが比較的大型の例えば動物プランクトンなどに対して直接手足で捕まえて捕食するという方法を持っています。
小さい体ながら結構器用な接触方法を持った生き物と言えると思います。 こうした食事の方法で多くのアミ類は昼間に海底でデトリタスを食べたり、あるいは何を食べずにじっとしていて、
夜間になると活発に泳ぎ出して動物プランクトンだったり、接触活動を積極的に行うということが知られているようです。
このアミが多く見られる時期ですが、基本的には冒頭話したように通年見られるベイトですが、特に植物性プランクトンが発生する春のブルーム期に植物量のピークを迎えることが知られています。
このあたりは以前のエピソード、日本海の特徴で結構詳しくご説明をしたところかと思います。
その後夏場にかけて大幅に減少するんですが、また秋から増加し始めるという、このようなサイクルになっていますが、基本的には通年見られるということがポイントかと思います。
代表的な習性としては生涯群れを形成して暮らすということが知られています。 群れの形状は一般的には玉状だったり
楕円形あるいは海底状に水平に広がるカーペット状などが知られていますが、 海底の形状や流れによって変化するとされています。
群れの具体的な効果としては、各個体が同時に回避行動を取ることで捕食者を惑わすことができるとか、もっとシンプルに各個体の目線で見ると、
他の個体が近くにいる方が代わりにその別個体が食べられてくれる可能性が上がるので、 群れを形成するとも言われています。
ルアーで網パターンを攻略したい人にとって気になる網の動きなんですけれども、 体が小さいので相対的に大きいものと比べると遊泳力は低い、
つまり遅いという傾向があるかと思います。 足を使って泳ぐんですが、なんとなくエビっぽい見た目から
後ろ方向にキックバックするような動きを連想される方ももしかしたらいるかもしれませんが、 普通に前方向に体をまっすぐ伸ばした状態でスーッと進むのが基本的な遊泳スタイルのようです。
危険を感じるとエビのように跳ねて逃げるんですけれども、 体が小さいので一跳ねでは数センチから十数センチ程であることが多いとされています。
とはいえもともとの体の大きさが5ミリから3センチ程度ということを考えると、 自分の体の倍以上の距離を一瞬で移動するということなので、
そう考えるとすごいなぁとは思いますが、センチ単位で見るとまあそれぐらい。 なのでルアーを動かす際はあまり早く動かしたりとか、
跳ねるアクションにしてもロッドアクションをあまり大きくつけすぎると、 実際の網の動きからは離れていくということになってしまうんじゃないかと思います。
基本的にはメバルにしろシーバスにしろこの網パターンの時っていうのは、 デッドスローであまりブリブリと泳がないルアーを使うことが多いと思います。
さあここまで網の基本的な生態についてお話をしてきました。 一口の網と言っても非常に多くの種類が知られています。
日本近海の網類についてまとめて初めて世界に発信をしたのは、 井直義という方です。
この方実は幕末の大老、井直義の暇子にあたる方のようです。 1936年から40年に4ペの論文を発表されたほか、
1964年には610ページにわたる書籍を出版されまして、 これには日本近海の種を中心に約150種類が掲載されていたんですけれども、
以降もですね、ほぼ毎年複数の新種が発見されているということで、 まだまだ未知の部分が多い種ではあるのかなと思います。
なので地域的には今日私がまとめたような生態と少し違う動きをするパターンなんかもあると思うんですけれども、
それも含めて多様性に富んだ非常に面白い生き物だなというふうに思っています。 さてでは今回は網の生態についてお話をしてきました。
沿岸部の生物領としては非常に多く様々な魚のベイトになっている網類。 なんとなく色々な魚種で日中はボトムを中心に狙って、
夜になると表層も積極的に探っていくという釣り人は多いように思うんですけれども、 そういったアプローチが有効になっている一つの要因がこういった網の行動パターン、
生態にも関連していると言えるんじゃないでしょうか。 こういったベイトの生態を知ることでより具体的なイメージを持って釣りを集中して楽しむことが
できたり、効率よく釣りを展開することができるかもしれません。 参考になりましたら幸いです。
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ではお聞き下さりありがとうございました。