小松隼也
まず第1回目の収録ということで、各弁護士の自己紹介とですね、
まあ色々ちょっとざっくばらんに話した上で、
先日海老澤さんも関わっていた、経産省から発表された『ファッションローガイドブック2023』の話も少ししていきたいと思います。
じゃあまず、自己紹介がてらですね。
じゃあ私から自己紹介していきたいなと思います。
私はですね、もともと弁護士になる前に写真家になりたかった時期が。
海老澤美幸
写真家。
小松隼也
写真が大好きで、長野出身なんですけど、
なんで好きか、特にグラビア写真なんですけど。
長野のですね、カルチャー誌が本ぐらいしかなかったので、
本読んでいるうちにですね、写真がすごい好きになっていて、将来写真家になりたいなというふうに思ったこともあったもので、
弁護士になってからですね、写真学校に2年間通っていて、
ファッションシューティングとかそういったことを学んでいた時期がありました。
2年間通っていたんですね。
海老澤美幸
通ってましたね。
小松隼也
土日朝9時から5時までスタジオに入って、
平日1日だけ夜、レタッチの授業が木曜日か水曜日の夜にあって、2年間通って、
本当に朝から夜まで働いて、土日はスタジオに缶詰でみたいな生活をしていました。
海老澤美幸
なるほど。でも小松さんの事務所忙しいじゃないですか。
前の事務所はとても忙しかったと思うんですけど、どうやってやりくりをしていたんですか。
小松隼也
もう20代の体力だけですね。
完全に本当に朝から朝まで働いて、
土日はスタジオに行って写真を撮るというような、
今じゃもうとても考えられないような生活をしていました。
まあでも司法試験の受験の時に比べれば、
もう3時間睡眠で勉強だけした時に比べれば全然楽しくやってられましたよね。
海老澤美幸
若さで乗り切ったんですね。
小松隼也
もう若さと体力だけで乗り切りましたが、
そうですね。その時にファッション関係の友達とかもできたりして、
作家の友達とかいろんな友達ができていて、
前の事務所は完全にビジネス特化型の事務所だったんですけど、
プライベートの友人たちからの相談を受けたりして、
同世代のデザイナーからの相談を受けているうちに、
ファッション専門の弁護士っていう、
弁護士がいてもいいんじゃないかなと思って色々調べていると、
日本にはファッションローっていうのはまだ言葉もあんまりなかったですし、
ただニューヨークでファッションローを専門にやっている大学院があるっていうのを見つけて、
ニューヨークに留学して勉強してしまおうと思ったのが2014年かな、多分。
それで大学院に入ってしまうということで、ニューヨークに留学して、
かの有名なフォーダム大学ですね。
海老澤美幸
フォーダム大学ですね。
小松隼也
当時はまだそんなに著名じゃなかったんですが、
でも世界的に見て知的財産ですね、
ファッションだけじゃなくて著作権とか、
そういう知的財産権と言われるものにとって、
すごい有名な大学だったのでフォーダムに留学して、
ファッションローを1年間勉強して、
1年間はカバン持ちみたいなことをしながら、
ニューヨークで最先端というか、
そもそもファッションローっていうのを学ぶ場所がなかったので、
そこで勉強をして、
帰ってきて、
すごいファッションローを学んで帰ってきたら、
ファッションロー日本でもうすでに盛り上がってるよって思った。
それで海老澤さんと知り合って、
海老澤さんに強く一緒に事務所を立ち上げようよという話をして、
事務所を立ち上げたのが2019年ですかね。
海老澤美幸
なるほど。
多分お聞きくださっている方の中に、
フォーダム大学っていうのがどういう形でファッションローが関わっているのか、
分からないという方が多分いらっしゃると思うので、
少しだけご説明させていただくんですけれども。
小松隼也
そうですね。
フォーダムはスーザンっていう先生が授業をやっているんだけど、
授業だけじゃなくて、
いろんなブランドの法務部の部長さんとか、
法務部員の方と一緒に勉強会をしたり、
モデルさんだったりデザイナーさんと一緒に、
ファッションの法律について話し合う場を作っていて、
それが『Fashion Law Institute』っていう名前で活動をしていて、
日本でそれを立ち上げようっていうのが、
一緒に活動していた金井さん、
弁理士の金井さんが日本でも立ち上げられて、
そのタイミングで私も留学していて、
海老澤さん、中内さんも入って、
一緒に活動しているという状況で、
そういうファッションローの大きな流れを作ったのが、
フォーダムっていう形ですかね。
そうですよね。スーザン・スキャフィディ(Susan Scafidi)教授ですね。
スーザンは授業中にシャンパンを出してくる。
生徒全員でシャンパンを振る舞う。
海老澤美幸
いいですね。ファッションらしいですね。
小松隼也
めちゃめちゃ、すごい。
授業はめちゃくちゃ大変だったんだけど、
1000ページぐらいひたすら裁判例読まされたけど、
シャンパン飲みながら。
すごい楽しい授業でしたね。
そしてニューヨークで学んで、日本に戻ってきて、
ファッションロー専門という形で立ち上げて、
中内さんにも入っていただいて、
ずっとファッションローという言葉を流行らせて、
困ってから相談をしてもらうという従来型の弁護士だけじゃなくて、
一緒にビジネスをやったりとか、
「こういう形で戦略的にファッションブランドを成長させていきましょう」とか、
みたいなことを打ち出していく形になってます。
法律の相談だけじゃなくて、一緒にビジネスという形では、
『CFCL』というブランドの立ち上げをサポートさせてもらったりとか、
『ALMOSTBLACK』というブランドの法律面だけじゃなくて、
アートのディレクションであったりとか、全面的にサポートさせてもらっていて、
そういったブランドの役員ですかね、
という形もやらせてもらっているというような形になります。
私自身はファッションだけじゃなくて、
ニューヨークで一緒に学んでいたアートだったりとか、
建築だったりとか、デザインというのも専門に扱っていて、
趣味としてはプロレスとグラビアが大好きですというところで、
私の自己紹介は以上で、
小松隼也
次は海老澤さんお願いします。
海老澤美幸
はい、ありがとうございます。
海老澤美幸と申します。改めましてよろしくお願いいたします。
私はですね、もともと少し最初の頃、官僚をしていた時期もあるんですけれども、
すごくファッションの仕事をしたいと思いまして、
ファッション業界に転職をしたということになります。
最初はですね、宝島社という出版社に勤めていまして、
『SPRiNG』という雑誌の編集者をずっと4年ぐらいですかね、しておりました。
その後にスタイリングをスタイリストですね、
になりたいなというふうに思いまして、
ロンドンに行ってスタイリストのアシスタントをして、
日本に戻ってきたということになります。
そこからですね、結構長くファッションエディター、
それからスタイリストとして活動をしまして、
そこから弁護士になったというような経歴になります。
小松隼也
はい、すごいさっくり説明したけど、結構むちゃくちゃな経歴だと思うんだけど。
海老澤さん、もともと学生の時は、
ファッションは、最初はエディターが第一志望だったの?
海老澤美幸
最初はですね、正直ファッションの業界にどう入っていいかわからなくて、
それでたまたま新聞で募集記事を見たのが宝島社だった。
小松隼也
その時はでも官僚?
海老澤美幸
そうです、官僚の頃にですね。
小松隼也
官僚になる前はダンスでしょ?
海老澤美幸
そうですね、ダンスというのは大学でサークルをずっと。
小松隼也
何系だっけ?
海老澤美幸
ヒップホップです。
中内康裕
意外な一面ですね。
海老澤美幸
大学でヒップホップとかダンスに熱をあげていて、
それでバーニーズニューヨークのバイトなどをしてたんですけど、
就活の時期、聞いてくださってる方にも大学生の方とかいらっしゃるかもしれませんが、
就活結構早く始まるじゃないですか。
気づいたら就活の時期を逸していたんですよね。
それで今から何かできるかっていうところで、
まだ間に合ったのが公務員だった。
本当に幸運なことに。
小松隼也
大変だった?
海老澤美幸
大変でした。
本当にラッキーなことに試験も受かって、一応内定もいただいて、
当時自治省ですね、今総務省というところに入省して、
1年、本当に1年ぐらいしかいません。
小松隼也
東京?東京にずっといた?
海老澤美幸
いや、1年目がですね、岐阜県に出向して、
岐阜県で少し仕事をさせていただいて、すごく楽しかったんですけど、
どうしてもファッションに行きたいということで、そこを辞めて宝島社に入った。
小松隼也
それは新聞の求人だったんですか?
海老澤美幸
そうです。
小松隼也
宝島に入って編集をしてたんだけど、なんでスタイリストに?
海老澤美幸
私自身はですね、非常に雑誌のページを作るのが好きで、
クリエーションがすごく好きだったんですけれど、
そのクリエーションを作る中で、やっぱり洋服ってすごく大事な一つの要素じゃないですか、
それでそういった大事な要素を選ぶ立場になりたいと思ったんですよね。
そしたらスタイリストをやるのがいいんじゃないかということで、
当時ちょっと色々調べたところ、どうも海外はファッションエディターという人がスタイリングをやるらしいということを知ったんです。
皆さんご存知の、例えば『プラダを着た悪魔』とか、あそこにも出てくると思うんですけど、
いわゆるファッションエディターという人たちが洋服を持ってきてスタイリングをするというケースが結構ありまして、
それで海外に行けばいいのではないかと思ってロンドンに行った。
小松隼也
それでロンドンに行っちゃった。
ロンドンに行くときは師匠がいるんでしょ?
海老澤美幸
います。ロンドンにはいますね。
イギリス人のスタイリストとかデザイナーとかを幅広くやってる方が師匠ですね。
小松隼也
もう直連絡していったの?
海老澤美幸
その連絡はですね、たまたま当時非常に仲良くしてくださった友人が、
その師匠がですね、ちょうどアシスタントを探してるよっていうことを教えてくれて、
連絡をしたところもすぐに採用になって、
翌日からもう行くっていう感じで、師匠のアシスタントとして付いたっていう感じです。
小松隼也
なるほど。そのときロンドンには何年くらいいたんですかね?
海老澤美幸
ロンドンは結局2年くらいですかね。
小松隼也
そっかそっか。
ロンドンでスタイリストをして、戻ってきてエディターとスタイリストを。
海老澤美幸
そうです。戻ってきてフリーランスのエディター、スタイリングをやるエディターっていう形で独立をしました。
小松隼也
そっかそっか、そうだよね。そしたらその後はフリーでやってるんですね。
どうでしたか?
海老澤美幸
すごく楽しかったですね。
編集部にいる頃もそうなんですけど、毎日文化祭の前日みたいな感じで。
小松隼也
それは倒れちゃう。
海老澤美幸
すごく楽しくて、もう本当に寝る間も惜しんで働いてたっていう感じですね。
特に長かったのが、『ELLE JAPON』という雑誌なんですけれども、『ELLE』という雑誌が一番長くてですね、
『ELLE』の最後、コントリビューティングエディターという編集部の中で、
専属のような形でスタイリングなどをしてるのが最後だったんですけれども、
本当に楽しくスタイリングの仕事とかをしてたんですけど、
その中でですね、やっぱりいろいろ法律問題がファッション業界ってたくさんあるじゃないですか。
環境がすごく過酷だっていうのもありますけれども、
それ以外にも例えば、雑誌で撮影をした紙面をそのままポスターとか、
別のものに二次利用をするようなことが結構当時行われていて、
そういったところの法律問題っていうのが結構クローズアップされてた時期だったんですよね。
そういったファッション業界に詳しい弁護士が一人ぐらいいてもいいんじゃないかなと思って、
弁護士になったというところですね。
小松隼也
それで海老澤さんはロースクールに行っちゃったわけですよね。
海老澤美幸
そうです。弁護士になりたいというふうに思った時に調べてみたら、
私が当時大学だった頃は、当然弁護士になるっていうのはすごく難しい試験を受けて、
ならないといけないっていうふうに思ってたんですけど、
調べてみたらロースクール、いわゆる法科大学院ができているというのを知って、
それでロースクールに入ったと。
勉強しまして、本当にもう辛くて、仕事している方がずっと楽でした。
そういう中で何とか試験2回目で合格しまして、弁護士になったという経緯になります。
小松隼也
なるほど。
そこからはファッションロー、バリバリになるわけでもないか、まだ。
海老澤美幸
最初ですね、企業に入れていただいて、
そこから法律事務所に変わりまして、
それでその後に小松さんとお会いして、
三村小松法律事務所に誘っていただいたということになりますね。
小松隼也
あの時海老澤さんに会わなかったら、今の我々はないですから。
海老澤美幸
そうですね、ありがたいですね。
小松隼也
いやもう懐かしいですよ。
海老澤美幸
そんな中で中内さんにご紹介していただきましょうか。
小松隼也
はい、じゃあ海老澤さんが関わった『ファッションローガイドブック2023』ですね、
を制作した時の話なんかお聞かせ願いますでしょうか。
海老澤美幸
『ファッションローガイドブック2023』なんですけれども、
サブタイトルがファッションビジネスの未来を切り開く新基礎知識ということで、
非常になんと言うんでしょうか、かなり大げさなと言いますか、
タイトルがついてるんですけれども、内容的にはですね、大きく7つテーマを設けて、
ファッション事業者の人たちが必要な法的な知識をチェックリスト方式で記載させていただいているものが、
こちらのガイドブックになるということになりますね。
例えばですね、まずブランドを立ち上げたらやるべきこと、
例えば商標の話とか、そういったことがブランドを立ち上げたらやるべきことっていうところに入ってたりですとか、
あと皆さんがすごく関心を持ちのファッションデザインの権利、
最近パクリとかね、SNSで炎上したりするケースが多いですけど、
そういったファッションデザインの権利ってどうなってるんだろうとか、
ファッションデザインの権利を守りにはどうしたらいいだろうみたいな話も入ってますし、
あとあの昨今すごく話題になっている文化の盗用だったり、
グリーンウォッシュというサステナブルっていう言葉を安易に使わないでくださいねっていうようなグリーンウォッシュの話とか、
そういったものも含まれてますし、
あと海外でですね契約をする場合とか、
今NFTだったりデジタルファッション、AIみたいなこともそうですけれど、
ああいった分野でチャレンジをしたいという場合にどんなことに気をつけたらいいかとか、
そういったことも幅広くカバーしているということになります。
欲張ってますね。
小松隼也
ファッションビジネスを進めるにあたって必要な項目が全部で何トピック?
海老澤美幸
大きくは7テーマあるんですけど、トピックとしては25あります。
小松隼也
25トピックにそれぞれチェックリストがあるんですよね。
これをチェックしながらファッションビジネスを進めれば困らない。
海老澤美幸
そうですね、そういう思いで作っております。
小松隼也
素晴らしい。これ経産省のホームページから無料ですよね。
海老澤美幸
はい、無料で。
ワーキンググループにはすごくたくさんの先生方にご協力いただいていまして、
ファッションローの名だたる先生方にご協力いただいていますので、
非常に豪華なメンバーで作ったものになりますね。
当初は本当に20ページとかそのぐらいでまとめようという話だったんですけれど、
なんと先生方の多大なご協力をいただいた結果、266ページという一冊の本になってしまいましたので、
これを無料でご覧いただけるというのはすごく得だと思いますので、ぜひご覧いただければなと思います。
小松隼也
いいですね。このみこたまファッションロー&ビジネスのコーナーでも、
ファッションローガイドブックのトピックごとにちょっと説明していければいいなと思っていることで、
よろしかったでしょうか。
海老澤美幸
はい、ぜひよろしくお願いいたします。