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ユースケさん
この朗読会って、朗読会自体はユースケさんは何度か開催されてるんですか?
朗読会と名を打ったものだと、2回目って感じになりますかね。
まーちん
そうですね。
今回はなんでエッセイを紡ぎ、声に乗せるという冠を付けて
やってもらえたのか伺ってもいいでしょうか。
ユースケさん
僕がですね、2024年の初めの方に、日記を付ける3ヶ月という、
まーちんさんはご存知だと思うんですけれども、
日記屋・月日さんですね。
下北沢にあるボーナストラックにあるワークショップに参加しまして、
いわゆる自分の言葉を紡ぐという3ヶ月を体験した後に、
僕個人の話にはなるんですけれど、
まーちん
仕事で基本的に僕は、人が書いた言葉を読み上げるという仕事をしているんですが、
あんまり自分が書いた文章を読むという経験がないんですね。
ユースケさん
それを2024年度中にちょっとやりたいなというふうに思ったのが、
きっかけではあるという感じではあります。
まーちん
なるほど。
それじゃあ、自分が書くことをまずやってみて、
じゃあ年も終わりかけだし、読む回をやってみようみたいな流れですか?
ユースケさん
本当にそんな小さい思いから始まったという感じではありますね。
まーちん
今回はユースケさんを一人で朗読をされるというわけではなく、
出演者の方が5人、ユースケさんが含めていらっしゃると思うんですけど、
ユースケさん
その方々のご紹介とかもお願いしてもよいでしょうか。
まーちん
まずですね、この企画を思いついたときに、一人の人物の頭がよぎったんですね。
ユースケさん
まずこの人に声をかけたいなと思ったのが、野やぎさんという方がいらっしゃるんですけども、
インターネットで文章を書いている野やぎさんという方が思い浮かびまして、
僕のちょっと古い友人と言いますか、昔俳優活動していたときのほぼ同期みたいな存在の方なんですけれども、
文章を書いているってことと、そもそも読む表現というものに対して、
少なくとも僕と共通言語ができているだろうなという人がいたので、まさにうってつきというか、ぴったりというか。
むしろ彼にノーと言われたら、やらなかっただろうなという感じで、
それぐらい歴史のあると言いますか、すごく信頼している人に参加してもらうというので、
そういうちょっと人物が、野やぎさんという方ですね。
まーちん
なるほど、なるほど。
はい。
ユースケさん
野やぎさんは、私も一回、ユースケさんと一緒にやっているホンヤスキーラジオでゲストにお越しいただいて、お会いしたことがありましたね。
なんかこう、世界の切り取り方が面白いですよね。
まーちん
本当に面白いですね。
なんかキャッチコピーも、迂闊に近づくとエッセイにされるぞみたいな。
ちょっと迂闊に近づきたいなって思っちゃう感じですよね。
ユースケさん
言われたらそうなっちゃいますよね。
そうなんですよね。
あとはですね、マーティンさんですね。
まーちん
はい。
ユースケさん
マーティンさんは本屋のコミュニティで知り合ったんですけれども、
そこからポッドキャストでホンヤスキーラジオという番組をやっているんですが、そこで喋っていただいているのがマーティンさんですね。
まーちん
はい。
ユースケさん
最近は書くこととかも精力的にやられていて、
少なくともこの2年ぐらいで企画でずっとご一緒していたという縁もあり、
基本的にポッドキャストで喋り言葉を僕が編集しているので、一番よく聞いているので、
ちょっと朗読というか、人前で何かを披露するってことはしたことないっていうことだったんですけど、
ぜひちょっとどういう言葉とどういうふうに喋るのかなっていうのが、
ちょっと僕の中でも楽しみだなと思ってお誘いしたという感じです。
まーちん
そうそうそうですね。ありがとう。
そうです。
キス。
ユースケさん
って感じですね。
いやでも、なんか本当にね、なんか楽しみだなと思ってます、それは。
そうですね。
まーちん
今日も稽古でお話。
ユースケさん
そうですね。
まーちん
ちょっとまた、稽古の話は後でまた。
ユースケさん
同じことね。
はい。
ゆりさんという方に参加していただいているんですけれども、
実は今回の企画のきっかけは、先ほどお話しした感じなんですけれども、
個人でYouTubeとかなんかポッドキャストとかでやればいいんじゃないのっていう、
たぶん感じになると思うんですね、初めの方はだと。
まあコストもかからないし。
なんですけど、このゆりさんがちょっととあるきっかけをいただきまして、私の方に。
ある意味それは朗読のレッスンみたいな感じで、ちょっと見てほしいみたいなお願いがあったんですね。
その時に本当に僕、コロナ禍になってから、今まで年に1、2回ぐらい舞台公演をやってたんですね、自分で主催して。
まーちん
なるほど。
ユースケさん
それが本当に2020年から、もともと北海道で公演しようとか、
新宿で舞台公演しようとかっていうふうに企画していたのが全部なくなって、
本当にこの4年ぐらい、僕のライフワークになってた活動自体が止まってしまって、
一緒にやっていたメンバーも、実際に違うステージに行ったりとか、活動するフィールドを変えたりとかしていて、
本当に事実上に継続しがたいみたいな感じになったんですね。
そんな4年ぶりに、稽古、いわゆるレッスンを見てほしいって言われて、めちゃめちゃ楽しかったんです、簡単に言うと。
こんなに素敵な時間を過ごさせてもらって、
もう一回そういうステージというか舞台というか朗読というか、
リアルなイベントをやりたいなっていう気にさせてくれたのが、
実はユリさんという方がきっかけをくれたというのがあります。
まーちん
確かにそうですね。
このエッセイのタイトルにもなっているタイトルのところですね。
空に落ちる前の言葉っていうところを浮遊する星屑っていうタイトルにつけていただいているんですけど、
書く段階で、言葉に出ないことを言葉にしたり、
感情を言葉に乗せていくっていうところが、
まだ全然手前のところを私はやってるんですけど、
こんなに考えるんだなっていうのが出ますね。
友人にもこのエッセイを読む、朗読する回やるから、ぜひ時間があれば来てねって話をすると、
稽古してるんだよねーみたいな話をセットで出るんですけど、
稽古するの?ってびっくりされて。
文字があって、それを声に出すだけだから、稽古とかいらないんじゃないの?っていう前提がやっぱりあって、
稽古って。
分かりますよ。そう思いますよね。
ユースケさん
いわゆる音読をするわけじゃないので、
多分ね、外から見える風景は、もしかしたら同じに見えるかもしれないんですよ。
なんでかっていうと文字を読むだけなので。
なんだけど、ただ国語の教科書をつらつら読むっていうのを音読だとするならば、
そこに込められている描写だったりとかっていうのを立体化していく。
まーちん
それこそ本当に明らかに読んでいくっていうことなんですけれど、
ユースケさん
それを再表現していくっていうことをやるわけですね。
なので、ちょうど稽古中でも、本当に正解がないものを正解にしていく作業をしているんですけれども、
やっぱりエッセイとか文章を読んだときに、読み手の僕らが感じる躍動感とかってあるじゃないですか。
まーちん
ありますね。
ユースケさん
ただ、その躍動感は誰のものなのかっていうことだと思っていて、
それって本来であれば読み手の解釈に委ねられているところじゃないですか。
まーちん
そうですね。
ユースケさん
読んでるのが我々なので、文字を追ってるのが我々なので、
こういうふうに描写してるんだなとかっていうふうなのを感じる。
なんだけど、実際にそれを作者の人が読んだときにどういう表現になるのかって、
すごくワクワクするというか。
まーちん
ワクワクしますね。
ユースケさん
そこを、本当に稽古の中で読み手に委ねてるものを、今度は声に出すことによって、
自分のほうからその表現にアプローチしていくという。
ここの部分がすごい醍醐味だなというふうに私は思っているんですね。
なので、それは稽古じゃないとできないんですよね。
まーちん
確かに。
稽古しないと難しいと思うんです、これは。
ユースケさん
確かにね。
それはすごくリッチな感激という言い方をさせてもらうと、
そういう感激体験になるんじゃないかなっていうことを思ってます。
まーちん
確かに。
ちょっと違うかもしれないんですけど、
昔バーテンダーやってたときに、
シェいかーの練習をしてショートカクテルとかをするときに、
銀色の食器にリキュールとかジュースとかを入れて、
氷とシェイクして、
お飲み物を完成させていくっていうのがあるんですけど、
そのシェイクをしてるときに、
カシャカシャしてる自分が楽しくて、
ウッキウッキしてたら、
ユースケさん
バーテンダーの先輩に、「あのね、目的はあなたじゃないのよ。」と。
まーちん
シャカシャカしてるパフォーマンスに酔っちゃダメで、
目的はお酒を混ぜることだからねって言われて、
それに近いものをお稽古で感じております。
ユースケさん
そうなんですね。
面白いですね。
業界というか別のもので例えられると、
まーちん
そういう感じに見えてるんだなっていうふうに今思いました。
なんか楽しく、
自分たちが楽しむのも、
朗読会の場合は重要だなっていうのはすごく感じてるんですね。
なんですけど、
私の場合は特に、
自己表現をするのが仕事ではないので、
ユースケさん
舞台に立つっていう経験が小学生以来なんですよ。
まーちん
小学校のクラスごとの出し物みたいなとき以来なので、
そのあたりがすごく、
社会人経験を経てサービス業としてのものの提供の仕方と、
自分が楽しむっていうことの狭間みたいなのを今感じてる感じがしますね。
ユースケさん
いやでも、真の意味での自己表現って、
まーちん
あんまない気もしてるんですよ、実を言うと。
ユースケさん
さっき僕が言った、僕は人の書いた文章を読むっていう仕事をしてるんですけど、
それは自己表現なのかって言われるとちょっと違いますよね。
まーちん
あーそうか、人が書いているものを読むと。
ユースケさん
もうそうだし、
それこそ俳優とかも台本があるので、
自己表現なのかと言われたら、
っていうようなクエスチョンがついてくると思うんです。
まーちん
なるほどね。
ユースケさん
だけど、たぶん今回の自分で書いて自分で読むっていうのは、
紛れもない自己表現だと思っているので。
まーちん
そうですね。
ユースケさん
そういう意味で、ある意味怖いっちゃ怖いですよね。
まーちん
そっかそっか、ユースケさんとしてもチャレンジングな。
ユースケさん
そうそうそう、たぶん今までやってきた人が、
まーちん
たぶんいないですよね、誰も。
ユースケさん
それこそ本を出版して、読みつかせ会みたいなことをする分には、
たぶん似たような経験になると思うんですけど、
そういった意味で、こういう朗読会っていう括りの中でやるのは、
全員一緒みたいな感じですね。
まーちん
うーん、なるほど。
ユースケさん
ただそこにいるのは、書き手が、
いわゆる書いてきた人間と読んできた人間が、
今回ちょっと両極端にいるみたいな。
まーちん
うんうんうん、そうですね。
私は書く方が多い。
ユースケさん
ゆうりさんも書く方ですね。
私と池田さんが読む方をやってきたという。
なので、定点的に稽古を見てる僕は、ものすごく面白いんですよ。
今話せる範囲で、どういう面白さがありますか?
やっぱり、昨日も稽古してるんですけど、
僕とか池田さんはやっぱり、別の人の書いた文字を読んでるので、
人の書いた文章ってすごく無責任に、自由に表現できるねっていう話をしたんですよ。
おー。
なんか、間の取り方ひとつでも、
なんか人の書いてる文章だと、いわゆる自分以外の人が書いてる文章だと、
こここうしたいなとか、ここでたっぷり間を取ってゆっくり入りたい、みたいな。
そういうアイディアがポンポンポンポン湧いてくるんですけど、
いざ自分が書いた文章になってくると、
なんか怖いよねっていう話を今してるんですよね、稽古で。
まーちん
あー、怖さがあるんですね。
ユースケさん
間を取るのが怖いとか。
今見つかってる言葉としては、自分が読んでるっていうよりも読まされてる感じがすごいするね、みたいな。
まーちん
じゃあまだしっくりきてないってことですか?
ユースケさん
まあ稽古の最中なので、そうなんですよ。
なので、たぶんその、稽古してるの?って言ったそのお友達に、
まーちん
この会話をぜひ伝えたいんですけど。
そうですね。
ユースケさん
全然しっくりきてないんですよ、実を言うと。
自分が書いた文字なのに、自分から生まれてるものなのに、
まーちん
なんで言葉にした瞬間に、なんかせかされてる気分になるんだろうね、みたいな。
ユースケさん
そこの謎というか。
まーちん
読んできたチームは、主にはそういうのに向き合わなくてはいけないんだろうな、みたいな。
ユースケさん
逆に書いてきたチームは、チームはないんだけど、
書いてきた側は、単純にたぶん、
自分が書いたものと、今一番の観客が僕なので、
それを聞いたときに、なんか祖語が発生してるみたいな感じになっちゃうんですよね。
まーちん
それを声に乗せたときに、できるだけ再表現できるようなやりとりをしてるって感じですね。
そうですね。正解がそもそもなくて、
自分が納得したらOKみたいなところもあるのが、すごく困惑中ですけど。
でも稽古ってそういうもんだと思うんですよ。
稽古が必要なのは、そういうことだと思っています。
そうですね。稽古あってありがたいなって毎度毎度思いますね。
ユースケさん
その稽古自体を僕は充実させたくて、
まーちん
あんまり皆さんには話せてないんですけど、結構細かいルールがあったりするんです、実は。
ユースケさん
一回マーティンさんにルールがあるんで、ちょっと後で話しますみたいなこと言って話してないんですけど。
まーちん
でも、あのときにすごい察するっていう感じ。
ユースケさん
やっぱりチャレンジする場所だし、
自分の普段、さっきマーティンさんが言ったサービス業をやってきた人間が自己表現するっていうのの狭間みたいなのってあるじゃないですか。
その一枚なんか自分がベールを脱ぐじゃないですけど、
まーちん
その普段見せない自分をどうやったら見せてくれるんだろうなっていうのを考えながら稽古してるんですね。
ユースケさん
なんか社会性を帯びた状態で読まれると難しいじゃないですか、それって。
まーちん
そうですね。
ユースケさん
それこそ音読になっちゃうんで。
なので、そこを頑張って一枚一肌脱いでいただいて、
まーちん
普段見せない自分を見せてほしいんですっていうのの環境を作るには、やっぱり稽古場にはちょっとルールが必要で。
そうですね。安心して試せるっていうのが一番大事ですよね。
ユースケさん
そうなんですよね。
昔はハイザラ飛んでたりとかしてたらしいんですけど。
まーちん
ハイザラ怖いよ。
ユースケさん
ハイザラ飛んだりね。
そんな歴史も新しいんですが。
まーちん
僕はたぶん各カンパニーによってそういうルールは全然違うと思うんですけど、
ユースケさん
例で言うとダメ出しっていう言葉を使わないとか。
ダメ出しじゃなくて丸を出しますみたいな。
いいところを伝えるからダメ出しじゃなくて丸出しですみたいな。
そういう言葉一つルール違うところもあったりとかして。
今回もそういうちょっと安全な場所で、安全な空間というか環境を作りつつ、
何か豊かなみなさんの表情とか表現を見たいなと思いながらやり取りしてるって感じですね。
まーちん
なるほど。ありがとうございます。
30分ほど今お話しさせてもらっているんですが、
のやぎさんがコメントをくださってますね。今聞きに来て。
書いて読む自己表現ともすると逃げ持ちがなくなるかもなのだけど、
ユースケさんは結構絶妙で発言がたくさんで楽しいです。
ユースケさん
ありがとうございます。
本当にね、恨まれてるんじゃないかと思ってますからね。
本当に絶対に言葉をやり取りしなきゃいけないじゃないですか。
まーちん
本当にね、ねって思いながら。
いやーすごく面白いですね。
そんなふうに考えてるのかっていうところが、
ユースケさん
私もまだちょろっとだけど、いっぱい発言はあって、
まーちん
一夫妥当としてはどこまでできるのかがんばりたい所存です。
ユースケさん
でもね、たくさん発言してね、締め切りは決まってますから、
あと10日後もなので、その間にできるだけたくさんの発言をして、
それをね、当日お届けできたらいいなという感じはしてます。
まーちん
はい、ありがとうございます。