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この番組は、言語大好きで英語嫌いな私、ソウイチが、英語への悪口を垂れ流しながら、
言語についていろいろなことを考えていくポッドキャストプログラムになっています。
番組内で登場する英語への悪口は、全て私の個人的な見解ですので、どうぞご了承ください。
はい、どうも。こんにちは。エイゴサーチのお時間でございます。
さて、12月に入りましたね。
僕の仕事的に、年末だから特別忙しいってことは別にないんですけれども、
まあでも仕事以外のね、ちょっとプライベートな部分で何かとせわしない日々が続いています。
落ち着けるのはもう12月の後半ぐらいからかなぁと思っていますね。
まあ、プライベートな予定ってほとんど遊びみたいなもんなんで、
まあ、なんとかね、頑張って更新していこうと思います。
さて、みんなはシュトレンというお菓子を知ってますでしょうか?
ドイツの冬の伝統的なお菓子で、クリスマス前の対抗節という時期に食べられる菓子パンみたいなお菓子です。
対抗節というのは、12月の頭からクリスマスまでのそのクリスマスを待ち望む時期を言います。
要するに今の時期ですね。
砂糖とスパイスをふんだんに使った冬の保存食としての役割もあるみたいなんですけど、
ドイツではね、クリスマスといえばシュトレン、シュトレンといったらクリスマスみたいなイメージがあるみたいで、
毎年この時期によく食べられている、冬の風物詩みたいなものですね。
さて、このシュトレンについて毎年この時期にツイッター上でちょっと話題になっていることがあります。
ツイッターのハッシュタグでシュトレン警察、もしくはシュトーレン警察っていうのがありまして、
もし興味がある方は面白いのでちょっと検索してみたらいいと思います。
カタカナ表記でシュトーレンって書いている人に声をかけて回っている人々がいるんですね。
まあもちろんねツイッター特有のノリではあるんですけれども、
あの中にはね結構いかにこうシュトレンって書くことがダメでシュトレンじゃなきゃいけないのかっていうことを長文でね書き込んでいる方がいらっしゃって、
まあなんかこうちょっとドイツ語学習界隈こえーって毎年思ってるんですけど。
だってこのシュトレンと短く書くべきなのか、音弾きの棒を使ってシュトーレンと書くべきなのか、
母音が伸びるのか伸びないのか、長母音を使うのか短母音を使うのか、どっちがより妥当なのかっていう話をするんだったら、
まずはドイツ語でその音の長短、長母音なのか短母音なのかっていうことがどうなっているのかっていう話をまずはしないといけないかなと思います。
ドイツ語で母音が伸びるときっていうのは実はかなり厳格な決まりがあるんですね。
一つには母音の後ろにハー、Hが続くときです。
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そのハー自体は読まれなくて母音が代わりに伸びます。
ドイツ語で行くという意味の動詞ゲーエンっていうのがあるんですけど、ゲーの後にハーがあるのでうっかりするとゲーヘンっていう味噌になっちゃうんですけどゲーエンが正解です。
もう一つはちょっと複雑で、アクセントのある母音で後ろに子音字が一つしか続かないときはその母音が伸びます。
子音字が2つ以上あるときには伸びません。
アクセントがどこにあるかってのはまたちょっと色々複雑なんですけど、基本的には単語の最初の母音に落ちることが多いです。
さてここでストレンという単語を見てみると、綴りとしてはS-T-O-L-L-E-Nと綴ります。
アクセントはOにあるので、その次に続くLL、子音字が2つありますから、これはドイツ語的にはシュトーレンと短く発音するのが正しいということになります。
ちなみにLを一つにして長い母音で発音するとシュトーレンって言うんですけど、これはね肩にかけるストールの複数形になるみたいで、ちょっとね間違えると困ったことになってしまいます。
ツイッター上のシュトーレン警察はまさにこの点を指摘しているわけですね。
それはそれとしてもう一つここで指摘しておきたいことがあります。
ドイツ語の長母音と短母音の差って実は長さだけのことではないんですよね。
母音の質というか発音自体がちょっともうすでに違うんですよ。
ドイツ語の短い単母音のオっていうのは広いオとか明るいオって言われるオっていう発音なんですね。
それに対して長いオ、長母音のオはもっと口をすぼめてオーっていうふうに言います。
オとオーの対立なんですね。
これ多分なんですけど、仮にねドイツ人の前ですぼめた方のオを短く発音してもおそらく長母音のオに聞こえると思うし、
逆に広い方のオをいくら長く伸ばして発音したところで、ドイツ人の耳にはやっぱりね単母音の短い方のオに聞こえるんじゃないかなと思うんですよね。
つまりシュトレンが正解だとして、シュトーレンって言っても多分この人なんかちょっと黙ってんのかなって思われるぐらいで、ちゃんと正しく発音してる認定をしてもらえるんじゃないかと思うんですよ。
むしろ短いオとだとしてもシュトレンって閉じたオで言ってしまうと、これはこれで間違った認定されちゃうんじゃないかなって思うんですよね。
一度このドイツ人、現役のネイティブのドイツ人に話を聞いてみたいところです。
何しろいずれにしても短いオと長いオで母音の質がすでに違っているということで、実はね長さ自体はあんまり本質的な違いじゃないんじゃないかなっていうふうによく思ってるんですね。
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なので日本語の仮名表記でシュトレンかシュトーレンがどっちが正しいかって話になった時に、結局オでその母音の広いか狭いかを書き表せない以上、どっちも正解でありどっちも不正解であるみたいな気がするんですよね。
もちろんね母音の違いを書き表せないからこそ長さで違いを表そうっていう考え方自体はすごくよくわかるし、だからだからシュトレンが正しいんだっていう説明も全然わかるんですけど、まあでもいちいち指摘するほどのもんでもないんじゃないかなっていう気はするんですよね。
カタカナになった時に母音の長短が言語と違うって結構よくあることですし、特にねフランス語由来の外来語だとフランス語って母音の長短をあんまり気にしない言語なので、すごいなんか結構自由に伸び縮みしている印象があります。
そもそもね、この長母音とか短母音っていう風に母音の長さが違うんですよみたいな名前がやっぱちょっと違うような気がするんですよね。まあ長母音短母音って英語でもlong vowel short vowelって言うんで、もうそこからの翻訳だから仕方ないっちゃ仕方ないんですけど、でももうすでに母音が違ってるんだからもうちょっとなんか違いは長さだけじゃないんだよっていうことをね、もうちょっとあのわかりやすいようなネーミングにしてほしいなっていう気がします。
英語なんかだと長母音と呼ばれるものって、いわゆる母音字をアルファベット読みしたもの、つまりA E I O Uのことなんですね。これこそ長いとか短いとかそういう問題じゃないだろうってなるんじゃないでしょうか。
まあね、いろいろ話してきましたけれどもね、こんなこうやって首都連の話を散々してきたらなんかだんだん私も首都連食べたくなってきました。皆さんはその首都連警察についてどんな風に思いますでしょうか。もしよろしかったらお便りフォームの方からご意見ご感想などを送っていただけるととっても嬉しいです。それから私こっそりyoutubeの更新なんかもしているので、もしよろしかったらそちらの方も見てみてください。
というわけで、今日はちょっと英語の話というよりはドイツ語の話になってしまいましたが、今日はここまでにしようと思います。ではまた。