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2022-05-06 19:59

今日の10分de1テーマ「傷を受けて生まれ変わる〜性犯罪被害にあうということ」終

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。[beats by type-AB]
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というわけで、昨日の続きです。
まあですね、この感じで厳しい局面は続くんですけど、厳しい事件なんで厳しいことは続くんですが、
ただ、この本を書くに至るまでの、この後はですね、割と回復の物語というか、回復というよりは生まれ変わりの物語って感じなんですよね。
最初の効果というか、どん底でのた打ち回っている状態からですね、最初に立ち直り、生まれ変わってくるみたいな一歩目みたいなことが描かれるんですけど、
それはですね、主流から外れた人間に感情移入するっていうことが、自分の変化として感じ取れたと。
自分自身がですね、その事件にあったことで、主流から外れてしまったと思って、それで苦しんでいる、もう違う世界線に入ってしまったみたいな風に思っているんだけど、
事件からですね、少しずつ、ちょっと時間が経つんですけど、周囲の主流から外れている人、ちょっと弱い人とか、もちろん同じ被害者だったりとか、みたいな人に対して感情移入をするようになったっていうんですよね。
で、このですね、ある種自分が追い詰められた時にですね、まさに主流から外れたんじゃないかぐらいのですね、自分が今まで何というか疑いもなく主流だと思っていたら、
主流じゃないところにまでですね、追いやられてですね、わぁどうしようと思った結果、主流から外れた人間に感情移入するようになるっていうのは、僕も経験があるんですよね。
僕の場合はですね、もちろんこんなひどい目にあってなくてですね、大学生の時に就職決まった後にですね、希望の会社に就職できたわけですよ。
で、よっしゃーっつって、何だったら結構早く決まってですね、ここからですね、もう8ヶ月か10ヶ月、もっとかな、ぐらいですね、
もう大学のことも後卒論書くぐらいでもう自由時間みたいな感じでですね、ひゃっほーみたいな感じの、やったーみたいな風に思ってたんですけど、
そんな時にですね、パニック障害とですね、鬱を発症しちゃうんですよね。
でですね、まあそれはですね、本当にびっくりしたんですけど、自分がそんなになるとも思ってなかったし、
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まあその症状自体もですね、謎すぎて、特にパニックはですね、本当怖かったですね、もうなんだこれみたいな、おかしくなっちゃうんじゃないかみたいな感じでですね、
心臓バクバク言ってですね、すごいやばかったんですけど、でですね、その後もうちょっとこの鬱状態みたいに入ると、
で、文字読めないし、なんかもうほんとそらそらしいんですよ全てが、
しですね、もうその頭は回ってないし、みたいな感じでですね、
あの、まあ変な話、なんて言うんですかね、
本当に一度やってね、希望の返しも決まったけどってなってるんですけど、こんな状態の自分が本当に世に出て働けるんだろうか、みたいな感じにも思いましたし、
というか本当に俺はずっとこんな感じなんだろうか、みたいな感じにも思ったと、
まあ結果から言うとですね、大学だからその4年生の1年間くらいをかけて、まあまあ良くなってですね、
で、会社入って最初の頃はですね、ちょっとこう、まだ少し残りが残ってるくらいだったんですけど、
まあその後はですね、まあ普通に今まで働いてるんですが、
まあそういうですね、精神的な危機に陥ったこともなくですね、働いてるんですけど、
ただですね、その時にそのことがあった前後でですね、まあはっきりとやっぱりその、
まあこの方の言葉を借りると主流から外れた人に感情移入するっていうのにやっぱりかなり変わったんですよね、
なんかもう本当にですね、なんていうか、そっちに目がいくようになっちゃった。
前もちょっと話してましたけど、犯罪が起こった時にですね、
加害者がなんでこんなことしたのかな、みたいな風に思うようになったみたいな。
多分それぐらいまで、それまで、まあ20歳くらいまではですね、
ひどい事件とか見たら、なんだこんなひどい事件、こんな犯人死ねばいいのに、みたいなぐらいな感じだったと思うんですけど、
なんでこんなことしちゃったのかな、みたいな風に逆に犯人の方に感情移入して、
感情移入っていうのかな、まあ興味がいってしまうとか、まあそういうことはあったんですけど、
なんかですね、まあこういう、なんていうか、同じようなことが起こったんじゃないかなと思うんですよね。
ちょっとね、一緒にしちゃうと申し訳ない気もしますけど。
でですね、やっぱりこういう大きい傷から立ち直る時に、それまでと違う世界観を身につけることっていうのはあると思っていて、
これはですね、ある種必要に迫られて身につけるものだと思うんですよね。
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で、このくだりを読んだ時にですね、最近NHKスペシャルで見て、すごい面白かったんですけど、
ABC予想っていうのを証明した兄弟の餅月教授という人がいて、
その人のですね、数学的にABC予想の証明をした手法というのがですね、
めちゃくちゃこう、数学の常識をものすごく問う内容でですね、
まあなんていうか賛否両論、一応それで証明されましたと受理はされた、
科学雑誌には受理されたんだけど、数学者でもですね、すごい高名な数学者でもあれは違うんじゃないかって言っている人もまだまだいるみたいな、
もう半々に分かれてるみたいな状態らしいんですよね。
でですね、それが今までのやり方の中でですね、これ解けんじゃないかと思って解こうとしてたら、
これはもうこれじゃ解けないってことが分かって、
これ全く新しい今までにない手法を取らないとこのABC予想の証明はできないねってことになってですね、
すごい全く新しい数学体系を一つ作り出すっていう、
まあこれはもう細かい説明はできないんですけど、
ということで解いたんですよね。
宇宙論ターミナル手法みたいな、全然これ性格じゃないですけど、
そんなようなやり方でですね、本当にもう一つ数学宇宙を作ってそれを使って解くっていうですね、
なんじゃそりゃみたいな方法だったんですよね。
で、このことにすごく似てると思ってて、どうしても解けない問題があると。
で、時にですね、それを解くための新しい体系だったりとか物の見方というのが必然的に要請されるという感じだなと思ったんですよね。
でですね、まあだからといってですね、
それでね、新しい世界観とか物の見方が身についたから良かったねって言ったらですね、
そんなもんない方が良かったわっていう感じなんですけど、
ただですね、結果ね、そういうことがあって身についた物の見方とか新しい世界観っていうそれ自体はいいことだと思うんですよね。
でですね、その後立ち直った彼女はですね、いろんな人と出会っておくわけですけど、
それらの人をですね、公表してるんですけど、
元彼については知っている人、これは本当に事件の時、現場に駆けつけたみたいなことでですね、
生の状況を知っている人ですよね、元彼のことは知っている人。
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で、あとネットでですね、同じ性犯罪被害者であってですね、
その一人とすごいやり取りをして、お互いを励まし合うとか、お互いの情報交換するっていうような友達みたいなのができるんですけど、
その人のことは理解している人と、本当そうですよね、
その分かりようがないことをとにかく分かろうとしてくれって彼女は言ってましたけど、
その分かりようがないことっていうのを、かなり近いものまで分かってしまっている人のわけですよね。
で、同じような目にあったという意味では、理解してくれる人と、その気持ちが分かるよっていうのを理解している人だと。
で、やっぱりこのネットで知り合った同じ被害者ぐらいな、この距離感ですよね、
この距離感みたいな人が、本当にインターネットできてよかったなと思いますけど、
じゃないとその時の彼女の支えになるのは慣れないと思うんですよね。
やっぱり近くてですね、分からない人がよく分からないけど分かろうとするっていうことの強度だけではですね、
とてもじゃないから支えきれないなと思うんですけど、
そういう意味では同じ被害者の方と会って、仲良くなってですね、理解している人というのと出会ったと。
で、その後ですね、どんどん少しずつ立ち直ってきてですね、結婚もするんですよね。
結婚もするんですけど、その事件のことは一応言ったのかな。
言ったんだけどあんまり、そっか、そんなことあったんだぐらいな感じですね。
そんなにそこまでめちゃめちゃ深刻に逆に捉えてなくて。
だからですね、すごいこういう真理あるんだ、あるよなと思ったんですけど、
自分は順調な人生を送っているというふうに上辺を取り繕いたかったから結婚したって言うんですよね。
でですね、そんな理由なんで、やはり後に離婚するわけですけど、
でですね、そんな感じで立ち直りつつも、でもやっぱり自分は順調だって上辺を取り繕うために、
どうなんでしょうね、好きでもなかったのかわからないですけど、
少なくともセックスをするということに対してものすごく拒否反応があるのに、
結婚をしていてですね、それが原因でやっぱり別れることになるわけですよね。
で、立ち直りつつもそういう部分もまだあるみたいな不安定な状況はもちろん続いてますっていう中で、
カウンセラーと出会うと。
カウンセラーと出会ってたんですけど、その人のことをですね、違和感を拭ってくれる人って言ってるんですよね。
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で、これもなるほどなと思ったんですよね。
傷もですね、なんとか癒えてきた。
まだまだ生々しいけど、少しずつ傍客っていうのも少しずつできるようになってきたみたいな中でですね、
でもなんかやっぱりそのままですね、社会に戻るには何か変だなっていう感覚を抱えてですね、
何か自分の中のモヤモヤを抱えて生きてるっていう時に、
カウンセラーとか違和感を拭ってくれたと言っていてですね、
それはなるほどなと思ったんですよね。
で、その違和感を拭ってくれたことで、
もうですね、この抑え込まれていたものが解き放たれたように、
私被害者支援がしたいみたいな感じでワーって活動的にワーっとなっていくと。
でですね、そんな中でまた新しく同じ被害者支援をしている方とですね、やり取りみたいなことをするようになってですね、
で、私はこの意見交換みたいなことをしてた時にですね、
すごい面白いなと思ったのがですね、
送ったメールの中でですね、私の痛みみたいな文章、言葉をいくつか書いてたらしいんですよね。
で、その時に痛いっていう字にするか、それとも果物が痛んだみたいな傷っていう字の痛みにするか、
どっちの漢字を使おうかなと思って、
この傷の方で書いてたんだけど、
いや、こっちの方は正確かなって言って、痛いの方に書き換えたらしいんですよね。
文中の痛みっていう言葉を。
そこにその人はすごく目ざとか反応してですね、
ここで痛みっていう漢字を使ってますけど、
この痛いっていう字で痛みっていう漢字を使ってますけど、
なんかすごくそこに思い当たることがあったと。
この痛みっていうのは当人にしかわからないことだと。
なんだけど、例えば行政機関だったりとか、
例えば裁判とかの機関だったりとかっていうのは、
その痛み、この痛いの痛みじゃなくて、傷の痛みとして捉えてるんじゃないかって言ってて、
ある種回復可能な損傷として捉えてるんじゃないかと。
本人には私にしかわからないとんでもない痛さっていうのと、
回復可能な傷ですねって捉えてるっていうのの、
そのズレが多分あるんだなっていうことに気がついたと。
このズレをつなぐようなことを、
多分被害者支援はしなきゃいけないんじゃないかみたいな話になっててですね。
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それにもすごく気づかされたみたいな感じですね。
少しずつ、ある種このままだと死ぬみたいな大ダメージからですね、
一歩一歩回復するんですけど、回復する中で超回復というか、
以前考えもしなかったようなこととかに気がついていってですね、
ある種生まれ変わっていくんですよね。
その過程はですね、すごく丁寧に描かれてて、
そこもすごい良かったんですよね。
でですね、この痛みと痛みっていうのが、
前僕が話してた納得と説明の違いにちょっと近いと思ってるんですよね。
で、実際ですね、この方はPTSDだったと思う、
あの時はPTSDだったと思うとか、
と言っても圧倉って感じですね、今はみたいなことを本の中に書いてるんですよね。
後のうちに、結局容疑者がわかんなくて、
容疑者不明みたいな形で不寄所処分になりましたみたいな手紙がパラッと送られてきたと、
その警察に訴えたんだけど。
っていうのを見ても、圧倉とか、
あと裁判で云々観音みたいな、圧倉みたいな感じで、
そのですね、診断名PTSDです、不寄所になりました、裁判が云々観音ですみたいなことに関してですね、
全部圧倉って感じなんですよね。
これはですね、やっぱり傷の方の痛みとか、事実の話だったりとかをしていると。
でも、事実か真実というか、事件はどんなことがあったんだとか、
あなたはPTSDという病気ですみたいな話ですね。
なんか絶対的だったり客観的な事実の話をしていて、
そういうこともどうでもいいんだよねみたいな感じですね。
本当の事実、真実みたいなものは自分が感じることなんだと。
心の中に今感じていることっていうのを伝え合うことが支援なんじゃないかと。
そして私が求めている理解っていうのはそういうことなんじゃないかって言ってるんですよね。
世の中を回している客観的で絶対的な事実、言葉みたいなものとも言えるかもしれないですけど、
そういうものからですね、圧倉という距離をとってですね、
今自分が感じていること、あなたが感じていることっていうのを伝え合うと。
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それこそが理解であり支援であるというような、ある境地に達しているんですよね。
そんな感じでですね、結局その後ですね、少しずつ忘却していったと。
最初はですね、自分が忘れるっていうのは単純に犯人にとってはですね、
嬉しいことでしかないから、忘れそうになってたみたいな感じで頑張って思い出そうとかしたりとかしたらしいんですけど、
少しずつ、まあでもそれもいいか。
今忘れて、自然と忘れていこうとしていることも、
いろんな肌触りみたいなこともなくなっていってることですね。
事件の肌触りみたいなものもなくなっていることも、まあいいか。
それはそれでという風になってきて、
まあいろいろあって、この本を書くということになってったわけですよね。
で、それはまあ4年かかったと言っているんですけど、
だからですね、なんかこう、なんていうんですかね、この奇跡ですよね。
そのとんでもない目にですね、合わされた後ですね、
そこから人間っていうのがどういう風に立ち直っていくのか、
なんていうか、どうやって生き延びていくのか、
生まれ変わっていくのかみたいなことがですね、
すごく率直に描かれてて、本当にですね、
いい本だったなという風に思いました。
というわけでですね、なかなかヘビーな内容ではあったんですけど、
でも本当に読んでよかったなと思いました。
本日は以上です。ありがとうございました。
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