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2022-05-09 14:45

今日の10分de1テーマ「橋本治さんを鑑定して」

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本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。
[beats by P.J INLAND]
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最近読んだ本の話ですが、次の本は橋本オサムさんの「たとえ世界が終わっても」という本です。
これは僕の先輩に勧められたというか、橋本オサムって読んだことあるって言われて、「ないです。」って言ったんです。
読んだんだけど、これ信用できるのかどうなのかなと思って、ちょっと読んでみてみたいなことを言われまして、
何でも官邸団の気分というか、これを信用できるかどうか読んで確かめてくれみたいな感じにちょっと思って、面白いなと思って。
橋本オサムか、有名な方なのに全然イメージないわと思って、
プロフィールを見たら、小林秀夫賞とか柴田錬三郎賞とか、毎日出版文化賞とかいっぱい賞を取ってて、
なんか偉い著者さんみたいなんですけど、
それで、たとえ世界が終わってもという本を読んでみたんですよね。
僕がこんな権威ある賞をいっぱい取ってる人の官邸していいんやろうかと思いながら、官邸してみようと読んで、官邸結果が出たんですけど、
結論から言うと、老人のくりごとでしたね。
本当にこれほど老人のくりごとという言葉がピッタリくる本なかなかないなと思ったんですけど、
これちょっと前の本でですね、トランプの当選とかイギリスのEU離脱を見てですね、
著者的に多分いろいろ思ったことがあって、そのことについて話したいから、
講述筆記というか、対等の担当編集者との対談形式みたいな感じで、
自分の思っていることを話させてくれるみたいな感じだったんですよね。
いろいろ話してるんですけど、
まずこの人前書きでですね、自分はすごい難病で、
私は個人的には世界が終わっても構わないと思っています。
何しろ私の残りの人生はどうでもいい消化試合ですからって言ってるんですよね。
自分も病気もしてるし、年も戻ってるから、残りの人生も消化試合みたいなもんだと、
その中でもこのEUのやつとか見てても思うことはあるので、
それについて話させてもらいますねみたいな感じなんですよね。
話し始めると、わりと世界史の話とかですね、
自分の個人的な思い出の話とかですね、いろいろしながら、
03:03
結局EUみたいな大きいものを作ろうみたいなのも限界だと思うんですよねみたいな話をしてるんですけど、
全く全く心に響かないって感じでですね。
言ってることはもうそんなにですね、
なんかすごい印象論でもありますし、
ただその印象論がですね、めちゃくちゃ変なこと言ってるなって感じでもないんですけど、
ただボヤっとした印象論とですね、
すごい裏付けのない印象論とですね、
すごい自分の知識、過去の知識とですね、
あの時と似てるこの時と似てるみたいなことを言いながら話してるって感じで、
言っちゃうと僕のラジオ、このラジオみたいなもんなんですけど、
でも本当ですね、こう言うとあれなんですけど、
まだ僕のラジオの方が立派だと思ってて、
なんでですね、こんな偉い著者の方の、ゆえとも本よりですね、
僕のラジオの方が立派かと、まだ思うかというとですね、
この人の真に迫ってないんですよね。
この人がですね、最初に言ってたみたいに、
どうせ俺からしてたら紹介試合みたいなもんだからって言って、
でもみんなのために一応言わせてもらいますねみたいな感じでですね、
全然自分の切実なものが入ってないんですよ。
で、身を切るようなですね、
こう思ってたんだけどとか、
もっとこういう世界であったらいいなと思ったんだけど、
こんなんでなんでこうなのかとかですね、
何かできることないのかとかですね、
俺はこの間こんなことあったんだけど、こう思ったんだ、
もっとこうなるべきなんじゃないのかみたいなですね、
何て言うんですかね、血が通ってないんですよね。
何か本当に余力なんですよ。
まさにどうでもいい昇華試合を過ごしている老人のくりごとなんですよね。
でですね、それはですね、
何か僕は本当にある意味があまり感じられないですね。
前の性犯罪の被害に遭った方っていうのも、
文字から血が滲んでるみたいなですね、
何かある種、この本を出さないと生きてらんないぐらいの切実さがあるわけですよ。
そういう人の切実な気持ちっていうのはやっぱりですね、
迫ってくるものがあるんですよね。
ちゃんとですね、あの方が言っていた心の中の事実と心の中の事実を伝え合うことっていうのが理解ですよね、
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客観的な説明とかじゃなくてみたいなことをおっしゃってましたけど、
そういうものをですね、
やむにやまれずというか、こうしていかないと生きてらんないぐらいの切実さで語ってるわけですよね。
そういうものはやっぱり胸を打ちますよね。
すごいなーと思ってですね、
なんか本当にこう1時間ぐらい話しちゃったりするわけですけど、
マジでなんかこう、それが全くないですよね。
昨日ですね、失敗の科学家っていう本の話をしてましたけど、
そのフィードバックが起こらないみたいな話があってですね、
フィードバックが起こらない状況とかっていうのがいくつも紹介されていると、
その中の一つにですね、
記憶を後からでも人間というのは編集したりとかできてしまうと、
自分にとって都合のいい物語とか、
自分にとって都合の悪い事実はやっぱり忘れがちでっていうような、
ある種人間としての性質があって、
そういうことが起こっているとやっぱりフィードバックが起こりづらいですよね。
自分のやっていることに対して正当なですね、
あれは失敗だったな、あれは上手くいったなとかみたいなことはですね、
かなりフラットに見れていないとですね、
フィードバックが起こらなくて、
あれは人は失敗だと思っているが、
いや実はそうではなくて私の信念と云々観音でとかですね、
あれはあえてそういう風にしたみたいなことを後でも言えちゃうし、
何だったらそれを自分で信じ込んでしまうという、
人間の差がみたいなものがあるんですよね。
あってですね、そうしたらフィードバック起こらないよねみたいな話があったんですけど、
この本もですね、そういうですね、
フィードバックが起こらない人間の差が炸裂しててですね、
めちゃくちゃ面白かったんですけど、
何かとにかくその、何ていうんですかね、
この人はバブルを経験してですね、
その時に人間の欲望みたいなものの何かこう、
何ていうか馬鹿らしさみたいなことにほとんど気が付いたみたいなことを言っているんですよね。
言っててですね、
とにかくでもそこからですね、
父親の商売が一回すげえわーって儲けてですね、
わーってその父親がすごい派手な服装とかするようになって、
わー恥ずかしいとか思ってたら今度は逆に没落していって、
みたいな、
あの、いうのを経験して、
まあやっぱ何か、金なんて、
何かどう、何か所詮金だなみたいな感覚になってですね、
まあ必要なだけあればいいやみたいな、
こう気持ちにそうそうなったと。
だからバブルも冷めた目で見ていたみたいな感じなわけですよね。
でですね、
40万円になって年収が4000万を超えた時に、
09:02
もう金はいいなと自分は思ったと。
と言ってさらっと年収自慢を入れてきているんですけど、
この辺も何かちょっと何か、
まあ逆にかわいい、おじいちゃんかわいいなって感じなんですけど、
でですね、
こう言ってるんですよね、
40万円に金はもういいかと思った私は、
その後に貧乏になるという決断をします。
別に難しいことじゃありません。
まだまだ上がりますよと銀行に言われる物件を、
そんなはずないじゃん。
これ以上値上がりするなんて考えた方がおかしい。
と言って、
損を前提にして買ってしまえばいいのです。
バブルの最末年頃ですから簡単です。
私は自分の意思で貧乏になりました。
って言ってて、
なわけあるかと思ったんですよね。
あの、絶対そんなことねえだろ、
その時みたいな。
本当にその時たぶんね、
普通に、
あの、
えっと、
わー好きなんかやべえ、
これなんか物件買わないと、
損するんじゃねえかみたいな感じですね。
買ったら、
まあ普通にバブルがはじけただけだと思うんですけど、
後からこんなかっこいいストーリーにしてるんですよね。
だってですね、
この人なんかすごい、
その、
なんて言うんですかね、
経済が発展していくにつれて、
その自分が好きな空間、
例えばですか畑とかですね、
そういうのがどんどんで、
こう、
子供の時に、
バッタを追っていた畑みたいなのがですね、
どんどん潰されてこう、
マンションとかになっていくみたいなのがですね、
すごく苦々しく、
あの、
こんな、
こんな人間の欲望はもう、
十分満たされてるはずなのに、
こんなものが失われてっていいのか、
みたいなことをですね、
思いながら、
こう、
成長していったみたいなことを書いてるんですけど、
あの、
なのにですね、
その余った金をですね、
なぜかですね、
で、
まあいわば、
それでも金を追っている人間のことはバカだと思ってる、
という風に書いてるわけですよね。
だとしたらですね、
そんな人をですね、
喜ばしたりですね、
さらにその人の経済の、
その懐が潤うのにですね、
そんなバカにですね、
金を掴まして、
懐が潤うのに、
協力しない方がいいわけじゃないですか。
だからですね、
決してこのバブルの最高値の時にですね、
そんな物件を、
買わない方がいいと思うんですけど、
この考え方だったらね、
買って損してるんですよね、
貧乏になるために。
同じ貧乏になるんだったら、
すごいですね、
高いお金払ってですね、
あの、
畑を買ってですね、
自分のちゃんと好きだった畑を、
この一画地だけでも作ろうとかですね、
なんかその開発を止めるような方向にですね、
なんか、
あの、
お金使うとかですね、
もしくはなんか寄付をするとかですね、
まあそういろんな貧乏なり方あったと思うんですけど、
なぜか、
なぜかバブルの時に、
物件を買うという方法で貧乏になっていると、
なんでだーみたいな、
なんでだ橋本様、
みたいな、
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とは思うんですけど、
まあこんな風にですね、
こう、
ね、
あの、
全部最初からお見通しでしたよ、
僕には、
みたいなことをですね、
まあおじいちゃんだったらいくらでも言えるわけですよね、
まあ後から振り返ればね、
で、
あの、
それをですね、
フィードバックが働いていないなというふうに今、
思いましたし、
まあ、
なんですかね、
結局、
老人のくりごとって、
あの、
別に老人、
老人でもほんと素晴らしい言葉を言っている人はたくさんいますよね、
もうほんとに切実な言葉を言ってくれる人いるなと思うんですけど、
やっぱこういうですね、
なんか安全地帯からですね、
あの、
俺はすべてお見通しで全部見えてるけど、
君ら見えてないみたいだから言おうか、
みたいな、
どうせ俺からするとはもう関係ねえしみたいなですね、
これが老人のくりごとって思いましたね、
でもこれは老人のくりごとって言葉があるだけで、
別にですね、
10代が言おうが20代が言おうが30代が言おうが、
くりごとですけど、
あの、
こういうですね、
なんかこう身の入ってない、
あの、
ほんと言葉、
ほんと言葉、
ほんと意味ねえなと思いましたね、
だからですね、
僕このラジオはですね、
ちゃんと自分のですね、
あの、
切実な気持ちで、
あの、
切実に思ってることをちゃんと話してるんで、
俺のこのラジオの方がこの本よりは上等だなと思いました、
というわけで本日は以上です、
ありがとうございました。
で、終わろうと思ったんですけど、
なんかその後ですね、
調べたらこの方は、
この方は2,3年くらい前に亡くなってたんですね、
なんかそう考えるとですね、
なんかちょっと悪く言っちゃったなと思ったんですけど、
ただね、
この本はほんとに、
まあでも逆にね、
2,3年前に亡くなったってことは、
この本を書く時にはもうあと2,3年くらいでですね、
多分亡くなるとこだったんだなって思うとですね、
まあ、
そんな時にね、
確かに、
何かの当事者意識を持ってですね、
なんかあの切実なことを言うみたいなことはですね、
まあ難しかったのかもしれないなと思いましたね、
なのでですね、
まあちょっと他の本読んでみようかなと思いました、
まあどうなろうな、
面白いのかな、
わかんないけど、
まあ古典の本とかちょっと面白そうかなと思いましたね、
この人の著作の他のリストを見て、
全くほんと馴染みがない著者の方なんでですね、
もしこの人読むんだったらこれ面白いよって人あったら教えてください、
というわけでよろしくお願いします。
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